ニチレイ(2871)企業分析レポート
株価:1,745.5円(2025-09-18終値)
市場区分:東証プライム/食料品
1. 企業情報
- 概要:冷凍食品と冷蔵倉庫(低温物流)で国内首位クラス。食品(冷凍・レトルト・缶詰・氷など)、水産・畜産の原料・加工、低温物流(保管・荷役・流通加工・輸配送・3PL)、バイオサイエンス(診断薬・化粧品原料)、不動産管理を展開。海外にも事業展開(連結売上の海外比率:24%)。
- 事業再編:2025年度より報告セグメントを「食品」「低温物流」「不動産」に再編(従来の加工食品・水産・畜産等を統合)。
- 事業構成(参考・従来区分):加工食品44%、水産8%、畜産9%、低温物流37%、不動産1%、他1%。
- 特徴:冷凍食品・冷蔵倉庫で高いシェア。低温物流は欧州でも拠点展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の冷凍食品メーカーおよび冷蔵倉庫(低温物流)でトップグループ。低温物流はグローバル対応力と品質管理が強み。
- 競争環境:
- 食品:冷凍調理品は大手食品メーカーとの競合が激しい一方、家庭内調理・中食需要や業務用需要の底堅さが支え。
- 低温物流:需要は構造的(生鮮・冷食・医薬など)。倉庫能力、ネットワーク、温度帯管理、3PLノウハウが差別化要因。
- 課題:原材料・エネルギー費の変動、為替影響、品質保証と供給体制の維持、海外事業の収益安定化。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画:新中期「Compass×Growth2027」、長期目標「N-FIT2035」を掲げ、収益力強化と資本効率の向上を方針化。
- 重点施策(短信・開示の範囲から)
- セグメント再編により食品事業の統合・効率化。
- 低温物流での収益性向上(稼働率・単価・サービス付加)と海外展開の継続。
- 会計方針変更(減価償却の定額法化・耐用年数見直し)により設備資産の実態に沿った費用配分へ。
- 前提為替(会社計画):USD=150円、EUR=160円、THB=4.4円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:食品(製造・ブランド・企画)と低温物流(保管・輸配送・3PL)の2本柱。不動産・その他が補完。
- 需要特性:冷食・チルド・医薬等の低温領域は構造的需要。食品と物流の組み合わせにより景気感応度を分散。
- 主要リスク:原材料・エネルギー価格、為替、品質・安全体制、開発・設備投資の実行、海外事業のオペレーション。
- 会計変更の影響:減価償却の定額法化で当期第1四半期の営業利益は従来法比+8.82億円。期間比較時の留意点。
5. 技術革新と主力製品
- 主力領域:家庭用・業務用の冷凍食品(米飯・惣菜・畜産加工など)と低温物流(多温度帯対応、流通加工、3PL)。
- 技術・運用面の方向性:温度管理精度、倉庫運用効率、輸配送最適化、安全・品質保証の高度化が競争力に直結。低温物流は省エネ・設備更新の余地が大きい領域。
- 収益牽引:四半期セグメント利益は食品47.6億円、低温物流40.7億円(2025年4-6月)。食品・物流の二大セグメントが利益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,745.5円
- 予想EPS:117.73円 → 予想PER:約14.8倍(会社公表値14.83倍と整合)
- 実績BPS:1,025.10円 → PBR:約1.70倍
- LTM EPS:97.34円 → 過去PER:約17.9倍
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 4,485億 + 有利子負債1,118億 − 現金392億 ≒ 5,211億円、EBITDA 617.5億円 → 約8.4倍
- 比較(参考)
- 業界平均PER:19.5倍 → 当社はこれに比べ低位水準。
- 業界平均PBR:1.3倍 → 当社はこれに比べ高位水準。
- 配当利回り:47円/株 → 約2.69%(会社予想)。5年平均利回り1.88%を上回る水準(指標上の比較)。
※本節の比較は統計値との単純比較であり、投資判断を示すものではありません。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,628~2,095円。現在値は下限から約25%位置(レンジ下側寄り)。
- 移動平均:50日線1,754.7円、200日線1,860.1円。株価は50日線をやや下回り、200日線を下回る。
- モメンタム(10日):1,699円→1,745.5円と緩やかな戻り。10日平均売買高(約159万株)は3か月平均(約135万株)を上回る。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(連結、百万円)
- 売上高:602,696(2022)→662,204(2023)→680,091(2024)→702,080(LTM)
- 営業利益:31,416(2022)→32,942(2023)→36,917(2024)→38,321(LTM)
- 当期純利益:23,382(2022)→21,568(2023)→24,495(2024)→24,731(LTM)
- 粗利率:約18.0%(LTM)、営業利益率:約5.5%(LTM)
- 四半期(2025/4-6)前年比:売上 -0.2%、営業 -8.9%、純利益 -12.4%。会計方針変更による増益効果(+8.82億円)を含む点に留意。
- 効率性:ROE 9.63%、ROA 4.67%(LTM)
- キャッシュフロー(代理指標):EBITDA 617.5億円、減価償却 242.8億円(LTM)
- 財務安全性:自己資本比率 52.1%(LTM)/51.1%(四半期末)、D/E(総負債/純資産)約41%、流動比率 1.54。現金392億円、有利子負債1,118億円。
- セグメント(2025/4-6)
- 食品:売上1,037億円、セグ利益47.6億円
- 低温物流:売上651億円、セグ利益40.7億円
- 不動産:売上8.45億円、セグ利益5.15億円
9. 株主還元と配当方針
- 配当予想(2026/3期):年間47円(中間23円、期末24円)。配当利回り約2.69%。
- 直近実績(2025/3期):年間92円(株式分割前、分割後換算で46円相当)。
- 配当性向:47.25%(提供指標)。予想EPSベースでは約40%。
- 自己株式:発行済の約2.48%を保有(参考)。自社株買いの方針・実施は本データ内に明記なし。
- 株式分割:2025/4/1に1→2の株式分割実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の値動き:年初来高値2,095円に対し、年初来安値1,628円。52週騰落率は-22.13%。
- 信用動向:信用買残 64.8万株(前週比 -7.25万)、信用売残 3.95万株(前週比 -1.37万)、信用倍率 16.41倍。買い越し傾向だが残高は縮小。
- 売買代金・出来高:直近は3か月平均を上回る日が増加。イベント接近(配当権利落ち 2025/9/29)も関心要因。
11. 総評(要点整理)
- 事業ポートフォリオ:食品と低温物流の二本柱。不動産・その他が補完。国内首位級の冷凍食品・低温物流基盤が特長。
- 収益・財務:売上・営業利益は中期的に増加傾向、ROEは約9.6%。自己資本比率50%台、D/E 41%で財務は安定的。
- 2025年度第1四半期:売上横ばい、利益は前年比で減少。減価償却方法の変更により当期利益が押し上げられており、期間比較には注意。
- バリュエーション:予想PER約14.8倍、PBR約1.70倍。業界平均PER(19.5倍)との比較では低位、PBRは平均(1.3倍)を上回る。EV/EBITDAは約8.4倍。
- テクニカル:株価は52週レンジの下側、200日線を下回る一方、直近10日では戻り基調。出来高はやや増勢。
- 注視ポイント:原材料・エネルギー・為替の動向、低温物流の稼働・単価、欧州展開の収益寄与、価格改定の浸透、会計方針変更による見かけの増益影響、配当政策の継続性。
注意:本資料は公開情報の整理であり、投資助言を目的としたものではありません。詳細は会社IR資料・決算短信等の原資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 2871 |
企業名 | ニチレイ |
URL | http://www.nichirei.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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