コーア商事ホールディングス(9273)企業分析レポート

株価: 786円(2025-09-17終値)/市場区分: プライム

1. 企業情報

  • 概要
    • ジェネリック医薬品の原薬(API)を輸入・販売する商社機能が主力。注射剤・経口剤などのジェネリック医薬品の製造販売、CDMO(医薬品製造受託)、包装、医薬品の売買も展開。
    • 連結事業構成(売上構成比・2024.6期参考):原薬販売 62%(セグメント利益率18%)、医薬品製造販売 38%(同20%)。
    • 2025年6月期実績では、原薬販売15,930百万円(利益3,215百万円)、医薬品製造販売8,669百万円(利益2,137百万円)と、両事業とも増益。
  • 特徴
    • 大阪医薬分析センター等の試験設備を活用し、原薬商社でありながら品質検証・技術支援機能を保有。
    • 製造ではプレフィルドシリンジ(PFS)等の注射剤に強み。蔵王第二工場を建設中(2027年7月稼働予定)で生産能力拡大を計画。
  • 基本データ
    • 本社: 横浜市港北区
    • 従業員: 291人、平均年齢49.3歳、平均年収658万円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内ジェネリック市場におけるAPI商社兼メーカー。APIの輸入・品質試験から製剤の製造・販売、CDMOまで一気通貫の体制を志向。
    • 注射剤(特にPFS)に注力しており、差別化余地のある領域を強化。
  • 市場環境
    • 国内の後発医薬品使用促進は継続。資料では数量シェアが90%台まで拡大との引用あり(2025年2月時点の参考値)。
  • 競争優位・課題
    • 優位性: 試験設備・品質対応力、PFS対応設備、CDMOの拡張方針。高い自己資本比率とネットキャッシュにより投資余力がある。
    • 課題: 為替・原材料価格の変動、薬価改定による価格下押し、競合参入や需要家の在庫調整。APIの海外依存によるサプライチェーンリスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(中長期)
    • 原薬販売を「医薬品専門商社」へ、製造販売を「特長のある注射剤の国内トップメーカー」へ転換。
  • 重点施策
    • 原薬販売: サプライチェーン強化、DX/AI活用、新規事業・ESG対応、品質・試験機能の高度化。
    • 製造販売: PFSなど注射剤の増強、CDMO(開発提案型受託)拡大、品質管理体制強化、生産性向上(稼働率・収率改善)。
    • 設備投資: 蔵王第二工場(2027年7月稼働予定)によりPFS等の増産体制を構築。
  • 次期(2026年6月期)会社予想
    • 売上高25,700百万円(+10.4%)、営業利益5,430百万円(+1.4%)、純利益3,640百万円(+0.1%)、EPS 86.42円。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 原薬販売は継続的な需要(後発医薬の普及)を背景に、品質・試験対応を付加価値源泉に。製造販売は注射剤(PFS)比重を高め、価格競争の影響を相対的に緩和。
    • CDMO拡大により、製品ポートフォリオと収益の安定性を補完。
  • リスク対応
    • 為替予約、為替連動型価格設定、価格交渉等で為替・原材料価格の変動に対応。生産性改善でコスト吸収を図る。
  • 財務耐性
    • 自己資本比率77.9%、流動比率417%、ネットキャッシュ約124.7億円と財務余力が大きい。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・設備
    • 試験設備(大阪医薬分析センター)による品質・試験対応力、PFS対応の製造設備、蔵王工場のCDMO機能。
  • 主力・収益牽引
    • 原薬は中枢神経用・腫瘍用が堅調。製造はPFSが伸長、錠剤は競合で横ばい~減少ながら、生産性改善で利益率向上。
  • 収益性(2025年6月期)
    • 事業別利益率:原薬販売 約20.2%、製造販売 約24.6%。連結営業利益率 約23.0%に上昇。

6. 株価の評価(バリュエーションの目安)

  • 指標(会社予想・実績に基づく)
    • PER(予想): 9.1倍(株価786円 / EPS 86.42円)
    • PBR(実績): 1.18倍(株価786円 / BPS 667.66円)
    • 配当利回り(会社予想): 2.16%(年17円/株)※会社開示採用
    • EV/EBITDA(概算TTM): 約3.4倍
    • EV ≒ 時価総額331億円 + 有利子負債24.5億円 − 現金149.2億円 ≒ 206億円
    • EBITDA(TTM)約60.5億円
    • FCF利回り(概算TTM): 約8.3%(FCF276億円ではなく27.6億円/時価総額331億円)※単位は億円換算
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER: 12.1倍、業界平均PBR: 1.0倍
    • 参考水準
    • EPS×業界平均PER ≒ 86.42×12.1 ≒ 1,047円
    • BPS×業界平均PBR ≒ 668円
    • 上記は単純比較であり、成長性・事業ポートフォリオ・資本構成等の差異は考慮していません。

7. テクニカル分析(短期形状の参考)

  • 位置づけ
    • 年初来高値: 814円、年初来安値: 570円。現値786円は高値から約−3.4%で「高値圏」寄り。
  • 移動平均
    • 50日移動平均 742.3円、200日移動平均 684.0円。現値は両移動平均を上回る(50日比+約5.9%、200日比+約14.9%)。
  • 需給
    • 信用買残 46.7万株、信用倍率 36.17倍と買い残の積み上がりがみられる。浮動株が少ない(フロート約1,291万株、インサイダー保有約67.6%)点は短期の値動きに影響し得る。

8. 財務諸表分析

  • 成長と収益性(連結)
    • 売上高(百万円):2021 17,816 → 2022 20,353 → 2023 22,053 → 2024 22,134 → 2025 23,269(CAGR約+6–7%)
    • 営業利益(百万円):2021 3,377 → 2022 3,807 → 2023 4,250 → 2024 4,382 → 2025 5,355
    • 営業利益率:2021約19.0% → 2025約23.0%(改善)
    • 当期純利益率(TTM):約15.6%
    • ROE(実績):13.68%、ROA(TTM):9.83%
  • キャッシュフロー(2025年6月期)
    • 営業CF +37.8億円、投資CF △12.8億円、財務CF △9.4億円。ネット現金増は堅調。
    • レバードFCF(TTM)約27.6億円でプラス継続。
  • 財政状態
    • 総資産 361億円、自己資本比率 77.9%、現金等約149億円、有利子負債約25億円。
    • 流動比率 417%。ネットキャッシュ 約125億円(時価総額比 約38%)。
  • セグメント
    • 原薬販売・製造販売とも増収増益。特に製造販売の利益率改善が顕著(生産性向上・PFS増産)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・方針
    • 2024年: 年13円、2025年: 年16円、2026年会社予想: 年17円。
    • 予想配当性向 約19.7%(17円 / EPS 86.42円)。利益成長に応じ段階的増配の方針がうかがえる。
  • 自社株買い
    • 開示ベースでは目立った実施なし。自己株式は極少量(1,476株)。
  • 留意点
    • 一部外部データに「フォワード年34円、利回り4.28%」の記載があるが、会社予想は17円。本レポートは会社開示の17円を採用。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落率 +31.0%。50日・200日線を上回り、トレンドは上向き基調。
    • 直近10日では814円に接近後にやや押し、786円で推移。
  • 投資家関心・需給
    • 信用買い残の増加(前週比+3.61万株)、信用倍率の高水準は個人投資家の関心の高まりを示唆。浮動株の少なさと相まって、短期の値動きは出来高の影響を受けやすい。

11. 総評

  • 事業面
    • API商社機能と製造(特にPFS)を両輪とし、品質・試験対応やCDMOで付加価値を高める戦略。2025年期は両セグメントで増益、利益率が上昇。蔵王第二工場による中期的な供給力拡大が進捗。
  • 財務・指標
    • 高い自己資本比率と潤沢なネットキャッシュ、安定的な正味FCFが確認できる。ROEは13%台。バリュエーションはPERで業界平均を下回り、PBRはおおむね業界平均並み〜やや上回る水準。EV/EBITDAは低位。
  • 市場面
    • 株価は年初来高値圏で推移し、移動平均線の上方に位置。信用買い残の積み上がりと浮動株の少なさは短期的な値動きの振れに影響し得る。
  • リスク・留意
    • 為替・原材料価格、薬価改定、競合参入、需要家の在庫調整、海外サプライチェーンの変動。会社は為替予約・価格交渉・生産性改善等で対応を記載。

本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値は主に2025年6月期決算短信および付随データ(TTM含む)から抜粋・計算しています。


企業情報

銘柄コード 9273
企業名 コーア商事ホールディングス
URL https://www.koashoji-hd.com/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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By シャーロット

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