4390 アイ・ピー・エス(IPS, Inc.)企業分析レポート

注記:本レポートは公開情報とご提供データに基づく客観的な整理です。投資助言は行いません。不明な項目は記載を省略しています。

1. 企業情報

  • 概要:日本・フィリピンを軸に国際通信(海底ケーブル等の容量・回線卸)、国内通信(コールセンター向けソリューション)、メディカル&ヘルスケア(フィリピン)を展開。
  • 主力:
    • 国際通信:フィリピンの通信・CATV事業者向けに国際回線を提供。C2C回線使用権やフィリピン国内基幹網(PDSCN)等の基盤を活用。
    • 国内通信:コールセンター向けソリューション(AmeyoJ、秒課金回線等)。
    • クラウド等:CloudSigma(IaaS)取り扱い。
    • メディカル&ヘルスケア:レーシック、審美、健診センター等(フィリピン)。
  • 事業構成(売上/営業利益構成、2025.3期):国際通信 73%(営業利益率高)、国内通信 16%、メディカル&ヘルスケア 10%(赤字)。
  • 上場区分:東証プライム/業種:情報・通信業
  • 従業員:822人、平均年齢42.3歳、平均年収961万円
  • 所在地:東京都中央区築地4-1-1

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • フィリピンを中心に「国際回線+国内基幹網」を組み合わせた卸売(キャリア向け)に強み。法人向け接続(グループのInfiniVAN等)で課金顧客が増加。
    • 国内はコールセンター領域での音声・ソフトウェア提供に強み。
  • 競争優位性(示唆):
    • 海底ケーブル容量(C2C)とPDSCN等の基幹網を保有・整備することで、回線コスト・品質・供給能力の面で優位性を確保しやすい構造。
    • フィリピン市場の需要成長(データセンター、AI、デジタル化)を取り込む地理的ポジション。
  • 課題:
    • 通信は資本集約的で投資回収期間が長期化しやすい。為替・規制・許認可、地政学的リスクの影響。
    • メディカル事業の収益性改善。
  • 市場シェア:公表ベースで定量把握は–(非開示)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/基本方針(開示要旨):
    • フィリピンを中心とした国際通信インフラの強化とキャリア向け卸の拡大。
    • 国内はコールセンターを中心としたソリューション提供の継続。
    • メディカルは来院数増や運営効率化で損益改善を志向。
  • 中期的な重点施策:
    • 日本―フィリピン―シンガポール間の新規国際海底ケーブルへ大型投資(当社所有分取得価額 約131百万USD、耐用年数25年、商用利用開始見込み2028年3月)。基盤強化と容量拡充を図る重要プロジェクト。
    • フィリピン国内の基幹網・法人向けインターネットの拡充(課金顧客増)。
    • 国内通信は過年度要因の一巡を経て体質改善(収益性の平準化)。
  • 通期見通し(2026年3月期 会社予想、据え置き):
    • 売上 180億円、営業利益 52.5億円、経常利益 49.0億円、純利益 30.0億円、EPS 231.42円。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 国際通信は回線容量や専用線等の長期契約が多く、ストック性・継続課金の性質が強い。
    • 国内通信はコールセンター需要に連動した安定課金が中心。
    • メディカルは自費診療中心で需要・競争に左右されやすい。
  • 需要環境:
    • フィリピンの経済成長、データセンター増設、AI等によるデータトラフィック増加が中長期の追い風。
  • リスク耐性・可塑性:
    • 大型投資(海底ケーブル)は長期耐用・回収型。資金調達・為替・規制の影響に注意。
    • 1Qは減収ながら高利益率を維持(営業利益率約30%)。コスト管理と高付加価値領域が利益率を下支え。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・インフラ:
    • 既存のC2C回線使用権、PDSCN等の国内基幹網に加え、新規海底ケーブル投資で国際バックボーンを拡充予定。
    • クラウド(CloudSigma)やコールセンター運用ソフト(AmeyoJ)など周辺ソリューションを提供。
  • 収益ドライバー:
    • 国際通信(売上構成約70%)。1Qのセグメント利益は944百万円で増益。
    • 国内通信は1Qで黒字化。メディカルは赤字幅縮小。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:3,065円、時価総額:約397億円
  • 会社予想PER(連結):13.25倍(EPS 231.39円基準)
  • 実績PBR(連結):2.89倍(BPS 1,060.05円)
  • 参考比較(水準の相対位置の把握):
    • 業界平均PER 23.2倍、業界平均PBR 2.3倍(ご提供データ)
    • 同社はPER水準が業界平均より低位、PBRは平均を上回る水準。
  • EV/EBITDA(概算):
    • 総有利子負債 104億円、現金 38億円 → ネットD 約66億円
    • EV ≒ 397億+66億=約463億円、EBITDA(LTM)約58億円 → EV/EBITDA ≒ 約8.0倍(概算)
  • 配当利回り(予想):約1.31%、配当性向 約20.7%

(注)指標はLTMと会社予想が混在するため単純比較には留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド:
    • 50日移動平均 2,660円、200日移動平均 2,421円。終値は両移動平均を上回る上昇トレンド。
    • 年初来高値 3,190円に接近(本日高値も3,190円)。高値圏に位置。
  • 価格・出来高:
    • 直近10日平均出来高 約7.15万株に対し、本日10.71万株と増加。
    • 信用買残 52.8万株、信用倍率 19.34倍(信用需給は買いに傾斜)。
  • 目先のポイント(参考):
    • レジスタンス:年初来高値 3,190円近辺。
    • サポート:3,000円の心理節目、直近安値 2,955~3,005円帯。

8. 財務諸表分析

  • 成長推移(連結):
    • 売上高:107億円(2022)→ 123億円(2023)→ 141億円(2024)→ 152億円(過去12か月)
    • 営業利益:24.6億 → 33.1億 → 38.9億 → 44.1億
    • 純利益:18.9億 → 22.9億 → 28.4億 → 25.4億(LTM)
  • 収益性:
    • 粗利率:53~54%(1Q粗利率 ≒ 53.5%)
    • 営業利益率:LTM 30.65%、1Q 30.6%
    • 純利益率:LTM 16.93%
    • ROE(実績):19.17%、ROA(LTM):7.61%
  • 財政状態(2026年3月期1Q):
    • 現金等 38億円、有利子負債 104億円、ネットD 約66億円
    • 自己資本比率 33.2%(前期末 36.3%)
    • 流動比率 約138%、D/E(総負債/自己資本)約155%(簡易)
    • 減価償却費の増加傾向(資産計上の進展を示唆)
  • 金利負担・カバレッジ(概算):
    • 利息費用 約4.0億円、EBIT 約44.4億円 → インタレスト・カバレッジ約11倍。

(注)1Qは為替差損計上により経常段階で影響。キャッシュフロー詳細は四半期では未作成(注記)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間40円(中間20円・期末20円)を基本方針に据え置き(2026年3月期予想)。
  • 配当利回り:約1.31%、配当性向:約20.7%。
  • 自社株買い:—(開示・ご提供情報ベースで記載なし)。
  • 株主構成:インサイダー保有比率 約55.3%、浮動株 約527万株。機関保有 約13.8%。
    • 流動性や株価変動に影響を及ぼす可能性。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:
    • 52週変化率 +39.4%、β 0.07(過去5年・月次)。市場連動性は低位。
    • 直近の株価は移動平均線から上方乖離、年初来高値圏で推移。
  • 投資家関心の示唆:
    • 出来高は3カ月平均(約9.28万株)と同程度~上回る日が増加。
    • 信用買い残が優勢(信用倍率 19.34倍)。
    • 近々のイベント:権利落ち日 2025/9/29(配当)— 短期需給に影響する可能性。

11. 総評(サマリー)

  • 事業面:フィリピンを中心とした「国際回線+国内基幹網」によるキャリア卸が収益の柱。1Qは減収ながら高い営業利益率(約30%)を維持。国内通信は黒字転換、メディカルは赤字縮小。
  • 戦略・投資:新規国際海底ケーブルへの大型投資で中長期の供給能力と競争力強化を狙う。耐用年数25年の長期回収型で、資本政策・為替・規制リスクへの管理が重要。
  • 財務・指標:ROEは約19%と高水準。ネットD/EBITDAは約1.1倍、インタレスト・カバレッジ約11倍。1Qで自己資本比率は33%台に低下。
  • バリュエーション:予想PERは業界平均を下回り、PBRは平均をやや上回る水準。EV/EBITDAは概算で約8倍。
  • 株価動向:年初来高値圏で推移し、移動平均線上方。出来高・信用需給は注目度の高まりを示唆。近く配当の権利落ち日が控える。
  • リスク要因:大型投資に伴う資金調達・回収リスク、為替、規制・許認可、地政学、医療事業の競争環境など。


必要に応じて以下も作成可能です。
– セグメント別の前年同期比・構成比の詳細表
– 簡易バリュエーション感応度(為替・WACC・成長率の前提差によるレンジ)
– 海底ケーブル投資の財務影響シナリオ(減価償却・資金繰りの概算)


企業情報

銘柄コード 4390
企業名 IPS
URL https://ipsism.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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