ネットプロテクションズホールディングス(7383)企業分析レポート

東京証券取引所に上場するネットプロテクションズホールディングス(証券コード:7383)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

ネットプロテクションズホールディングスは、日本国内外で「Buy Now, Pay Later (BNPL)」、すなわち後払い決済サービスを提供する企業です。主要なサービスとして、個人向けのECサイト後払い「NP後払い」と「atone(アトネ)」、法人向けの企業間決済サービス「NP掛け払い」を運営しています。特に法人向けサービスにおいては業界で首位のポジションを目指しており、後払い決済サービスの先駆者として知られています。連結事業は決済ソリューション事業が100%を占めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社はBNPL(後払い決済)サービスにおける先駆者であり、市場での独自の地位を確立しています。個人向けの後払いサービスでは「NP後払い」と「atone」を展開し、特に法人向けの「NP掛け払い」では業界の首位を目指しています。労働者派遣や求人広告業界などの大手加盟店でのGMV(流通取引総額)拡大や、働き方改革や決済効率化のニーズを背景に、B2Bサービスが大きく成長しています。B2Cサービスでは、「atone」が新規加盟店の獲得やデジタルコンテンツ・エンタメ分野での拡大によりGMVを大幅に伸ばしており、成長を牽引しています。一方、「NP後払い」の大型成長は限定的であるものの、「NP後払いair」(役務・サービス向けBNPL)がDX需要を背景に拡大しています。

3. 経営戦略と重点分野

同社は、決済ソリューション事業の成長を重点分野としています。直近の決算短信では、以下のサービスについて成長戦略と重点分野が示唆されています。
* B2Cサービス_NP後払い他: 大型成長は限定的でありながらも、DX(デジタルトランスフォーメーション)需要を背景に「NP後払いair」(役務・サービス向けBNPL)の拡大に注力しています。
* B2Cサービス_atone: 新規加盟店の開拓や既存加盟店の利用促進に力を入れており、特にデジタルコンテンツやエンターテイメント分野での加盟店拡大を強化しています。これがGMV(流通取引総額)の大幅な拡大に寄与しています。
* B2Bサービス(NP掛け払い): 労働者派遣、求人広告業界等の既存大手加盟店でのGMV拡大に加え、営業・マーケティング投資を通じた新規加盟店の獲得と稼働に注力しています。企業の働き方改革や決済効率化へのニーズを追い風に、法人向け決済市場での需要獲得を継続しています。

中期経営計画の具体的な数値や進捗状況については、今回の開示資料に詳細な記載はありません。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、BNPLという成長市場のニーズを取り込んだ決済ソリューションを単一セグメントで提供しています。EC市場の拡大に伴う後払い決済の需要増加や、企業の請求業務DX、法人向け掛け払いの効率化ニーズが事業成長を支える要因です。多様なサービス展開(B2CのNP後払い・atone、B2BのNP掛け払い)により、市場ニーズの変化への適応を図っています。特に「atone」のデジタルコンテンツ分野での拡大や、「NP後払いair」のDX需要対応は、新たな市場機会を捉える動きと言えます。ただし、収益の柱が決済サービスであるため、EC・決済市場のマクロ経済動向(景気・消費動向など)や貸倒関連費用の変動が事業に影響を与える可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

同社はBNPL(後払い決済)サービスの先駆者として、この分野での独自のノウハウとシステムを強みとしています。技術開発の動向や独自性に関する具体的な記載は本資料にはありませんが、決済システムと与信技術が事業の根幹にあると考えられます。
収益を牽引する主力製品・サービスは以下の通りです。
* NP後払い: 主力となる個人向け後払いサービス。EC取引を中心に利用されます。NP後払いairとして役務・サービス分野へも展開。
* atone: 個人向けのBNPLサービスで、近年特に加盟店数とGMVが大きく伸びており、デジタルコンテンツやエンタメ分野での定着が進んでいます。
* NP掛け払い: 法人向けの企業間掛け払いサービスで、法人企業の決済業務効率化ニーズに応え、大幅な成長を遂げています。

直近の業績では、atoneとB2BサービスのGMV成長率がそれぞれ+65.3%、+43.4%と高く、現在の成長を牽引していることがわかります(2026年3月期第1四半期実績)。

6. 株価の評価

現在の株価922.0円に基づくと、各種指標は以下の通りです。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS 15.91円に対して、PERは57.95倍と算出されます。これは現在の株価922.0円 ÷ 15.91円 = 57.95倍と一致します。業界平均PERが10.3倍であることを考慮すると、現在の市場からの評価は堅調な見通しや成長期待を織り込んでいると見ることができます。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS 198.87円に対して、PBRは4.64倍と算出されます。これは現在の株価922.0円 ÷ 198.87円 = 4.636倍と一致します。業界平均PBRが0.9倍であることを考慮すると、現在の市場からの評価は純資産価値に対して高めと見ることができます。

これらの指標は、投資家が同社の成長性に対して高い期待を抱いていることを示唆している可能性があります。

7. テクニカル分析

現在の株価は922.0円です。
* 年初来高値:946円
* 年初来安値:366円
* 52週高値:946円
* 52週安値:285円
* 50日移動平均:786.48円
* 200日移動平均:560.73円

直近10日間の株価推移を見ると、9月3日の812円から9月17日の922円にかけて上昇傾向にあります。現在の株価は、年初来高値(946円)や52週高値(946円)に比較的近い水準で推移しており、過去1年間の安値と比較すると高い位置にあります。また、現在の株価は50日移動平均線及び200日移動平均線を大きく上回っており、上昇トレンドが続いている状況を示唆しています。

8. 財務諸表分析

損益計算書と企業財務指標を分析します。
* 売上収益(Total Revenue):
* 2022年3月期:18,665百万円
* 2023年3月期:19,329百万円(+3.5%)
* 2024年3月期:20,844百万円(+7.8%)
* 過去12か月/2025年3月期:23,031百万円(+10.5%)
* 直近四半期(前年比):+17.30%

売上収益は安定的に成長を続けており、特に直近四半期の成長率が高いことがわかります。
  • 営業利益(Operating Income):

    • 2022年3月期:897百万円
    • 2023年3月期:-406百万円
    • 2024年3月期:-628百万円
    • 過去12か月/2025年3月期:2,102百万円
    • 直近四半期(前年比):+180.9%

    2023年3月期と2024年3月期は営業赤字でしたが、過去12か月および2025年3月期で大幅に黒字転換を果たしており、収益性が大きく改善しています。直近四半期の営業利益成長率は非常に高く、利益面での回復が顕著です。
    * 純利益(Net Income Common Stockholders):
    * 2022年3月期:235百万円
    * 2023年3月期:-443百万円
    * 2024年3月期:-828百万円
    * 過去12か月/2025年3月期:1,350百万円
    * 直近四半期(前年比):+250.5%

    営業利益と同様に、純利益も2023年3月期と2024年3月期は赤字でしたが、直近12か月および2025年3月期で大幅に黒字転換し、成長しています。
    * CF(キャッシュフロー):
    * 営業活動によるCF(過去12か月):+10,660百万円
    * 営業活動によるCF(直近1四半期):+3,494百万円(前年同期は△604百万円)

    営業活動によるキャッシュフローは大きくプラスに転じており、事業でしっかりと現金を稼ぐ力が向上していることを示しています。投資キャッシュフローはシステム開発投資のためマイナスですが、財務キャッシュフローは小幅なマイナスであり、全体として健全なキャッシュ創出能力を示唆しています。現金及び現金同等物期末残高も増加傾向です。
    * ROE(自己資本利益率): 実績7.32%、過去12か月8.88%。過去の赤字から回復し、株式を活用して効率的に利益を上げている状況を示します。
    * ROA(総資産利益率): 過去12か月2.28%。総資産を効率的に活用して利益を上げている状況を示します。
    * 自己資本比率: 実績27.1%、直近四半期25.0%。BNPL事業の特性上、未収金や立替金が多く流動負債が膨らむ傾向にあり、数値はやや低いですが、総資産の増加(流動資産のうち現金が増加)と利益の積み上げにより、安定性の維持に努めています。
    * 流動比率: 直近四半期で1.09倍(109%)。流動負債に対する流動資産の比率であり、短期的支払い能力は確保されていると言えます。
    * 負債比率: 直近四半期で約300%。事業特性上、負債が大きくなる傾向にあり、高水準です。

全体として、売上高は着実に成長し、これまでの投資フェーズから黒字化が実現し、利益面での大幅な改善が見られます。キャッシュフローも安定しており、財務基盤の強化が進んでいると評価できます。

9. 株主還元と配当方針

ネットプロテクションズホールディングスは、現在のところ配当を実施していません。
* 配当利回り(会社予想):0.00%
* 1株配当(会社予想):0.00円
* 配当性向:0.00%

これは、成長途上の企業として、利益を事業への再投資に充当することで、さらなる成長を目指す経営方針を示唆していると考えられます。自社株買いなどの株主還元策に関する情報は本資料には記載がありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

現在の株価は922.0円であり、直近10日間の推移では800円台前半から900円台へと上昇傾向にあります。50日移動平均(786.48円)と200日移動平均(560.73円)を大きく上回っており、株価は堅調な上昇モメンタムを示しています。
投資家関心を示す指標としては、出来高が直近で127万株程度と活発であり、売買代金も11億円を超えています。信用買残は834万株と多いものの、前週比では減少しています。一方で信用売残は微増しており、信用倍率は17.79倍と高止まりしています。これは、市場で買い方のポジションが多く、今後の株価動向に対する見方が分かれている状況を示唆している可能性があります。
株価には、直近の業績回復と今後の成長期待、特にatoneやB2B事業の拡大、BNPL市場全体の動向などが影響を与えているものと推測されます。インサイダーと機関投資家の合計保有割合は64.27%です。

11. 総評

ネットプロテクションズホールディングスは、BNPL市場の先駆者として独自の事業モデルを構築し、個人向け(NP後払い、atone)および法人向け(NP掛け払い)の決済ソリューションを提供しています。近年は特にatoneと法人向けBNPLサービスが大きく成長し、全体のGMVおよび収益を牽引しています。
財務面では、過去2年間営業赤字が続いていましたが、直近12か月および2025年3月期に大幅な黒字転換を果たし、収益性が大きく改善しています。売上高も安定的な成長を継続しており、営業活動によるキャッシュフローも大幅なプラスに転じ、事業の安定性が向上しています。直近の第1四半期の実績は会社予想を上回り、通期業績予想の上方修正につながるなど、好調な推移を見せています。
株価は直近で上昇傾向にあり、移動平均線を大きく上回っています。PERやPBRといったバリュエーション指標は業界平均と比較して高水準であり、これは同社の成長性や将来性に対する市場の高い期待を反映していると解釈できます。現在のところ配当は実施しておらず、利益は事業成長のための再投資に充てられていると見られます。
同社は、決済市場のDXニーズや法人企業の業務効率化ニーズを背景に、今後も事業成長を継続する可能性を秘めています。しかし、決済事業特有のリスク(貸倒関連費用や金利変動、マクロ経済の影響)には引き続き注視が必要です。


企業情報

銘柄コード 7383
企業名 ネットプロテクションズホールディングス
URL https://corp.netprotections.com/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – その他金融業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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