山崎製パン(2212)企業分析レポート
- 企業情報
- 概要・事業内容
- 製パン国内最大手。パン(食パン・菓子パン・調理パン・米飯)、和洋菓子、ビスケット・スナック等の食品事業が主力。物流などの流通事業、インストアベーカリーやコンビニ(デイリーヤマザキ)等のその他事業を展開。
- 主な連結子会社:不二家、サンデリカ、ヤマザキビスケット、東ハト、ヴィ・ド・フランス ほか。
- 事業構成(2024.12):食品 93%(営業利益率約4%)、流通 6%(同-1%)、その他 1%(同5%)。
- 基本データ
- 市場区分: プライム/食料品
- 本社: 東京都千代田区
- 従業員: 33,393人、平均年齢 39.3歳、平均年収 601万円
- 今後の主なイベント: 2025/10/29 決算発表予定、2025/12/29 権利落ち予定
- 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内パン市場シェア約4割の最大手。全国に製造・物流拠点を擁し、量産体制・配送網・ブランド浸透で規模の経済が働く。
- 菓子パン・調理パン・米飯など即食領域でも強み。子会社群により菓子・スナックまで幅広いカテゴリーをカバー。
- 競争優位性
- 全国配送ネットワークと自社製販体制、商品開発力、幅広い価格帯のラインアップ、PB/NB双方への供給能力。
- 課題
- 小麦・油脂・砂糖等の原材料、エネルギー、物流・人件費の上昇。小売のPB拡大や人口動態の変化による数量面の伸び鈍化リスク。
- 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(補足資料等より読み取り)
- 生産能力強化と効率化投資(2025年通期 設備投資計画 592億円)、グループ連結範囲の拡大(YKベーキング関連の連結化)により成長領域を強化。
- 商品ミックスの高度化(調理パン・米飯、和洋菓子等の付加価値領域)、物流事業の収益改善。
- 具体施策(中間期の示唆)
- 新増設・更新投資と自動化・省人化、運搬費・人件費上昇への対応、原材料や為替影響の吸収(コスト最適化・ミックス改善)。
- 主要子会社(サンデリカ、YBC、東ハト、不二家等)の収益寄与拡大。
- 中期計画
- 詳細な数値目標の開示は資料に記載なし。
- 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 日配・即食ニーズに基づく安定需要+広域物流網。ボリュームと回転率で固定費を吸収するモデル。
- 適応力
- 原材料・物流コスト上昇局面で、価格・規格・ミックスの最適化や内製・自動化で対応。子会社を含む多角化で需要変動リスクを分散。
- 技術革新と主力製品
- 技術・開発
- 大量生産・品質安定化の製パン技術、設備投資による自動化・省人化、賞味・物流面の効率化。グループ内で製菓・スナックの製造技術も保有。
- 主力領域
- 菓子パンが柱。調理パン・米飯の伸長が寄与。和洋菓子(不二家、ヴィ・ド・フランス等)やビスケット・スナック(ヤマザキビスケット、東ハト)も収益ドライバー。
- 子会社の実績(2025年中間・抜粋)
- 不二家 売上566億/営利12億、サンデリカ 売上574億/営利20億、YBC 売上182億/営利19億、東ハト 売上154億/営利11億 等。
- 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 3,343円、会社予想EPS 191.98円、実績BPS 2,133.78円、時価総額 約7,364億円
- 指標
- PER 約17.4倍(= 3,343 / 191.98)。業界平均19.5倍比で低位。
- PBR 約1.57倍(= 3,343 / 2,133.78)。業界平均1.3倍比でやや高め。
- 参考: EV/EBITDA 約6.7倍(EV=株式価値7,364+有利子負債1,023-現金1,725=約6,662億円、EBITDA約998億円)※概算
- 配当
- 予想1株配当50円、配当利回り約1.50%、配当性向約24%(余力あり)。
- テクニカル分析
- トレンド
- 株価は50日移動平均(約3,326円)・200日移動平均(約3,090円)を上回り、中期・長期とも上向き基調。
- 位置
- 52週高値3,587円に対し約-6.8%、52週安値2,460円比で約+36%。レンジ上方のゾーン。
- 短期値動き
- 直近10日間は3,330〜3,380円でのもみ合い。出来高は3ヶ月平均(約52万株)をやや下回る日が多く、短期は膠着感。
- 信用動向
- 信用倍率5.89倍。買残・売残とも減少基調(過熱感の一部後退)。
- 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(百万円):2021 1,052,972 → 2022 1,077,009 → 2023 1,175,562 → 2024 1,244,488 → LTM 1,277,374。3年CAGR(2021→2024)約+5.7%、LTM対前年比+2.6%。
- 収益性(LTMベース概算)
- 粗利率:約32.5%(= 414,460 / 1,277,374)
- 営業利益率:約4.3%(= 55,535 / 1,277,374)
- 純利益率:約2.9%(データ提供値 2.93%)
- ROE:8.87%、ROA:4.18%
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:約892億円、レバードFCF:約398億円。営業CF/純利益 ≒ 2.4倍でキャッシュ創出は良好。
- 財政状態(直近四半期)
- 自己資本比率:47.6%(補足資料算出では約54%)、D/E:約0.22、流動比率:約1.32。現金1,725億円>有利子負債1,023億円のネットキャッシュ体質。
- 効率性
- 総資産回転率:1.44回(2024実績ベース)、固定資産は継続投資で増加傾向。
- 株主還元と配当方針
- 配当
- 予想配当50円、利回り約1.50%、5年平均利回り1.18%を上回る水準。配当性向は約24%で安定余地。
- 自社株
- 自己株式保有約10.3%。足元の新規自社株買い方針は開示情報からは不明。
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株主構成
- 役職員・関係先を含むインサイダー持分約30.2%、機関投資家約20.5%。安定株主比率が相対的に高い。
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株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 +19.0%。ディフェンシブ特性(5年β -0.41)に沿った中期的な堅調推移。
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需給・関心
- 信用買い優位だが残高は減少。材料面では原材料・為替動向、コストコントロール、設備投資の稼働寄与、子会社収益の伸長が注目点。
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総評
- 規模の経済・全国物流網・多ブランドによる強固な事業基盤を持ち、パン・即食領域で高い国内シェアを維持。売上は中期的に安定成長、収益性はコスト上昇環境下でも改善傾向。
- 設備投資と自動化、省人化で効率性向上を図りつつ、調理パン・米飯や菓子・スナックなど付加価値領域の拡大が進展。連結子会社の寄与も強まっている。
- 財務はネットキャッシュで自己資本比率も良好。キャッシュ創出力は安定。配当性向に余地があり、還元余力はうかがえる。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回り、PBRは上回る水準。株価は52週レンジ上方で、移動平均線の上に位置する一方、短期はもみ合い。
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リスクは原材料・為替、人件費・物流費、設備投資回収、人口動態・PB拡大。これらへの対応力(価格・ミックス・効率化)の継続が鍵。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +2.6%、3年CAGR約+5.7%。安定成長を確認。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約32.5%、営業利益率約4.3%、ROE約8.9%。製パン業界としては標準的なレンジと評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約48%、D/E約0.22、流動比率約1.32、ネットキャッシュ。指標は概ね健全。
参考データ(抜粋)
– 株価関連:年初来高値 3,587円/年初来安値 2,460円/50日移動平均 3,325.9円/200日移動平均 3,090.2円
– 指標:PER 17.41倍、PBR 1.57倍、予想EPS 191.98円、実績BPS 2,133.78円、ROE 8.87%、自己資本比率 47.6%
– 2025年通期会社予想:売上 1兆2,930億円、営業利益 575億円、純利益 380億円
– 中間期(2025年上期):売上 6,506億円(+5.3%)、営業利益 346億円(+11.8%)、純利益 230億円(+6.6%)
注記
– 一部指標は概算(とくにEV/EBITDA等)。最新の有価証券報告書・決算短信での確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 2212 |
企業名 | 山崎製パン |
URL | http://www.yamazakipan.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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