以下に、アサックス(8772)の企業分析レポートをまとめます。

1. 企業情報

株式会社アサックスは、不動産担保ローンを専門とする大手金融サービス企業です。主に首都圏を中心に、個人や法人に対して居住用不動産を担保とした事業性ローンを提供しています。その他にも、不動産ブリッジローン、購入・建築資金ローン、不動産事業者向けローンなどを手掛けています。信用保証事業や不動産賃貸・売買事業も展開しており、2025年3月期の事業内容別比率では、営業貸付金利息が全体の73%を占め、これが主要な収益源となっています。1969年に設立され、東京都渋谷区に本社を置いています。

2. 業界のポジションと市場シェア

アサックスは「その他金融業」のセクターに属し、特に「不動産担保ローン」の分野で専門性を確立した大手企業です。その競争優位性は、長年にわたる独自の審査ノウハウとリスク管理体制により、低貸倒率を実現している点にあります。このノウハウが、居住用不動産を担保としながらも安定した事業性ローン提供を可能にしています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、不動産担保ローン専業大手という位置付けから、このニッチ市場においては存在感があると考えられます。課題としては、不動産市場の変動、金利動向、競合との競争、及び関連法規制の変化が収益に影響を及ぼす可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、決算短信において「債権の健全性を重視しつつ積極的な顧客開拓を行った」と述べており、健全な資産ポートフォリオを維持しながら事業規模の拡大を目指す姿勢が見られます。また、2026年3月期からは連結決算に移行し、ASAX America, Inc.を新規連結に追加しています。これは、海外事業展開も視野に入れた新たな成長戦略の一環である可能性を示唆しています。中期経営計画の具体的な数値目標や詳細な施策については、提供された情報からは明確な記載はありませんでした。

4. 事業モデルの持続可能性

アサックスの収益モデルは、不動産担保ローンによる安定的な利息収入が中心です。このモデルは、不動産市場の安定性、特に都心近郊の地価堅調推移といった現在の国内経済状況に支えられています。独自ノウハウによる低貸倒率は、景気変動時のリスクを抑制する強みとなります。また、ASAX America, Inc.の連結により海外事業に参入する動きは、今後の事業領域拡大と地域分散によるリスクヘッジに繋がる可能性があります。一方で、不動産市場の変動、金利上昇、為替変動リスク(特に海外事業展開に伴う)は、事業の持続性に影響を与える要因となり得ます。借入金への依存度が高い点も、金利変動リスクに晒される可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

提供データに具体的な技術開発や特許に関する記載はありませんが、同社の「独自ノウハウで低貸倒率」という強みは、不動産評価、債務者審査、回収プロセスにおける精緻な知見や管理体制の構築を指すものと考えられます。これは、金融サービスにおける信用リスク評価や債権管理の手法といった形で「技術」と解釈できます。主力製品は、利息収入の大部分を占める不動産担保ローンであり、個人・法人向けの事業性ローンを中心に、多様な資金需要に対応しています。

6. 株価の評価

  • 前日終値: 871円
  • 1株当たり当期純利益(会社予想EPS): 103.65円
  • 株価収益率(会社予想PER): 8.30倍
  • 1株当たり純資産(実績BPS): 1,487.29円
  • 株価純資産倍率(実績PBR): 0.58倍

業界平均PER 14.1倍、業界平均PBR 1.0倍と比較すると、アサックスのPER(8.30倍)およびPBR(0.58倍)は、どちらも業界平均より低い水準にあります。
EPSに基づく理論株価(業界平均PER適用):103.65円 × 14.1倍 ≒ 1,461.5円
BPSに基づく理論株価(業界平均PBR適用):1,487.29円 × 1.0倍 ≒ 1,487.29円
現在の株価871円は、これらの理論株価と比較して低い水準です。ただし、PERやPBRは事業特性や成長期待などによって変動するため、単純な比較だけで投資判断を行うことは適切ではありません。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、年初来高値940円に対して、本日(2025年9月19日)の終値は860円であり、年初来高値からは約8.5%下落しています。直近10日間では、9月11日に一時903円を付けたものの、その後は軟調に推移し、9月19日には日中安値841円を記録し、終値860円で引けました。直近では下落傾向にあり、出来高も増加していることから、短期的な売り圧力が観測されます。現在の株価水準は、年初来安値594円と年初来高値940円の中間よりは高値寄りに位置していますが、直近の動きを見ると調整局面にあると言えます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高(Total Revenue): 過去4年間で、2022年3月期の5,651,715千円から2025年3月期(過去12ヶ月)の7,519,931千円へと着実な増加傾向を示しており、平均して年率10%前後の成長を続けています。
  • 営業利益(Operating Income): 売上高と同様に堅調に増加しており、2025年3月期(過去12ヶ月)は5,214,756千円です。
  • 純利益(Net Income Common Stockholders): 2022年3月期の2,539,008千円から2025年3月期(過去12ヶ月)の3,386,351千円へと増加傾向にあります。
  • キャッシュフロー: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細な評価は困難です。
  • ROE(実績): (単)7.10%
  • 自己資本比率(実績): 41.3% (2025年6月30日時点)。金融業としては健全な水準を維持しています。
  • 粗利率: 過去数年間90%以上の非常に高い水準を維持していますが、微減傾向が見られます(2022年3月期93.94% → 2025年3月期 90.76%)。これはCost of Revenueの増加によるものです。
  • 営業利益率: 過去数年間約70%と非常に高い水準で安定しており、効率の良い収益構造を示しています。
  • 流動比率: 2025年6月30日時点で約503.8%と、短期的な支払い能力も非常に高い水準です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.33%
  • 1株配当(会社予想): 20.00円

会社は2025年3月期の実績および2026年3月期の予想として、年間配当20.00円の安定配当方針を掲げています。2026年3月期予想EPS103.66円に基づく配当性向は約19.29%であり、利益に対して余裕を持った水準と言えます。自社株買いに関する情報は提供データにはありませんでした。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、ここ10日間で一時903円を付けるも、その後は860円まで下落し、短期的な下降トレンドにあります。本日(2025年9月19日)の出来高は44,100株と直近では比較的多く、下落時に出来高が増加していることから、売り圧力が強まっていると解釈できます。信用取引情報では信用売残が0株であるため信用倍率は0.00倍ですが、信用買残は137,900株あります。
株価への影響要因としては、安定した業績推移と配当方針はポジティブな要素です。連結決算への移行や海外子会社の連結は、今後の成長期待に繋がる可能性があります。一方で、国内経済の不確実性、不動産市場や金利の変動、為替変動(特に第1四半期に為替差損計上)などは、引き続き業績や株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

アサックスは不動産担保ローン専業大手として、独自のノウハウと堅実な事業運営により、安定した売上・利益成長を継続しています。特に約70%という非常に高い営業利益率と40%を超える自己資本比率は、同社の収益性と財務健全性を示しています。株価は、理論株価と比較して割安感がある水準ですが、直近では調整局面に入っており、短期的な下落傾向が見られます。連結決算への移行や海外事業の展開は、今後の成長ドライバーとして注目されます。株主還元は安定配当を維持しており、配当性向も無理のない範囲です。不動産市場や金利、為替の動向が事業に与える影響には引き続き留意が必要です。

12. 企業スコア

  • 成長性: S
    • LTM売上成長率(YoY)は11.33%、3年CAGR(売上)も9.11%と、過去数年にわたり高い成長を継続しています。
  • 収益性: S
    • 粗利率が90%以上、営業利益率も約70%と、非常に高い水準を安定的に維持しており、業界平均を大きく上回る収益力を示しています。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率41.3%は健全な水準であり、流動比率も500%を大きく超え、短期的な支払い能力も極めて高いです。D/E比率も金融業としては許容範囲内であり、全体として非常に健全な財務状況です。

企業情報

銘柄コード 8772
企業名 アサックス
URL http://www.asax.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 金融(除く銀行) – その他金融業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。
評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。
投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。