4686 ジャストシステム 分析レポート(2025-09-23時点)

> 本資料は公開情報をもとに作成した企業分析であり、金融商品取引法上の投資助言ではありません。記載数値は百万円ベースを億円換算して表記する箇所があります。誤差や開示タイミング差異が生じうる点にご留意ください。

1. 企業情報

  • 会社概要
    • 日本語入力「ATOK」、教育タブレット型通信教育「スマイルゼミ」、法人向けSFA「JUST.SFA」、BI「Actionista!」等を展開。官公庁・自治体向けの日本語固有名詞対応オフィス互換スイートも提供。
    • 主要顧客は個人、企業、官公庁・自治体、学校、病院など。
    • セグメントは単一(ソフトウエア関連)。内訳の社内集計として「個人向け」「法人向け」を開示。
  • 事業構成(2025/3期、売上構成比)
    • 個人向けソフトウェア:約69%
    • 法人向けソフトウェア:約31%
  • 特色
    • サブスク(ストック)型売上が拡大。2026/3期1Qのストック売上比率は71.7%。
    • キーエンスが筆頭株主(43.96%)。
  • 基本データ
    • 従業員:297人、平均年齢39.0歳、平均年収約1,432万円
    • 本社:東京都新宿区西新宿
    • 上場市場:東証プライム

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 教育(EdTech・通信教育)
    • タブレット通信教育の主要プレイヤーの一角(「スマイルゼミ」)。同領域ではベネッセ(チャレンジタッチ)やリクルート(スタディサプリ)等と競合。
    • 強み:自社コンテンツと学習体験設計、サブスク比率の高さ、学年進級に伴う継続課金モデル。
    • 課題:少子化による市場母数縮小、競合の広告投下・価格戦略、端末コストや物流・サポートの運営効率。
  • 法人ソフト(SFA/BI/日本語入力)
    • SFA/BIは外資系大手(Salesforce、Power BI、Tableau、Looker等)や国内ベンダーと競合。
    • 日本語入力はATOKのブランド力がある一方、OSベンダー(Microsoft IME、Google日本語入力)のプリインストール優位とのせめぎ合い。
    • 強み:日本語処理の長年の技術蓄積、国内公共分野での実績。
    • 課題:機能競争の速さ、価格圧力、クラウドシフトに伴う継続的投資。

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性(開示情報・定量実績からの整理)
    • サブスク・ストック型収益の拡大(1Qストック売上比率71.7%)。
    • 個人向けの安定成長と、法人向けの高成長ドライブ(1Q法人向け売上+43.2% YoY、個人向け+8.7% YoY)。
    • 高収益を維持しつつ、プロダクト価値向上(日本語入力の高精度化、教育コンテンツ・学習体験の強化、業務アプリの機能拡張)。
  • 2026/3期1Q(2025/4–6)実績の示唆
    • 売上高128.6億円(+18.5%)、営業利益59.8億円(+27.5%)。営業利益率約46.5%。
    • 前受収益(繰延収益)1,361億円相当(136.1億円)とサブスク基盤の厚み。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • サブスクリプション中心(ATOKパスポート、スマイルゼミ学習会費、法人SaaS/保守等)。継続課金と前受収益により見通しが立ちやすい。
  • 強靭性・適応力
    • 高いキャッシュ創出力と潤沢な現金(現金等約1,055億円、自己資本比率86.8%)により、プロダクト投資や価格施策に柔軟に対応可能。
    • リスクは少子化、競合の価格・機能攻勢、OSベンダーとの競合構造。法人向けはクラウド・データ分析潮流に継続対応が必要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 日本語変換ATOK:長年の辞書資産・文脈解析。医療向け「ATOK Medical」などドメイン特化も展開。
    • BI「Actionista!」:ノーコード志向の分析民主化を訴求。
    • 日本語固有名詞対応の公共向けオフィス互換群(JUST Officeほか)。
  • 収益ドライバー
    • 個人向けの柱「スマイルゼミ」。学年進級による継続性とARPU維持・向上が鍵。
    • 法人向けはSFA・BI・日本語入力/辞書関連のサブスク・保守が伸長。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価:4,875円、時価総額:約3,131億円、BPS:1,685.54円(PBR 2.89倍)
    • LTM EPS:約192円(191.94〜192.08)
  • 指標比較
    • トレーリングPER:約25.4倍(= 4,875/192)
    • 参考:業界平均PER 23.2倍 → 平均比でややプレミアム。
    • PBR:2.89倍(業界平均PBR 2.3倍を上回る)
    • EV/EBITDA:約9.5〜10.1倍(簡易計算:EV≈3,131−1,055=2,076億円、EBITDA≈205〜218億円)
    • キャッシュ調整後PER(参考):株価−現金等/株 ≈ 4,875−1,643=3,232円 → 約16.8倍(参考値)
  • 含意
    • 高成長(特に法人)と高収益・高現金水準を背景に、平均以上のバリュエーション。ただし成長持続性・EdTech市況・競合動向がプレミアムの持続要因。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 直近株価:4,875円
    • 50日線:4,318円、200日線:3,686円 → 株価は両移動平均線を上回る上昇トレンド。
    • 52週高値:5,120円(現水準は高値から約4.8%下)
  • 位置づけ
    • 年初来レンジ上限付近の高値圏。9/16に年初来高値を更新後、直近は利益確定の押しを挟みつつ高止まり。
  • 需給
    • 信用倍率 19.76倍、信用買残増(+17.9千株)→ 強気需給だが、短期の変動拡大要因にもなりうる。

8. 財務諸表分析

  • 損益(単位は概算、億円)
    • 売上高:445.5(2025/3 LTM)/ 409.9(2024/3)/ 419.5(2023/3)/ 416.8(2022/3)
    • 営業利益:180.4(2025/3 LTM)/ 170.5(2024/3)/ 190.4(2023/3)/ 171.7(2022/3)
    • 親会社純利益:123.3(2025/3 LTM)/ 116.4(2024/3)/ 134.0(2023/3)/ 121.7(2022/3)
  • 収益性
    • 粗利率:約78.1%(347.7/445.5)
    • 営業利益率:約40.5%(LTM、P/L表ベース)/ 1Q単体は約46.5%
    • 純利益率:約27.7%(LTM)/ 参考指標のProfit Margin 28.0%
    • ROE:12.4%(実績)/ ROA:9.9%
  • 成長性
    • LTM売上成長率:約+8.7%(2025/3 vs 2024/3)
    • 3年CAGR(売上):約+2.2%(2022/3→2025/3)
    • 2026/3期1Q:売上+18.5%、純利益+22.0%(前年比)
  • 財政状態
    • 現金等:約1,055億円、流動比率:約6.0倍、自己資本比率:86.8%(短信本文84.7%)
    • 負債は前受収益が中心(固定負債はごく小さい)。実質無借金に近い。
  • キャッシュフロー
    • 四半期CF計算書は未作成(短信注記)。高い営業CF創出が推察されるが、詳細数値は確認不可。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期:年22円(中間10・期末12)
    • 2026/3期会社予想:年24円(中間12・期末12)
    • 配当利回り(予想):約0.49%、配当性向:約11.5%(余力大)
  • 自己株式・買戻し
    • 自己株式は僅少(957株)。本資料の範囲で大規模な自己株買いの開示は確認できず。
  • 参考
    • インサイダー持分比率:約66%。浮動株が限られ、株価変動に影響しやすい可能性。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 価格モメンタム
    • 52週騰落:約+39.9%(ベンチマーク比で強含み)。
    • 10日間で上昇局面と押し目を交錯。年初来高値更新後の調整局面でもトレンドは維持。
  • 出来高・需給
    • 3カ月平均出来高:約14.2万株、直近10日平均:約15.7万株。イベントドリブンで出来高増の局面あり。
    • 高い信用買いは短期のボラティリティ要因。
  • 価格影響要因
    • 四半期決算(次回 2025/11/7予定)、配当落ち(2025/9/29予定)、法人向け成長の持続性、教育商戦期の申込動向、競合各社の価格・プロモーション。

11. 総評

  • まとめ
    • サブスク比率が高く、教育×法人の二輪で成長。特に法人向けが高成長で、全社の増収増益に寄与。
    • 粗利率・営業利益率ともに高水準で、潤沢な現金と高自己資本比率により財務耐性が強い。
    • 株価は業界平均PER/PBRに対してプレミアムだが、成長・収益・財政面の質の高さやネットキャッシュを勘案すると、一定の妥当性は整理できる(評価は市場環境・成長持続性次第)。
    • リスクは少子化、EdTech競争の激化、OSベンダーとのIME競合、法人SaaSの機能競争・価格圧力。短期的には信用需給の偏りも変動要因。
  • 今後の着眼点
    • 法人向けの高成長持続、スマイルゼミの継続率・ARPU、前受収益の推移、サブスク比率の更なる上昇、研究開発投資と機能強化の進捗。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+8.7%、1Q売上+18.5%。3年CAGRは+2%台だが直近加速。
  • 収益性:S
    • 根拠:粗利率約78%、営業利益率約40〜46%、純利益率約28%と非常に高水準。
  • 財務健全性:S
    • 根拠:自己資本比率約87%、流動比率約6.0倍、実質無借金・豊富な現金。

【株価・イベント参考】
– 株価レンジ(年初来):2,911〜5,120円(現値4,875円)
– 次回決算予定:2025年11月7日
– 配当権利落ち日:2025年9月29日

(注)本資料は公開データの要約・計算に基づく参考情報です。投資判断は必ず最新の有価証券報告書、決算短信、適時開示等の原資料をご確認の上でご自身でご判断ください。


企業情報

銘柄コード 4686
企業名 ジャストシステム
URL https://www.justsystems.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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