ネクセラファーマ(4565)企業分析レポート
注:本レポートは提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資助言ではありません。数値は特記なき限り円ベース、期間は最新開示(LTM=直近12カ月、半期など)を併記しています。不明事項は「—」としています。
1. 企業情報
- 概要:GPCR(Gタンパク質共役型受容体)を中核標的とする創薬ベンチャー。英国の創薬(構造ベース創薬プラットフォーム「NxWave」)と、日本・韓国での後期臨床~販売、海外大手との提携(契約一時金・マイルストン・ロイヤリティ)で収益化。
- 主な上市製品
- ピヴラッツ(PIVLAZ):くも膜下出血後の脳血管攣縮等の予防
- クービビック(QUVIVIQ):不眠症
- 主な開発品(例)
- NBI-1117568:ムスカリンM4アゴニスト(統合失調症など; Neurocrine主導、P3移行マイルストン実績)
- ORX750:OX2アゴニスト(ナルコレプシー; P2)
- 消化器・免疫・代謝領域の複数案件(CCR6拮抗薬、EP4作動薬/拮抗薬、GLP-1アゴニストなど)
- 提携先(例):Pfizer、Lilly、AbbVie、GSK、Takeda、Novartis、Genentech、Sanofi、Boehringer Ingelheim、Neurocrine など多数
- 事業構成:医薬100%(海外売上比率51%)
- 従業員:387人、平均年齢45.5歳、平均年収1,952万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 日本発のGPCR構造ベース創薬で長年の実績。自社販売品(JP/KR)と多数のグローバル提携を併用するハイブリッド型。
- 提携の厚み(多社・多案件)と、上市品からの売上・ロイヤリティがある点が特徴。
- 競争優位性
- NxWave(GPCR標的の構造ベース創薬)という専門性
- 大手製薬との長期的な提携実績とマイルストン・ロイヤリティの多層化
- 課題
- 収益の一部が提携先の開発進捗・承認可否・戦略に依存(タイミング変動が大きい)
- 臨床後期~承認段階の不確実性、規制審査・安全性に関わるリスク
- 市場シェア:—(適切な公開データなし)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略
- GPCR領域における創薬生産性を高め、内製(JP/KR)販売とグローバル提携の両輪で価値化
- 中枢神経(CNS)、免疫、消化器、代謝などでパイプラインを拡充
- 中期的な重点施策(会社開示の想定レンジ)
- ピヴラッツ:通期売上 130~140億円想定
- クービビック:通期売上 40~50億円想定
- 研究開発費:120~140億円、販管費:150~170億円想定
- 為替前提:USD/JPY=152、GBP/JPY=193
- 進捗例(2025年上期)
- NeurocrineのM4アゴニストP3移行でマイルストン受領
- CentessaのORX案件でマイルストン受領
- Viatris/Idorsia関連で権利取得・一時金受領、APAC展開を強化
- 台湾Hollingと販売ライセンス契約(将来のマイルストン・ロイヤリティ権利)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- ①自社販売(ピヴラッツ、クービビック)+②提携(契約一時金・マイルストン・ロイヤリティ)+③研究受託/技術提供等
- 持続性の観点
- 提携の分散と上市品売上が安定化要因。一方、マイルストンや前受取崩しは案件進捗に左右され変動的。
- 現金同等物約330億円、流動比率約3.6倍と流動性は厚めだが、有利子負債約647億円、LTMの営業CFはマイナス(-88億円)で、資金繰りは開発進捗・提携収益の獲得状況に依存。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
- NxWaveによるGPCR標的の構造ベース創薬(SBDD)に強み。大手との共同創薬の実績・継続性。
- 主力製品・収益牽引
- ピヴラッツ:国内で売上拡大が継続(上期実績 58.05億円)
- クービビック:上市後に収益寄与開始(上期実績 15.86億円)
- ロイヤリティ:ノバルティス製品などからの収入(上期実績 10.53億円)
- パイプライン進展とリスク
- 神経・睡眠領域(M4アゴニスト、OX2アゴニスト等)でP2~P3が進行。
- 一部では提携先の開発中止事例(例:GLP-1候補)もあり、ポートフォリオ内での成功・不成功の組み合わせにより収益見通しが変動。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価:986円、時価総額:約892億円
- LTM売上高:約312億円、現金:約330億円、総有利子負債:約647億円
- BPS(実績):727.79円、LTM EPS:-36.19円(参考:2024通期EPS -53.92円)
- 指標
- PER(LTM):—(赤字のため算出不可)
- PBR:986 / 727.79 ≒ 1.35倍(会社公表PBRと整合)
- 業界平均:PER 27.8倍、PBR 1.4倍(参考)
- EV:時価総額892.3億 + 負債647.2億 – 現金330.0億 ≒ 1,209.5億円
- EV/Sales(LTM):約1,209.5 / 312.1 ≒ 3.9倍
- P/S(LTM):約892.3 / 312.1 ≒ 2.9倍
- 現金/株式価値(目安):現金1株当たり364.63円 → 株価/現金PS ≒ 2.7倍
- コメント
- 収益が赤字でPER比較は不適切。PBRは業界平均(1.4倍)に近い水準。EV/Sales・P/Sは提携・マイルストン依存のビジネス特性を踏まえた参照が必要。
7. テクニカル分析
- 直近価格帯:986円(本日高値986・安値940、前日終値940)
- 移動平均:50日線≈914円、200日線≈921円 → 現在値は両線上
- レンジ・節目
- 年初来高値:1,056円、年初来安値:668円
- 52週高値:1,357円、52週安値:668円
- 直近10営業日レンジ:概ね940~1,037円、出来高は3カ月平均(約76万株)に対し10日平均(約86万株)でやや増
- 信用動向:信用倍率18.14倍(買い長)。信用買残は前週比減(-18.1万株)、信用売残は増(+7.1万株)。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(業績推移)
- 売上高:2023年 127.7億円 → 2024年 288.4億円(マイルストン・上市品寄与で増)
- 営業利益:2023年 -95.3億円 → 2024年 -54.2億円(赤字幅縮小)
- LTM(別ソース):売上 312億円、営業利益率 ≈ -6.7%、純利益 ≈ -33億円、EPS ≈ -36.19円
- 収益構造
- 粗利率は高水準(LTM粗利 236億円)だが、R&D・販管費が重く営業赤字
- 上期(2025/1-6):売上 150.9億円、IFRS営業損失 -27.6億円、コア営業利益 3.6億円(代替指標)
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:45.2~45.5%
- ROE(実績):-7.15%、ROA(LTM):-2.38%
- 流動比率:約3.6倍、現金等:約330億円
- 総有利子負債:約647億円(社債約309.8億、長期借入約240億、1年内返済約58億)
- 営業CF(LTM):-88億円、フリーCF(LTM):-111.6億円
- 変動要因
- 契約一時金・マイルストンの(期ズレ含む)認識タイミングで売上・利益・CFが変動
- 条件付対価の公正価値変動、為替の影響
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 0円(利回り0%)、過去の実績も限定的(Ex-Div 2015/3/27)
- 自社株買い:—(記載なし)
- 方針の示唆:研究開発・事業拡大への再投資を優先する局面が継続
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は50日・200日線上での推移。年初来高値(1,056円)手前にレジスタンス、940円近辺にサポートが意識されやすい価格行動。
- 10日平均出来高が3カ月平均を上回り、短期的な関心はやや上向き。
- 投資家属性
- 機関投資家保有比率:約44.5%、インサイダー:約13.1%
- 主要株主に大手信託、個人著名投資家、JIC等が名を連ね、戦略的提携先(Pfizerなど)の持分も一部確認。
11. 総評
- 事業面
- GPCR創薬の専門性と大手との提携厚み、国内上市品からの売上が収益基盤。マイルストン・ロイヤリティにより四半期変動は大きいが、複線化が進展。
- 財務・リスク
- 流動性は厚めだが、有利子負債が大きく、LTMで営業・フリーCFはマイナス。開発・提携進捗、為替、条件付対価評価等が損益・CFに影響。
- バリュエーション・株価
- 赤字のためPER比較は不可。PBRは約1.35倍で業界平均1.4倍に近い。EV/Salesは約3.9倍、P/Sは約2.9倍。
- 株価は50日・200日線を上回る一方、年初来高値(1,056円)や52週高値(1,357円)が上方節目。信用買い長の状況は短期の値動きに影響し得る。
- まとめ
- 自社販売+提携のハイブリッドモデルとパイプラインの前進が成長ドライバー。収益の変動性と資金需要、開発・承認リスクを併せて注視する必要がある。
参考データ(抜粋)
– 株価:986円、時価総額:約892億円、発行株数:約9,049万株
– BPS:727.79円、PBR:約1.35倍
– LTM:売上約312億円、営業利益率約-6.7%、EPS約-36.19円
– 現金約330億円、総有利子負債約647億円、自己資本比率約45%
– 50日線:約914円、200日線:約921円、年初来高値:1,056円、年初来安値:668円
– 信用倍率:18.14倍(買い長)
企業情報
銘柄コード | 4565 |
企業名 | ネクセラファーマ |
URL | https://www.nxera.life/jp |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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