以下は、レカム(証券コード: 3323)に関する企業分析レポートです。
1. 企業情報
レカムは、中小オフィス向けに情報通信機器、デジタル複合機、ネットワーク製品などのIT機器のリース・販売、および設置・メンテナンスサービスを提供している企業です。加えて、LED照明や省エネ設備といった脱炭素ソリューションの販売、RPA(Robotic Process Automation)やBPR(Business Process Re-engineering)による業務改革コンサルティングも手掛けています。特にLED照明販売を軸に海外事業を急拡大しており、中小企業のDX化推進と省エネ化を支援する事業を展開しています。
事業セグメントは以下の通りです(2024年9月期実績):
* 国内ソリューション事業: 売上構成比 38%
* 海外ソリューション事業: 売上構成比 57%
* BPR事業: 売上構成比 5%
2. 業界のポジションと市場シェア
レカムは、中小企業をターゲットにITソリューションと脱炭素ソリューションを包括的に提供しています。特にLED照明などの脱炭素商材の販売を海外で大きく伸ばしている点が特徴です。同社の事業は「商社・卸売」に分類されますが、情報通信機器や省エネ設備といった専門性の高い商材を扱っています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、海外ソリューション事業が連結売上の57%を占め、かつ大幅な増収増益を牽引していることから、特定の海外市場において競争優位性を確立している可能性があります。
一方、国内市場においては、セキュリティ商材などで価格競争が激化し、国内代理店チャネルでの売上が減少する傾向が見られます。
3. 経営戦略と重点分野
レカムは「グローバル専門商社構想」を経営ビジョンとして掲げています。その実現に向けた具体的な施策や重点分野としては、以下の点が挙げられます。
* 海外ソリューション事業の拡大: 特に脱炭素商材(LED等)の拡販に注力しており、シンガポールでのAIサーバー販売子会社の収益計上など、新たな分野での海外展開も進めています。
* DXの推進(AI活用含む): RPAやBPR事業を通じて企業の業務効率化を支援するほか、最新技術であるAIの活用にも取り組んでいます。
* 脱炭素商材の開発・拡販: 環境意識の高まりやCO2排出削減目標に対応するため、LED照明や省エネ設備などの普及を推進しています。
決算短信によると、当第3四半期累計において海外ソリューション事業が大幅な増収・増益を達成しており、中期的な経営戦略である海外シフトが成果を上げていると評価されています。
4. 事業モデルの持続可能性
レカムの事業モデルは、中小企業のIT化・DX化ニーズと、世界的な脱炭素・省エネニーズという大きな市場トレンドに対応しており、持続可能性の基盤を持っています。
* 収益モデル: 情報通信機器のリース・販売、脱炭素商材の販売、そしてコンサルティングやアウトソーシングによるサービス提供と多角化しています。
* 市場ニーズへの適応力: 最新の技術トレンド(AI、RPA)や環境意識の高まり(脱炭素)を捉え、商材やサービスを拡充している点で、市場ニーズへの高い適応力が見られます。
しかしながら、為替変動、原材料価格の高騰、海外拠点における政治的リスク(ミャンマーでの人員流出など)、国内市場における価格競争の激化といった外部環境の変化が、事業の持続性に影響を与える可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
レカムの主な収益源となっている製品・サービスは多岐にわたりますが、特に以下の点が挙げられます。
* 主力製品・サービス: ReSPR、ビジネスホン、デジタル複合機、ネットワーク製品、LED照明、省エネ設備、RPA、業務改革コンサルティングなどが中心です。
* 技術開発の動向: 最新の技術トレンドとしては、AIを活用した「AIサーバー販売」をシンガポールの子会社で開始しており、今後の収益貢献が期待されます。また、RPAによる業務自動化も推進しており、企業のDX化を支援する技術に注力しています。
* 独自性: 中小企業向けの幅広いソリューション提供能力に加え、脱炭素商材を軸とした海外市場への積極的な展開、特にアジア地域での事業拡大に独自性が見られます。
6. 株価の評価
現在の株価124.0円に対し、各種指標は以下の通りです(会社予想/実績ベース)。
* EPS(会社予想):5.31円
* PER(会社予想):23.35倍
* BPS(実績):60.44円
* PBR(実績):2.05倍
比較のため、業界平均PER 10.1倍、業界平均PBR 0.7倍を使用します。
* EPSに基づくPER評価: 1株あたり純利益(EPS)が5.31円であり、現在の株価124.0円から計算されるPERは23.35倍です。業界平均PER(10.1倍)と比較すると、現在のPERは業界平均を上回る水準にあります。
* BPSに基づくPBR評価: 1株あたり純資産(BPS)が60.44円であり、現在の株価124.0円から計算されるPBRは2.05倍です。業界平均PBR(0.7倍)と比較すると、現在のPBRは業界平均を上回る水準にあります。
これは、投資家が今後の成長性や収益性に対して、業界平均よりも高い期待を寄せている可能性を示唆しています。
7. テクニカル分析
レカムの株価は、直近で活発な動きを見せています。
* 年初来安値:56円、年初来高値:139円
* 直近の株価124.0円は、年初来安値からは大幅に上昇していますが、年初来高値(139円)からはやや下がった水準にあります。
* 50日移動平均線(90.08円)および200日移動平均線(74.67円)を大きく上回って推移しており、株価は上昇トレンドにあると見ることができます。
* 特に2025年9月11日には年初来高値の139円を記録し、その前後で非常に大きな出来高を伴いました。これは投資家の関心が一時的に急激に高まったことを示唆しています。現在の124円は、高値を付けた後の調整局面にあると考えられます。
売上と利益
- 売上収益: 過去数年間で順調な成長傾向にあり、2021年9月期の66億円から過去12ヶ月では116億円を超える水準まで拡大しています。特に直近の第3四半期累計(2025年9月期)では、売上収益が前年同期比+20.7%の99億円を達成しており、引き続き成長トレンドにあります。
- 営業利益: 2021年9月期の2.1億円から2023年9月期には4.5億円まで増加しましたが、直近の過去12ヶ月では2.7億円に減少しています。しかし、2025年9月期第3四半期累計では前年同期比+89.4%の2.8億円と大幅な増益を達成しており、通期会社予想でも7億円と大幅な回復を見込んでいます。
- 純利益: 2021年9月期は赤字でしたが、2022年9月期、2023年9月期と黒字化し、回復していました。過去12ヶ月では8千万円台と減少していますが、2025年9月期第3四半期累計では前年同期比+128.8%の1.9億円と大きく改善しており、通期会社予想でも4.3億円を見込んでいます。
収益性と効率性
- ROE: 過去12ヶ月で5.62%、2023年実績で1.72%となっており、改善傾向が見られます。
- ROA: 過去12ヶ月で1.07%です。
- 自己資本比率: 39.2%(実績)であり、財務の健全性は一定の水準を保っています。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー (Operating Cash Flow): 過去12ヶ月では74百万円のプラスですが、直近の第3四半期累計では△122百万円とマイナスに転じています。これは、税金の支払いや棚卸資産の増加、流動負債の変動などが影響していると説明されています。
- 投資キャッシュフロー (Investing Cash Flow): 第3四半期累計で△260百万円と、設備投資や定期預金などで資金を使用しています。
- フリーキャッシュフロー (Levered Free Cash Flow): 過去12ヶ月で△306.38百万円とマイナスとなっており、事業活動で生み出される資金だけでは設備投資などを賄えていない状況が示唆されます。
- 借入金: 直近四半期の総負債(Total Debt)は5.14B円、自己資本に対する負債比率(Total Debt/Equity)は98.52%と高水準であり、借入は増加傾向にあります。
9. 株主還元と配当方針
レカムの株主還元については以下の通りです。
* 配当利回り(会社予想): 1.29%
* 1株配当(会社予想): 1.60円
* 配当性向 (Payout Ratio): 80.29%
2025年9月期の年間配当予想は1.60円で、中間配当の予定はなく期末に実施される見込みです。配当性向が80.29%と高水準であることから、利益に対して積極的に配当を行っている姿勢が見られます。ただし、自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
レカムの株価は、直近で強いモメンタムを見せました。
* 株価の変動傾向: 2025年9月上旬に一時100円前後で推移していましたが、9月11日には139円まで急騰し、その後124円に調整しました。この間の数日間で出来高が大幅に増加し、特に9月11日、12日には数千万株規模の大きな取引が観測されました。
* 投資家関心の高まり: 平均出来高(3ヶ月平均3.36M株、10日平均14.02M株)の急増は、短期間で投資家の関心が非常に高まったことを示しています。
* 株価への影響要因: 海外ソリューション事業の成長性、DX・脱炭素といった成長領域への取り組みへの期待感が主な要因として考えられます。直近の急騰の具体的なトリガーは提示された情報からは特定できませんが、好調な決算内容や今後の成長戦略に対する市場の反応が大きかった可能性があります。52週変化率も72.22%と、S&P500の同時期変化率16.89%を大きく上回っており、市場をアウトパフォームしています。
11. 総評
レカムは、国内ソリューション、海外ソリューション、BPRの3つの事業セグメントを展開する企業です。特に海外ソリューション事業が脱炭素商材(LED等)やAIサーバー販売を軸に成長を牽引しており、中期経営戦略である「グローバル専門商社構想」に沿った進捗が見られます。
財務面では、売上収益と営業利益は過去数年間で堅調に成長しており、直近の2025年9月期第3四半期累計では大幅な増収増益を達成し、通期予想も好調です。しかし、直近四半期の営業キャッシュフローがマイナスに転じ、借入金が積み上がっている点は資金繰りの観点から注視が必要です。純利益は過去12ヶ月では減少していますが、直近四半期は大きく改善し、通期での回復を見込んでいます。
株価は、年初来安値から大きく上昇し、直近では高値圏での急騰と調整が見られます。PERおよびPBRは業界平均と比較して高水準であり、市場は今後の成長性に対して一定の期待を寄せている可能性があります。株主還元としては、予想配当1.60円で配当性向は高めです。
今後の事業展開においては、成長ドライバーである海外事業の更なる拡大、DX・AIといった最新技術分野への展開、そして国内事業での収益性改善が鍵となるでしょう。一方で、為替変動、原材料高、海外拠点リスク、国内市場での価格競争激化といった外部環境リスクへの対応も引き続き重要です。
企業情報
銘柄コード | 3323 |
企業名 | レカム |
URL | http://www.recomm.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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