ユナイテッドアローズ(7606)企業分析レポート
株価(9/12終値): 2,236円
市場区分: 東証プライム(小売業)
時価総額: 675.6億円
1. 企業情報
- 事業内容
- メンズ・レディスの衣料品・服飾雑貨の企画・仕入・販売を行うセレクトショップ大手。旗艦「UNITED ARROWS」や「BEAUTY&YOUTH」「green label relaxing」「coen」等のマルチブランドを展開。
- 自社企画(PB)比率は約半分。百貨店・駅ビル・SC・直営路面店・EC(UNITED ARROWS ONLINE)を併用するOMOモデル。
- アウトレットや子会社(コーエン)を含む単一セグメント(衣料品小売)。
- 拠点/規模
- 本社: 東京都渋谷区
- 従業員: 4,096人、平均年齢35.5歳、平均年収480万円
- 直近期店舗: 連結期末336店舗(新規出店14)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置付け
- 国内セレクトショップ市場の大手の一角。自社企画×セレクトのポートフォリオで中価格帯~プレミアム価格帯をカバー。
- 競争優位性(示唆)
- ブランドポートフォリオの厚み、定価販売比率の改善、OMO(会員制度・アプリ)とサプライチェーン最適化(需要に応じた在庫配分)。
- 課題
- 人件費・広告費・出店関連のコスト上昇、商品的中率・在庫コントロールの精度、価格上昇環境下の消費マインド変動への耐性。
- 子会社コーエンの再成長と在庫調達の改善。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(2026年3月期が最終年度)
- UA CREATIVITY: 既存事業の成長、商品クオリティと最適価格で定価販売率・既存店売上を拡大。コーエンの再成長。
- UA MULTI: 新規ブランド・事業開発、グローバル展開(韓国ブランド導入、中国大陸で直営店準備)。
- UA DIGITAL: OMO強化、新会員制度の稼働率・維持率改善、基幹「新商品管理システム」(2025年4月稼働)によるSCM高度化。
- 通期見通し(会社予想・修正なし)
- 売上高 1,656.8億円(+9.8%)、営業利益 90億円(+12.7%)、純利益 50.8億円(+18.7%)、EPS 184.14円、年間配当 74円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 自社企画比率の高さを活かした粗利率の確保と、定価販売比率向上に注力。アウトレットでの在庫消化も活用。
- 適応力
- OMO・会員制度で顧客接点を維持・拡大、SCM改善で在庫回転と欠品・過剰在庫の抑制に取り組み。
- 留意点
- コスト上昇局面での販管費管理、在庫増(第1Qで棚卸資産増加)へのコントロールが短期利益の鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営
- 新商品管理基幹システム(2025年4月~)で在庫配分精度・入荷~販売のリードタイム管理を改善。OMO施策・新会員制度でLTV向上を狙う。
- 主力領域
- UNITED ARROWS/BEAUTY&YOUTH/green label relaxing などの主力レーベルが収益の中核。coenのテコ入れでカジュアル価格帯の底上げ。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 2,236円
- 指標(連結)
- 予想PER: 12.14倍(EPS 184.15円)
- 実績PBR: 1.62倍(BPS 1,379.22円)
- EV/EBITDA(概算): 約7.0倍(EV ≒ 6,755.8億円 + 純有利子負債約11.4億円、EBITDA 97.8億円)
- 予想配当利回り: 3.31%(年間74円、配当性向約40.6%)
- P/S(概算): 約0.44倍(売上TTM 1,536億円)
- 業界平均との比較(小売・アパレル参考)
- 業界平均PER: 21.3倍、PBR: 1.8倍
- 同社は予想PERで業界平均比低位、PBRは平均近辺。
- 参考試算(単純比較)
- 業界平均PER(21.3倍)× 会社予想EPS(184.15円)= 理論株価約3,920円(機械的算術であり、投資判断ではない)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 現在値 2,236円は50日移動平均 2,164.9円の上、200日移動平均 2,277.8円の下。中期線下・短期線上のレンジ内推移。
- 価格レンジ
- 年初来高値 2,789円、安値 1,982円。現状は安値から約+12.8%、高値から約-19.8%の位置。
- 直近モメンタム(10日)
- 8/末~9/12にかけて2,110円前後から2,236円へ戻り。9/3に出来高急増、その後は平常化。
- 信用動向
- 信用倍率 2.63倍。信用買残は微減、売残は微増で拮抗度合いがやや上昇。
8. 財務諸表分析
- 成長と利益
- 売上(億円): 2022/3 1,184 → 2023/3 1,301 → 2024/3 1,343 → 過去12か月 1,509。3年間の年平均成長率は約+8~9%。
- 営業利益(億円): 16.8 → 63.6 → 67.4 → 79.8 と改善傾向。
- 粗利率は構成改善で上昇(第1Q粗利率 55.3%、+0.6pt)。一方で販管費増で第1Qの営業・純利益は前年同期比減。
- 収益性・効率
- 営業利益率(TTM): 6.64%(参考)
- ROE: 11.76%(実績)
- ROA(TTM): 7.34%(参考)
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF(TTM): +34.6億円、レバードFCF(TTM): ▲65.8億円(設備投資・在庫投資の影響)。
- 第1Q 営業CF: ▲14.9億円(税支払・在庫増)、投資CF: ▲40.9億円(有形固定資産取得等)、財務CF: +40.8億円(短期借入増)。
- 現金同等物 51.5億円、総有利子負債 63億円、自己資本比率 前期末53.9%→第1Q末55.2%。Debt/Equity 約16.6%で保守的水準。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期実績: 年間63円。
- 2026年3月期会社予想: 年間74円(中間20円、期末54円)。予想配当性向 約40.6%。
- 5年平均配当利回り 2.78%に対し、現行予想利回り 3.31%。
- 自己株式・その他
- 自己株式比率 8.19%(約247.6万株)。自社株買いの新規公表は短信記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週変化率 +4.1%。200日線をやや下回る推移で、中期の方向感は限定的。
- 需給
- 平均出来高(3カ月)約16.9万株。直近イベントや出店・新制度稼働時に出来高増加の場面。
- 外部要因
- 人件費・原材料・賃料の上昇、為替や地政学動向、インバウンド需要動向、国内消費マインドが影響しやすい。
11. 総評(要点整理)
- 売上は堅調で、粗利率は商品ミックスと定価販売比率上昇で改善。一方、賃上げ・広告・新規出店等で販管費が増え、四半期では減益となる局面がある。
- OMO強化と基幹システム更新で在庫配分・SCM精度を高める取り組みが進行。国内既存店の底上げと海外・新規ブランド展開を並行推進。
- 財務は自己資本比率が50%台半ば、D/E低位で安定。一時的に短期借入を活用しつつ、FCFは在庫・投資動向に左右されやすい。
- バリュエーションは予想PERで業界平均を下回る一方、PBRは平均近辺。配当利回りは会社予想で3%超。
- 短期的にはコスト上昇と在庫管理が利益のブレ要因。中期ではSCM・OMOの効果発現とブランド強化が収益性に影響。
(注)本資料は公開データに基づく企業分析の整理であり、投資助言を目的とするものではありません。数値は会社公表および提示データに依拠しています。今後の業績・株価は各種リスク要因により変動します。
企業情報
銘柄コード | 7606 |
企業名 | ユナイテッドアローズ |
URL | http://www.united-arrows.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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