日本システム技術(4323)企業分析レポート
最終更新: 2025-09-16 14:42
1. 企業情報
- 概要: 独立系のシステム開発企業。以下の4事業を展開
- DX&SI(システムコンサル・開発・統合)
- パッケージ(大学向け「GAKUEN」シリーズ、金融向け「BankNeo」等の開発・販売・保守)
- 医療ビッグデータ(健保・自治体向けのデータ利活用、レセプト点検等)
- グローバル(主にASEANでのSAP導入支援等)
- 特色: 受託開発と自社パッケージの両輪に、医療データ活用を加えたポートフォリオ。1973年創業、東京本社(登記上は大阪)。
- 事業構成(2025/3 期 連結・売上構成比/セグメント利益率の目安)
- DX&SI 60%(利益率の目安: 高1桁~低2桁)
- パッケージ 20%(利益率: 2桁台)
- 医療ビッグデータ 11%(利益率: 高まる傾向)
- グローバル 9%(損益は変動、直近は赤字)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ベンダーロックの弱い独立系SIとして、製造・通信・官公庁のプライム案件で実績。
- 大学向け「GAKUEN」は国内高等教育分野での採用実績が厚く、ドメイン知見が強み。
- 医療ビッグデータは健保・レセプトなど公的色の強い領域で蓄積データと運用ノウハウを有する。
- 競争優位性(示唆)
- ドメイン特化(大学・健保等)と自社パッケージによる差別化。
- プライム比率の上昇による収益性向上余地。
- 課題
- 人材獲得・定着(賃金上昇、経験人材の希少性)。
- 大手SI・クラウドベンダー/SaaSとの競争。
- 海外(グローバル)の収益安定化。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(開示・実績からの整理)
- DX&SI: 製造・通信・官公庁向けのプライム案件を拡大し、案件ミックス改善で収益性を高める。
- パッケージ: 大学「GAKUEN」や金融「BankNeo」の導入・保守を拡販し、関連サービスでストック型収益を強化。
- 医療ビッグデータ: データ利活用・レセプト点検の高度化で単価向上と提供先拡大。
- グローバル: ASEAN中心のSAP導入支援。採算改善が課題。
- 2026年3月期 通期予想(会社計画・据え置き)
- 売上高 320億円、営業利益 35.9億円、経常利益 36.6億円、純利益 27.7億円、EPS 112.01円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 受託開発のフロー収益に加え、パッケージ保守・医療データサービスなどストック色のある収益を組み合わせ。
- 適応力
- ドメイン特化×パッケージの横展開が効きやすい構造。クラウド/データ利活用への移行にも対応可能。
- 主なリスク
- 大口案件の遅延・中止、価格競争、人件費上昇、個人情報・規制対応、海外案件の収益ブレ。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- 大学向け「GAKUEN」シリーズ(基幹・学務など)
- 金融向け「BankNeo」等のパッケージ群
- 医療ビッグデータの分析・レセプト点検サービス
- 技術/独自性
- 業界業務に密着した要件定義・実装力、データ分析ノウハウ。
- パッケージ×導入支援×保守の一体運用。
6. 株価の評価(バリュエーションの比較)
- 前提データ
- 株価 2,269円、時価総額 564億円
- 会社予想EPS 112.04円、BPS 579.22円
- 予想PER 20.27倍、PBR 3.92倍
- 業界平均: PER 23.2倍、PBR 2.3倍
- 相対比較
- PER比較: 112.04円 × 23.2倍 ≒ 2,599円(業界平均PERを当てはめた理論価格イメージ)
- PBR比較: 実績PBR 3.92倍は業界平均2.3倍を上回る(高ROE: 17.8%が背景)
- 参考指標
- ROE 17.82%、自己資本比率 64.4%(FY2025実績)
- ネットキャッシュ体質(現金10.4億円、借入0.6億円規模、直近)
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値 2,269円は年初来高値 2,294円/52週高値 2,295円に接近。
- 50日移動平均 1,968.9円、200日移動平均 1,928.8円を大きく上回る上昇トレンド。
- 直近10日
- 2,070円前後から切り上げ基調で、高値圏で推移。
- 出来高・需給
- 3カ月平均 33.9千株に対し、直近 40.0千株(10日平均 47.4千株)。
- 信用倍率 0.34倍(売り長)。信用売残が増加(+56.7千株)し、需給面の動きが株価に影響する可能性。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上高: 213.9億円(2022)→ 235.2億円(2023)→ 261.8億円(2024)→ 293.2億円(2025)
- 営業利益: 20.0億円 → 23.9億円 → 27.9億円 → 31.9億円(利益率の改善傾向)
- 親会社純利益: 13.3億円 → 17.7億円 → 20.9億円 → 24.4億円
- EPS: 56.16 → 72.25 → 85.08 → 99.24円(連続増益)
- 直近期(2026年3月期 第1四半期)
- 売上 70.39億円(+11.8%)、営業利益 4.94億円(+73.8%)、純利益 3.22億円(+77.8%)
- 営業利益率 7.0%(Q1単独、季節性あり)
- 通期計画に対する進捗率: 売上 22.0%、営業利益 13.8%、純利益 11.6%
- セグメント(Q1実績)
- DX&SI: 売上 45.9億円、利益 8.22億円(利益率 約18%)
- パッケージ: 売上 14.0億円、利益 3.73億円(約27%)
- 医療ビッグデータ: 売上 5.66億円、利益 0.52億円(約9%)
- グローバル: 売上 4.88億円、損失 ▲0.89億円
- 財政状態・CF
- 自己資本比率: 61.2%(25/6月末)、D/E 0.44%(実質無借金)
- 営業CF 29.2億円(過去12か月)、フリーCF 22.6億円(安定的な創出)
- 流動比率 244%(25/6月末)
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025/3期): 年間 27円
- 予想(2026/3期): 年間 35円(中間 11円、期末 24円)
- 予想配当利回り: 約1.54%、配当性向 約27%
- その他
- 株式分割: 2024/3/28 に 2分割
- 自社株買い: 直近記載なし
- 権利落ち日: 2025/9/29(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線を上回り、年間高値圏で推移。直近は陽線が続き上昇基調。
- ボラティリティ・オーナーシップ
- ベータ 0.58(5年・月次)、相対的に低ボラティリティ。
- インサイダー保有 36.3%、機関 32.5%、フロート 903万株と流通株式は相対的に少なめでニュースの影響を受けやすい側面。
- 需給
- 信用は売り長(倍率 0.34倍)。売買動向が短期の値動きに影響する可能性。
11. 総評
- 事業面: ドメイン特化(大学・医療)とパッケージの強みを活かし、DXのプライム案件増で収益性が改善。医療データはストック色が強く、ポートフォリオの安定化に寄与。グローバルは採算改善が課題。
- 財務面: 売上・利益・EPSが継続的に伸長。自己資本比率・キャッシュ創出力ともに良好で、ネットキャッシュ体質。
- 株価・バリュー: 予想PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る。高ROEが評価に影響。テクニカルは高値圏・上昇トレンドで、信用需給の動向に留意。
- 今後の注目点: 通期計画に対する利益進捗(季節性踏まえた下期の伸び)、パッケージ・医療のストック収益拡大、グローバル事業の収益改善、人材確保・賃金動向。
企業情報
銘柄コード | 4323 |
企業名 | 日本システム技術 |
URL | http://www.jast.jp |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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