1. 企業情報
株式会社アソインターナショナルは、歯科矯正に特化した歯科技工物の製造・販売を手掛ける企業です。主な事業内容は、歯列矯正に使用される様々なカスタムメイド装置（例：SYMPHONY、HARMONYなどの矯正システム、透明マウスピース型矯正装置のAsoAligner）の提供です。近年はデジタル採寸データを活用した加工技術を拡張しており、SATT SYSTEMSやHEYGEARSといった3Dプリンター、ASO Digitalという3Dプリンティングサービスも提供しています。国内に加えて、ハワイとマニラに営業・製造拠点を持ち、さらに米国市場への進出も進めています。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、設立は1988年、従業員数は310名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
アソインターナショナルは、デジタル技術を積極的に導入し、高度な歯科矯正用歯科技工物を専門とする企業です。提供された情報からは具体的な市場シェアの数値は確認できませんが、審美志向の高まりや予防・未病改善への関心の拡大により、矯正歯科治療の需要は堅調に推移していると分析されています。また、歯科医療におけるデジタル化の進展（口腔内スキャナーや3Dプリンターの普及）は、同社のデジタル技術を活用した製品・サービスに対する需要を後押しする要因となっています。米国市場への進出（子会社設立や大学歯学部の公式サプライヤー登録）は、市場拡大を目指し、国際的な競争環境の中でポジションを確立しようとする意図が見られます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「中期経営計画2025-2028」を策定しており、以下の3点を重点施策として推進しています。
– 米国市場での基盤確立と強化: 2024年4月には米国子会社ASO INTERNATIONAL USA, INC.を設立し、今後の米国展開の足がかりを構築しています。大学歯学部の公式サプライヤー登録も完了しており、販売チャネルの強化を2026年以降の重点施策としています。
– 製造キャパシティの拡大: 海外拠点の増員などを通じて、生産能力の強化を図っています。
– 製造DX化とオンライン受発注システムの再構築: デジタル技術活用による生産効率の向上と、顧客満足度を高める受発注プロセスの改善を目指しています。
これらの戦略を通じて、デジタル矯正分野での競争優位性を高め、国内外での事業成長を追求する方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
アソインターナショナルの事業は、審美歯科治療や予防医療へのニーズの高まりという市場トレンドに合致しており、持続可能性のある事業モデルと考えられます。デジタル採寸データや3Dプリンターを活用した高精度な歯科技工物の提供は、歯科医療の効率化と品質向上に貢献し、長期的な市場ニーズに対応しています。米国市場への進出とデジタル商材の拡充は、新たな収益源の確保と成長機会の創出を目指すものであり、事業基盤の強化に繋がる可能性があります。一方で、為替変動、原材料費や人件費の動向、国際的な競争環境の変化は事業に影響を与える要因として考慮されます。
5. 技術革新と主力製品
同社は、歯科矯正分野における技術革新に積極的に取り組んでいます。
主な技術開発の動向としては、以下の点が挙げられます。
* デジタル採寸データ活用技術: 精密な歯科技工物の設計・製造に不可欠なデータ活用を進めています。
* 3Dプリンター技術: SATT SYSTEMSやHEYGEARSなどの歯科専用3Dプリンターや3DプリンティングサービスASO Digitalを展開し、製造プロセスの高度化を図っています。
* 透明マウスピース型矯正装置: AsoAlignerは、審美性を求める患者ニーズに応える主力製品の一つです。
これらの技術を通じて、SYMPHONY（IDBシステム）、HARMONY（舌側矯正システム）、CHANGE（全顎矯正治療）といった矯正装置や、口腔内スキャナーなどのデジタル商材が収益を牽引している主力製品・サービスと考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価722.0円に基づき、各種指標を確認します。
* PER（会社予想）14.02倍: 業界平均PER15.0倍と比較すると、やや割安な水準にあります。
* PBR（実績）2.41倍: 業界平均PBR1.2倍と比較すると、割高な水準にあります。
PERが業界平均を下回る一方で、PBRが業界平均を上回る評価となっています。これは、同社が持つ高い収益性（ROE15.39%）や財務の健全性（自己資本比率88.0%）が評価され、資産価値に対する将来の成長期待が市場に織り込まれている可能性を示唆していると考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価722.0円は、年初来安値501円や52週安値498.50円からは大きく上昇した水準にあります。一方で、年初来高値762円や52週高値786.50円と比較すると、現在の株価はそれらの水準を下回っています。
移動平均線を見ると、現在の株価は50日移動平均線（660.42円）および200日移動平均線（609.71円）のいずれも上回っており、短期および中長期的なトレンドとしては上昇基調にあると分析されます。直近10日間の株価は709円から733円のレンジで推移しているため、方向感は限定的です。
8. 財務諸表分析
アソインターナショナルの2025年6月期連結決算は以下の通りです。
* 売上高: 3,796百万円（前期比 +7.1%）と増収を達成しています。
* 営業利益: 659百万円（前期比 +20.8%）、経常利益: 631百万円（前期比 +13.7%）、親会社株主に帰属する当期純利益: 439百万円（前期比 +13.5%）となり、利益は売上高を上回る成長を見せています。営業利益率は約17.3%と高い水準です。
* ROE（実績）: 15.39%、ROA（実績）: 12.65%と、資本を効率的に活用して利益を創出していることが示されます。
* 自己資本比率（実績）: 88.0%と非常に高く、流動比率: 6.77倍であり、財務基盤は極めて強固です。潤沢な現預金（期末残高1,945百万円）を保有しています。
* キャッシュフロー: 営業キャッシュフローは+473百万円と本業で着実に現金を創出しており、投資キャッシュフローは△150百万円と、今後の成長に向けた投資をおこなっている状況が分かります。財務キャッシュフローは△265百万円と、主に配当支払による支出となっています。
過去数年間の明確な比較データはありませんが、2025年6月期においては売上高、利益ともに順調に成長しており、財務健全性もさらに向上していることが確認できます。
9. 株主還元と配当方針
同社は安定した株主還元の方針を持っています。
* 配当利回り（会社予想）: 3.32%
* 1株配当（会社予想）: 24.00円
* 配当性向（連結、2025年6月期実績）: 46.8%
* 配当性向（連結、2026年6月期予想）: 46.6%
2025年6月期の年間配当は31.00円（株式分割後）でしたが、2026年6月期は24.00円（同）の予想となっています。配当性向は46%台を維持する方針であり、利益に応じて株主還元を行う姿勢が示されています。自社株買いに関する明確な情報は提供データにはありません。
大株主には(株)ASO（57.33%）や代表者の阿曽敏正氏（8.18%）が名を連ねており、インサイダー保有比率が73.47%と非常に高いことが特徴です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は狭いレンジでの推移であり、特段の強い方向感は確認できません。しかし、株価は50日移動平均線および200日移動平均線を上回って推移しており、中長期的なトレンドは上昇傾向にあると見られます。過去1年間の株価はS&P 500の動向に対してはアンダーパフォームしていますが、これは短期間のデータであり、個別の要因が影響している可能性があります。
出来高は比較的低水準で推移しており、インサイダー保有比率の高さによる市場での浮動株の少なさが影響している可能性も考えられます。今後の株価に影響を与える要因としては、中期経営計画における米国市場での具体的な進捗、デジタル歯科市場の拡大、業績動向、そして為替変動などが挙げられます。信用取引においては、信用買残があるものの、信用売残はゼロであり、現在の需給バランスにおいて注目される要素です。
11. 総評
アソインターナショナルは、歯科矯正用歯科技工物の分野において、デジタル技術を強みとする専門性の高い企業です。堅調な業績を維持し、利益成長も実現しています。特に財務基盤は非常に強固であり、高い自己資本比率と潤沢な現預金は、今後の事業展開における安定的な土台となるでしょう。
中期経営計画では、デジタル歯科市場の成長と米国市場への積極的な参入を掲げており、これらの成長戦略の進捗が今後の企業価値を高める重要な要因となる可能性があります。技術革新への積極的な投資と主力製品の展開も、持続的な成長を支える要素です。
PERは業界平均と比較してやや低評価である一方、PBRは高評価となっており、市場からの高い収益性や成長期待、あるいは財務健全性への評価が読み取れます。
ただし、インサイダー保有比率の高さからくる株価の流動性、為替変動リスク、そして競争環境の変化には留意が必要です。今後の米国事業の具体的な成果や、デジタル商材のさらなる浸透が、長期的な株価動向に重要な影響を与えると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 9340 |
| 企業名 | アソインターナショナル |
| URL | https://www.aso-inter.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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