三ツ知 (3439) 企業分析レポート
東京証券取引所スタンダード市場に上場する三ツ知(3439)について、個人投資家向けに企業分析レポートを作成します。
1. 企業情報
三ツ知は1963年に設立された自動車用締結金具や冷間鍛造品の製造・販売を行う企業です。主にシート、エンジン、ウインドウレギュレーター、ロック、足回りなどの自動車部品向けにボルトやナットといった締結部品を提供しています。特に、金属を常温で加工する「冷間鍛造技術」に強みを持っています。事業構成はシート用が40%、エンジン用が11%、その他自動車部品が合わせて17%を占めており、主要な顧客としてアイシンシロキが挙げられます。日本国内のみならず、海外(米国、タイ、中国、インドなど)にも生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は自動車部品、特に締結金具製造において、独自の冷間鍛造技術を競争優位性としています。この技術は、高い精度の部品を効率的に製造できる点で評価されています。主要顧客が大手自動車部品メーカーであることから、自動車産業サプライチェーンの一翼を担っています。
しかし、業界全体としては、決算短信において「自動車部品業界における東アジアでの日本車シェア低下等の影響、北米・東南アジアでの生産量変動等により受注環境は厳しい」と述べられており、市場環境の変化や地域ごとの生産動向が事業に影響を与える課題を抱えています。具体的な市場シェアを示すデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
同社は中期経営計画「ビジョン24」を掲げ、2025年6月期をその初年度と位置づけています。同計画では収益改善と課題解消への取り組みが重点分野とされていますが、具体的な施策の詳細については提供された情報からは読み取れません。決算短信では、為替レートや原材料価格の変動、顧客の生産計画の変動といった不確定要素がある中で、次期の事業計画を進める方針が示されています。
4. 事業モデルの持続可能性
三ツ知の事業モデルは、自動車産業向け締結金具の製造・販売を核としています。長年にわたる冷間鍛造技術の蓄積と、多岐にわたる自動車部品への対応力は、安定した需要を確保するための基盤となり得ます。海外にも生産・販売拠点を持ち、海外売上比率が33%(2025年6月期計画)であることから、特定の地域に依存しない事業構造を目指していると考えられます。
ただし、自動車業界はEV(電気自動車)シフトや自動運転技術の進化など、大きな変革期を迎えています。これらの市場ニーズの変化への適応力や、新たな技術への対応が今後の持続可能性を左右する可能性がありますが、提供された情報からはその具体的な戦略や進捗は不明です。
5. 技術革新と主力製品
同社は「冷間鍛造技術」に強みを持つことが企業概要で記述されています。この技術は、熱を加えずに金属を加工することで、材料の強度を高め、高精度な部品を製造できる特徴があります。
主力製品は自動車用締結金具であり、事業内容のセグメント別売上高ではシート用部品が40%、エンジン用部品が11%、その他の自動車部品が17%を占めており、これらの部品が収益を牽引していると考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価は625.0円です。
– PBR (実績) は0.30倍であり、1株当たり純資産 (BPS) 2,069.19円と比較すると、現在の株価は企業の持つ純資産価値に対して割安な水準にあると言えます。業界平均PBRが0.5倍であることと比較しても、より割安に見えます。
– PER (会社予想) は16.01倍です。1株当たり利益 (EPS) の会社予想が39.04円であることから算出されます。業界平均PERが11.3倍であることと比較すると、会社予想EPSに基づくPERは業界平均より割高な水準にあります。
資産価値から見れば割安感がある一方、予想利益に基づく評価では割高感も存在しており、評価は分かれる可能性があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は620円から630円の狭い範囲で推移しており、安定した動きを見せています。
年初来高値が730.0円、年初来安値が562.0円であるのに対し、現在の株価625.0円は年初来のレンジの中間やや安値寄りの水準にあります。
50日移動平均線が620.92円、200日移動平均線が626.68円であり、現在の株価は50日移動平均線をわずかに上回っているものの、200日移動平均線は下回っています。この状況は、短期的な反発の兆しが見られるものの、中期的な下降トレンドの中での調整局面とも解釈できる可能性があります。
売上高:
過去数年間で増減を繰り返しています。
– 2021年6月期: 13,783百万円
– 2022年6月期: 12,448百万円
– 2023年6月期: 12,555百万円
– 2024年6月期: 13,147百万円
– 2025年6月期(過去12ヶ月実績): 12,411百万円
直近の通期決算(2025年6月期実績)では前年同期比で売上高が減少(△5.6%)しており、直近四半期の売上高成長率も前年比で-2.50%となっています。
利益:
利益面では変動が大きく、2023年6月期には営業利益と当期純利益で赤字を計上しました。
– 営業利益: 2024年6月期には466百万円に回復しましたが、2025年6月期(実績)は106百万円と大幅に減少。
– 親会社株主に帰属する当期純利益: 2025年6月期(実績)は△117百万円と、再び赤字に転落しました。これは中国現地法人での追徴課税も影響しています。
全体の傾向として、収益性は低く、直近は不振にあります。2026年6月期は営業利益255百万円、当期純利益182百万円への回復を見込んでいます。
キャッシュフロー:
- 営業活動によるキャッシュフローは885百万円(2025年6月期)と毎年プラスを確保しており、事業活動による資金創出能力は維持されています。
- 投資活動によるキャッシュフローは△521百万円で、継続的な設備投資を行っていることが示唆されます。
- 財務活動によるキャッシュフローは△356百万円で、借入金の返済や配当金の支払いなどが行われていると考えられます。
期末の現金及び現金同等物は3,988百万円あり、手元流動性は確保されています。
収益性指標:
- ROE(実績): -1.19% (2025年6月期が当期純損失のためマイナス)
- ROA(過去12ヶ月): 0.41% (低い水準)
- 売上高営業利益率: 0.9% (2025年6月期)
これらの指標からは、直近の収益性が非常に低い状況が読み取れます。
財務健全性:
- 自己資本比率(実績): 60.8% (高い水準を保持しており、財務体質は安定しています。)
- 流動比率(直近四半期): 2.14 (214%) (200%を超えており、短期的な支払い能力は良好です。)
- 総負債対自己資本比率 (Total Debt/Equity): 37.38% (負債が自己資本に対して低い水準であり、健全性が高いと言えます。)
総合的に見て、同社の財務健全性は非常に高い評価が得られます。
9. 株主還元と配当方針
同社は安定的な株主還元を目指していると考えられます。
– 配当利回り(会社予想): 3.20%
– 1株配当(会社予想): 20.00円
– 配当性向(過去12ヶ月に基づく概算): 49.43%
2025年6月期は当期純損失を計上したものの、年間20円の配当(中間10円、期末10円)を実施し、2026年6月期も同額を予想しています。これは、厳しい業績下でも株主への還元を維持しようとする姿勢を示していると言えます。自社株買いに関する情報は今回提供された資料からは確認できませんでした。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は小幅なレンジ内で推移しており、大きな上昇または下降の勢いは見られません。直近の出来高は1,000株程度と非常に少なく、市場での取引は活発ではありません。
信用取引においては、信用買残が15,100株(前週比+2,300株)と増加傾向にある一方、信用売残は0株となっており、信用倍率は算出不能(0倍)です。出来高が少ない中で買い残が増加しているため、今後の需給状況に注意が必要かもしれません。
機関投資家による保有割合が0.00%であることから、プロの投資家からの関心は限定的であると推測されます。インサイダー保有率は46.76%と高く、経営陣や関係者が株式を多く保有しています。
11. 総評
三ツ知は自動車部品向けの締結金具製造を主軸とし、冷間鍛造技術に強みを持つ企業です。国内外に拠点を持ち、グローバルな事業展開を図っています。
財務面では自己資本比率60.8%、流動比率2.14倍と非常に高い健全性を保っています。しかし、業績は変動が大きく、特に直近の2025年6月期は減収、営業利益大幅減益、当期純損失を計上するなど厳しい状況にあります。中国での税務調査による追徴課税も利益を圧迫しました。
株価は純資産価値と比較して割安感がある一方、PERは業界平均より高めです。年間20円の配当を継続しており、配当利回りは魅力的な水準にあります。
市場での取引は出来高が少なく、機関投資家の関心も低い状態です。今後の業績改善、特に収益性の回復が株価に影響を与える主要な要因となるでしょう。
12. 企業スコア
-
成長性:C
LTM売上成長率(前年比)は-2.50%であり、過去数年間の売上推移も増減を繰り返しながら、直近では減少傾向にあります。中期的な売上高の強い伸びは見られず、成長性は低いと判断されます。
– 収益性:D2025年6月期の営業利益率は0.9%、当期純利益は損失を計上(ROE -1.19%、Operating Margin -0.42%)と、直近の収益性は大幅に悪化しています。業界平均と比較する明確なデータはありませんが、絶対的な利益率の低さと純損失計上を考慮すると、収益性は低いと評価されます。
– 財務健全性:S自己資本比率60.8%、流動比率2.14(214%)、Total Debt/Equity比率37.38%と、全ての主要指標が非常に高い水準で健全性を示しています。負債が少なく、自己資本が厚い盤石な財務体質です。
企業情報
銘柄コード | 3439 |
企業名 | 三ツ知 |
URL | http://www.mitsuchi.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。
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