ザ・パック（3950）企業分析レポート
株価：1,192円（2025-09-17終値）／市場：プライム／業種：パルプ・紙（Packaging & Containers）
1. 企業情報
- 概要
- 1878年創業、大阪本社の包装資材大手。紙袋、紙器（箱・トレー）、段ボール、フィルム・軟包装、店舗資材、印刷などを国内外で製造・販売。
- 商店・百貨店・専門店向けの紙袋で国内最大手。EC・テイクアウト需要に対応した段ボール・紙器、食品・日用品・衛生・医薬向けの軟包装も展開。
- 企画・デザイン〜印刷〜製造〜物流まで一貫対応。包装資材のアウトソーシング（PAS）など周辺サービスも提供。
- 事業構成（2024.12 連結売上構成比／営業利益率）
- 紙加工品：72%（営業利益率約10%）
- 化成品：13%（約7%）
- その他：15%（約8%）
- 組織・人員
- 連結従業員数：1,239人、平均年齢40.9歳、平均年収732万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 紙袋分野で国内最大手。紙器でも有力ポジション。大手小売・百貨店との長期関係、デザイン・印刷の内製力、一貫供給体制が強み。
- 競争環境と課題
- 競合：製紙・段ボール大手、総合包装企業（紙・フィルム双方）。価格競争、原材料・物流コスト変動、顧客のサステナビリティ要請への対応が共通課題。
- 需要面：インバウンド・小売復調、EC拡大は追い風。一方、用途による「紙化」の進展で化成品（プラ系）は需要調整も。
※定量的な市場シェア比率は開示なし。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略（公表資料要旨）
- 主力の紙加工品での品質・供給体制強化、新市場開拓、デザイン力を活かしたブランド提案。
- サステナブル素材・リサイクル対応など環境配慮型製品の拡充。
- PAS（包装資材の調達・在庫・配送等のアウトソーシング）による顧客業務の効率化支援。
- 海外展開（米国子会社の拡大等）とEC・テイクアウト向け製品の強化。
- 中期計画と進捗
- 目標（2025年）：売上高1,070億円、営業利益83億円。
- 修正後の通期予想（2025/8/12発表）：売上高1,030億円、営業利益73億円、純利益61億円、EPS 108.26円。
- 上期は積極投資により利益率が一時的に低下（営業利益進捗約34%）。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 企画・デザインを伴う受託製造＋資材供給が中心。大口顧客向けの継続需要と幅広い製品群で分散が効く。
- 構造変化への適応
- 脱プラ・紙化トレンドは主力の紙加工品にとって需要面の追い風。一方で化成品は構造的逆風にも直面。
- EC拡大・テイクアウト常態化により、段ボール・紙器・食品容器などの需要は底堅い傾向。
- リスク
- パルプ・原紙・樹脂価格、為替、物流費の変動が収益性に影響。小売・インバウンド動向にも感応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- オフセット輪転・グラビア印刷などの印刷技術と、紙袋・紙器・段ボールの総合加工力。デザイン制作機能を内製化。
- 主力領域
- 紙袋（百貨店・専門店・アパレル・土産）、紙器（ギフト・食品・EC）、段ボール（輸送・EC）、軟包装（食品・日用品等）。
- エコ配慮型素材・再生材活用、ブランディング需要に対応した高付加価値パッケージ。
6. 株価の評価（バリュエーションの相対比較）
- 前提（2025-09-17、株価1,192円）
- 予想EPS：108.22円 → 予想PER：約11.01倍
- 実績BPS：1,331.58円 → PBR：約0.90倍（株価/BPS）
- 時価総額：約711億円、現金等：約264億円、総有利子負債：約5億円 → ネットキャッシュ約259億円
- EBITDA（LTM）：約102億円 → EV/EBITDA：約4.5倍（概算）
- 売上高（LTM）：約1,015億円 → PSR：約0.70倍（概算）
- 業界平均との比較（提供値）
- 業界平均PER：9.5倍、業界平均PBR：0.5倍
- 本件はPER・PBRともに業界平均より高い水準。PBRは1倍未満で簿価水準との差がある（指標上の事実）。
- 配当
- 会社予想配当：41.33円（利回り約3.47%）、フォワード44円（約3.66%）。配当性向：約35.4%（提供値）。
- 株式分割（1→3、2025/7/1）を実施済み。分割後ベースでの配当表示に注意。
※EV/EBITDA・PSRはLTM数値と直近B/Sを用いた概算。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均：1,146.3円／200日移動平均：1,117.8円 → 現在値は両移動平均を上回る。
- 価格水準とレンジ
- 年初来高値：1,231円（本日高値と一致）、52週高値：1,305円、52週安値：927円。
- 現在値は年初来高値近辺、52週高値には未達。
- モメンタム・出来高
- 直近10日で上昇基調、出来高が3カ月平均（約31.6万株）に比べ高水準（直近10日平均約102万株）。
- 当日（9/17）は高寄り後に上げ一服（上ヒゲ）。短期的な値動きは出来高動向に左右されやすい局面。
- 信用需給
- 信用倍率：0.07倍（売り長）。信用売残が増加、買残は減少。買い戻し・踏み上げ／売り圧力のいずれも変動要因となり得る。
8. 財務諸表分析
- 損益（連結、百万円）
- 売上高：1,014,610（2024/12実績/LTM）
- 営業利益：8,010、経常利益：9,160、親会社株主帰属純利益：6,316
- 営業利益率：約7.9%（表上は6.41%指標、LTM定義差あり）、純利益率：約6.2%（LTM指標5.62%）
- トレンド：売上高は21年7,969→22年8,906→23年9,771→24年10,146億円と拡大。利益も回復基調だが、2025年上期は投資先行で減益（営業-18.8%）。
- 収益性・効率
- ROE：実績8.68%（LTM7.76%）、ROA：実績4.66%。
- EBITDA：115.8億円（LTM、別指標では約101.7億円）。
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF：62.3億円（LTM）、フリーCF：約8.0億円（LTM）。
- 現金等：263.9億円、有利子負債：5.2億円、ネットキャッシュ基調。
- 自己資本比率：72.1%（実績）／76.2%（2025/6末短信）、流動比率：252%（短信ベース）。財務余力は大きい。
- セグメント（2025年上期）
- 売上：紙加工品3,488億円、化成品633億円、その他616億円（いずれも百万円表記、前半期累計）。
- 利益率：紙加工品約7.1%、化成品約4.5%、その他約6.3%。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想：年間41.33円（利回り約3.47%）、フォワード44円（約3.66%）。
- 配当性向：35.4%（提供値）。5年平均利回り（2.46%）を上回る水準（数値上の比較）。
- 自己株式・その他
- 自己株式：5.54%保有。自社株買いの新規実施可否は公表情報からは不明。
- 権利・日程
- 権利落ち日（予定）：2025-12-29。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価推移
- 直近10日：1,140円前後から1,192円へ。年初来高値を更新する場面（高値1,231円）。
- 50日・200日線とも上回り、モメンタムは強含みの局面。
- 出来高・関心
- 直近の出来高は平常時の約3倍。イベント（決算発表・業績修正・分割後の需給調整等）を織り込む動きが示唆される。
- 需給
- 信用売残の積み上がり（信用倍率0.07倍）。買い戻しによる変動、または売り圧力の継続など、短期的なボラティリティ要因に留意。
11. 総評（要点整理）
- 事業：紙袋最大手としてデザイン〜製造〜供給の一気通貫が強み。EC・テイクアウト、紙化の潮流が中長期の需要面にポジティブな側面。
- 財務：高い自己資本比率とネットキャッシュで財務余力。売上は拡大基調、2025年上期は投資先行で利益率が一時的に鈍化。
- バリュエーション：予想PER約11倍、PBR約0.90倍。業界平均PER・PBRとの比較では相対水準に差がある一方、PBRは1倍未満。EV/EBITDAは概算4.5倍。
- 配当・還元：配当利回りは3%台半ば、配当性向は3割台。安定配当志向がうかがえる（提供数値上の事実）。
- 株価・モメンタム：年初来高値圏で推移、移動平均線上で上昇基調。信用売り長の需給が短期変動要因。
参考データ
– 時価総額：711.6億円／発行済株式数：5,970万株／浮動株：5,135万株
– Beta（5年）：0.33（市場感応度は相対的に低めの傾向）
– 次期イベント：権利落ち日 2025-12-29（予定）
注意事項
– 数値は単位・定義（LTM、通期予想、分割影響等）が混在するため、比較時は基準の差にご留意ください。
– 不明点・未開示項目は記載を省略しています。
企業情報
| 銘柄コード | 3950 |
| 企業名 | ザ・パック |
| URL | http://www.thepack.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。