以下は、住友金属鉱山(証券コード: 5713)に関する企業分析レポートです。

1. 企業情報

住友金属鉱山は、金、銅、ニッケルといった非鉄金属の採掘・生産を行う「資源」事業、金属を精錬・加工する「製錬」事業、そして電気自動車(EV)用電池材料や電子部品材料などを手掛ける「材料」事業を三本柱として展開しています。特にニッケル分野に強みを持つ企業として、海外鉱山開発や資源開発、製錬への重点投資を進め、非鉄金属業界における主要プレイヤーを目指しています。会社設立は1950年ですが、そのルーツは1590年にまで遡る歴史を持つ企業です。

2. 業界のポジションと市場シェア

住友金属鉱山は「非鉄金属」業界に属し、資源から製錬、材料生産までの一貫した事業体制を強みとしています。特にニッケル分野では高い競争力を持つことを目指しており、海外鉱山開発への積極的な投資はその戦略の一環です。
市場環境としては、銅はエネルギー転換やデータセンター市場の拡大により需要が堅調である一方、供給面での課題も抱えています。ニッケルはインドネシアでの増産が続き、供給過剰による価格の下落が課題となっています。金は地政学リスクや各国中央銀行の買い増しなどにより価格が上昇傾向にあります。電子材料分野では電池材料が堅調ですが、一部製品で市況悪化の影響も受けています。

3. 経営戦略と重点分野

経営戦略としては、非鉄金属メジャー入りを目標に掲げ、海外での鉱山開発や製錬事業への重点投資を推進しています。特にニッケルにおいてはその強みを活かし、市場でのプレゼンス向上を目指しています。また、電池材料などの高機能材料分野においても、新たな市場ニーズに対応するための製品開発と供給体制の強化に注力していると見られます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、資源開発から製錬、高機能材料の製造・販売まで垂直統合されたサプライチェーンを構築している点に特徴があります。これにより、原材料の安定調達から最終製品の供給までをコントロールできる可能性があります。また、非鉄金属というグローバルコモディティを扱うため、金属価格や為替相場の変動が収益に大きく影響します。しかし、電池材料のような成長市場に対応する材料事業を持つことで、市場ニーズの変化への適応力を高め、事業ポートフォリオの多角化を通じて持続可能性を追求しています。

5. 技術革新と主力製品

同社は、特に高容量ニッケルをベースとしたEV用電池材料の開発に注力しており、これが材料事業を牽引する主力製品の一つと考えられます。また、粉体材料、結晶材料、触媒などの機能性材料も手掛けています。新技術の開発動向や独自性に関する具体的な情報は限られていますが、ニッケル製錬技術と電池材料に関するノウハウが、競争上の優位性となっていると推察されます。

6. 株価の評価

  • 株価: 4,415.0円 (2025年9月16日終値)
  • PER(会社予想): 19.81倍
  • PBR(実績): 0.67倍
  • EPS(会社予想): 222.92円
  • BPS(実績): 6,570.47円

同社のPER(19.81倍)は、業界平均PER(80.4倍)と比較すると低い水準にあります。PBR(0.67倍)も、業界平均PBR(0.8倍)を下回っており、純資産価値から見ると市場では割安と評価されている可能性があります。これは、過去数年の利益水準の変動や、直近の利益の落ち込み影響も反映していると考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価4,415円は、年初来高値(4,415円)を更新しており、52週高値(4,722円)に近づいています。50日移動平均線(3,739.18円)および200日移動平均線(3,456.22円)を大きく上回って推移しており、テクニカル的には短期的・中長期的に強い上昇トレンドにある状況です。直近10日間の株価推移も概ね上昇傾向を示しています。

8. 財務諸表分析

以下に、損益計算書の主要項目と主要財務指標の過去数年間の傾向と直近の数値を評価します。

損益計算書(年度別傾向)

Breakdown 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 (過去12か月)
総売上高 1,259,091 1,422,989 1,445,388 1,593,348
売上総利益 257,794 250,106 166,133 58,505
営業利益 205,083 186,109 98,486 △15,889
親会社株主への純利益 281,037 160,585 58,601 16,487

(単位: 百万円)
* 売上高: 過去数年間は増加傾向にありましたが、直近の2026年3月期第1四半期(379,600百万円)は前年同期比7.5%減となりました。2026年3月期通期の会社予想売上高(1,513,000百万円)も、2025年3月期実績から減少を見込んでいます。
* 利益: 売上総利益、営業利益、親会社株主への純利益は、2022年3月期をピークに減少傾向が顕著でした。特に2025年3月期(過去12か月)では営業利益がマイナス(営業損失)となり、純利益も大幅に減少しました。しかし、2026年3月期第1四半期では、親会社株主に帰属する四半期純利益が27,438百万円となり、前年同期比24.3%増を記録しました。また、2026年3月期通期の親会社株主への純利益予想(61,000百万円)は、2025年3月期実績からの回復を見込んでいます。これは金価格の上昇など、資源事業の好調が寄与しています。
* キャッシュフロー:
* 営業活動によるキャッシュフロー(過去12か月)は1687.8億円とプラスでしたが、レバレッジド・フリー・キャッシュフローはマイナス1281.4億円でした。
* 直近の2026年3月期第1四半期の営業活動によるキャッシュフローは△617百万円と依然としてマイナスですが、前年同期の△19,757百万円から大幅に改善しています。
* ROE(実績): 0.91%(過去12か月では0.99%)。低い水準であり、自己資本を効率的に活用して利益を生み出す能力に課題があることを示唆しています。
* ROA(過去12か月): -0.74%。マイナスであり、総資産に対する利益創出能力が低い状況です。
* 自己資本比率(実績): 60.1%(直近四半期では59.8%)。高い水準を維持しており、財務基盤は安定していると言えます。
* 流動比率(直近四半期): 1.91。短期的な支払能力は十分にあります。
* 負債比率 (Total Debt/Equity、直近四半期): 29.47%。財務の健全性を示す良い水準です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.97%
  • 1株配当(会社予想): 131.00円
  • 配当性向(過去12か月): 173.36%

2025年3月期の年間配当実績は104.00円でしたが、2026年3月期の年間配当予想は131.00円と増配を見込んでいます。過去12か月間の配当性向は173.36%と高水準ですが、これは利益が大きく減少したことによる一時的な現象と考えられます。2026年3月期の利益回復予想を踏まえると、配当は安定的に行われる見込みです。また、2025年5月には自己株式取得を決議しており、積極的に株主還元に取り組む姿勢が見られます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近で強い上昇傾向にあり、年初来高値を更新しました。移動平均線も上昇しており、短期的・中長期的にポジティブなモメンタムを示しています。
投資家の関心度合いを示す出来高は、直近10日間の平均が3ヶ月平均を上回っており、注目度が高まっている可能性があります。
株価変動の主な要因は、非鉄金属相場(特に銅、ニッケル、金)の変動、為替レート(円高・円安)、そしてグローバルな景況感、特にEV市場や電池材料需要の動向です。直近の好調な四半期決算が、現在の株価上昇に影響を与えていると見られます。

11. 総評

住友金属鉱山は、資源から材料までの一貫した非鉄金属サプライチェーンを持つ大手企業です。ニッケルや電池材料に強みを持ち、成長市場への投資を拡大しています。
直近の業績は、非鉄金属価格の変動や為替の影響を大きく受け、前期は利益が大幅に減少しましたが、最新の四半期決算では、金価格の上昇に支えられた資源セグメントの好調により、増益を達成し、今期は利益の回復を見込んでいます。
財務基盤は自己資本比率60%台と安定していますが、ROEやROAは依然として低い水準にあり、収益性の改善が今後の課題です。
株価は年初来高値を更新し、移動平均線を上回る強い上昇モメンタムを示しています。PBRは1倍を下回っており、市場では純資産価値対比で低評価と見られがちですが、今後の利益回復や成長戦略の進展が評価の転換点となる可能性があります。
株主還元にも積極的で、増配予想や自己株式取得を実施しています。今後の非鉄金属相場と為替の動向、そして電池材料事業の成長戦略の具体化が、企業価値と株価を左右する主要な要素となるでしょう。


企業情報

銘柄コード 5713
企業名 住友金属鉱山
URL http://www.smm.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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