エムスリー(2413)企業分析レポート
株価:2,370円(2025-09-12終値基準)
1. 企業情報
- 概要
- 医療従事者向け会員制プラットフォーム「m3.com」を中核に、製薬・医療機器企業向けのマーケティング支援、治験関連(CRO/SMO/PRO)、医療人材紹介、医療機関運営支援(訪問看護・ホスピス等)、患者向け支援、海外事業を展開。
- 主なサービス:m3.com、MR君、AskDoctors、MDLinx(米国)、Doctors.net.uk(英国)など。電子カルテ・医療機器販売支援、医療機関向けコンサル等も実施。
- グループ特性:ソニーグループ関連会社。
- 事業セグメント(報告)
- メディカルプラットフォーム、エビデンスソリューション、キャリアソリューション、サイトソリューション、ペイシェントソリューション、海外(その他エマージング含む)
- 従業員等:12,100人、平均年齢34.6歳、平均年収936万円
- 所在地:東京都港区赤坂1-11-44
- 代表者:谷村 格
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内で最大級の医師会員基盤(同社開示ベースで世界合計700万人超の医師登録基盤を保有)。医療従事者向けデジタル・マーケティング領域で高いプレゼンス。
- 製薬・医療機器各社の情報提供・販売支援をオンラインで継続的に実行できる運用力と、医師データに基づくターゲティングが強み。
- 競争優位性
- 会員基盤のネットワーク効果、一次データの蓄積、案件運用のスケール、国内外プラットフォームの多面展開。
- 課題(事実ベースでの論点)
- 治験・開発支援の案件変動、為替影響(海外)、医療機関運営支援の立上げ期コスト、M&A後の統合負荷。定量的な市場シェア数値は開示情報に限定されるため未記載。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(短信・開示に基づく整理)
- 医療従事者プラットフォームの高度化と周辺領域(治験、人材、医療機関支援、患者支援、海外)の拡充を連動させる拡大型戦略。
- M&A/資本提携を通じた事業ポートフォリオ拡大(例:福利厚生サービスのイーウェル、患者支援のエラン連結寄与などが短信で言及)。
- 中期的重点
- 国内メディカルプラットフォームの収益基盤強化(デジタルMR/マーケ支援、高付加価値化)。
- エビデンス(治験)領域の回復・効率化、海外プラットフォームの成長、サイト/ペイシェント領域の収益性改善。
- 2026年3月期会社計画(短信)
- 売上:3,600億円(+26.4%)、営業利益:700億円(+11.2%)、親会社帰属当期利益:450億円、EPS:66.27円。
- 1Q進捗率:売上23.9%、営業利益28.3%。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 製薬・医療機器向けのマーケティング支援フィー(案件型・リテーナー型)、人材紹介手数料、治験受託フィー、医療機関運営支援のサービス対価、患者支援(入院関連サポート等)、海外各プラットフォームの広告・支援収入等。
- 適応力
- デジタル情報提供の構造的シフト、臨床開発のDX、医療機関運営支援・患者支援の新領域拡大により需要構造の変化へ対応。新規連結・M&Aに伴う統合・収益化までの時間とコストが収益性に影響する点が運営上の焦点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 大規模医師会員データベースに基づくターゲティング配信、オンラインMRツール(MR君)、医師Q&A、メディカルニュース、各国プラットフォーム運用。治験被験者募集や電子化ソリューションなどのデジタル実装。
- 収益牽引サービス(直近短信の示唆)
- 国内メディカルプラットフォーム(マーケ支援)、海外医療従事者向けプラットフォーム、キャリア(医師・薬剤師)、治験関連。サイト/ペイシェントは売上寄与が拡大する一方、立上げ・統合コストで利益率は低位。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:2,370円、時価総額:約1.61兆円
- 会社予想ベース
- EPS(会社予想):66.29円 → PER:約35.8倍(開示の35.75倍と整合)
- BPS(実績):549.17円 → PBR:約4.32倍
- 業界平均との単純比較(参考)
- 業界平均PER:17.0倍 → EPS×17=約1,127円(機械的算出)
- 業界平均PBR:1.8倍 → BPS×1.8=約989円(機械的算出)
- 現在のPER/PBRは業界平均比で高位(PER比:約2.1倍、PBR比:約2.4倍)。評価水準の妥当性は成長率・収益構造・無形資産等によって異なるため、単純比較は参考値。
- 追加指標(概算)
- 売上/株(LTM):約452円 → P/S ≈ 5.2倍
- EV ≈ 時価総額1.61兆 − 現金1,021億 + 有利子負債261億 ≈ 約1.53兆円
- EBITDA(LTM):約779億円 → EV/EBITDA ≈ 約19.7倍(概算)
- 代替ビュー(参考計算)
- 業界平均PER(17倍)で現在株価2,370円を説明する必要EPS:約139円(会社予想EPSの約2.1倍)。数理比較に留まる。
7. テクニカル分析(ファクト整理)
- 52週レンジ:1,248円〜2,433円(現値は高値圏、52週高値比−2.6%)
- 移動平均
- 50日:2,086円、200日:1,803円 → 現値は50日線比+13.6%、200日線比+31.4%
- 直近10日:2,400円前後でのもみ合い。9/11に年初来高値圏に接近後、上ヒゲと押し目を挟みつつ高値圏維持。
- 信用動向:信用倍率5.00倍、買残は前週比減(-68千株)、売残は増(+14千株)。短期的にはポジション調整の動きが観測される。
8. 財務諸表分析
- 損益(年度推移、IFRS・連結)
- 売上高:2,082億円(2022)→2,308億円(2023)→2,389億円(2024)→2,849億円(過去12か月データの一つ)/別データではLTM 3,069億円
- 営業利益:662億円(2022)→705億円(2023)→630億円(2024)→603億円(過去12か月)
- 当期純利益:638億円(2022)→490億円(2023)→453億円(2024)→405億円(過去12か月)
- コメント:売上はM&A・新規連結・海外寄与で拡大。一方でサイト/ペイシェント、海外含むミックス変化と立上げコストで営業利益率は低下傾向。
- 収益性
- 粗利率:2024期 58.8% → LTM 54.2%(ミックス要因)
- 営業利益率:LTM約21〜23%(指標値:22.9%)
- ROE:11.1〜11.5%(開示値)
- ROA:7.4%(開示値)
- 成長性(四半期ベース)
- 売上成長率(前年同期比):+34.2%(2026年3月期1Q)
- 利益成長率(前年同期比):+6.2%(当期純利益、1Q)
- 財政状態・流動性
- 自己資本比率:65.1%(実績)
- 現金同等物:1,021億円、有利子負債:261億円 → ネットキャッシュ基調
- 流動比率:2.55倍
- 1Qで現金同等物は前期末比約327億円減(配当支払・子会社取得等の影響)
- キャッシュフロー:四半期CFの要約は短信未掲示。期末CFは配当・M&A影響により減少。
9. 株主還元と配当方針
- 実績(2025年3月期):年間21円(期末21円)
- 予想(2026年3月期)
- 決算短信:未定
- 外部指標(提供データ):年間42円、予想配当利回り約1.77%、想定配当性向約35%(参考値)
- 自己株式等:期末自己株式数は増加(45千株 → 487千株)。自己株買いの有無は短信明記なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+75.75%(提供指標)
- 出来高:3か月平均363万株、直近10日平均344万株。流動性は安定的。
- 持株構成:インサイダー39.8%(ソニーG33.9%等)、機関投資家39.1%、フリーフロート約4.08億株。浮動株が限定されることで需給影響が出やすい局面あり。
- 価格要因(観測情報)
- 通期見通し維持、1Q進捗良好、M&A寄与、年初来での評価見直し等が背景要因として挙げられる。
11. 総評(要点整理)
- 事業面:医師会員プラットフォームを核に、治験・人材・医療機関支援・患者支援・海外へと多角化。会員基盤とデータ運用を強みとしつつ、成長投資・M&A後の統合コストや新領域の立上げで利益率は低下傾向。
- 業績面:売上は拡大、1Qも二桁成長を維持。サイト/ペイシェント・海外のミックスにより粗利率・営業利益率は押し下げ方向。財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で安定。
- 株価・評価:PER・PBRは業界平均比で高位。高成長・プラットフォーム特性・無形資産の反映度合いが評価水準に影響。テクニカルには高値圏で推移し、移動平均線との乖離は拡大。
- 需給・還元:信用買い優勢だが買残は調整。配当は前期実績21円、今期未定(外部指標では42円)。自己株式は増加も方針は短信上明確記載なし。
(注)
– 本レポートは提供データ(決算短信、指標、株価データ等)の事実整理であり、投資助言は行っていません。
– 一部LTM数値に差異があるのは集計時点・連結範囲等の違いによる可能性があります。継続開示資料での確認が必要です。
– 不明な項目は記載を控えています。
企業情報
銘柄コード | 2413 |
企業名 | エムスリー |
URL | http://corporate.m3.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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