明治電機工業(3388)企業分析レポート
本レポートは公開情報に基づく客観的な情報整理であり、投資助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要:制御・計測機器を中心とする技術商社。FA(ファクトリーオートメーション)エンジニアリングに強みを持ち、機器販売に加え、設計・開発、検査装置、メカトロ・FA・情報配信システムの構築、保守サービスやコンサルティングまで提供。
- 顧客基盤:トヨタグループ向けが売上の4割強。次世代モビリティ(EV/CASE)、半導体、物流分野の需要を取り込み。
- 事業構成(連結、売上構成比):制御機器27%、産業機器39%、計測機器10%、電源機器8%、実装機器5%、その他12%。海外売上比率14%(2025.3)。
- 属性:プライム市場上場/卸売業。名古屋本社。財務は堅実。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:独立系のFA・計測領域の技術商社。メーカー系ディストリビュータや大手専門商社と競合しつつ、マルチベンダー対応とエンジニアリング力で差別化。
- 競争優位性:
- トヨタグループを中心とする自動車向けの深い顧客関係
- 機器販売にエンジニアリング(設計・立上げ・保守)を組み合わせる提案力
- 海外案件・外貨売上の取り込み(円安時に利益面で追い風)
- 課題:
- 顧客集中リスク(トヨタ関連の比率が高い)
- 設備投資サイクルや自動車・半導体の需要変動の影響
- 商社モデル特有の利益率の低さ(価格競争・在庫負担)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計:第11次中期経営計画(2024–2026)
- 事業品質向上(生産性・案件収益性の改善)
- 成長投資(次世代モビリティ、半導体、物流オートメーション等)
- 収益力強化(粗利改善・エンジ比率向上)
- サステナビリティ推進・資本コスト経営
- 進捗(2026年3月期1Q):売上+11.4% YoY、営業増益。生産性向上・円安効果・システム投資一巡が寄与。販管費は人件費上昇で増加。
- 通期見通し(会社計画):売上825億円(+4.9%)、営業利益37.3億円(+13.2%)、純利益28.0億円(+15.0%)、EPS 219.87円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:機器販売(ボリューム)+エンジニアリング・保守(収益性)。マルチベンダーとソリューション提案で案件単価・粗利を押上げ。
- 適応力:
- 成長分野(EV/CASE、半導体、物流)へのポートフォリオシフト
- メンテナンス・保守等のストック性収益の積上げ
- 海外比率の拡大で市場分散
- リスク対応:在庫・サプライチェーン、為替、顧客設備投資の変動に注意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性:商社でありながらFAエンジニアリング、検査・計測、情報システムの設計・立上げまで一気通貫で対応できる点が特徴。
- 収益牽引:
- 産業機器(39%)と制御機器(27%)が主力
- 次世代モビリティ、半導体製造・物流自動化向け案件の増加
- 省エネ・電源・実装関連も補完
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:2,124円、時価総額:約271億円
- 指標(連結、会社予想/実績)
- PER:9.66倍(EPS 219.88円、会社予想)
- PBR:0.78倍(BPS 2,707.89円、実績)
- 配当利回り:4.14%(予想88円、配当性向31%程度)
- 参考EV/EBITDA:約4.4倍(EV≈時価総額−現金89億円、負債小さい前提、EBITDA LTM約41.5億円)※概算
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 12.1倍、PBR 1.0倍
- 参考水準に単純適用すると、PER基準:約2,661円(=219.88×12.1)、PBR基準:約2,708円(=BPS)
- 指標面では業界平均比で低めの水準に位置
- ボラティリティ:β 0.37(5年)で市場連動性は相対的に低い傾向。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日線(2,034円)・200日線(1,685円)を上回り、年初来高値2,166円に接近。52週騰落+38.6%。
- 直近推移:2,100〜2,130円での推移が続き、出来高は3カ月平均(約26千株)に対し直近10日平均はやや低下。
- 位置づけ:年初来高値圏に近いレンジでの推移。短期は2,100円台の攻防が継続。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高:67,749(2022)→70,947(2023)→74,581(2024)→78,673(2025)→LTM 80,400(参考)
- 営業利益:2,009→2,724→2,914→3,295
- 3年CAGR(売上):約5%(2022→2025)。2026年3月期1Qは+11.4% YoY。
- 収益性
- 粗利率:約13.3%(2022)→14.5%(2023)→14.7%(2024)→15.0%(2025)
- 営業利益率:約3.0%→3.8%→3.9%→4.2%(2025)、LTM目安3.18%(1Qは約3.2%)
- 当期純利益率:2025期約3.1%、LTM約3.4%
- 効率・資本収益
- ROE:実績7.25%、LTM目安8.23%
- ROA:LTM目安4.73%
- 財政状態・流動性
- 自己資本比率:63.4%(2025/3末)→67.0%(2025/6末)
- 流動比率:2.62倍(2025/6末)
- 現金及び預金:89.3億円(2025/6末)
- 有利子負債の詳細は未開示だが、利息費用は軽微
- キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成(会社注記)。減価償却費(1Q):約0.79億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年3月期実績 年間60円。2026年3月期予想 年間88円(中間44円・期末44円)。
- 配当性向:予想ベース約31%。
- 配当利回り:4.1%前後(5年平均3.74%)。特別配当の記載なし。
- 自社株:自己株式保有0.24%。自社株買いの直近開示は未確認。
- 参考イベント:権利落ち予定日 2025/9/29(予想)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で+38.6%。年初来高値圏での推移が継続。
- 信用動向:信用買残92.8千株(前週比-9.5千)、信用倍率4.12倍。買い残減少・売り残減少で過熱感はやや後退。
- 流通・保有構造:浮動株約949万株。インサイダー保有28.7%、機関保有16.6%(参考)。出来高は中庸。
11. 総評
- 強み:トヨタグループを核とした顧客基盤、FAエンジニアリング力、財務健全性の高さ。中計に沿い、次世代モビリティ・半導体・物流の成長需要を取り込み、粗利率・営業利益率は中期的に改善傾向。
- 留意点:顧客集中と設備投資サイクルの影響、商社モデルの利益率構造、為替・サプライチェーンの不確実性。2026期1Qの利益率は前年より改善も、通期では販管費増などの影響に注意。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均比で低位水準、配当利回りは社内実績対比でやや高水準。低βで相対的にディフェンシブな値動き。
- テクニカル:年初来高値圏での推移。短期は2,100円台のレンジ・出来高動向を注視。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:3年CAGR約5%、2026期1Q売上+11.4% YoY。成長分野の案件増。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率・営業利益率は改善トレンドだが、商社モデルとしての利益率は中庸。LTM営業利益率は約3.2%。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率67%、流動比率2.6倍、現金潤沢、利息負担軽微。
データ出典:会社公表の決算短信・開示データ、株価・指標は提示数値に基づく。記載の数値は原則として連結ベース。記載に不明点がある項目は—または参考値で表記。
企業情報
銘柄コード | 3388 |
企業名 | 明治電機工業 |
URL | http://www.meijidenki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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