新明和工業(7224)企業分析レポート
作成日:2025-09-21
株価:1,816円(前日比 +24円、出来高 307,600株)
1. 企業情報
- 概要
- 特装車(ダンプ・ごみ収集車・テールゲートリフター等)で国内最大手クラス。機械式駐車場(パーキングシステム)、流体機器(ポンプ等)、産機・環境、航空機(防衛省向け救難飛行艇・部品)などを展開する多角化メーカー。
- 海外売上比率:約17%(2025年3月期)。地域はアジア、北米などに展開。
- セグメント構成(2025年3月期、売上構成比の目安)
- 特装車 41%
- パーキング 17%
- 産機・環境 12%
- 流体 10%
- 航空機 13%
- その他 7%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 特装車:国内首位級。受注残が厚く、安定した需要基盤(建設・自治体・産業廃棄物関連)を持つ。
- 航空機:救難飛行艇(US-2等)や防衛向け部品供給で独自領域を保有。
- パーキング:機械式駐車設備の製造・据付・保守まで一貫体制。
- 競争優位性
- マルチセグメントによる景気・産業サイクル分散、保守・メンテナンス等のストック型収益。
- 特装車・防衛向けといったニッチ高専門性領域での実績・ブランド。
- 課題
- 産機・環境は市況・案件動向の影響が大きく、四半期で収益変動が生じやすい。
- パーキング・航空旅客搭乗橋は大口案件の有無に左右される(受注の期ズレ)。
- 為替・原材料価格、地政学リスク・サプライチェーンの外部環境に感応。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中計
- 長期方針「SG-Vision2030」、現中計「SG-2026」(Phase2)を推進中。
- 重点施策(開示情報・業績コメントからの要点)
- 収益性重視:価格適正化、製品ミックス改善、原価低減・生産性向上。
- ストックビジネス強化:パーキング・流体機器・特装車の保守・更新需要の取り込み、遠隔監視などサービス高度化。
- 成長投資:特装車の電動化対応、環境・省エネ関連、航空機の安定供給体制。
- グローバル展開:特装車・流体の海外市場開拓を継続。
- 通期見通し(2026年3月期、修正後)
- 売上高 2,850億円(従来2,900億円から下方修正)
- 営業利益 150億円、経常利益 140億円、純利益 92億円(据え置き)
- 為替前提:USD/JPY=145円(8月以降)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 特装車・パーキング・流体での保守・部品・更新需要が着実。航空機は長期契約・政府案件でボラティリティ緩和。
- 適応力
- 受注残の積み上がり(特装車・航空機)により短期の需要変動に一定のバッファ。原価・調達環境の改善や価格政策の継続が鍵。
- リスク
- 大口案件の期ズレ、原材料・為替、地政学・通商政策の不確実性。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- 特装車:ダンプ、ごみ収集車、テールゲートリフター等。軽量化・電動化対応を進展。
- 航空機:救難飛行艇(US-2等)と防衛・民需部品。独自の水陸両用技術。
- パーキング:機械式駐車装置と保守。リニューアル需要・遠隔監視。
- 流体:ポンプ・水処理ソリューション、遠隔監視システム。
- 技術動向
- 表面改質・薄膜コーティング、直流直結モータなど産機・環境での要素技術保有。省エネ・保全DXの付加価値化が進む。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,816円、会社計画EPS 139.20円、BPS 1,671.33円
- 予想PER:13.05倍(会社データ)
- 実績PBR:1.09倍
- 予想配当利回り:2.97%(年54円)
- 予想配当性向:約38%
- PSR(時価総額/売上):約0.48倍(時価総額1,271億円/売上2,664億円)
- 業界平均との比較(自動車・輸送機)
- 業界平均PER 13.3倍に対し、同社は概ね同水準。
- 業界平均PBR 0.8倍に対し、同社はやや上回る。
- 参考
- トレーリングEPS(TTM)135.6円→実績PER約13.4倍(概算)。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:1,752.6円、200日移動平均:1,479.6円
- 現在株価は50日・200日線の上方。
- 位置づけ
- 52週高値:1,892円、52週安値:1,127円。現株価は高値から約4%下の水準。
- 直近10日:1,760〜1,890円レンジでの推移が中心。
- 需給
- 信用買残 366.8千株、信用倍率 7.08倍。短期的には買い残多めの需給構造。
- 出来高は3カ月平均(約337千株)と同程度。
8. 財務諸表分析
- 成長性(連結)
- 売上高:2,168億円(2022)→2,252億円(2023)→2,571億円(2024)→2,664億円(2025)
- 営業利益:105.7億円(2022)→92.9億円(2023)→117.7億円(2024)→139.7億円(2025)
- 当期純利益:69.1億円(2022)→73.1億円(2023)→72.8億円(2024)→89.6億円(2025)
- 収益性
- 2025年3月期の粗利率:約16.8%、営業利益率:約5.2%、純利益率:約3.4%。
- 2026年3月期1Q(累計)の営業利益率:約2.47%(期ズレ・セグメントミックス影響)。
- 効率性・資本性
- ROE 8.18%、ROA 3.29%(実績)
- 自己資本比率:約42%
- ネット有利子負債:約341億円(借入607.9億円−現金266.4億円、四半期時点)/ EBITDA約192.7億円 → ND/EBITDA約1.8倍(概算)
- 金利負担:利息費用約46.1億円に対し、EBIT約137.3億円 → インタレストカバレッジ概ね良好
- キャッシュフロー
- 営業CF(過去12カ月):約151.8億円(プラス)
- 2026年3月期1Qは在庫増等で営業CFマイナス。短期的な運転資金需要が表面化。
- セグメント動向(2026年3月期1Q)
- 特装車:売上+4.2%、営利+65.2%、受注残+18.3%(143,527百万円)
- パーキング:営利+15.9%、受注残-3.6%
- 産機・環境:減収・赤字転化
- 流体:増収も利益は縮小
- 航空機:増収も営利減、受注残+9.7%
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年間52円
- 2026年3月期(会社予想):年間54円(中間27円・期末27円)
- 予想配当性向:約38%
- 自己株式
- 自己株式比率:約5.58%(3,909,363株)。今期の新規取得有無は本資料では不明。
- 参考
- 5年平均配当利回り:3.87%(提供データ)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:約+38.3%。低ベータ(0.20)で安定推移の傾向。
- 直近は高値圏手前でのもみ合い。50日・200日線上で推移。
- 投資家構成
- インサイダー保有:約23.8%、機関投資家保有:約19.6%、フロート約4,812万株。
- 需給・イベント
- 信用倍率は買い長。配当の権利落ち(2025-09-29予定)が近い点は配当関連の売買要因となり得る。
11. 総評
- 事業面
- 特装車と防衛関連(航空機)という独自性の高い中核事業に加え、パーキング・流体・産機を組み合わせた分散ポートフォリオ。特装車の受注残は厚く、ストック型収益の積み上げも確認できる一方、産機・環境の収益変動や大口案件の期ズレが四半期収益に影響。
- 財務・バリュエーション
- 2025年3月期は増収増益で、収益性は改善傾向。財務健全性は自己資本比率約42%、ND/EBITDA約1.8倍。評価面は予想PERが業界平均並み、PBRは平均を上回る水準。
- 株価・需給
- 株価は52週高値圏に近く、中長期移動平均線の上。信用買い越しで短期の需給はやや偏りがある。
- 主要注目点
- 中計「SG-2026」の収益性向上策の進捗、産機・環境の回復度合い、特装車の価格政策・原価動向、防衛・大型案件の期ズレ管理、在庫・運転資金の改善ペース。
参考データ
– 時価総額:1,271億円
– 発行済株式数:70,000,000株(自己株含む)、自己株式数:3,909,363株
– ROE(実績):8.18%、自己資本比率:42.0%
– 次の権利落ち予定日:2025-09-29
– 直近決算:2026年3月期 第1四半期(2025/7/31公表)
企業情報
銘柄コード | 7224 |
企業名 | 新明和工業 |
URL | http://www.shinmaywa.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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