清水銀行(8364)企業分析レポート

株価:2,000円(2025-09-17終値)/市場区分:東証プライム/業種:銀行業
時価総額:232.8億円/発行済株式数:11,641,318株

1. 企業情報

  • 概要
    • 1928年設立、静岡県静岡市清水区に本店を置く地銀。旧清水市を基盤に、県内では3番手の地位。中小企業向け融資を主力とし、個人向けでは住宅ローン等を展開。
    • 付帯事業として、リース、クレジットカード、信用保証、不動産管理、経済金融リサーチ・研修等を提供。
    • SBIホールディングスと資本業務提携。
  • バランスシート・資金構成(2025/3 期末ベースの構成比)
    • 資金(預金等):普通49%、定期41%、当座4%、通知4%、他2%
    • 資産:貸出金70%、有価証券15%、現預け金13%、他2%
    • 融資:中小企業等向け80%、住宅・消費者向け29%(注:比率は重複の可能性あり)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 静岡県内3番手の地域銀行。県内では静岡銀行、スルガ銀行等が主な競合。
  • 競争優位性
    • 地場SME(中小企業)との長期的取引関係による情報優位と安定的な与信需要。
    • 普通預金中心の預金基盤(普通49%)は資金調達の安定性に寄与。
    • リース・カード・信用保証など非金利収益源を保有。
  • 課題
    • ROE・ROAは低位(LTM ROE 2.89%、ROA 0.12%)。収益性改善が業界共通の課題。
    • 有価証券の評価差額がマイナス(単体:その他有価証券評価差額▲117.9億円、2025/6末)。金利動向に左右されやすい。
    • 預金利息の上昇(資金調達費用の増加)によるNIM(利ざや)圧迫リスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(推定:公開情報より要約)
    • 地域密着の総合金融機能を強化し、SME支援と個人の資産形成を両輪に収益基盤を多角化。
    • SBIグループとの連携により、デジタルチャネルや投信・証券仲介等の商品力を強化。
  • 重点施策(公表資料の示唆)
    • 非金利収益の拡充:リース・カード・信用保証の伸長、役務取引収益(第1四半期 28.9億円)を安定的柱に。
    • 金利上昇局面での資金運用構造見直し:貸出金利息増(第1四半期 37.6億円)を取り込みつつ、調達コスト増を抑制。
    • コストコントロール:第1四半期の営業経費は前年同期から減少(36.8億円)。
  • 業績進捗(会社予想との対比)
    • 2026年3月期の会社計画(連結):経常利益25億円、純利益20億円、EPS 177.94円。
    • 第1四半期実績:経常利益15.45億円、純利益12.06億円。公表の第2四半期累計予想(経常13億円、純利益10億円)に対して進捗が大きい(時点情報、予想未修正)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • コア:貸出金利息と手数料(役務取引収益)。SME・個人(住宅)向けで分散。
    • サブ:有価証券運用(評価変動影響あり)、リース・カード・信用保証等の非金利収益。
  • 適応力・リスク
    • 金利上昇は運用利回り改善に寄与する一方、預金利息上昇で純利ざやが圧迫され得る。第1四半期は貸出金利息増と同時に預金利息(82.7億円相当/年率換算イメージ)も増加。
    • 地域景気・不良債権動向:開示債権比率1.11%(単体、2025/6末)。現状は低位だが景気循環の影響に注意。
    • 自己資本比率(連結)4.0%(会計ベース。規制上の自己資本比率とは算定が異なる)と資本緩衝の厚みは限定的に見えるため、評価損益や信用コスト上振れには留意。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・サービス
    • デジタルチャネルの整備(口座・アプリ等、SBI連携による商品提供力の補完が想定)。
  • 主力収益源
    • 貸出金(SME中心、個人住宅含む)。
    • 役務取引収益(送金・決済、投信・保険仲介、カード手数料等)。
    • リース・カード・信用保証のグループ内収益(第1四半期:銀行業 65.5億円、リース・カード 16.1億円、その他 1.0億円の経常収益)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 会社予想EPS(連結):177.83円 → 予想PER:約11.25倍(= 2,000 ÷ 177.83)
  • 実績BPS(連結):6,555.48円 → PBR:約0.31倍(= 2,000 ÷ 6,555.48)
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER:10.7倍 → EPS基準の「指標連動価格」目安:約1,905円(= 177.83 × 10.7)
    • 業界平均PBR:0.4倍 → BPS基準の「指標連動価格」目安:約2,622円(= 6,555.48 × 0.4)
    • 注:手法により示唆は分かれる(収益力重視のPERと資産価値重視のPBRでレンジが異なる)。会計基準・評価差額・将来成長見通しにより適用指標は変動し得る。
  • 配当
    • 年間配当予想:60円 → 配当利回り:約3.0%(= 60 ÷ 2,000)
    • 会社開示の配当性向目安:36.98%(指標ベース)

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 52週高値:2,085円(2025/9/12)、52週安値:1,200円。
    • 50日移動平均:1,703円、200日移動平均:1,496円。現在値は両線を上回る上昇トレンド圏。
  • 位置づけ
    • 現在値2,000円は年初来高値圏に近い水準。直近高値2,085円が上値目処、直近の押し目は1,950~1,960円近辺(9/4~9/8の終値帯)に観測。
  • 需給
    • 信用買残39.5万株・信用倍率11.07倍と買い残偏重。短期的な値動きの振れに影響し得る。
    • 3カ月平均出来高4.45万株に対し、直近10日平均6.73万株と商い増。

8. 財務諸表分析(連結)

  • 損益推移(年度、単位:百万円)
    • 経常収益:2022/3 20,899 → 2023/3 20,354 → 2024/3 20,914 → 過去12か月 21,187
    • 税引前利益:2022/3 3,669 → 2023/3 1,578 → 2024/3 ▲4,302 → 過去12か月 2,301
    • 親会社純利益:2022/3 2,580 → 2023/3 1,474 → 2024/3 ▲3,301 → 過去12か月 1,861
    • EPS:2022/3 222.69円 → 2023/3 127.55円 → 2024/3 ▲286.14円 → LTM 162.26円
  • 直近期(2026年3月期 第1四半期)
    • 経常収益825.8億円(+5.3%)、経常利益154.5億円(+24.4%)、純利益120.6億円(+32.0%)。
    • 貸出金利息増・営業経費減が寄与。一方で資金調達費用(預金利息)の増加を確認。
  • 収益性・効率性(LTM)
    • 営業利益率:20.97%、純利益率:8.17%、ROE:2.89%、ROA:0.12%。
  • 財政状態(2025/6/30、連結)
    • 総資産:1兆8,023.8億円、純資産:755.5億円。
    • 現金預け金:2,321.2億円、有価証券:2,707.8億円、貸出金:1兆2,509.7億円。
    • 借用金:1,066.7億円。
    • 自己資本比率(会計ベース):4.1%(規制上の自己資本比率とは算定が異なる)。
  • 資産健全性・市場リスク
    • 開示債権比率:1.11%(単体、2025/6末)。
    • その他有価証券評価差額:▲1,178.9億円(単体、2025/6末)。金利・市況変動に感応度あり。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想
    • 2025年3月期:年間60円(中間30円・期末30円)。
    • 2026年3月期(会社予想):年間60円(中間30円・期末30円)。
  • 配当性向・利回り
    • 会社開示の配当性向(指標ベース):36.98%。
    • 現在利回り:約3.0%(株価2,000円基準)。5年平均利回り:3.77%(参考)。
  • 自己株式
    • 自己株式の保有あり(比率・推移は期末により異なる)。新規の自己株買い施策は開示資料上、記載確認できず。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落:+41.41%。β(5年):0.19(市場連動性は相対的に低い傾向)。
    • 年初来高値(2,085円)接近後に反落し2,000円で推移。短期では高値圏での持ち合い局面。
  • イベント
    • 決算発表:2025/8/4 第1四半期決算公表済。
    • 権利落ち日:2025/9/29(予定)。配当権利取り・落ちに伴う短期需給変動に留意。
  • 信用動向
    • 信用買残増(前週比+1.57万株)、信用倍率11.07倍。短期的な振幅要因。

11. 総評(要点整理)

  • 地域密着のSME向け融資と手数料ビジネスを柱とする地銀。普通預金を中心とした預金基盤の安定性と、リース・カード・信用保証などの非金利収益を保有。
  • 2026年3月期第1四半期は、貸出金利息増・経費減で増益。会社上期予想に対し進捗が高い一方、預金利息の上昇など調達コスト増も顕在化。
  • バリュエーションは、予想PER約11.25倍で業界平均(10.7倍)並~やや上、PBR約0.31倍で業界平均(0.4倍)を下回る水準。PERとPBRで異なる示唆を示すため、収益力と資産価値のどちらを重視するかで見方が分かれやすい。
  • リスク要因は、金利・証券市況変動による評価差額の増減、資金調達コストの上昇、地域景気に伴う信用コストの動向。会計ベース自己資本比率(4.0%)は緩衝力の見極めにおいて注視対象。
  • 注目点は、SBI連携による商品・デジタル提供力の補完、非金利収益の積み上げ、コストコントロール継続、および有価証券ポジション・ALM管理の進捗。

本レポートは公開情報の整理であり、特定の投資行動を勧奨するものではありません。最新の有価証券報告書、決算短信、IR資料等で数値・方針をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 8364
企業名 清水銀行
URL http://www.shimizubank.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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