ヤシマキザイ (7677) 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
本レポートは、株式会社ヤシマキザイ(証券コード:7677)に関する公開情報を基に作成された企業分析です。投資判断の一助としてご活用ください。
1. 企業情報
ヤシマキザイは、1948年設立の鉄道車両関連部品の専門商社です。主な事業は、鉄道車両向けの電気用品や車体用品などの販売、メンテナンス、輸出入を行っています。事業の構成としては、鉄道事業が売上高の92%を占め、残りの8%を産業用機器、電力、自動車部品などを扱う一般事業が担っています。本社は東京都中央区に位置し、従業員数は271人です(平均年齢43.6歳、平均年収608万円)。
2. 業界のポジションと市場シェア
ヤシマキザイは、鉄道関連部品に特化した専門商社としての地位を確立しています。主要顧客は鉄道事業者や鉄道車両メーカー、関連電気部品メーカーなどです。鉄道車両に不可欠な部品の供給とメンテナンスを担うことで、強固なサプライチェーンの一端を担っていると考えられます。
市場シェアに関する具体的なデータは本資料には記載されていませんが、鉄道関連事業に特化している点が競争優位性の一つと見られます。
足元の市場動向としては、国内では旅行・インバウンドの回復に伴う鉄道の移動需要の回復により、主要顧客である鉄道事業者の設備投資が改善傾向にあることが業績を後押しする要因となっています。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2024年3月期から2026年3月期までの中期経営計画を策定しています。この計画における基本目標は以下の3点です。
– 安定成長軌道への回帰
– 新たな企業価値の創出
– 2027年3月期 ROE 5%超の達成
足元の第1四半期決算では、鉄道事業の需要回復により増収増益を達成しており、中期経営計画の前提となる需要回復が業績に反映され始めていると会社は説明しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、鉄道事業に大きく依存しており、鉄道事業者における設備投資の動向が収益を左右する構造です。鉄道関連部品の専門商社として長年にわたる実績とネットワークが事業の基盤となっています。
市場ニーズの変化への適応力としては、一般事業でコネクタや電子部品などを展開しており、事業の多角化も図っています。しかし、一般事業は第1四半期に損失を計上しており、こちらの事業再建が課題であると考えられます。鉄道事業の需要回復が追い風となっている一方で、今後の鉄道の運行状況や、技術の進歩に伴う部品の変化への対応が持続可能性には重要となるでしょう。
5. 技術革新と主力製品
ヤシマキザイは商社であり、自社での製品開発というよりは、国内外のメーカーから製品を調達し、顧客に提供することが主な役割です。そのため、具体的な技術革新に関する記述は見られませんが、鉄道車両の高度化に対応した最新技術や製品をサプライヤーから選定・供給する能力が重要となります。
主力製品としては、鉄道車両向けのタコジェネレーター、コネクタ、光ハーネス、センサー、ドアスイッチ、電源装置、ポリカーボネート窓ユニット、エアコン用コンプレッサー、ブレーキ部品、車輪、ワイパー、床材などの電気・機械部品およびメンテナンス機器が挙げられます。
6. 株価の評価
株価の評価指標は以下の通りです。
* 現在の株価: 2,803.0円
* EPS(会社予想): 66.22円
* PER(会社予想): 42.33倍
* BPS(実績): 3,319.85円
* PBR(実績): 0.84倍
* 業界平均PER: 10.1倍
* 業界平均PBR: 0.7倍
会社予想PER(42.33倍)は、業界平均PER(10.1倍)と比較して高い水準にあります。これは、過去の業績の変動や直近12ヶ月のEPSがマイナスであることも影響している可能性がありますが、将来の利益回復への期待が株価に織り込まれている可能性も考えられます。PBR(0.84倍)は業界平均(0.7倍)と比較してやや高い水準です。
7. テクニカル分析
現在の株価2,803円は、年初来高値2,961円、52週高値2,961円に近い水準にあります。年初来安値2,090円、52週安値1,988円からは大きく上昇しています。
50日移動平均線(2,647.14円)および200日移動平均線(2,384.83円)を上回っており、短期および中期的なトレンドは上昇傾向にあると見ることができます。
直近10日間の株価推移を見ると、概ね2,800円台で推移していますが、出来高が非常に少ない日が多く(100株、500株など)、市場での流動性が限定的であることが示唆されます。出来高が少ない中での株価変動は、価格が急激に動く可能性もあります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は増減がありましたが、2025年3月期(予想)の売上高は290億円を超え、直近12ヶ月でも307億円と堅調な推移が見られます。特に2026年3月期第1四半期では、前年同期比で26.7%の増収を達成しています。
- 利益: 営業利益と純利益は年度によって変動が大きく、2023年3月期や直近12ヶ月では純損失を計上しています。しかし、2026年3月期第1四半期では、営業利益67百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益115百万円と黒字に転換し、通期の会社予想でも営業利益150百万円、純利益190百万円と黒字転換を見込んでいます。
- ROE/ROA: 過去12ヶ月のROEは-2.85%、ROAは-0.32%とマイナス値となっており、収益性の改善が課題です。中期経営計画で掲げた「2027年3月期 ROE 5%超」の達成に向けては、利益回復が不可欠です。
- 自己資本比率: 直近四半期末(2025年6月30日)で41.9%と、財務の健全性は比較的高い水準を維持しています。
- キャッシュフロー: 第1四半期のキャッシュフロー計算書は作成されていないため詳細な分析は困難ですが、直近四半期末の現金及び預金は86億円と潤沢な水準を保持しています。
- 負債: 総負債は21百万円、負債比率も0.22%と極めて低く、有利子負債の少なさは財務の安定性を示しています。
- 流動比率: 直近四半期末で1.63倍と、短期的な支払い能力に問題はないと見られます。
- その他: 中国子会社における不正調査に関連する疑義取引について、過年度に計上した貸倒引当金が、当第1四半期までの回収に伴い特別利益として計上され、利益に寄与しています。
9. 株主還元と配当方針
同社の配当方針は、2026年3月期(会社予想)で年間1株あたり25.00円(中間0.00円、期末25.00円)を予定しています。この場合の配当利回りは0.89%となります。
会社予想EPS 66.22円に基づくと、配当性向は約37.75%となります。自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は本資料には記載がありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は年初来高値圏で推移しており、過去52週間の株価変化率は36.37%と、市場平均(S&P 500の17.59%)を上回るパフォーマンスを見せています。
しかし、市場での出来高は非常に少なく、流動性が低い状態が続いています。信用買残は1,400株あるものの、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍となっています。これは、市場が活発ではなく、少数株主による取引が株価に影響を与えやすい状況を示唆しています。
株価への影響を与える主要因としては、主要顧客である鉄道事業者の設備投資動向、円滑な部品供給体制の維持、および一般事業の回復見通しや、過去の中国子会社における事案の進捗などが挙げられるでしょう。また、浮動株比率が低く、インサイダー保有比率が74.09%と高いことも、市場での株価形成に影響を与える可能性があります。
11. 総評
ヤシマキザイは、鉄道関連部品に特化した専門商社として、国内鉄道事業者における需要回復の恩恵を受けています。直近の第1四半期決算では、鉄道事業の好調を背景に増収増益を達成し、黒字転換を果たしました。財務基盤は自己資本比率も高く、低負債体質で安定しています。
一方で、過去の業績は不安定な傾向があり、直近12ヶ月のROEやROAはマイナスとなっています。中期経営計画でのROE目標達成に向けて、今後の恒常的な利益確保が課題です。また、一般事業については未だ損失を計上しており、こちらの改善も重要となるでしょう。
株価は年初来高値圏で推移し、マーケット平均以上のパフォーマンスを示していますが、会社予想PERは業界平均を上回る高い水準にあります。市場での出来高が非常に少なく、流動性が限定的である点は、投資判断において考慮すべき点と言えます。今後の業績動向、特に鉄道事業の継続的な成長と一般事業の立て直し、そして中期経営計画の進捗が注目されます。
本レポートは、提供された公開情報に基づき作成されたもので、著者が提供する情報が正確であることを保証するものではありません。本レポートは投資勧誘を目的としたものではなく、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
企業情報
銘柄コード | 7677 |
企業名 | ヤシマキザイ |
URL | https://www.yashima-co.co.jp/ja/index.html |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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