丸紅(8002)企業分析レポート

株価:3,693円(2025-09-25 終値ベース)
市場:東証プライム/卸売業(総合商社)
時価総額:約6.11兆円

1. 企業情報

  • 概要:1858年創業の総合商社。穀物・食料、紙・パルプ、エネルギー・化学、金属、電力インフラ、金融・リース・不動産、エアロスペース・モビリティ、情報ソリューション、次世代事業など幅広い領域で事業を展開。資源・非資源の両輪に加え、インフラ運営・事業投資・リース・ICTまで多面的に取り組む。
  • 特徴・強み(公開情報より):穀物や発電で商社首位級。プラントや輸送機、農業化学品にも強み。燃料アンモニア・水素などエネルギー転換領域、保険・ICT・物流ソリューションも手掛ける。
  • セグメント(再編後):ライフスタイル/食料・アグリ/金属/エネルギー・化学品/電力・インフラサービス/金融・リース・不動産/エアロスペース・モビリティ/情報ソリューション/次世代事業開発/次世代コーポレートディベロップメント

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内大手の総合商社の一角。穀物や発電などで首位級のポジションを持つ領域がある一方、総合商社内での競争は激しく、資源価格や為替の影響を受けやすい。
  • 競争優位性:
    • 多角ポートフォリオ(食料・アグリ、金属、エネルギー、インフラ、リース・不動産、ICT等)の分散効果
    • 穀物サプライチェーンや発電アセット、モビリティ・リース等の運営力
  • 課題:
    • コモディティ価格・為替・天候など外部要因の影響度が高い
    • 事業売却益や負ののれんなど一過性損益の振れ(四半期で確認)
  • 市場シェア:定量データの公表なし(—)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方針(決算短信・公開情報の範囲):
    • 資本効率(ROE)重視、ポートフォリオの高度化(資産リサイクル)
    • 非資源・安定収益事業(食料・アグリ、インフラ、リース等)の強化
    • エネルギー転換(天然ガス、燃料アンモニア、水素等)と脱炭素対応
    • 情報ソリューション/ICTを活用した事業高度化
  • 2026年3月期(Q1)トピックス:
    • 北米貨車リース事業の売却益、電子部品関連事業取得に伴う負ののれん計上
    • セグメント別では食料・アグリや金融・リース・不動産、次世代事業開発が増益寄与
  • 中期計画の詳細数値・KPI:公表資料の抜粋範囲では記載なし(—)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:トレーディング、事業投資・運営、リース/ファイナンス、インフラ運転、オフテイク契約等の複合モデル。コモディティ連動の変動要因と、安定系事業の組み合わせ。
  • 持続性評価の観点:
    • 分散ポートフォリオと資産リサイクルにより循環局面への耐性を一定程度確保
    • 食料・インフラ・非資源リカーリング収益の拡充に取り組み
    • 一方で資源価格・為替・天候など外部変数への感応度は引き続き存在

5. 技術革新と主力製品・サービス

  • 技術・独自性:ICT・物流ソリューション、データ活用による商流・在庫最適化、発電・電力サービスの運転最適化、モビリティ/リースの高度化など。
  • 主力・収益牽引:
    • 食料・アグリ(肥料、飼料、畜産、穀物サプライチェーン等)
    • インフラ・発電、金融・リース・不動産、金属(鉄鉱石・原料炭・銅等)
    • 次世代(電子部品関連のM&A等)、情報ソリューション
  • 2026年3月期Q1の増減要因:
    • 金属・エネルギーで市況鈍化の影響
    • 食料・アグリ、金融・リース・不動産、次世代事業で増益・一過性益が寄与

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(会社予想ベース)
    • PER:11.92倍(業界平均12.1倍比でやや低位)
    • PBR:1.69倍(業界平均1.0倍比でプレミアム)
    • EPS(会社予想):308.57円
    • BPS(実績):2,182.25円
    • 配当利回り(会社予想):約2.72%、予想1株配当100円、想定配当性向約31〜32%
  • 参考計算
    • 産業平均PER(12.1倍)×予想EPS(308.57円)= 約3,734円(現株価3,693円は約-1.1%)
    • 産業平均PBR(1.0倍)×BPS(2,182円)= 約2,182円(現株価は大きく上回る)
    • 益利回り(予想EPS/株価):約8.3%
  • 示唆:PERでは概ね業界平均近傍、PBRでは資本効率・収益力への評価を反映したプレミアム水準。

7. テクニカル分析

  • トレンド:50日移動平均3,254円、200日移動平均2,689円をいずれも上回る上昇トレンド。52週変化率+54.1%。
  • 位置:年初来高値3,703円を本日更新圏。現株価は高値圏に位置。
  • モメンタム:直近10日でジリ高傾向。出来高は3カ月平均(約381万株)対比では控えめな日もあるが、総じて流動性は高い。
  • 信用動向:信用買残は前週比減(-11.5万株)、信用売残は増(+4.0万株)、信用倍率1.86倍。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(連結、百万円)
    • 売上高:2022/3 8,508,591 → 2023/3 9,190,472 → 2024/3 7,250,515 → 過去12か月 7,790,168
    • LTMは前年比+約7.4%、2024/3から持ち直し
    • 売上総利益:895,331 → 1,051,295 → 1,065,818 → 1,146,585(粗利率目安:約14.7%)
    • 営業利益:284,490 → 340,814 → 276,321 → 272,310(営業利益率目安:3.9%(提供値))
    • 親会社株主帰属純利益:424,320 → 543,001 → 471,412 → 502,965(純利益率目安:約6.5%)
  • 収益性
    • ROE(実績):約14%
    • ROA(LTM):約2.37%
    • EBITDAマージン(LTM):約11.7%
  • キャッシュフロー
    • 営業CF(LTM):5,067億円
    • レバードFCF(LTM):2,360億円
    • 営業CF/純利益 ≒ 0.98(利益の現金裏付けは概ね良好)
  • 財務健全性・流動性
    • 自己資本比率:39.4〜39.9%(期末Q1)
    • D/E(総):約0.71倍、ネットD/E:0.57倍
    • 流動比率:1.44倍
  • 2026年3月期Q1の概況
    • 増収(+5.5%)も、売上総利益・営業利益は減少
    • 事業売却益・負ののれん計上で純利益は増益(+8.3%)
    • OCIの影響で四半期包括利益は大幅減

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:2025/3実績 年間95円 → 2026/3予想 年間100円(中間50円・期末50円)
  • 配当利回り(予想):約2.72%、配当性向31.4%(目安)
  • 自社株買い:Q1時点で自己株式残高増(期中レビュー資料に「自己株取得等」の記載)。資本効率重視と合わせて機動的な還元を実施する方針がうかがえる(規模・時期の詳細は都度開示参照)。
  • 基準日:次回配当落ち日(予定)2025-09-29

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:50日・200日移動平均を上方乖離、年初来高値更新圏。上昇の勢いが続く局面。
  • 出来高・流動性:3カ月平均出来高約381万株、10日平均約337万株。直近は平均並み〜やや下回る日もあるが、需給は良好。
  • 投資家属性:機関投資家保有比率約44.7%、インサイダー保有約10.3%。海外投資家の影響度も相応に大きい。
  • 近接イベント:配当落ち日(9/29)、決算発表(11/3予定)。短期の価格変動要因になり得る。

11. 総評

  • 収益面では、LTMで売上と粗利が持ち直し、ROEは約14%と資本効率は良好。営業利益は2023/3ピークから調整後に横ばい圏だが、ポートフォリオ分散と資産リサイクルにより純利益は安定。
  • バリュエーションはPERで業界平均並み、PBRはプレミアム。資本効率や非資源・安定収益事業への評価が反映されている。
  • テクニカルでは高値圏。モメンタムは良好だが、外部要因(資源価格・為替・天候)や一過性損益のブレ、イベント(配当・決算)前後の変動には留意余地。
  • 財務は自己資本比率約39〜40%、ネットD/E 0.57倍、流動比率1.44倍と総じて健全圏。CF創出力も安定。
  • セグメントでは、食料・アグリ、リース・不動産、次世代事業が増益寄与。一方、金属・エネルギーは市況鈍化の影響を受けやすい構造。

(注)本レポートは公開データに基づく企業分析であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A

根拠:LTM売上高は前年比+約7.4%、四半期ベースでも+5.5%。粗利も増加。
– 収益性:A

根拠:ROE約14%、純利益率約6.5%、EBITDAマージン約11.7%。総合商社としては良好な水準。
– 財務健全性:B

根拠:自己資本比率約39〜40%(40%近辺)、ネットD/E 0.57倍、流動比率1.44倍。概ね健全だが、評価基準の目安(自己資本比率40%以上で高評価)に照らし中立判定。

参考データ(主な指標)

  • PER(予想):11.92倍、PBR:1.69倍、配当利回り:2.72%
  • EPS(予想):308.57円、BPS:2,182.25円、ROE(実績):14.19%
  • 売上(LTM):7.79兆円、営業利益率:約3.95%、純利益(LTM):約5,030億円
  • OCF(LTM):約5,067億円、レバードFCF(LTM):約2,360億円
  • 50日/200日移動平均:3,254円/2,689円、年初来高値/安値:3,703円/1,878円
  • イベント:配当落ち日 2025/9/29、決算発表予定 2025/11/3

企業情報

銘柄コード 8002
企業名 丸紅
URL https://www.marubeni.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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