寺崎電気産業 (6637) 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、寺崎電気産業(証券コード: 6637)について、提供データに基づき分析したレポートをお届けします。
1. 企業情報
寺崎電気産業株式会社は、船舶用および産業用の配電制御システム、遮断器、医療機器の製造・販売を国内外で手掛ける企業です。特に、船舶・産業用配電制御システムにおいては国内大手で、同分野での国内シェアは首位を占めています。海外展開も積極的に推進しており、グローバルな事業活動を行っています。2025年3月期の連結事業構成は、システム部門が58%、機器部門が42%を占め、海外売上比率は63%です。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、電気機器セクターに分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は船舶・産業用配電制御システムにおいて国内首位の地位を確立しており、これが主要な競争優位性と考えられます。長年の実績と技術力により、安定した顧客基盤と高い市場シェアを維持していると推測されます。また、海外展開を積極的に推進している点も、国内市場の成熟に対応し、グローバルでの成長機会を追求する上での強みと言えます。最新の決算短信補足資料では、船舶用システム製品において豊富な造船向け受注残を背景に好調に推移していることが示されており、市場における確固たるポジションを示しています。
3. 経営戦略と重点分野
提供資料からは、明確な中期経営計画の全体像は確認できませんが、直近の動向として、中東地域におけるエンジニアリングおよびライフサイクルサービスの強化に注力していることがうかがえます。具体的には、カタールに新たなGlobal Service Network拠点を設立し、中東地域での製品保守サービスの迅速な提供とエンジニアリングサービスの強化を図る方針を示しています。これはグローバル展開とサービス提供能力の向上を重点分野としていることを示唆しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、船舶用・産業用システム製品、機器製品、医療機器、そしてエンジニアリングおよびライフサイクルサービスといった多様な事業領域に支えられています。特に、国内首位の船舶用システム製品は、堅調な造船需要と豊富な受注残に裏打ちされており、安定した収益源となっています。海外売上比率が63%と高い点も、特定の地域市場に依存しない持続可能な成長を目指す姿勢を示しています。ライフサイクルサービスの強化は、製品販売後の継続的な収益確保に寄与し、市場ニーズの変化への適応力を高める要素となります。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な詳細記述は提供資料にはありませんが、配電制御システムや遮断器といった基幹的な電気機器分野で国内首位であることから、その分野での技術力とノウハウが事業を支えていると考えられます。売上を牽引する主力製品は、連結事業構成から「システム」部門が全体の58%を占めており、船舶・産業用配電制御システムがこれに該当します。また、メディカルデバイスも手掛けており、事業の多角化を進めています。
6. 株価の評価
現在の株価は3,770.0円です。
会社予想EPS(1株当たり利益)319.29円に基づくと、PER(株価収益率)は11.81倍です。これは業界平均PER 12.9倍と比較して、やや低い水準にあります。
実績BPS(1株当たり純資産)4,012.24円に基づくと、PBR(株価純資産倍率)は0.94倍です。これは業界平均PBR 0.8倍と比較してやや高いですが、現在の株価が1株当たり純資産を下回っていることを示しています。PBRが1倍を下回る状況は、市場が企業の純資産価値よりも低い評価をしていることを示唆する場合があります。
7. テクニカル分析
現在の株価3,770円は、年初来高値4,460円から約15%下落した水準にあり、年初来安値1,597円からは大きく上昇しています。50日移動平均線3,851.30円を下回っており、短期的な株価はやや軟調な動きを示しています。しかし、200日移動平均線2,833.81円を大きく上回っていることから、中長期的には上昇トレンドが継続していると見ることができます。直近10日間の株価は3,700円台後半から3,800円台で推移しており、一時4,000円台をつけた後、調整局面にあると言えそうです。
損益計算書(年度別比較)
- 売上高: 過去数年間で一貫して増加傾向にあり、2022年3月期の37,856百万円から2025年3月期には56,404百万円へと拡大しています。
- 営業利益: 売上高と同様に順調に増加しており、2022年3月期の1,637百万円から2025年3月期には5,618百万円に増加しました。
- 純利益: 利益も同様に増加傾向を示し、2022年3月期の1,275百万円から2025年3月期には4,451百万円となりました。
これらの傾向は、事業が堅調に成長していることを示唆しています。
主要財務指標
- 自己資本比率: (実績)69.6%は非常に高い水準であり、財務基盤の健全性を示しています。直近四半期でも約74.1%と高い水準を維持しています。
- ROE(自己資本利益率): (実績)9.06%、(過去12か月)8.58%。資本を効率的に活用して利益を生み出す能力は比較的良好です。
- ROA(総資産利益率): (過去12か月)4.80%。
- 流動比率: (直近四半期)3.04と高く、短期的な資金繰りに余裕があることを示しています。
- 総負債/自己資本比率: (直近四半期)6.14%と低く、負債依存度が低い健全な財務状況です。
最新四半期決算からの考察(2026年3月期 第1四半期)
- 売上高は前年同期比4.4%増収となりましたが、営業利益、経常利益、純利益は減益となりました。これは主に為替レートの変動(円高方向)による影響とされており、増収ながら利益率が押し下げられた形です。
- 棚卸資産の増加や現金及び預金の増加が見られ、事業活動に伴う資産の動きが確認できます。カタールへの新拠点開設など、将来に向けた投資も行われています。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の1株配当は43.00円、配当利回りは1.14%です。過去12か月の配当性向は11.71%と低く、利益に対してまだ配当余力があることを示唆しています。これは、企業の内部留保を重視し、事業投資や財務基盤の強化に充てる方針、あるいは将来の配当安定化に向けた方針である可能性があります。直近の配当権利落ち日は2025年9月29日とされています。自社株買いに関する具体的な施策については、提供資料に記載がありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は4,000円台から下落し、現在は3,700円台後半で推移しており、短期的には弱含みのモメンタムが見られます。しかし、年間では90.21%の上昇と大きなモメンタムを示しています。
信用買残が278,500株(前週比+19,900株)と増加している一方、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍です。信用買い残の増加は、将来の株価上昇を期待する投資家が存在することを示す一方で、将来的な売り圧力となる可能性も考慮する必要があります。直近の出来高は平均を下回っており、活発な取引には欠ける状況です。
11. 総評
寺崎電気産業は、船舶・産業用配電制御システム分野において国内首位の地位を築き、海外展開も積極的に進める安定した事業基盤を持つ企業です。過去数年間、売上高・利益ともに堅調な成長を続けており、高い自己資本比率と潤沢な流動性など、財務状況は非常に健全です。直近の四半期決算では、為替変動の影響で一時的に利益が減少しましたが、本業の売上は増加しており、豊富な受注残に支えられた事業の安定性がうかがえます。
株価評価においては、PERは業界平均よりやや低い水準にあり、PBRは1倍を下回るため、指標上では割安感が意識される可能性があります。株価の推移は、中長期的には上昇トレンドにあるものの、直近では高値圏から調整局面に入り、短期移動平均線を下回る動きが見られます。株主還元は配当性向が低く、利益成長に伴う配当政策の柔軟性も期待されるかもしれません。
企業情報
銘柄コード | 6637 |
企業名 | 寺崎電気産業 |
URL | http://www.terasaki.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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