1. 企業情報

  • 概要:1896年創業の総合不動産。主要セグメントは
    • ビル事業(オフィス・商業等の賃貸・施設運営、リノベ)
    • 住宅事業(分譲マンションBrillia、賃貸、リフォーム)
    • アセットサービス(仲介、買取再販、賃貸管理、駐車場等)
    • その他(ホテル・リゾート、保育・レジャー、資産運用、海外)
  • 売上構成(2024.12期目安):ビル38%、住宅46%、アセットサービス12%、その他4%(括弧内は事業利益率目安:24%、18%、19%、10%)
  • 特徴:賃貸ビル等のストック収益と、分譲・売却等のフロー収益を組み合わせるポートフォリオ。首都圏中心の都市開発・再開発を強化。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内大手デベロッパー群の中堅。総合型モデルでオフィス、住宅、物流、ホテル等を展開。
  • 競争優位性
    • 賃貸・施設運営の安定収益基盤と、開発・販売による収益機会の両立
    • 都市再開発のノウハウ、Brillia等のブランド力、AM/PM・駐車場など周辺機能の内製化
  • 課題
    • 分譲・売却の期ズレや大型案件有無で業績ブレが大きい
    • 有利子負債の水準が高く、金利上昇時の調達コスト増に脆弱
    • オフィス需給や建設コスト、為替等の外部要因感応度

(注:詳細な市場シェアは開示情報からは把握不能)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(要旨):安定CFを生む賃貸・運営の強化と、都市開発(再開発・複合)による成長を両立。資本効率と財務規律のバランスを重視。
  • 重点施策(公開情報・決算短信の示唆)
    • 賃貸・施設運営の拡大(ホテル等の運営収益をセグメントに明確反映)
    • 住宅事業は案件組成・供給安定化でボラティリティ低減
    • アセットソリューション(投資家向け売却)、仲介・管理等のフィービジネス拡充
    • 資産回転・資本リサイクル(物件売却と開発投資の循環)
    • サステナブルファイナンス活用(サステナビリティボンド発行など)
  • 2025年通期見通し(会社計画):売上高5030億円、営業利益860億円、親会社純利益550億円(予想据え置き)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:賃貸・運営によるストック収益(相対的に安定)+分譲・売却等のフロー収益(高採算だが変動大)。
  • 適応力:
    • 用途分散(オフィス・住宅・物流・ホテル)と周辺サービス(仲介・管理)により景気循環耐性を補完
    • 資産回転・資金調達多様化(社債等)で投資継続性を確保
  • 留意点:金利上昇・建設コスト高・オフィス空室率や住宅需要の変化が収益と評価に影響。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運営面の動向:スマートビル・省エネ化、耐震・BCP強化、デジタルによるPM/AM効率化、ESG対応(環境認証等)。資金面でもサステナブルボンド活用。
  • 主力商品・サービス:
    • Brillia(分譲マンション)
    • 都市型オフィス・商業施設の賃貸・運営
    • 物流施設開発・売却、ホテル・リゾートの運営収益
    • 仲介・買取再販・賃貸管理・駐車場運営等のアセットサービス

6. 株価の評価(バリュエーション比較)

  • 前日終値:2,888.5円
  • 予想EPS:263.97円 → 予想PER ≈ 10.95倍(会社公表10.94倍と整合)
  • 実績BPS:2,616.27円 → PBR ≈ 1.10倍
  • 配当:予想1株配当97円、配当利回り ≈ 3.36%、配当性向 ≈ 40.4%
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER 13.6倍 → EPS基準の単純比較では当社PERは下方(割安方向)
    • 業界平均PBR 1.6倍 → 当社PBRは下方(資産対比で低め)
  • 参考指標(概算)
    • 時価総額 約6,041億円
    • 企業価値(EV)≈ 6,041億 +(有利子負債1.35兆 − 現金1,477億)≈ 1.81兆円
    • EBITDA(LTM)≈ 865億円 → EV/EBITDA ≈ 20.9倍
    • 注:開発在庫・不動産売却の影響を受けやすく、デベロッパーのEV/EBITDA比較は解釈に注意。

(本章は相対比較であり、目標株価等の助言ではありません)

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日線(2,719円)・200日線(2,565円)を上回り、上昇基調維持。
  • 位置:52週高値2,950円に対し2,888.5円(約-2%)で、52週レンジ上方約10%圏内。
  • モメンタム:直近10日は2,840〜2,950円のレンジ推移で高値圏持ち合い。出来高は3カ月平均(約85.6万株)に対し10日平均(約67万株)でやや低下。
  • 信用動向:信用買残は前週比減(-12.1千株)、信用倍率1.99倍で過度な偏りは限定的。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(百万円)
    • 売上高:2021年340,477 → 2022年349,940 → 2023年375,946 → 2024年463,724 → LTM 394,901
    • 3年CAGR(2021→2024):約+10.8%
    • LTMは前年(2024)比で減(主因:住宅の引渡しタイミング)
    • 営業利益:2021年58,784 → 2024年79,670 → LTM 62,466
    • 親会社純利益:2021年34,965 → 2024年65,882 → LTM 54,739
  • 収益性(LTM)
    • 粗利率 ≈ 27.3%、営業利益率 ≈ 12.7%、純利益率 ≈ 13.9%
    • ROE ≈ 10.17%、ROA ≈ 1.85%
  • キャッシュフロー・財務
    • 営業CF(LTM):-181億円、レバードFCF:-853億円(開発投資・在庫等による)
    • 総資産:22,052億円、自己資本比率:25.8%(期中24.7%)
    • 有利子負債:1.35兆円、D/E ≈ 242.6%、流動比率 ≈ 3.82倍
    • 金利費用増加傾向(支払利息LTM約1,087億円相当の費用項目反映)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:2025年予想97円(中間48円・期末49円)、利回り約3.36%
  • 配当性向:概ね40%水準(安定配当に配慮)
  • 自社株買い:足元で大規模な実施は確認できず(自己株約0.4%)
  • 5年平均配当利回り:3.26%(参考)
  • 今後のイベント
    • 決算発表予定:2025/11/06
    • 権利落ち予定:2025/12/29

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+22.3%(株価は年初来高値圏)
  • ボラティリティ:β 0.16(市場連動度は低め)
  • 需給面:機関投資家保有比率約71%と安定。信用買残は縮小基調で過熱感は限定。
  • 株価ドライバー(足元)
    • 住宅の引渡しタイミング・大型案件計上の有無
    • オフィス稼働・賃料動向、物流・ホテルの稼働度
    • 金利動向(調達コスト・バリュエーション)
    • 資産売却・資産回転の進捗、サステナブルファイナンスの活用状況

11. 総評

  • 収益構造は、安定的な賃貸・運営に加え、開発・分譲で収益機会を取り込む総合型。2024年までの3年CAGRは堅調だが、LTMは住宅の計上反動で減収・減益傾向。
  • 収益性は業界標準以上の水準(営業利益率LTM約13%、ROE二桁)を維持。AM/PMや仲介等のフィービジネスが安定性を補完。
  • 財務は流動性に余裕がある一方、有利子負債・D/Eは高めで、金利上昇や市況変動の影響には留意が必要。資産回転やサステナブルボンド等で資金繰りの多様化を図る。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均を下回る相対水準。株価は52週高値圏で強含みだが、出来高はやや低下し持ち合い気配。
  • セグメントではビル事業が堅調、アセットサービスも底堅い一方、住宅は案件タイミングの影響が大きい。通期予想は据え置きで「概ね計画通り」の進捗。

(本総評はデータ整理であり、売買推奨を目的としません)

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:B
    • 根拠:3年CAGRは+10.8%と良好だが、LTMは前年比減(住宅の反動)。総合評価は中立。
  • 収益性:A
    • 根拠:粗利率約27%、営業利益率約13%、ROE約10%と良好。フィービジネスも寄与。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率25.8%・D/E約243%とレバレッジ高め。流動比率は高水準だが、総合では中位以下。

参考データ(抜粋)

  • 株価関連:時価総額約6,042億円、予想PER10.94倍、PBR1.10倍、配当利回り3.36%
  • 52週レンジ:2,237.5〜2,950円(現状は上限に近い)
  • 業績(2025/1-6累計):売上2,087億円(前年比-24.8%)、営業利益340億円(-33.6%)、純利益205億円(-35.2%)
  • セグメント(2025/1-6売上構成):ビル35%、住宅49%、アセットサービス11%、その他5%

ご要望があれば、セグメント別の利益寄与グラフや、感応度分析(金利・賃料・売上構成の変化)も作成します。


企業情報

銘柄コード 8804
企業名 東京建物
URL https://tatemono.com/
市場区分 プライム市場
業種 不動産 – 不動産業

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By シャーロット

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