コクヨ(7984)企業分析レポート
株価:927円(2025/09/19終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要
- 事務用品の国内大手。紙製品(ノート等)で高シェア。オフィス家具、文具、オフィス用品通販、空間デザイン・コンサルティング、インテリア小売を展開。1905年創業、本社は大阪。
- セグメント構成(連結、会社開示構成)
- ファニチャー:売上比約47%・営業利益率14%
- ビジネスサプライ流通:同28%・同5%(B2B通販「べんりねっと」等)
- ステーショナリー:同19%・同7%(Campusなど)
- インテリアリテール:同6%・同2%
- 海外売上比:約13%(2024.12)
- 特徴
- 事務用品最大手。オフィス移転・リニューアル需要の獲得やEC拡大。業績は新学期等の季節要因で春に偏重。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の事務用品・紙製品で高いブランド力(Campusなど)。オフィス家具では国内大手群の一角。B2Bオフィス用品通販も有力。
- 主な競合(例示)
- 家具:オカムラ、イトーキ等
- 文具:プラス、キングジム 等
- オフィス用品通販:アスクル等
- 競争優位と課題
- 優位:ブランド資産、広い商品ポートフォリオ、オフィス空間設計力、B2Bプラットフォーム(べんりねっと)によるスイッチングコスト。
- 課題:海外(特に中国)の景況感鈍化、原材料価格や為替変動、事業譲受後のシステム導入・顧客移行の計画遅延リスク。市場シェアの定量値は非開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「Unite for Growth 2027」(2025年度~)
- 重点
- ファニチャー:国内の移転・改装需要の獲得と収益性改善、ASEAN・インド等の成長市場展開(HNI Office Indiaの連結化)。
- ビジネスサプライ流通:べんりねっとを軸に顧客基盤拡大(富士通コワーコからの譲受領域の取り込み)。導入の計画遅延に留意。
- ステーショナリー:値上げ浸透、Campusのリブランディング、EC強化。中国・インドは景況・競争の影響を注視。
- インテリアリテール:店舗・ECの伸長に加え法人案件拡大。
- 資本政策・株主還元:累進配当と連結配当性向50%を目標。自己株式取得枠(上限850万株・200億円)を設定、上期に約151.5万株取得。
- 通期見通し(2025/7/30修正)
- 売上高 3,570億円(下方修正)、営業利益 250億円(上方修正)、純利益 205億円(上方修正)。ファニチャーの好調で収益計画を上方。
4. 事業モデルの持続可能性
- 多角化(家具・文具・流通・小売)により景気変動の影響を分散。B2Bプラットフォームによる継続購買、オフィス空間の大型案件で利益貢献。
- ハイブリッドワークの定着に伴うオフィス再設計需要、教育・学童向けの安定需要、ECシフトへの適応が収益基盤を補強。
- リスク適応:価格改定・設計提案力で原価・需要変動に対応。海外は国別戦略と選択的投資が前提。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発
- 人間工学・可動機構を活かしたオフィスチェア等の家具開発、空間デザインの提案力、デジタル購買基盤(べんりねっと)。
- 主力・牽引領域
- ステーショナリー:Campusノートなどブランド品群。
- ファニチャー:オフィス移転・リニューアル案件、レイアウト・内装・什器一体のソリューション。
- EC・B2B流通:法人向けの購買効率化サービス。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 現在値 927円、予想EPS 45.37円 → 予想PER 20.43倍(会社公表と一致)
- 実績BPS 585.94円 → PBR 1.58倍
- 業界平均:PER 14.5倍、PBR 1.3倍
- EV/EBITDA(概算)
- 時価総額 約4,291.7億円、現金約1,275.6億円、有利子負債約39.3億円 → EV約3,055億円
- EBITDA 約328.8億円 → EV/EBITDA 約9.3倍
- 配当利回り(会社予想)2.48%、配当性向 約47.8%
- 補足:ネットキャッシュ体質(自己資本比率高、D/E低)でバランスシートは堅健。
7. テクニカル分析
- 足元の株価レンジ:年初来 612~956円。現在値は上限寄り。
- 移動平均:50日線 919.6円、200日線 771.0円。株価は50日線の上、200日線を明確に上回る上昇トレンド持続局面。
- 直近10日:930円前後での持ち合い〜戻り試し。年初来高値(956円)に接近するも上抜けは未確認。
- 信用動向:信用倍率0.58倍(売り超過)。短期的な需給は売り残が多い状態。
8. 財務諸表分析
- 収益推移(連結)
- 売上高:2021年3,201億円 → 2024年3,382億円 → 直近12カ月3,444億円(増収基調)
- 営業利益:2021年200億円 → 2024年220億円 → 直近12カ月約238億円
- 当期純利益:2021年137億円 → 2024年218億円 → 直近12カ月約200億円
- 収益性
- 粗利率 約39.8%(LTM)、営業利益率 約5.0%(LTM)
- ROE 7.5%(LTM)、ROA 4.2%(LTM)
- 安全性・効率
- 自己資本比率 71.8%(実績)、流動比率 3.22倍、総資産回転率(中間期年換算せずの単純値)約0.53回。
- 有利子負債は極めて小さく、ネットキャッシュ。D/E 1.48%。
- キャッシュフロー
- 営業CF 66億円(LTM)、レバードFCF -12億円。上期は営業CF減(運転資本要因)。現金同等物は1,273億円規模と潤沢。
- セグメント概況(2025年上期)
- ファニチャーが増収増益で牽引。流通は導入遅延で利益横ばい。ステーショナリーは国内堅調・海外慎重。リテールは店舗・ECとも伸長。
9. 株主還元と配当方針
- 年間配当(会社予想):23円、予想利回り 2.48%、配当性向 約48%。
- 方針:累進配当(前年を下回らない)+連結配当性向50%目標。
- 自社株買い:上限200億円・850万株枠を決議。2025年上期に約151.5万株取得。
- 株式分割:2025年7月1日付で1→4分割実施。
- 権利落ち予定:2025/12/29(会社開示ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:約+49%。200日線乖離が大きく、中長期では上昇モメンタムが継続。
- 出来高:3カ月平均約125万株に対し、直近は増加日も散見(分割後の流動性向上の影響含む)。
- 需給:信用売残が買残を上回る構図(倍率0.58倍)。今後の決算・見通し修正、株主還元の進捗が注目材料。
- 近接イベント:2025/10/30 決算発表予定、2025/12/29 権利落ち予定。
11. 総評
- 事業面では、ファニチャーの強含みと価格改定の浸透、B2Bプラットフォームの拡大が収益改善に寄与。海外は国・地域で強弱が分かれ、中国の需要鈍化に留意。
- 財務は自己資本比率が高く、ネットキャッシュで耐性がある一方、直近の営業CFは運転資本影響で弱含み。
- バリュエーションは予想PER・PBRともに業界平均を上回る水準。ネットキャッシュや収益改善、株主還元方針が水準感に影響。
- 株価は年初来高値圏での推移。決算進捗(特に流通事業の導入ペース)と海外動向、為替・原材料コスト、株主還元の実行状況が注目点。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析です。投資判断は行っていません。記載の数値は会社公表値・提供データに基づきますが、将来の業績・株価を保証するものではありません。
企業情報
銘柄コード | 7984 |
企業名 | コクヨ |
URL | http://www.kokuyo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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