川崎重工業(7012)企業分析レポート

株価(9/22終値):9,513円
時価総額:1.60兆円/配当利回り(会社予想):1.58%
業種:輸送用機器(プライム)

1. 企業情報

  • 概要:総合重機大手。航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジン(大型二輪等)をグローバルに展開。自衛隊向け潜水艦・航空機、鉄道車両、航空機分担品、舶用機器、産業用ロボット、水素関連設備など多岐にわたる。
  • 事業構成(会社公表の連結事業構成の目安):航空宇宙27%、車両10%、エネルギー・マリン19%、精密・ロボット11%、モーターサイクル29%、他4%。海外売上比率59%(2025.3期)。
  • 直近1Q(2026.3期):売上構成はパワースポーツ&エンジン約33%、エネルギー&マリン約20%、航空宇宙約21%など。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:三菱重工、IHI等と並ぶ国内総合重機の一角。防衛・航空宇宙、鉄道、舶用、ロボット・油圧、モーターサイクルなどで複合的な事業ポートフォリオを保有。
  • 強み
    • 防衛・航空宇宙:潜水艦、固定翼(C-2/P-1等)・回転翼の実績、航空機分担品・エンジン部品供給。
    • 鉄道:国内・北米向けでの納入実績。
    • パワースポーツ:大型二輪「Kawasaki」ブランドのグローバルプレゼンス。
    • 水素・エネルギー:液化水素輸送・貯蔵などサプライチェーン要素技術を保有。
  • 課題
    • 重厚長大型の受注産業特性に伴う収益変動と大型案件リスク。
    • 財務レバレッジの高さ(自己資本比率2割台、D/E約100%)。
    • 船舶関連や修繕等に関する不正事案の調査継続(短信記載)。ガバナンス・コンプライアンス対応の行方。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(公開情報に基づく方向性の要旨)
    • 脱炭素・エネルギー転換(「水素」などエネルギーソリューション領域)。
    • 安全・安心に資するモビリティ(防衛・航空宇宙、鉄道、二輪)。
    • 自動化・省人化(精密機械・ロボット)。
  • 2026年3月期会社予想(IFRS)
    • 売上収益:2.29兆円(+7.5%)
    • 事業利益:1,450億円(+1.3%)
    • 親会社帰属当期利益:820億円(-6.8%)
    • 重点:パワースポーツ・エネルギー&マリンの収益性確保、航空宇宙の回復、ロボット・油圧の需要取り込み。水素関連は中長期育成領域。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益源は多様(防衛・航空、鉄道、エネルギー、二輪、産機)。景気循環の影響を受けやすい一方、防衛関連やアフターサービス(MRO)、長期契約で一定の安定性もある。
  • エネルギー転換(水素等)は政策・規制・インフラ整備の進展に依存し、中長期テーマ。
  • 為替・金利・原材料市況の変動耐性が重要。受注~検収期間の長い大型プロジェクトのコスト管理が業績の左右要因。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:液化水素輸送・貯蔵等の先端領域、ガスタービンの水素混焼、潜水艦技術、航空機・エンジン部材、鉄道車両設計・製造、産業用ロボット・油圧機器等。
  • 収益牽引(直近1Q):パワースポーツ&エンジン(売上比率最大)、エネルギーソリューション&マリンがセグメント利益を牽引。航空宇宙は回復途上。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 会社予想PER:19.39倍(EPS予想490.62円、株価9,513円)
  • 実績PBR:2.16倍(BPS 4,403円)
  • 参考:業界平均 PER 13.3倍/PBR 0.8倍
  • コメント:業界平均に対してプレミアム(PER・PBRとも)。PSR(目安)約0.75倍(時価総額1.60兆円/売上2.13兆円LTM)。プレミアム背景には、成長期待(防衛・航空回復、水素・ロボティクス等)や収益改善の進捗が考えられる一方、財務レバレッジや案件リスクとのバランスが論点。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:株価9,513円は
    • 50日移動平均 9,933円を下回る(-4%)
    • 200日移動平均 8,765円を上回る(+9%)
  • 52週レンジ:5,455円~11,540円の中で現状は高値から約-18%、安値から+74%。中期上昇トレンドを維持しつつ、足元は50日線下でのもみ合い。
  • 需給:信用倍率8.96倍と買い残優位。短期は需給の逆風・巻き戻しに留意。出来高は10日平均(約580万株)>本日(約455万株)。

8. 財務諸表分析(LTM中心)

  • 売上高:2.13兆円(2022/3 1.50兆 → 2023/3 1.73兆 → 2024/3 1.85兆 → LTM 2.13兆)
    • YoY(LTM vs 2024/3):+15%前後
    • 3年CAGR:約+12%
  • 収益性(LTM)
    • 粗利:4,315億円/粗利率:約20.3%
    • 営業利益:1,200億円/営業利益率:約5.6%
    • EBITDA:2,400億円/EBITDAマージン:約11.3%
    • 当期純利益:880億円/純利益率:約4.1%
    • ROE(実績):13.16%、ROA(参考):約2.7%
  • 費用構造・金利負担
    • 金利費用:390億円(LTM、前年262億円→増加)。有利子負債の水準と金利上昇が負担。
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:1,176億円、フリーCF:277億円(LTM)。一方、2026/3期1Qは営業CFマイナスに転じ、投資・財務CFも流出で現金残高減少(短信)。
  • 財務健全性
    • 自己資本比率:23.3%(短信期末ベース24.8%)
    • 流動比率:約1.14倍
    • D/E(総負債/自己資本の目安):約103%(総負債8,205億円、自己資本相当)
    • 総じてレバレッジは高め。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間150円(中間75円・期末75円、会社予想)。予想配当性向:約29~31%(データ差異は期間定義の違いによる)。
  • 5年平均配当利回り:2.46%(足元は1.58%)
  • 自社株買い:公表資料ベースで特段の記載なし(自己株式は僅少)。権利落ち予定:2025/9/29。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+70.85%と相対的に強いパフォーマンス。
  • 直近の値動き:9,000~9,700円レンジでの持ち合いを上方向試す動きが一服。50日線回復が短期の焦点。
  • 関心材料
    • 防衛需要の継続、航空機需要回復、ロボット・油圧の自動化需要、水素関連の政策動向。
    • 案件採算・コスト管理、金利負担、為替、コンプライアンス事案の進捗が株価感応度要因。

11. 総評

  • 成長:売上は3年で約1.4倍、LTM YoYも+15%と拡大。セグメントではパワースポーツ&エンジン、エネルギー&マリンが牽引。
  • 収益:粗利率20%台・営業利益率5~6%、EBITDAマージン約11%。事業利益は改善傾向だが、金利費用増や金融収益の変動で最終利益は振れが大きい。
  • 財務:自己資本比率2割台・D/E約1倍とレバレッジは高め。1Qで現金減少、運転資本・投資・償還のバランス管理が課題。
  • バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を上回るプレミアム。中長期の成長テーマ(防衛・航空、水素、ロボティクス)と収益改善期待を織り込む一方、レバレッジや案件・ガバナンスのリスクが並存。
  • テクニカル:中期は上昇基調維持、短期は50日線下での持ち合い。信用買い優位の需給に注意。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上成長率 約+15%、3年CAGR約+12%。複数セグメントでの拡大。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率約20%、営業利益率約5.6%、EBITDAマージン約11%。重工業平均と同程度~やや上の水準とみられる一方、金利費用増で純利益率は4%前後。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率23.3%、流動比率1.14倍、D/E約103%。健全性は中立~やや弱めのレンジ。

参考データ抜粋

  • LTM(過去12か月)指標(概算)
    • 売上高 2.13兆円、粗利率 20.3%、営業利益率 5.6%、EBITDAマージン 11.3%、純利益率 4.1%
    • ROE 13.16%、ROA 約2.7%
  • 2026年3月期1Q(IFRS)
    • 売上収益 4,884億円(+10%)、事業利益 205億円(+21%)、親会社帰属利益 42億円(-72%)
    • 営業CF △78億円、投資CF △381億円、財務CF △127億円、現金期末残高 739億円
  • バリュエーション
    • PER(予想)19.39倍、PBR(実績)2.16倍、PSR(目安)約0.75倍

(データ出所:ご提供の決算短信要約・財務データ・株価指標等)


企業情報

銘柄コード 7012
企業名 川崎重工業
URL http://www.khi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。
評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。
投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。