エーザイ(4523)企業分析レポート
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資助言を行うものではありません。不明項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:日本の大手製薬企業。研究開発・製造・販売(輸出入含む)をグローバルに展開。中枢神経(ニューロロジー)と腫瘍(オンコロジー)領域が重点。
- 主力製品
- レケンビ(LEQEMBI:レカネマブ・AD治療、米バイオジェンと共同)
- レンビマ(レンバチニブ:分子標的薬/複数がん適応、米メルクと協業)
- ハラヴェン(エリブリン:乳がん等)
- デエビゴ(レンボレキサント:不眠症)
- 他:フィコンパ(抗てんかん)、メチコバール、パリエット、アリセプト等
- 補足:Bristol Myers Squibbと抗体薬物複合体(farletuzumab ecteribulin ADC)で戦略的協業。2025年、介護SaaSのエコナビスタを子会社化し、認知症プラットフォーム強化。
- 事業構成(連結):医薬品95%・その他5%(利益貢献はその他が高め)。海外売上比率71%(2025.3期)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手の中でもニューロロジー(特にアルツハイマー病:AD)とオンコロジーに特化。AD領域で抗Aβ抗体を上市済み(レケンビ)という点で差別化。
- 競争優位
- AD治療薬の先行承認と国際展開(47か国・地域で承認、11か国申請中:提供資料ベース)
- オンコロジーでのレンビマの多適応展開と他社免疫薬との併用実績
- 高粗利率(LTMで約78.6%)に支えられた研究開発投資余力
- 課題
- AD治療の診断・投与体制(画像/バイオマーカー、ARIA対策等)の整備進度が普及に影響
- 為替影響、薬価改定、各国償還・アクセスの差異
- 臨床開発リスク(試験中止やラベリング変更の可能性)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略:ニューロロジー(特にAD)とオンコロジーを成長ドライバーに、グローバル展開を継続。
- 重点施策(短信・提供情報より)
- レケンビ:承認国拡大、皮下注(オートインジェクター)など剤形拡充(米国PDUFAアクションデート:2025/8/31、結果は本資料には未記載)
- レンビマ:多適応での地理的拡大、知財防衛(米国で特許侵害訴訟勝訴判決)
- デジタル/在宅文脈の強化:エコナビスタ買収で認知症領域のプラットフォーム化
- 研究開発ポートフォリオの選択と集中(例:一部フェーズIIIの中止を含む最適化)
- 通期見通し(2026年3月期):売上収益7,900億円、営業利益545億円、EPS 147.2円(会社予想・据え置き)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:新薬売上(高粗利)+提携/ライセンス収入が柱。ADとオンコロジーという大規模市場でのライフサイクルマネジメント(適応拡大・剤形展開)で持続性を高める構造。
- 適応力:診断・投与体制や償還制度への対応、SC製剤や在宅ソリューション等でアクセス障壁の低減に取り組み。
- リスク:薬価改定、競合革新薬の登場、各国規制・安全性シグナル、為替・在庫変動(中国の在庫積み増し反動など)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 抗Aβ抗体(レケンビ)で早期ADに治療選択肢を提供。維持投与レジメンや皮下注の実装を志向。
- 分子標的薬レンビマは免疫療法との併用実績が強み。
- ADC(抗体薬物複合体)など次世代モダリティにも取り組み(BMS協業品など)。
- 収益牽引(2026年3月期1Q、売上収益2026.5億円に対し目安)
- レンビマ:約839億円(構成比約41%)
- レケンビ:約231億円(約11%)— 前年同期比大幅伸長
- デエビゴ:約137億円(約7%)
- フィコンパ:約81億円(約4%)
- 地域:アメリカス・中国・日本で伸長。中国は需要拡大と代理店在庫積み増しの影響。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(9/26終値):5,101円、時価総額 約1.49兆円
- 指標比較
- 予想PER:34.65倍(業界平均 27.8倍)→ プレミアム
- 実績PBR:1.74倍(業界平均 1.4倍)→ プレミアム
- 実績EPS(LTM):163.76円 → 実績PER目安 約31.1倍
- BPS:2,939円 → PBRと一致
- 予想配当:160円 → 予想配当利回り 約3.14%
- 参考PSR:時価総額/売上高(LTM)≈ 1.49兆 / 0.789兆 ≈ 約1.9倍
- 機械的な水準感(参考計算)
- 業界平均PER適用:147.22円 × 27.8倍 ≈ 4,090円
- 業界平均PBR適用:2,939円 × 1.4倍 ≈ 4,115円
- 現在株価は上記単純比較より高位(データ比較上の事実)。成長期待・製品ミックス・パイプライン等の差異が反映されている可能性。
7. テクニカル分析
- 短期(直近10日):5,070〜5,250円レンジでの持ち合い。直近2日やや軟化。
- 年初来:年初来高値5,349円に対し終値5,101円(高値から約-4.6%)。年初来安値3,463円を大きく上回る位置。
- 需給:信用倍率8.16倍、信用買残は増加基調。短期は買い残偏在がボラティリティ要因となり得る。
- 近接イベント:権利落ち日(9/29予定)前後の値動きには配当要因の影響が生じやすい。
8. 財務諸表分析(IFRS)
- 売上・利益(LTM)
- 売上収益:7,894億円(前年比+6.4%)
- 営業利益:543.8億円(営業利益率 約6.9%)
- 当期利益:464.3億円(純利益率 約5.9%)
- EBITDA:1,044.9億円(EBITDAマージン 約13.2%)
- 粗利率:約78.6%
- 成長トレンド
- 2022:7,562億円 → 2023:7,444億円 → 2024:7,417億円 → LTM:7,894億円
- 3年CAGR(2022→LTM):約+1.4%/LTM YoY:+6.4%
- ROE/ROA等
- ROE(実績):5.41%
- ROA(概算):約3%台(LTM利益/総資産期末ベースの参考値)
- 財政状態
- 自己資本比率:60.7%(前期末)→ 58.8%(2026年3月期1Q末、短期借入増で低下)
- 現金等:2,854億円(1Q末)
- キャッシュ・フロー(1Q)
- 営業CF:+10.9億円(前年同期マイナスから改善)
- 投資CF:▲93.7億円(子会社取得等)
- 財務CF:+260.9億円(短期借入増等)
- セグメント収益性(1Q)
- 医薬品事業のセグメント利益:953億円、地域別ではアメリカス・中国が牽引。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年160円(中間80円・期末80円)
- 予想配当利回り:約3.14%
- 予想配当性向(会社予想EPS147.2円ベース):約109%(単純計算)
- 自社株:自己株式比率 約3.27%(9,533,941株)。新規の自己株買い方針は提供資料に記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値圏での保ち合い。短期はやや上値重い推移。
- 投資家関心の材料
- レケンビの国際展開・剤形追加、ヘルスケアシステム整備の進捗
- レンビマの適応・地域拡大、知財防衛
- 為替動向、中国の在庫動向、規制・償還の更新
- 近いイベント:権利落ち(9/29)、決算(11/5予定)
11. 総評
- 事業面:ADとオンコロジーの2本柱が明確。レケンビの拡大とレンビマの堅調が売上成長を牽引。
- 収益性:粗利は高水準だが、研究開発・販管費を厚く投下しており営業利益率は一桁台。中期的なマージン改善はレケンビの普及度合い、剤形展開、償還条件に左右されやすい。
- 財務:自己資本比率は高位で流動性も厚い。1Qは短期借入増で比率はやや低下。
- バリュエーション:PER/PBRとも業界平均に対してプレミアム。新薬の成長期待とパイプライン進展度合いが評価に反映されている可能性がある一方、単純比較では割高水準とのデータも示唆。
- リスク:為替、薬価・償還、臨床・規制の不確実性、中国在庫の反動、AD治療の実装速度など。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +6.4%、3年CAGR +1.4%と増収傾向。主力新薬の伸長が寄与。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高い一方、営業利益率・EBITDAマージンは一桁台〜10%台前半。業界内で中位評価と整理。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約59〜61%と健全。現金水準も厚い(短期借入の増加で比率はやや低下)。
参考データ
– 株価:前日終値 5,154円/本日終値 5,101円
– 年初来高値/安値:5,349円 / 3,463円
– 発行済株式数:291,649,149株(自己株式 約953万株)
– 大株主:信託銀行等の安定保有が中心(上位はマスタートラスト・カストディ等)
注:本資料は公開データに基づく情報提供です。将来の見通しは不確実性を伴います。
企業情報
銘柄コード | 4523 |
企業名 | エーザイ |
URL | http://www.eisai.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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