9023 東京地下鉄(Tokyo Metro)企業分析レポート
最終更新: 2025-09-18
1. 企業情報
- 概要
- 首都圏(主に東京都区部)で地下鉄9路線を運営する都市鉄道事業者。駅ナカ・駅ビル等の流通、広告、情報通信(駅・トンネル内の携帯通信許諾、光ファイバ貸与等)、不動産(賃貸・開発、ホテル・オフィス)を展開。
- 1920年創業。2004年に営団地下鉄を民営化して設立。愛称は「東京メトロ」。
- 事業セグメント
- 運輸(旅客鉄道): 収益の中核(2025.3期 実績ベースで売上構成約91%)
- 不動産
- ライフ・ビジネスサービス(旧:流通・広告)
- その他
- 会社情報
- 市場区分: 東証プライム(陸運業)
- 本社: 東京都台東区東上野3-19-6
- 代表者: 小坂 彰洋
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 日本最大級の都市地下鉄運営者。東京都交通局(都営地下鉄)とともに東京都心部の主要な地下鉄ネットワークを形成。
- 私鉄各社・JR東日本との相互直通運転により広域な輸送ネットワークを構築。
- 競争優位・課題
- 優位性: 高密度な路線網・駅ナカ商業資産・ブランド力・安定的な通勤需要・運行品質。
- 課題: 老朽インフラ更新・安全投資、労務費・エネルギーコスト、需要構造(在宅勤務・観光動向)の変化、運賃規制・金利動向の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(短信・開示データから読み取れる重点)
- 安全・安定輸送の高度化(保守更新、ホームドア、信号・車両更新等)
- ネットワーク拡充・利便性向上(新線・延伸等のプロジェクト推進)
- 証左: 建設仮勘定の増加(166,002百万円)や「新線建設推進長期借入金」(192,120百万円)計上
- 駅・沿線価値最大化(駅ナカ・駅ビル再編、渋谷マークシティ等の収益力向上)
- 非運輸事業の強化(デジタル広告、ライフサービス、通信許諾収入の拡大)
- サステナビリティ/省エネ・カーボンニュートラル対応、DXによる効率化
- 2026年3月期通期見通し(会社計画)
- 売上高 420,600百万円、営業利益 88,700百万円、純利益 58,200百万円、EPS 100.17円(いずれも据え置き)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- コアは通勤・通学・観光等の旅客運輸収入。加えて駅商業、広告、通信許諾、不動産賃貸等の非運輸収入を組み合わせる多角化モデル。
- 持続性評価の観点
- 安定需要の基盤は強い一方、人口動態・働き方・観光動向の変化の影響を受ける可能性。
- インフラ企業特有の大型投資サイクルと規制環境(運賃)のもと、長期的な資本配分・財務健全性の管理が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運行
- 信号保安・省エネ車両・ホームドア等の安全・省力化投資を継続。駅・トンネル内の4G/5G通信インフラ整備に伴う許諾料収入あり。
- 主力収益源
- 運輸事業が収益を牽引(Q1売上構成約91%)。不動産・ライフサービス・広告が補完的に利益貢献。
- 2026年3月期Q1では、旅客運輸収入の増加、渋谷マークシティ賃貸収入増、通信許諾料増などが増収要因。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 現在株価: 1,745.5円、時価総額: 約1.015兆円
- 会社予想EPS: 100.17円 → 予想PER約17.4倍(提示値: 17.44倍)
- 業界平均PER: 13.9倍との比較では高めの水準に位置。
- 参考計算(単純比較): EPS×業界平均PER ≒ 1,392円程度(あくまで目安)
- BPS(実績): 1,225.54円 → PBR約1.43倍(提示値: 1.43倍)
- 業界平均PBR: 1.0倍との比較では高め。
- 配当
- 年間42円予想、配当利回り約2.4%、配当性向約40%(会社データ)
※上記は与件数値に基づく機械的比較であり、投資判断を目的としません。
7. テクニカル分析(短期形状の観察)
- 価格位置
- 50日移動平均: 1,682.75円、200日移動平均: 1,746.54円
- 現在値は50日線の上、200日線付近(わずかに下回る水準)。
- 52週レンジ
- 高値 2,125円、安値 1,594円
- 現在は52週高値比約-18%、安値比約+9%の位置。
- 出来高
- 直近出来高は3カ月平均(約326万株)を下回る日が多く、直近10日平均(約219万株)並み。
- 信用動向
- 信用倍率 3.30倍。信用買残は前週比で減少、売残はわずかに増加。
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(LTM/四半期)
- LTM売上高 約4,119.8億円、LTM営業利益率 約27.2%、LTM純利益 約580億円、純利益率 約14.1%
- 2026年3月期Q1(4-6月): 売上高 1,061億円(+4.1%)、営業利益 289億円(-0.7%)、純利益 223億円(+23.5%)
- 特別利益(退職給付制度改定益 64億円)計上により純利益が伸長。
- 効率性・収益性
- ROE(LTM)約8.4%(開示値)、ROA約2.7%
- 安全性・資本構成
- 自己資本比率 約35.3%(Q1 35.4%)、D/E(総負債/自己資本)約152%
- 総資産 2兆96億円、純資産 7,120億円、現金等 579億円、総有利子負債 約1.09兆円
- 流動比率 2.13倍と流動性は確保。減価償却費(Q1)1,811億円。
- 建設仮勘定の積み上がりから、継続的な大型投資局面であることが示唆。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期年間40円 → 今期会社予想年間42円(中間21・期末21)、予想配当性向約40%
- 自社株買い等
- 与件資料に記載なし。
- 株主構成
- 財務大臣26.71%、東京都23.29%など公的株主が過半。インサイダー保有比率約52.7%、機関投資家保有約14.9%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: -0.35%(概ね横ばい圏)
- 直近株価は200日線近傍で推移。イベントとして権利落ち日(2025/9/29)および決算発表(2025/10/31)が予定。
- センチメント指標として信用買い優勢(倍率3.30倍)だが、買残はやや減少傾向。
11. 総評
- 事業面
- 都心部の安定的な旅客需要を基盤に、駅商業・不動産・通信許諾等の非運輸収入を組み合わせる堅実なインフラ型モデル。Q1は旅客収入増と特別利益計上で純利益が伸長。
- 建設仮勘定・新線建設関連負債の計上から、ネットワーク拡充・更新投資を進める局面。
- 財務・リスク
- 営業利益率は高水準。自己資本比率は35%台、有利子負債は大きく、金利や投資サイクルの管理が重要。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRは業界平均を上回る水準。株価は200日線近傍、52週レンジではやや中位より下寄りの位置。
- 留意事項
- 需要動向(在宅勤務・インバウンド)、コスト(エネルギー・保守・資材)、規制・金利、災害対応等が業績に影響。
注記:
– 本レポートは提供データに基づく事実整理であり、投資助言を目的とするものではありません。最新の開示(決算説明資料、有価証券報告書等)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9023 |
企業名 | 東京地下鉄 |
URL | https://www.tokyometro.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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