決算説明：アンリツ（6754）

2026年3月期第1四半期業績概要（決算説明会資料）

決算説明（資料）サマリー（2026年3月期 第1四半期）

（出典：アンリツ株式会社 2026年3月期第1四半期 業績概要、発表日 2025年7月30日）

基本情報

• 企業概要
  • 企業名：アンリツ株式会社（Anritsu Corporation）
  • 証券コード：6754（東証プライム）
  • 主要事業分野：通信計測（ネットワーク/モバイル/エレクトロニクス）、PQA（食品・医薬等の検査）、環境計測（EV/電池等）、その他（センシング等）
  • 代表者名：濱田 宏一（代表取締役 社長）
• 説明会情報
  • 開催日時：2025年7月30日（資料日）／（同社資料中に展示会「テクノプラザ2025」は2025年7月10–11日開催）
  • 説明会形式：–（資料に明記なし）
  • 参加対象：–（資料に明記なし）
• 説明者
  • 杉田 俊一（取締役 常務執行役員 CFO） — 決算数値資料の説明担当（スライド冒頭）
  • 濱田 宏一（代表取締役 社長） — 取り組み・事業戦略の説明担当（取り組みの章）
  • 発言概要：スライドに基づき第1四半期の業績、セグメント別状況、通期予想の据え置き、製品/展示会/サステナビリティ施策等を説明
• 報告期間
  • 対象会計期間：2026年3月期 第1四半期（2025年4月〜6月）
  • 配当支払開始予定日：–（四半期資料内に期中配当の予定表記なし）
• セグメント（名称と概要）
  • 通信計測（通信測定）：モバイル（5G/6G、5G利活用）、ネットワーク・インフラ（データセンター、光/無線NW等）、エレクトロニクス（電子部品・無線機器・研究開発）中心
  • PQA：食品検査、医薬品検査などの品質検査・解析
  • 環境計測：EV/電池向け試験装置、社会インフラIT等
  • その他：センシング＆デバイス等

業績サマリー（IFRS、単位：億円）

• 主要指標（前年同期→当第1四半期）
  • 受注高：260 → 252（△8、△3%）
  • 売上高：252 → 236（△16、△6%）
  • 営業利益：6 → 13（＋7、＋115%）
  • 税引前利益：13 → 14（＋1、＋8%）
  • 当期利益（親会社株主に帰属）：7 → 6（△1、△19%）
  • 包括利益：34 → 2（△32、△94%）
  • 1株当たり利益（EPS）：–（資料記載なし）
• 進捗状況（通期予想に対する達成率目安）
  • 会社の通期（2026/3期）予想（4/25公表値から変更なし、単位：億円）
  • 売上高：1,230、営業利益：150、当期利益：110
  • 第1四半期実績に対する達成率（単純計算）
  • 売上高：236 / 1,230 = 約19.2%
  • 営業利益：13 / 150 = 約8.7%
  • （注）季節性や受注納入タイミングにより四半期単位の単純比較は参考値
• セグメント別（第1四半期：4-6月実績、単位：億円）
  • 通信計測：売上高 145、営業利益 13（前年同期比：売上△23、営業利益＋7）
  • Q1売上比率（資料）：約61%
  • PQA：売上高 68、営業利益 6（前年同期比：売上＋12、営業利益＋5）
  • Q1売上比率（資料）：約29%
  • 環境計測：売上高 9、営業利益 △4（前年同期比：売上△6、営業利益△3）
  • Q1売上比率（資料）：約4%
  • その他：売上高 14、営業利益 4
  • 調整額（全社費用等）：営業利益 △5
  • 合計（連結）：売上高 236、営業利益 13

業績の背景分析

• 業績概要・トピックス
  • 連結では減収（売上△6%）ながら営業利益は増加（＋115%）という結果
  • 受注は前年同期比でやや減少（受注252 億円、4-6月）
• 増減要因（資料の指摘）
  • 通信計測（減収だが増益）
  • 米国の関税政策に不透明感があり、顧客の投資判断が先送りになる事例が発生 → 受注・売上に下押し圧力
  • 世界的な物価・人件費上昇の後、設備投資は再開しつつあるが慎重な投資姿勢が継続
  • モバイル領域：5G開発投資は不安定だが緩やか回復。5G利活用（例：自動車）は好調
  • ネットワークインフラ：グリーン/生成AI向けデータセンター構築や光海底ケーブルの需要増加
  • エレクトロニクス：6G基礎研究は様子見、基地局建設・保守は低調
  • PQA（増収増益）
  • 国内のインバウンド関連需要が好調
  • 環境計測（減収減益）
  • EV/電池向け試験装置の需要は継続するが、期による変動あり
• 競争環境
  • 明示的な市場シェア数値は無し。資料では「競争激化による価格下落圧力」をリスク要因として挙げている
  • 生成AIやデータセンター拡大に伴う需要はあるが、顧客投資の地域差・政策リスク（関税等）で受注の不確実性あり
• 主なリスク要因（資料注記含む）
  • 為替変動（資料では想定為替：USD=145円/€=160円、FY24実績はUSD=153円等を参照）
  • 米国関税政策などの制度的リスク
  • 需要動向、価格競争、サプライチェーンの制約
  • その他マクロ要因（経済情勢、地域別の投資停滞等）

戦略と施策

• 現在の戦略（資料より）
  • 技術展示・顧客接点強化：20年ぶりの総合技術展「テクノプラザ2025」を開催（顧客との協創の深化）
  • 製品開発：通信（Beyond5G/6G対応）やPQA/環境計測領域でのソリューション拡充
  • サステナビリティ：温室効果ガス削減、自家発電（PGRE）導入、ダイバーシティ推進、サプライチェーンDD強化等
• 進行中の施策・具体プロジェクト
  • テクノプラザ2025（展示会：2025/7/10–11、業界キーマン約900名来訪）
  • 製品投入：
  • Virtual Signaling Tester（Virtual ST）：ソフトウェアベースの基地局（シグナリング）シミュレータ。モデムチップ設計段階での仮想検証、Beyond5G/6Gのプレ試験、IoT向け低コストソリューションを想定
  • におい検査機（においの可視化）：官能検査の数値化、最大6サンプルを短時間で測定、AI解析による類似度判定。研究開発・品質管理用途を想定
  • 財務政策：自己株式取得の動きや配当支払いがCFに反映（Q1に配当金支出あり）
• セグメント別施策と成果（要旨）
  • 通信計測：データセンター/生成AI向け製品・海底ケーブル対応などの提案強化
  • PQA：インバウンド関連を含む国内需要取り込みで増収
  • 環境計測：EV/電池向け試験装置の需要継続に対応

将来予測と見通し

• 次期（通期）業績予想（連結、単位：億円、4/25公表値から変更なし）
  • 売上高：1,230（前期比＋100、＋9%）
  • 営業利益：150（＋29、＋24%）
  • 税引前利益：150（＋23、＋18%）
  • 当期利益：110（＋17、＋19%）
  • セグメント別（通期予想）
  • 通信計測：売上 770、営業利益 120
  • PQA：売上 300、営業利益 30
  • 環境計測：売上 100、営業利益 9
  • その他：売上 60、営業利益 10
• 中長期計画
  • 2030年に目標「2,000億円企業（＝2000 億円＝約2000 億円の売上）」を掲げる（資料内に2030目標として明示）。中期（GLP2026等）のKPIや進捗は別途提示（サステナビリティ目標等は資料に記載）
  • 通期計画の達成可能性については、米国関税等の外部要因や市場投資の回復状況に依存すると明記
• マクロ経済の影響
  • 為替レート前提（FY25想定：USD=145円、EUR=160円）を業績予想の前提値として提示
  • データセンター需要や生成AI投資、地域別の投資停滞（特に中国の5Gスマホ関連）等が業績に影響

配当と株主還元

• 配当方針：資料中に詳細な方針説明は記載なし（通期予想と配当方針の変更は「4月25日公表値から変更なし」との注記のみ）
• 配当実績（第1四半期のCF内訳から）
  • Q1（4-6月）で配当金支出：26 億円（CF注記）
• 特別配当：–（資料に記載なし）

製品やサービス

• 主要製品（資料抜粋）
  • Virtual Signaling Tester（Virtual ST）
  • 概要：ソフトウェアベースの基地局シミュレータ。モデムチップ設計段階での検証やBeyond5G/6Gのプレ試験、IoTデバイス向けの低コスト検証に向く
  • 対象顧客：モデムチップセットメーカー、モバイル端末メーカー 等
  • におい検査機
  • 概要：官能検査の数値化・可視化、AI解析で類似度判定。最大6サンプルを約3分で測定
  • 対象市場：飲料/酒類研究開発、食品製造（香り管理）、品質管理 等
• 協業・提携
  • APN（All Photonics Network）等、展示会での顧客協創を強調（具体的な外部企業との資本提携やM&Aの記載はなし）

重要な注記

• 会計方針：IFRS適用（資料は国際会計基準に基づく）。会計方針変更の記載は資料内に明示なし
• 開示上のリスク：将来見通しはリスク/不確実性を伴う旨の注記あり（スライド冒頭の免責）
• その他（重要な告知・イベント等）
  • テクノプラザ2025（技術展示、2025/7/10–11、TFTホール）実施済
  • 次回の更新や修正は、法令で要求される場合を除き、随時公表が義務付けられているものではない旨の注記

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