佐鳥電機(7420)企業分析レポート
注記: 本資料は提供データに基づく客観的整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要: 独立系の半導体・電子部品専門商社。国内外で半導体、電子部品、電材、FA機器・システム、IoT/組込みソリューション、受託開発を提供。情報制御システム・スイッチングデバイスの開発製造や、IC/マイコンの設計・開発も実施。1947年設立、東京本社。
- 事業ポートフォリオ(2025年5月期・外部売上構成比の目安)
- 産業インフラ: 約18%
- エンタープライズ: 約25%
- モビリティ: 約25%
- グローバル: 約31%
- 海外売上比率: 61%(2025.5)
- 特記事項: インド市場に注力(SM Electronic Technologiesの持分追加取得により75.1%)。2026年に萩原電気HDとの経営統合で合意(公表情報に基づく)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 独立系半導体商社として、車載(モビリティ)および産業・インフラ向けに強み。
- グローバル比率が高く、インド・アジアでの販売展開が進展。
- 競争優位性(示唆):
- デザインインや組込み/IoTを含むソリューション提案力。
- 海外(特にインド)でのプレゼンスと仕入/販売ネットワーク。
- 課題:
- 商社ビジネス特有の薄利・低マージン構造。
- 為替・地政学・サイクル(在庫/需給)に対する業績感応度。
- M&A/統合(萩原電気HD)に伴うPMIやのれん関連費用管理。
- 市場シェア: 定量データは未提示(–)。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針: 「事業ポートフォリオ経営の推進」「企業価値最大化」。
- 具体施策(2025年5月期までの主な動き)
- 事業再編: 電動工具等のトリガースイッチ事業を譲渡(2024年8月)。
- 海外強化: インド子会社(SM Electronic Technologies)を追加取得し支配強化(75.1%)。
- 人的資本投資: 人件費等の先行投資で将来成長に備え。
- 中期計画の定量目標: 資料上は明示(–)。
- 統合(萩原電気HD):
- 供給網・顧客基盤の補完、調達スケールの拡大、車載/産業高付加価値領域でのシナジーが論点となり得る一方、PMIの確実な実行が重要。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 半導体・電子部品の卸売マージン+設計支援・組込み/IoT等のソリューションによる付加価値。
- 持続性の観点:
- デザインインの積み上げは継続性に寄与。
- 地域/用途の分散(車載、産業、エンタープライズ、グローバル)でサイクル影響を緩和。
- 一方で、為替やサプライチェーン変動、価格競争により利益率は変動しやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- IoT/組込み、情報制御システム、スイッチングデバイス、IC/マイコン設計など、商社機能にエンジニアリングを組み合わせた体制。
- 収益牽引領域(2025年5月期・セグメント要点):
- モビリティ: 国内車載向け半導体、インド子会社の伸長で売上増(セグ利益はのれん償却等で減)。
- グローバル: 事務機器ユニット、PC/サーバー向け部品が伸長し売上・利益とも増。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提株価: 1,876円
- 指標(提供データ)
- 予想EPS: 181.14円 → 予想PER約10.36倍
- 実績BPS: 2,251.59円 → PBR約0.83倍
- 会社予想配当: 年90円 → 予想配当利回り約4.80%
- EV/EBITDA(概算): EV ≒ 時価総額28,040百万円 + ネット有利子負債約10,858百万円 ≒ 38,898百万円、EBITDA 4,449百万円 → 約8.7~8.8倍
- 業界平均との比較(提供平均値)
- 業界平均PER 12.1倍、PBR 1.0倍
- 当社はPER・PBRともに平均値との差がある(水準差の指摘に留める)。
7. テクニカル分析
- トレンド指標:
- 50日移動平均: 1,804.5円、200日: 1,695.3円 → 現在値は両平均線上。
- 位置づけ:
- 年初来高値: 1,926円、52週高値: 2,004円 → 現在値は年初来高値に比較的近く、52週高値には届かず。
- 足元の値動き(直近10日):
- 終値レンジは概ね1,881~1,918円中心で小幅推移、出来高は3カ月平均(約64千株)に対し10日平均(約37千株)とやや低調。
- 信用需給:
- 信用買残94千株(前週比+4千)、信用倍率2.98倍 → 個人の買い越し基調が窺える。
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(連結)
- 売上高: 125,850(2022)→146,336(2023)→148,113(2024)→156,242百万円(2025)
- 営業利益: 2,607(2022)→3,793(2023)→4,759(2024)→3,993(2025)
- 親会社帰属純利益: 1,908(2022)→2,257(2023)→2,156(2024)→2,524(2025)
- 利益率(2025年): 売上総利益率約9.95%、営業利益率約2.6%、純利益率約1.62%
- ROE: 約7.7%、ROA: 約3.1%
- キャッシュフロー・投資
- 営業CF: 1,303百万円(前期5,325)と縮小(売上債権増加等)。
- 投資CF: +592百万円(事業譲渡収入等)。
- 財務CF: △1,905百万円(配当支払、子会社株式追加取得等)。
- 財務安全性
- 自己資本比率: 40.8%、流動比率: 1.76倍。
- 有利子負債: 約19,7百億円、現金同等物: 約88~91億円 → ネット有利子負債約108~109億円。
- インタレスト・カバレッジ・レシオ: 2.9倍(資料)。
- Debt/Equity(時点データ): 約59%。
- セグメント(2025年、外部売上/利益/主な動向)
- 産業インフラ: 28,663 / 1,352百万円(減収減益)
- エンタープライズ: 39,125 / 1,206百万円(減収減益)
- モビリティ: 39,452 / 1,504百万円(増収、のれん償却影響で減益)
- グローバル: 49,001 / 991百万円(増収増益、利益率改善)
- 2026年5月期会社計画
- 売上160,000(+2.4%)、営業利益4,300(+7.7%)、純利益2,600(+3.0%)、EPS 181.14円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・計画
- 2024年: 年80円
- 2025年: 年86円(配当性向50.6%)
- 2026年計画: 年90円(見込み配当性向約51.4%)
- 自己株式
- 2025年7月22日に自己株式3,000,000株を消却決議済。消却後の発行済株式総数は14,946,826株。
- 株主名簿上の自己株式比率は基準日によって変動の可能性あり。
- 配当利回り(現株価基準): 約4.8%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 株価は50日・200日線上で推移。年初来高値圏に近いレンジでのもみ合い。
- 投資家関心に影響し得る要因
- インド/海外事業の進捗、車載半導体需要動向、為替。
- 萩原電気HDとの経営統合に関する開示(PMI進捗、シナジー/費用)。
- マクロ(AI/データセンター投資、関税・輸出規制、中国景気)。
11. 総評
- 事業面: 車載・産業インフラに強みを持つ独立系商社で、グローバル(特にインド)を伸長領域として位置づけ。ソリューション/デザインインの比率拡大が構造的な収益力向上の鍵。
- 業績面: 売上は拡大する一方、為替・人的投資・のれん償却等の負担で営業利益率は低下。純利益は投資有価証券売却益等で増益。営業CFは足元で縮小。
- 財務面: 自己資本比率約41%、流動性は確保。ネット有利子負債を抱えるが、インタレスト・カバレッジは2.9倍。
- バリュエーション: 予想PER約10.4倍、PBR約0.83倍、配当利回り約4.8%。業界平均との水準差がみられる(数値比較に留める)。
- 株主還元: 増配傾向と自己株式消却を実施。1株価値の希薄化抑制に資する施策が継続。
- 今後の注目点: インド/グローバルの成長継続、車載需要の動向、PMIの実行、営業CFの改善、為替・地政学リスク管理。
(出所)提供の決算短信、株価・財務データ等。数値は百万円・円表示を中心に整理。計算値は概算を含みます。
企業情報
銘柄コード | 7420 |
企業名 | 佐鳥電機 |
URL | http://www.satori.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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