東邦システムサイエンス(4333)企業分析レポート
株価:1,261円(2025-09-24終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:金融機関(銀行・証券・生保・損保・リース等)向けを主力とする独立系ソフトウェア開発会社。ネットワーク・DB設計構築、インフラ設計・運用、社内システムの保守などのSIサービスも提供。1971年設立、東京本社。
- 特徴:旧東邦生命系で金融に強み。日鉄ソリューションズ(NSSOL)との資本業務提携で非金融(公共・情報サービスなど)領域の強化を進める。
- 事業構成(2026/3期1Q):ソフトウェア開発約98%、情報システムサービス等約2%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内SIerの中堅。金融基幹系・大規模マイグレーション、データ基盤(DWH)、ローコード、クラウド、アジャイルなどで実績。
- 競争優位性:
- 金融ドメインの要件定義~保守までの一気通貫対応力
- 品質・生産性改善の継続、赤字案件の抑制
- パートナー連携(NSSOL、BIPROGY等)と顧客基盤の安定性
- 課題:
- 人材採用・育成競争の激化と賃金上昇
- 大型案件の採算管理(進行基準・品質管理)
- 非金融分野の規模拡大と収益の平準化(ストック収益化)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計:「TSS Economic Vision 500」「中期経営計画2027」
- 重点施策:
- ストック収益(運用・監視・保守等)の拡大
- デジタル領域(DX、クラウド、データ利活用、ローコード/アジャイル)への注力
- サービスビジネス拡大、エンドユーザー直接取引の拡大
- 品質・生産性向上(不採算案件の抑制、内製化/OJT強化)
- 人的資本強化、資本コスト意識の浸透、ガバナンス・環境経営
- 進捗(1Q):売上は微減ながら、粗利率・営業利益率が改善。不採算案件の収束や生産性向上が寄与。非金融の新規受注を拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:案件型(要件定義~開発~運用保守)に加え、運用・監視などのストック型サービスを拡大中。金融向けのリプレース・刷新需要は底堅く、非金融のDX需要も継続。
- 適応力:ローコード、クラウド、データ基盤更新など技術潮流を取り込み。パートナー活用と内製化の両立で供給能力を確保。
- リスク:人員制約による受注機会の逸失、単価・採算の圧迫、大型案件の進捗・品質リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:ローコード開発、大規模マイグレーション、DWH/データ利活用、クラウド移行、アジャイル/DevOps。DX開発推進センターによる内製・OJT強化。
- 収益ドライバー:
- 金融:勘定系・情報系の刷新、更改(銀行のローコード/DWH更改など)
- 非金融:公共・情報サービス等でのDX案件拡大
- 運用・監視等のサービス提供(ストック型)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:68.99円、BPS(実績):506.31円
- 現在株価:1,261円
- 指標比較
- PER:18.28倍(業界平均 23.2倍)→ セクター平均比で低位
- 業界平均PERを適用した参考価格:68.99×23.2 ≒ 1,599円
- PBR:2.49倍(業界平均 2.3倍)→ セクター平均比でやや高め
- 業界平均PBRを適用した参考価格:506.31×2.3 ≒ 1,165円
- ROE(実績):13.13%(PBRプレミアムの一因)
- 配当利回り(予想):3.57%(5年平均 3.01%を上回る)
- 参考:PERでは割安、PBRではやや割高と示唆。収益性・資本効率の評価差による乖離に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,261円は50日移動平均1,247円、200日移動平均1,251円を小幅上回る中立~やや強めの位置。
- レンジ感:年初来高値1,403円・安値1,022円の中間帯。直近10日終値は1241~1264円の狭いレンジで推移。
- 値動き特性:β(5年)-0.04と低ボラティリティ。出来高は直近で平常(3カ月)平均をやや上回る日がある程度。
- 信用動向:信用倍率0.11倍(売り長)。需給の歪みには注意。
8. 財務諸表分析(単位:百万円、割合は概算)
- 売上・利益の推移
- 売上高:14,211(2022)→15,446(2023)→16,280(2024)→17,343(LTM)
- 3年CAGR約+6.9%、LTM YoY約+6.5%
- 営業利益:1,328→1,515→1,575→1,659(LTM)
- 当期純利益:943→1,117→1,082→1,195(LTM)
- 収益性
- 粗利率:2022約17.8% → LTM約17.7%(安定)
- 営業利益率:2022約9.3% → LTM約9.6%(安定~やや改善)
- 純利益率:LTM約6.9%
- 効率・安全性
- ROE(実績):13.13%
- 自己資本比率:68.0%(高水準)
- 流動比率:4.28倍(高水準)
- 現金等:931億円相当(会社開示の直近残高ベース、短期支払能力は厚い)
- キャッシュフロー:四半期CFは未開示。LTMの一部データに不整合が見られるため詳細評価は割愛。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想):年45円(中間20円・期末25円)=予想配当利回り約3.57%
- 配当性向(目安):45円/EPS 68.99円 ≒ 約65%
- 自社株:自己株比率16.7%と高め。1Qで自己株式が微増(買付の可能性)。将来の還元余地・資本効率に影響。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変動:-18.24%(参考値)
- 出来高:3カ月平均約29.5千株に対し、直近は増加日も散見(9/24は62.2千株)
- 投資家構成:インサイダー保有約38%、浮動株は相対的に小さめ。機関投資家保有は限定的(約3%)。
- 影響要因:
- 非金融DX案件の受注進捗、金融の大型刷新案件の採算
- 中計の実行(ストック収益拡大、品質・生産性指標の改善)
- 人件費・パートナーコスト、採用動向
- 市場全体のIT投資サイクル
11. 総評
- 金融に強い中堅SIとして、売上・利益は中期的に安定成長。1Qは利益率改善が確認でき、品質・生産性向上の効果が出ている。
- 非金融の拡大(提携活用)とストック収益化が進めば収益の平準化とマージン改善が期待される一方、人材確保・採算管理が重要。
- バリュエーションはPERでセクター平均比ディスカウント、PBRでは小幅プレミアム。ROE水準や財務健全性を踏まえ、評価指標の見方に差が出やすい。
- テクニカルは中立圏で方向感は限定的。信用需給は売り長で、短期の値動きに影響する可能性。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 3年CAGR約+6.9%、LTM売上YoY約+6.5%と安定成長。
- 収益性:B
- 営業利益率約9.6%、粗利率約18%前後。SI業界の平均的水準。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率68%、流動比率4.3倍、現金厚めで保守的な財務。
参考データ
– 会社予想(2026/3通期):売上高1,900億円、営業利益171億円、純利益119.5億円、EPS 68.92円
– 1Q(2025/4-6):売上417.4億円(前年同期比-2.3%)、営業利益43.7億円(+31.6%)
注記
– 本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・推奨を目的とするものではありません。
– 一部の外部指標に不整合が見られるため、財務分析は会社開示(決算短信・業績予想)を優先しています。
企業情報
銘柄コード | 4333 |
企業名 | 東邦システムサイエンス |
URL | http://www.tss.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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