1. 企業情報
ラサ商事は、1939年設立の歴史を持つ専門商社です。主に鉱物・金属素材、産業機械・建設機械、環境設備、化成品、プラント・設備工事、不動産賃貸といった多岐にわたる事業を展開しています。特にジルコンの取扱量では国内首位のポジションを有しています。多様な分野において、海外からの製品輸入や国内での供給を通じて、日本の産業活動を支えています。
従業員数は258名で、平均年齢は45.0歳、平均年収は8,380千円です。
連結事業別売上構成比(2025年3月期予想):
- 資源・金属素材: 21%
- 産機・建機: 39%
- 環境設備: 7%
- プラント・設備工事: 9%
- 化成品: 23%
- 不動産賃貸: 1%
2. 業界のポジションと市場シェア
ラサ商事は、専門商社として多角的な事業を展開しており、特に鉱物資源の「ジルコン」においては取扱量首位であると記載されています。これは特定のニッチ市場における競争優位性を示すものです。主要な事業領域は、国内外の景気動向や資源価格、設備投資のトレンドに影響を受けやすい性質があります。特定の製品・素材で優位性を持つ一方で、幅広い商材を取り扱うため、各部門での市場競争に直面しています。競合他社との具体的な市場シェアデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、2026年度から2028年度までの3カ年を対象とした新中期経営計画「Step Forward Rasa 2027〜成長のステージへ〜」を策定しています。この計画では、既存事業の安定的な成長と付加価値創出を目指すことが掲げられています。具体的な施策や数値目標の詳細については、中期経営計画資料で提示されるものと推測されます。直近の第1四半期決算では、化成品や環境設備部門の増収が見られ、既存事業の一部での進捗が示唆されています。
4. 事業モデルの持続可能性
ラサ商事の事業モデルは、多様な産業分野にわたる専門商社としての機能にあります。鉱物・金属素材の供給から産業機械の販売、プラント工事、さらには不動産賃貸まで、幅広い事業ポートフォリオを持つことで、特定の市場変動リスクを分散する構造となっています。
特に産機・建機部門は利益貢献が大きく、環境設備部門も前年同期の損失から黒字化するなど、各部門がバランスを取りながら収益を上げています。不動産賃貸事業は、売上規模は小さいものの、比較的安定した収益源となっています。市場ニーズの変化に対しては、各事業部門における専門知識と国内外のネットワークを活用し、製品やサービスの提供を通じて適応を図っていくことが考えられます。
5. 技術革新と主力製品
専門商社であるため、自社で大規模な技術開発を行うというよりは、国内外のメーカーと顧客をつなぐ専門知識と供給ネットワークが技術的な強みとなると考えられます。
主力製品としては、ジルコンや特殊ポンプなどが挙げられ、これらが収益を牽引する重要な商材となっています。環境設備関連では、RASA スラグ粒化システムやPARA-ECO-リサイクルシステムといった環境への配慮を意識した設備も提供しています。
6. 株価の評価
現在の株価1,730.0円に対し、会社予想EPSは186.22円であるため、PERは9.29倍です。商社・卸売業の業界平均PERが10.1倍であることを考慮すると、現在のPERは業界平均と比較して低い水準にあります。
また、実績BPSは2,023.73円であり、PBRは0.85倍です。業界平均PBR0.7倍と比較するとやや高い水準です。
これらの指標を総合すると、EPSに基づく評価では割安感がある一方、BPSに基づく評価では業界平均をやや上回っています。
7. テクニカル分析
現在の株価1,730.0円は、年初来高値1,755円に近く、年初来安値1,209円と比較すると上昇した水準にあります。直近10日間の株価推移を見ると、概ね1,689円から1,755円のレンジで推移しており、本日は1,730円で終値となりました。50日移動平均線(1,612.20円)および200日移動平均線(1,479.91円)を現在の株価が上回っていることから、中長期的な上昇トレンドを示唆する位置にあります。短期的には高値圏での推移が見られます。
8. 財務諸表分析
売上高:
過去数年間の売上高は、2022年3月期31,329百万円から2025年3月期(過去12か月)26,568百万円へと減少傾向にありました。しかし、2026年3月期の会社予想では28,000百万円と前期比で増加を見込んでいます。直近の第1四半期は前年同期比で+2.7%の増収となりました。
利益:
粗利益率は過去12ヶ月で25.79%、営業利益率は5.03%です。過去の営業利益は25.5億円から28.5億円の範囲で推移しており、比較的安定しています。第1四半期の営業利益は前年同期比+36.9%と大きく改善しており、売上高営業利益率も約5.03%に上昇しました。
キャッシュフロー:
第1四半期累計のキャッシュフロー計算書は未作成です。貸借対照表上の現金及び預金は、前期末の5,732百万円から4,068百万円へと減少しています。
ROE・ROA:
過去12ヶ月のROEは9.77%、ROAは5.29%であり、効率的な資本活用が見られます。
財務健全性:
自己資本比率は直近の第1四半期末で70.1%と非常に高い水準にあり、財務基盤は強固です。流動比率も2.70(270%)と高い水準を保っており、短期的な支払い能力に余裕があります。D/Eレシオ(負債資本比率)も20.31%と低く、総じて財務健全性は良好な状態です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り(会社予想)は4.16%と高水準です。1株配当(会社予想)は72.00円であり、過去実績も同様の水準で安定しています。配当性向は37.91%と、利益に対する配当のバランスが取れています。
自社株買いについては、「自社(自己株口)」として発行済株式数の2.49%を保有しており、過去に実施している形跡がありますが、直近の具体的な自社株買い計画の提示は確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は年初来高値圏で推移しており、50日および200日移動平均線を上回っています。これは現在の株価に上昇モメンタムがあることを示唆しています。
52週変化率は19.44%であり、S&P 500の16.33%を上回るパフォーマンスです。
信用買残は増加傾向(前週比+5,800株)で、投資家の一定の関心がうかがえます。今後の決算発表(2025年8月頃)や配当落ち日(2025年9月29日)が、株価に影響を与える要因となる可能性があります。
11. 総評
ラサ商事は、ジルコン取扱量首位を誇る専門商社であり、資源・金属素材から産機・建機、化成品、環境設備、プラント・設備工事、不動産賃貸に至る多様な事業を展開しています。高い自己資本比率や流動比率に裏打ちされた非常に強固な財務基盤と、安定した株主還元(配当利回り4%超)が特徴です。
過去数年間の売上高は減少傾向にありましたが、2026年3月期には増収を予想しており、直近の第1四半期も売上・営業利益ともに前年を上回る実績を残しました。新中期経営計画「Step Forward Rasa 2027〜成長のステージへ〜」のもと、今後の事業成長と収益性の向上が期待されます。株価は年初来で上昇し、現在は高値圏にありますが、予想PERは業界平均を下回っています。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- LTM売上成長率は-4.83%と直近では減少傾向にあります。2026年3月期で増収予想はされていますが、過去数年間の実績から判断し、今後の具体的な成長進捗を見る必要があります。
- 収益性: B
- 粗利率25.79%、営業利益率5.03%(過去12ヶ月)と利益率は安定しています。過去数年間の営業利益も比較的安定して推移しており、業績が大きく変動しているわけではありません。業界平均水準と比較すると突出して高いわけではありませんが、着実に利益を上げていると評価できます。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率70.1%、流動比率2.70、D/E比率20.31%と、いずれの指標も非常に優れており、極めて高いレベルで財務が健全であると判断されます。
企業情報
銘柄コード | 3023 |
企業名 | ラサ商事 |
URL | http://www.rasaco.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。
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