1. 企業情報

ペルセウスプロテオミクスは、東京大学発のバイオベンチャー企業です。主にがんなどの疾患を対象とした抗体医薬品や抗体薬物複合体(ADC)の研究開発を行っています。また、抗体研究支援活動や抗体・試薬の販売も事業内容に含まれています。高機能抗体の取得に強みを持つことが特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は医薬品業界、特に創薬分野におけるバイオベンチャーとして位置付けられています。高機能抗体に関する技術とADC開発に強みを持つ点を競争優位性としています。現在の収益の柱は抗体研究支援や抗体・試薬販売であり、主要な創薬パイプラインは開発段階にあります。そのため、既存市場における具体的な市場シェアに関する情報は開示されていません。医薬品業界は大手製薬会社が多数存在し競争が激しいですが、特定の技術領域や疾患分野で独自の強みを持つバイオベンチャーはニッチな市場を切り開く可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

経営戦略の重点分野は、がんを中心とした疾患に対する高機能抗体医薬品および抗体薬物複合体(ADC)の開発と、そのライセンス導出による収益化です。主なパイプラインとして、抗肝細胞がん抗体「PPMX-T001」、抗がん剤「PPMX-T002」の再開発(放射性同位体変更)、真性多血症などを対象とした完全ヒト抗体「PPMX-T003」の臨床試験推進と導出、およびADC「PPMX-T004」の予備毒性試験実施が挙げられます。UBE社との共同でのADC探索研究も進めています。また、抗体研究支援事業では新たなVHH抗体ライブラリを用いたスクリーニングサービスを開始し、抗体・試薬販売では新製品を投入するなど、既存事業の強化も図っています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、多額の研究開発投資を先行させ、将来的に開発パイプラインが承認された際の製品販売、または製薬会社へのライセンス導出によるロイヤリティ収入や契約一時金によって収益化を目指す研究開発型バイオベンチャーの典型です。現在の売上は抗体研究支援と抗体・試薬販売が中心であり、創薬パイプラインからの収益はまだ限定的です。主要パイプラインの開発進捗と導出が事業モデルの持続可能性を左右する主要因となります。市場ニーズの変化への適応は、開発パイプラインの選定や共同研究を通じて行われています。

5. 技術革新と主力製品

同社は高機能抗体の取得技術に強みを持っています。主要な技術開発は、従来の抗体医薬品に加え、抗体薬物複合体(ADC)の開発に注力しており、UBE社との共同研究もその一環です。
収益を牽引している製品・サービスは、現在のところ抗体研究支援サービスと抗体・試薬販売です。2025年5月にはラクダ由来VHH抗体ライブラリを用いたスクリーニングサービスを開始し、2025年4月には抗Exatecan抗体や抗GPR87抗体を発売しています。開発中の主力パイプラインとしては「PPMX-T002」(次世代放射性抗体薬)、「PPMX-T003」(TfR1標的完全ヒト抗体)、「PPMX-T004」(CDH3標的ADC)などが挙げられます。

6. 株価の評価

現在の株価は344.0円です。
EPS(会社予想)は「—」であり、過去12か月のDiluted EPSは-63.42円であるため、PER(株価収益率)による評価は困難です。
PBR(実績)は4.32倍で、BPS(実績)79.80円に対して株価は推移しています。バイオベンチャー企業は、研究開発段階にあるため先行投資が大きく赤字になりやすく、PBRなどの伝統的な指標では事業の将来性を十分に評価できない傾向があります。株価は将来のパイプラインの成功や導出への期待を織り込む形で変動することが多く見られます。

7. テクニカル分析

現在の株価は344.0円です。年初来高値が1,113円、年初来安値が334円となっており、現在の株価は年初来安値に近い水準で推移しています。
50日移動平均線(380.02円)および200日移動平均線(502.08円)をともに下回っており、株価は下降トレンドにあると見られます。直近10日間の株価推移を見ても、339円から354円の範囲で推移し、特段の大きな上昇モメンタムは見られず、概ね安値圏で底堅い動きとなっています。

8. 財務諸表分析

  • 売上: 過去数年のTotal Revenueは、2022年3月期の71,932千円から2025年3月期の120,375千円まで増加傾向にあります。2026年3月期第1四半期の売上高は23,472千円で、前年同期比12.5%の増加となりました。
  • 利益: 営業利益、経常利益、純利益は過去数年にわたり赤字が継続しています。特にOperating Incomeは、2025年3月期で-894,730千円、過去12か月では-826,430千円の損失を計上しています。これは多額の研究開発費が主な要因です。2026年3月期第1四半期の営業損失は△218,296千円と、前年同期の損失△221,799千円からわずかに縮小しました。
  • キャッシュフロー: 直接的なキャッシュフロー計算書のデータは提供されていませんが、現金及び預金は2025年3月末の1,667,921千円から、2025年6月末には1,505,038千円に減少しており、この減少は主に研究開発費用などの支出によるものと説明されています。
  • ROE/ROA: ROE(実績)は-67.54%、ROA(過去12か月)は-26.62%であり、継続的な損失によりどちらもマイナスとなっています。
  • 自己資本比率: 2025年6月末の自己資本比率は71.1%と高い水準を維持しています。これは豊富な現金預金と少額の負債構成によるものです。
  • 流動比率: 2025年6月末の流動比率は14.4倍と非常に高く、短期的な支払い能力は十分に確保されています。

全体として、売上高は成長しているものの、研究開発投資の先行により利益は継続して赤字です。一方で自己資本比率や流動比率は極めて高く、財務健全性は非常に良好な状態にあります。

9. 株主還元と配当方針

同社は、1株配当(会社予想)0.00円、配当利回り0.00%となっており、配当は実施していません。配当性向も0.00%です。自社株買いなどの株主還元策についても記述はありません。バイオベンチャーの成長段階にあるため、現在の収益を研究開発に再投資し、将来的な企業価値向上を目指す方針であると推測されます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

過去52週間の株価変動率は-45.73%と大きく下落しています。直近の株価は年初来安値圏で底堅く推移しているものの、明確な上昇モメンタムは見られません。
出来高は日によって変動がありますが、最近はやや減少傾向にあります。信用買残は2,510,000株と大きい一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは株価が下落する中で信用買いが増加していることを示唆しています。
投資家は主に、主要パイプライン(PPMX-T002, T003, T004など)の開発フェーズの進捗状況、特に臨床試験の結果や、製薬会社へのライセンス導出に関するニュースに強く関心を示すと考えられます。今後の決算発表(次の予定は2025年8月14日〜8月18日)も、その内容次第で株価に大きな影響を与える可能性があります。

11. 総評

ペルセウスプロテオミクスは、がんなどを対象とした高機能抗体医薬品およびADCの開発に注力する東大発バイオベンチャーです。売上高は増加傾向にあるものの、多額の研究開発費が先行するため、継続して営業損失・純損失を計上しています。収益化は主要パイプラインの成功と導出に大きく依存する事業モデルです。
しかし、自己資本比率が約70%、流動比率が約14倍と極めて高く、手元資金も潤沢であるなど、現在の財務健全性は非常に良好な状態です。株価は年初来安値水準にあり、過去1年で大きく下落しています。株主還元は現時点では行われておらず、研究開発への投資を優先する方針です。
投資家の関心は、今後の創薬パイプラインの進捗、特に臨床試験の結果や製薬企業へのライセンス導出のタイミングと内容に集中すると考えられます。

12. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 過去数期および直近四半期の売上高は増加傾向にあります。研究開発型事業の特性上、本格的な収益成長はパイプラインの進展に依存しますが、現在の売上の伸びは評価できます。
  • 収益性: D
    • 売上総利益率は高いものの、多額の研究開発費により営業利益以下は継続的に大幅な赤字を計上しています。現時点での収益は非常に低いと判断されます。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率は71%以上と極めて高く、流動比率も14倍以上と非常に優良です。現金及び預金も潤沢であり、財務状況は非常に健全です。

企業情報

銘柄コード 4882
企業名 ペルセウスプロテオミクス
URL https://www.ppmx.com
市場区分 グロース市場
業種 医薬品 – 医薬品

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By ジニー

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