アニコム ホールディングス(8715)企業分析レポート
株価(終値): 801円(2025/09/25)
市場区分: プライム(保険業)
時価総額: 約600億円
本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要: 国内ペット保険の草分けかつ最大手。中核子会社アニコム損保が保険引受を担い、全国の動物病院ネットワークと連携。動物病院運営支援、インターネットサービス、検査・研究、ブリーディング支援などペットエコシステム全体へ展開。
- 事業構成(2025.3 連結、カッコ内営業利益率目安)
- 損害保険(ペット保険): 89%(約9%)
- ペット向けインターネットサービス: 3%(約10%)
- その他(動物病院運営・健康関連など): 7%(-18%)
- 特徴: ペットショップや動物病院窓口での販売力、蓄積された診療・請求データを活用した商品設計・保険引受、予防・健診サービスとの連携。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内ペット保険で業界首位。契約件数・提携病院網・販売チャネル(ペットショップ中心)で優位。
- 競争環境: ipet など専業各社や金融グループ系が参入。オンライン直販・価格競争、付帯サービス(健診・ケア商材)で差別化が進展。
- 競争優位性:
- 病院ネットワークとデータ資産(品種別リスク把握、料金改定・引受精緻化に活用)
- 窓販力(ペットショップ起点の新規獲得)
- 上下流(病院・予防・検査・用品)への垂直展開
- 課題:
- 診療費の高止まりで損害率(E/I)が上昇傾向
- 事業費率増(チャネル強化・契約移管コストなど短期的負担)
- 価格改定や商品改良のタイムラグ管理
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/キーワード: 「第二期創業期」— ペット保険の収益力強化と、ペットライフの上下流領域での事業拡大。
- 重点分野:
- 保険: 継続率・獲得効率の向上、引受・料金の精緻化、請求管理の高度化
- 動物病院運営/支援: 病院の直営・支援、オペレーション標準化、カルテ・データ連携
- 健康イノベーション: 健診・予防(どうぶつ健活)、口腔・腸内ケア、先進医療(手術支援ロボット・細胞治療)、遺伝子/腸内フローラ検査
- デジタル: ペット向けインターネットサービス、データドリブンな商品・CRM
- 進捗の示唆(2026年3月期1Q):
- 保有契約 1,318,043件(前期末比+30,120)、新規契約+20.4%
- 一方で移管コストや営業投資で短期利益は圧迫
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 保険料収入(正味収入保険料)が中心。保険引受利益+資産運用収益で利益創出。
- 持続性の鍵:
- 損害率・事業費率の管理(コンバインド・レシオ:1Q 97.9%)
- 価格改定・商品改良・引受選別、予防/健診による発生抑制
- データ活用によるリスク選択・不正請求抑止
- 環境変化への適応: 診療高度化・物価上昇に伴うコスト増へ、改定や付帯サービスで対応。規模・データ優位により調整余地あり。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性: 診療・保険請求データの蓄積、検査(遺伝子/腸内)や健診データの統合、病院システム連携。これらを用いた引受・価格・ケア提案の最適化。
- 収益ドライバー:
- 主力: ペット保険(正味収入保険料 1Q 15,778百万円、+9.9%)
- 補完: 病院運営、インターネットサービス、健康イノベーション(現状は投資段階)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在値: 801円
- 会社予想EPS: 28.05円 → 予想PER 約28.6倍
- LTM EPS: 約42.0円 → LTM PER 約19.1倍
- 実績BPS: 375.82円 → PBR 約2.13倍
- 参考比較(業界平均: PER 13.7倍、PBR 1.0倍)
- PER比較: 予想ベースで業界平均比プレミアム
- PBR比較: 実績で業界平均比プレミアム
- 目安試算(単純比較、参考値)
- PER法(業界平均適用): 28.05円 × 13.7 ≒ 384円
- PBR法(業界平均適用): 375.82円 × 1.0 ≒ 376円
(注)保険専業・成長性・ROE水準・事業ポートフォリオの違いにより単純比較には限界あり。
7. テクニカル分析
- 52週: 高値 929円 / 安値 433円(現値は高値比約-14%、安値比約+85%)
- 移動平均: 50日 826円、200日 668円
- 現値は50日線を若干下回り、200日線を上回る
- 直近10日: 915円 → 801円へ下落基調、出来高は平均並み~やや増加
- 位置づけ: 中長期は上昇トレンド継続の範囲、短期は下向きバイアス。
8. 財務諸表分析
- 売上(経常収益/Revenue)
- LTM: 約674億円(別開示では約692億円、定義差に留意)
- 年次推移: 2022/3 528億 → 2023/3 564億 → 2024/3 603億 → 2025/3 674億(3年CAGR約+8〜9%)
- 利益
- LTM 営業利益率(近似): 約6%(Operating Margin 5.97%)
- LTM 純利益率: 約4.0%
- 1Q(2026/3): 経常利益 △40.7%(費用増・移管コスト、損害率上昇)
- 収益性指標
- ROE(実績): 11.17%(LTM別開示 9.46%)
- ROA(LTM): 4.15%
- EBITDA(LTM): 約57億円(EBITDAマージン約8%)
- 保険指標(1Q)
- 損害率(E/I): 62.4%(+1.3pt)
- 事業費率: 35.5%(+2.7pt)
- コンバインド・レシオ: 97.9%
- ソルベンシー・マージン比率(単体): 345.6%
- 財政状態
- 自己資本比率: 38.9%(連結)
- 現金等: 約531億円、有価証券: 約289億円、社債: 100億円
- D/E(総負債/自己資本)近似: 35.9%(保険特有の負債構成に留意)
- 流動比率(直近四半期): 271%
- キャッシュフロー: 四半期CFは未開示。保険特性上、運転資本(責任準備金等)と投資勘定の動きが重要。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(実績/予想)
- 2025/3: 年間8.5円
- 2026/3(会社予想): 年間9.0円
- 予想配当利回り: 約1.12%(801円ベース)
- 配当性向: 約20%(目安)
- 自社株買い: 開示情報上、直近明示なし
- 備考: 2020年に1:4の株式分割実施。配当は段階的に引き上げ傾向。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +17.2%(参考: S&P500 +15.5%)
- 信用取引: 信用買残 33.1万株、売残 16.3万株、信用倍率 2.03倍(買い・売りともに増加)
- トピック
- 1Qは費用増で利益率低下、公表通期も減益計画
- 契約件数は増勢、移管コストなど一過性要因の剥落タイミングが注目材料
11. 総評
- 成長: ペット保険契約の拡大により売上は安定成長。上流(ブリーディング)〜下流(病院・健診・ケア商材)までの垂直展開が保険ビジネスを補完。
- 収益性: 診療費高止まりやチャネル投資で短期の利益率は低下し、コンバインド・レシオは高水準。価格改定・引受管理・予防サービスでの是正が焦点。
- 財務: 自己資本比率は約39%、ソルベンシー・マージン比率は300%超で、保険会社としての耐久性は確認できる範囲。
- バリュエーション: 予想PER・実績PBRはいずれも業界平均比でプレミアム。成長性やデータ資産・垂直統合モデルへの評価が織り込まれている可能性。単純な同業平均比較には留意が必要。
- テクニカル: 中長期は上向き、足元は50日線割れで短期調整基調。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
理由: LTM売上YoY +11〜12%、3年CAGR 約+8〜9%で安定成長。
– 収益性: B
理由: 営業利益率約6%、純利益率約4%。1Qはコンバインド・レシオ上昇で圧迫。
– 財務健全性: B
理由: 自己資本比率38.9%、D/E 約36%、流動比率270%台。保険会社特性を踏まえると中立評価。
参考データ
– 株価レンジ(年初来): 高値 929円 / 安値 433円
– 会社予想(2026/3通期): 経常収益 7,300億円、経常利益 33億円、当期純利益 21億円、EPS 28.45円
– 次回主なイベント: 決算発表は適宜公表(会社方針)。配当権利落ち予定日: 2026/03/30
注記
– 本レポートは公開データに基づき作成し、一過性損益は評価から除外するよう努めています。
企業情報
銘柄コード | 8715 |
企業名 | アニコム ホールディングス |
URL | http://www.anicom.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 保険業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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