1. 企業情報
アクセルマーク株式会社は、ゲームの企画・開発を主な事業内容としています。かつてはスマートフォン向け広告事業が主力でしたが、現在は事業ポートフォリオの見直しを進めており、インターネット広告事業に加えて、トレーディングカード(トレカ)の買取・販売、およびIoTヘルスケア事業に軸足を移しています。ブロックチェーンゲームや、積雪深自動監視システム「YUKIMI」(譲渡予定)、感染症検査プラットフォーム「AscellaOne」といったIoT・ヘルスケア製品の開発も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社の事業構成は、広告事業が約85%を占める一方で、トレカ事業が約14%、その他が約1%(2024年9月時点)であり、収益の大部分は引き続き広告事業に依存しています。
広告事業は主要顧客である電子書籍・ゲーム領域の広告需要が低迷しており、競争が激しく、同社の市場内での優位性は低下傾向にあります。
一方、トレカ市場は一般社団法人日本玩具協会によると2024年度に前年比109.0%と拡大基調にあり、同社はこの成長市場への参入を強化しています。M&Aを通じてECサイトと実店舗の展開を進め、市場でのプレゼンス向上を図っています。
ヘルスケア事業は感染症対策という社会的なニーズに対応する新分野ですが、具体的な市場内ポジションや事業貢献度はまだ明確ではありません。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、収益性が低迷するインターネット広告事業からの脱却を目指し、高成長・高利益率が期待される事業への転換を戦略の柱としています。
具体的な重点分野と施策は以下の通りです。
* トレーディングカード(トレカ)事業の拡大: ECおよび実店舗(cardéria池袋店など)の展開を強化し、M&A(株式会社crafty、スパイラルセンス株式会社)によって事業規模の拡大とオンライン展開の強化を図っています。オフライン・オンライン双方での顧客接点拡大を目指します。
* ヘルスケア事業の拡大: 感染症検査プラットフォーム「AscellaOne」の実用化に向けた取り組みを推進。完全子会社アクセルメディカの設立や医療機器等の許認可取得を進め、新たな事業の柱として育成を図ります。
* 広告事業の構造改革: 主要顧客の広告需要低迷に対応し、既存リソースの再配分、事業体制の見直し、運用コストの最適化を進め、今後はトレカ・ヘルスケア事業との連携による総合的なマーケティング支援への転換も視野に入れています。
* 資金調達: 新株予約権の行使等により、運転資金および新たな事業への投資資金を確保しています。
現状は事業転換の途上にあり、短期的な収益貢献には至っていません。
4. 事業モデルの持続可能性
同社は、従来の主力であるインターネット広告事業の収益性悪化に対応し、成長が見込まれるトレーディングカード事業と、社会的なニーズがあるヘルスケア事業への転換を図っています。これは市場ニーズの変化に適応しようとする動きと評価できます。
トレカ事業は市場規模が拡大しており、M&Aを通じて事業を強化していることから、新たな収益の柱となる可能性を秘めています。ヘルスケア事業も将来的な成長が期待されますが、事業化・収益化には時間がかかる可能性があります。
しかし、現状では新たな事業が全社の赤字を補填できるほどの収益を上げておらず、すべてのセグメントがセグメント損失を計上しています。会社自身も「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を指摘しており、安定した収益構造を確立し、資金を生み出す事業モデルを構築できるかが、持続可能性の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
同社は、ブロックチェーンゲームの開発、IoT製品(YUKIMIなど)、感染症検査プラットフォーム「AscellaOne」といった技術分野に関与しています。
* ブロックチェーンゲーム: 新しい技術を活用したコンテンツ開発に取り組む姿勢が見られます。
* IoT(Internet of Things): 積雪深自動監視システムの「YUKIMI」を開発・提供していましたが、この事業は譲渡が決定しています。
* ヘルスケア: 感染症検査プラットフォーム「AscellaOne」は、感染症対策という社会的なニーズに応えるための技術開発であり、関連子会社も設立し、事業化を進めています。
現状、特定の技術革新や主力製品が会社全体の収益を大きく牽引している状況ではありません。収益貢献の大部分を占める広告事業は低迷しており、新規事業も収益化の途上にあります。
6. 株価の評価
現在の株価は113.0円です。
* EPS(会社予想): (連)-54.04円。通期で赤字予想のため、PERの算出はできません。
* BPS(実績): (連)51.39円。PBR(実績)は2.20倍です。直近四半期のBPSである55.90円を使用すると、現在のPBRは約2.02倍となります。
* PBRによる比較: 業界平均PBRが3.5倍であるのに対し、同社のPBRは約2.02倍から2.20倍と、業界平均よりも低い水準にあります。PBRだけを見ると割安に見えますが、現在会社が赤字であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在すること、ROEが大幅なマイナスであることを考慮すると、これを単純に割安と評価することはできません。将来の収益改善への期待度やリスクが現在のPBRに反映されている可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価は113.0円です。
* 年初来高値238円、年初来安値79円であり、現在の株価は年初来高値からは大きく下落した水準にあります。
* 50日移動平均線(120.14円)および200日移動平均線(127.94円)のいずれも現在の株価を下回っており、短期・中期的に下降トレンドにあると見ることができます。
* 直近10日間の株価は、一時135円(9/24)まで上昇する場面もありましたが、その後は下落し、110円台半ばで推移しています。
現在の株価は、年初来のレンジで見ると安値圏に近い水準にありますが、明確な底打ちの兆候は現れていません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12か月で27.8億円、2025年9月期第3四半期累計で約7.6億円です。通期業績予想は10.3億円。過去数年の事業構成(広告の減少)から、売上高は減少傾向にあり、低水準で推移しています。
- 利益: 2025年9月期第3四半期累計で、売上総利益68百万円(粗利率約9.0%)、営業損失△334百万円(営業利益率約△44.1%)、経常損失△400百万円、四半期純損失△498百万円と、全利益段階で大幅な赤字を計上しています。EBITDAも過去12か月で-622百万円とマイナスです。収益性は極めて低い状況です。
- キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは-660百万円と大幅なマイナスであり、本業で現金を創出できていません。Levered Free Cash Flowも-417百万円とマイナスです。
- ROE/ROA: ROEは(単)-59.37%、(連)-1,527.78%と、ROAも-29.71%と、いずれも大幅なマイナスであり、自己資本・総資産を効率的に活用できていないばかりか、毀損している状況を示しています。
- 自己資本比率: 2025年6月30日時点で64.9%と比較的高い水準です。これは新株予約権の行使による資本増加も影響している可能性があります。
- 流動比率: 1.65倍と、短期的な支払能力は確保されています。
- 負債: Total Debt/Equityは39.75%と有利子負債は低水準です。
総じて、財務指標上は一部健全な側面もありますが、本業での恒常的な赤字と営業キャッシュフローのマイナス、そして何よりも「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が指摘されている点が重大な懸念材料です。
9. 株主還元と配当方針
同社は、配当利回り(会社予想)0.00%、1株配当(会社予想)0.00円と、配当を実施していません。Payout Ratioも0.00%です。また、自社株買いに関する明確な記載も今回のデータにはありません。
現状、会社は大幅な赤字であり、事業再建と成長投資に注力している段階であるため、株主への配当などによる還元は期待できない状況です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動傾向: 直近10日間で株価は110円台半ばで推移していますが、9月24日には一時135円まで上昇し、出来高も急増しました。しかし、その後は上昇の勢いは続かず、株価は再び落ち着いています。全体としては、52週高値からは大きく値下がりしており、下降トレンドの中にあります。
- 投資家関心: 直近10日間の平均出来高は3ヶ月平均をやや上回っており、特に一時的な急騰時には投資家の関心が高まったことが伺えます。信用買残は380万株を超えていますが、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍です。これは株価の先行き上昇を期待する買い方が多いことを示唆しますが、一方で将来の売り圧力となる可能性も含まれています。
- 株価への影響を与える要因: 業績の継続的な赤字と「継続企業の前提に関する重要な不確実性」の解消が最も大きな要因です。事業転換の進捗、特にトレカ事業やヘルスケア事業の具体的な収益貢献が示されれば、株価にポジティブな影響を与える可能性があります。
11. 総評
アクセルマークは、主力事業の低迷から脱却するため、トレーディングカード事業とヘルスケア事業への転換を図っている企業です。成長市場への参入やM&A、新技術への取り組みを通じて新たな収益源の確立を目指す戦略を示しています。
しかし、足元の財務状況は厳しく、大幅な赤字が継続しており、本業で現金を生み出せていません。会社自身も「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を認める状況であり、事業の持続可能性には懸念があります。株価は安値圏にありますが、明確な底打ち感はなく、PBRも業界平均を下回っていますが、現在の赤字状況では評価が難しい側面があります。株主還元は現時点で期待できず、当面は事業の立て直しと収益構造の改善が最優先課題です。
今後の焦点は、新規事業が計画通りに成長し、全社的な黒字化を実現できるか、そして「継続企業の前提に関する重要な不確実性」をどのように解消していくかにかかっています。資金調達は進められていますが、収益構造の根本的な改革が求められる段階にあります。
12. 企業スコア
- 成長性: D
- 過去の売上減少傾向と、現時点での売上総額および利益の状況から、全体的な成長は停滞していると判断されます。新規事業への転換過程にありますが、現時点では成長を牽引するまでに至っていません。
- 収益性: D
- 粗利率が9.0%と低く、営業利益率が△44.1%と大幅な赤字です。EBITDAもマイナスであり、ROEも極めて低い状態です。全般的に収益性は非常に低いと評価されます。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率は64.9%、流動比率は1.65倍と比較すると数値的には健全に見えます。しかし、営業キャッシュフローが大幅にマイナスであること、そして会社自身が「継続企業の前提に関する重要な不確実性」を指摘している点を考慮すると、中立より低い評価となります。
企業情報
銘柄コード | 3624 |
企業名 | アクセルマーク |
URL | http://www.axelmark.co.jp/ |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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