東邦ホールディングス(8129)企業分析レポート
株価: 5,482円(前日比 -0.76%)/時価総額: 約4,003億円/市場: 東証プライム
業種: 卸売業(医療流通)/代表: 枝廣 弘巳/本社: 東京都中央区八重洲
— 本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言ではありません —
1. 企業情報
- 概要
- 医薬品卸を中核とする持株会社。4事業セグメント(医薬品卸、調剤薬局、医薬品製造販売、その他周辺)。
- 病院・薬局向けの処方薬、検査試薬・機器の卸売に加え、受発注・在庫・予約などの顧客支援システムを自社開発・提供。
- 調剤薬局チェーン運営、ジェネリック製造販売、包装・低温物流などCDMO的機能も拡充。
- 主な自社ソリューション(例)
- ENIF(医薬品発注端末)、ENIFwin(大病院向け在庫管理)、ENI-Pharmacy(調剤支援)
- LXMATE HeLios/HeLios cloud(診療・接種予約)
- KAITOS(オンライン診療・服薬指導)
- ENIFvoice SP + A(音声認識 薬歴記録支援)、MIZAR(薬局オペレーション統合管理) など
- 連結事業構成(2025/3):医薬品卸売 93%、調剤薬局 6%、医薬品製造販売 1%、その他 0%(カッコ内は利益構成の参考)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 医薬品卸業界で国内4位。地場卸のM&Aを重ね全国展開を構築。
- 上位寡占が進む市場で、スケール・物流網・ITの総合力が競争要因。
- 競争優位性(示唆)
- 全国物流・低温チェーン、病院・薬局向け基幹システム群、スペシャリティ(高額・温度管理)対応力。
- 主な課題
- 薬価改定・流通改善(適正在庫・見える化)による粗利圧力。
- 物流・人件費上昇、規制(薬機法・GDP対応)コスト。
- コロナ関連特需の反動一巡。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中期経営計画(2023–2025「次代を創る」最終年度)
- 卸の収益性改善(流通コスト可視化・最適化、拠点統廃合、営業DX)
- スペシャリティ/ワクチン等成長領域の深耕(低温物流、包装、在庫管理の高付加価値化)
- 調剤事業の再編・統合(2026年4月までに4社体制へ)と技術料の最大化
- CDMO/包装・低温保管(羽田パッケージングセンター)など新規収益源の拡大
- 顧客支援ビジネス(HeLios cloud、EveryPick 等)を通じたSaaS的収益の育成
- ガバナンス高度化(社外取締役過半、女性取締役比率引上げ、CGO設置 など)
- 直近の進捗(2026年3月期 1Q)
- 売上横ばいながら粗利率改善で営業益大幅増。調剤子会社の統合進捗。
- 低温物流・二次包装の受託準備、本格受託開始に向け整備。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 中核は薄利多売の医薬品卸(営業利益率約1%前後)。補完的に調剤・製造・周辺IT・物流受託で総合収益化。
- 持続性の観点
- 医療需要は構造的に安定。一方、薬価改定は恒常的な利益圧力。
- スペシャリティ、ワクチン、再生医療など温度管理・特殊物流の高度化で付加価値創出余地。
- 顧客業務のデジタル化(受発注・在庫・予約)によるスイッチングコスト・粘着性向上。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 受発注・在庫・予約・薬歴の垂直統合ソリューション群(ENIF、HeLios、ENIFvoice等)。
- 低温物流・二次包装(羽田センター)などGDP準拠の高付加価値オペレーション。
- 収益牽引領域
- 卸:ワクチン・スペシャリティ製品の取り扱い拡大。
- 周辺:HeLios等のクラウド提供、物流・包装受託の立ち上がり。
6. 株価の評価
- バリュエーション(2025/9/24終値 5,482円)
- 予想EPS 251.0円 → 予想PER 約21.8倍(業界平均PER 12.1倍)
- 実績BPS 4,102.53円 → PBR 約1.34倍(業界平均PBR 1.0倍)
- 参考:LTM希薄化後EPS 284.49円 → トレーリングPER 約19.3倍
- 配当利回り(予想)1.64%/配当性向 約22.9%(5年平均利回り 1.33%)
- 参考EV/EBITDA(概算):EV≈約3,195億円(時価総額4,003億 − 現金998億 + 有利子負債190億)/LTM EBITDA 約265〜271億円 → 約11.8〜12.1倍
- 所見(定量比較)
- 業界平均比でPER・PBRともプレミアム水準。配当は安定・余力(低めの性向)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 52週高値 5,726円/安値 3,965円。現在値は高値から約4%下、50日線(5,271円)・200日線(4,641円)を上回る上昇トレンド。
- 直近10営業日:高値圏でのもみ合い〜小緩み(出来高は平準化)。
- 位置づけ
- 年初来高値圏に近い水準。短期は5,450円近辺に支持、5,700円台に上値抵抗の目安。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、単位: 億円換算)
- 売上高:12,661(2022)→ 13,921(2023)→ 14,767(2024)→ 15,185(LTM)と増収傾向
- LTM YoY +2.8%程度、3年CAGR 約6%
- 粗利:1,086.9 → 1,143.7 → 1,191.5 → 1,216.5(粗利率 約8.0%)
- 営業利益:125.3 → 163.7 → 193.4 → 189.4(営業利益率 約1.0〜1.3%)
- 親会社株主帰属純利益:133.8 → 136.3 → 206.6 → 198.4(純利益率 約1.3%)
- 収益性指標
- 営業利益率(LTM)約1.01%(提供値)/EBITDAマージン 約2〜2.3%
- ROE 実績 7.85%(LTM参考 8.46%)/ROA 約1.7%
- 財政状態・CF
- 自己資本比率 実績 35.5%(2025/6末参考 34.4%)
- 現金同等物 約998億円/有利子負債 約190億円 → ネットキャッシュ基調
- 流動比率 約1.27倍
- コメント
- 安定増収だが卸特性で利益率は薄い。ネットキャッシュと一定の自己資本で財務は総じて堅実。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期 実績:65円
- 2026/3期 会社予想:90円(中間45・期末45)/予想利回り 約1.64%/配当性向 約22.9%
- 自己株式・その他
- 自己株式比率 14.26%(2025年6月末)。過去の自己株取得積み上がりを示唆。
- 自社株買いの新規方針は—(未確認)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 +19.4%。低ベータ(5Y β=-0.11)でディフェンシブ性が示唆される。
- 信用動向:信用買残 51.8千株(前週比 +27.5千)/信用倍率 1.30倍(やや買い越し)。
- 注目イベント
- 権利落ち日:2025/9/29
- 決算発表予定:2025/11/12
- 影響要因
- 薬価改定・流通政策、スペシャリティ/ワクチン需要、物流コスト、ガバナンス・再編進捗など。
11. 総評
- 事業面
- 卸×デジタル×低温物流・包装の組み合わせで付加価値領域を強化。調剤・製造・周辺ITが補完。
- 中計の柱(コスト可視化、スペシャリティ対応、調剤統合、CDMO的機能)が着実に進捗。
- 財務・収益
- 売上は安定成長、利益率は業界特性で低位ながら粗利率は改善傾向。ネットキャッシュでバランス良好。
- 株価
- 指標面は業界平均比でプレミアム。高値圏での推移だが中期テーマ(スペシャリティ、低温物流、SaaS化)の進捗が関心材料。
- リスク
- 薬価改定・物流費増・規制対応コスト、特殊領域投資の回収タイミング、ガバナンス・引当金関連の動向。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +約2.8%、3年CAGR 約6%で増収継続。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約1%台、EBITDA率2%台。業界特性を踏まえ中立。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率35.5%(40%未満)、流動比率1.27倍と標準域。ネットキャッシュでレバレッジ低位。
(補足データ)
– 2026年3月期1Q(前年比):売上 +0.7%、営業益 +68.6%、純利益 +85.8%(粗利改善・費用コントロール寄与)
– 主な競合:アルフレッサ、メディパル、スズケン(相対比較の詳細データは本稿未掲載)
企業情報
銘柄コード | 8129 |
企業名 | 東邦ホールディングス |
URL | http://www.tohohd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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