ワタミ(7522)企業分析レポート

株価:1,001円(2025-09-25終値)/時価総額:約427億円/市場:東証プライム
注)本資料は公開情報の整理であり、投資助言は行いません。

1. 企業情報

  • 概要:外食(居酒屋、焼肉、テイクアウト/デリバリー、SUBWAY日本法人)、宅食(在宅向け調理済み商品の配送)、海外外食、環境(電力小売・再エネ)、農業(有機・畜産・乳製品)を展開。
  • 特徴:国内の居酒屋「鳥メロ」「ミライザカ」等の再編・転換を進めつつ、「ワタミの宅食」が収益の柱。海外は東南アジア・米国でM&Aと多業態展開を推進。電力小売や自社農業も保有。
  • 連結事業構成(売上/セグメント利益率の目安):国内外食39%(5%)、宅食45%(12%)、海外12%(1%)、環境3%(6%)、農業1%(-18%)ほか。海外売上比率13%(2025.3期)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 外食:大手チェーンの一角だが、居酒屋専業から焼肉・唐揚げ・テイクアウト等へポートフォリオを分散。SUBWAY日本法人の取得でサンドイッチ領域にも参入。
  • 宅食:高齢者向け宅食は国内で認知度が高く、定期配送モデルにより収益安定性が相対的に高い。具体的な市場シェアは未開示。
  • 競争優位・課題
    • 優位:全国配送網・MD(商品開発~製造~物流)の内製度、宅食の定期顧客基盤、海外M&Aによる業態多角化。
    • 課題:原材料・エネルギー・人件費の高止まり、為替変動影響、宅食の在宅需要変動、国内居酒屋市場の構造的縮小・競争激化。

3. 経営戦略と重点分野

  • 基本方針:業態ポートフォリオ強化(居酒屋→焼肉・テイクアウト・SUBWAY等)、宅食のMD改善と収益性維持、海外M&Aでの成長基盤整備、コスト構造の軽量化。
  • 具体的施策(2026年3月期1Q短信より)
    • 国内外食:生産性向上と固定費圧縮、選択出退店(1Q出店6・撤退4)。
    • 宅食:商品・物流見直し(米価上昇や需要鈍化に対応)、収益性確保。
    • 海外:シンガポールのLEADER FOOD、米国SONNY SUSHI関連の取得効果を取り込み、出店加速(1Q末72店)。
    • 財務:有利子負債の着実な縮小、流動性の維持。
  • 通期業績予想:地政学・為替など不確実性から「未定」。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 外食:店舗オペレーション+テイクアウト/デリバリー。
    • 宅食:定期配送(サブスクリプションに近いリピート)でストック性が相対的に高い。
    • 海外:M&Aによる多地域・多業態化。
    • 環境・農業:規模は小さいが、食材・電力等の内製・安定調達の一助。
  • 適応力:業態転換・MD再設計・価格改定、テイクアウトやデリバリー強化で需要変化に対応。原材料高・為替には感応度あり。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運用面:セントラルキッチンやコールドチェーン運用、宅食の受発注・配送最適化、商品開発(高齢者向け栄養設計)、店舗のDX(モバイルオーダー等)を進捗。
  • 主力領域:
    • 宅食「ワタミの宅食」:定期配送が収益を牽引。
    • 国内外食:居酒屋再編、焼肉・テイクアウト、SUBWAY。
    • 海外:東南アジア・米国での寿司・アジアン業態など。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,001円
  • EPS(LTM):75.90円 → PER(後ろ向き)=約13.2倍
  • BPS(実績・短信):325.74円 → PBR(実績)=約3.07倍(会社公表値と整合)
  • PSR:時価総額427億円/売上887億円(LTM)≒0.48倍
  • EV/EBITDA(参考):EV≒289億円(時価総額427+有利子負債272−現預金417、短信B/Sベース)/EBITDA約74億円(LTM)→ 約3.9倍
  • 業界平均比較:PER 21.3倍、PBR 1.8倍(小売/外食平均)。同社はPERが平均を下回り、PBRは上回る水準。
  • 留意:現預金には定期預金等を含みキャッシュ同等物との差異あり。

7. テクニカル分析

  • 52週レンジ:851~1,228円。現値はレンジ中位やや下寄り。
  • 50日/200日移動平均:1,011円/1,012円。現値は両移動平均をやや下回る推移。
  • 直近10日:出来高増(3カ月平均約9.4万株に対し、直近は14.2万株、当日は26.1万株)で終値は1,001円に上昇。
  • 需給(信用):信用倍率0.37倍、売り残の積み上がり(前週比+19.4万株)でやや売り長の需給。

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(連結)
    • 2022/3期:643億円 → 2023/3期:779億円 → 2024/3期:823億円 → LTM/2025/3期:887億円
    • 3年CAGR(2022→LTM):約+11%
  • 利益
    • 営業利益:-35.8億(2022)→ 14.8億(2023)→ 37.5億(2024)→ 45.7億(LTM)
    • 営業利益率:LTM約5.1%(企業指標ベース4.98%)
    • 当期純利益:-18.4億(2022)→ 16.7億(2023)→ 41.9億(2024)→ 35.2億(LTM)
    • 直近期(2026/3期1Q):経常・純利益は為替差益縮小・差損計上で前年同期比減(営業段階は増益)
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF:約70.6億円、レバードFCF:約34.4億円
  • 収益性指標(LTM)
    • 粗利率:約56%(売上/粗利:894/504億円相当)
    • EBITDA:約71~74億円、EBITDAマージン約8%前後
    • ROA:約4.4%、ROE:約9.6%
  • 安全性
    • 自己資本比率:37.5~37.7%
    • 流動比率:約287%
    • 有利子負債:271億円、現預金(B/S):417億円(うち現金同等物は差異あり)
    • 金融費用負担:利払約4.7億円、EBIT/利払 ≒ 10倍超
  • セグメント(2026/3期1Q)
    • 国内外食:売上902億円換算/年ペース相当(四半期90.2億円)、セグ利益51.4億円/年ペース換算
    • 宅食:売上987.5億円/年ペース換算、セグ利益111.6億円/年ペース換算(ともに単純年換算の参考)
    • 海外:売上260.1億円/年ペース、黒字化
    • 環境:売上40.9億円/年ペース、採算良化
    • 農業:小規模・赤字継続(損失縮小)

9. 株主還元と配当方針

  • 直近期の配当実績:2025年3月期 期末10円(年間10円)
  • 2026年3月期:配当未定(業績予想未定のため)
  • 参考利回り:配当10円ベースで約1.0%(株価1,001円)
  • 配当性向(参考):約13%(LTMベースの参考値)
  • 自社株:自己株式 約261.9万株(約6.1%)。直近の新規自己株買いの開示は記載なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:年初来安値899円→現値1,001円、52週変化率+14.6%。直近は移動平均線の下で保ち合いに近い。
  • 需給:信用売残の増加で売り長。浮動株は約2,098万株、インサイダー保有44.2%で浮動性は相対的に低い。
  • 注目材料:海外M&Aの収益寄与、宅食需要のトレンド、為替影響(経常・純利益への感応)、原材料・エネルギー価格。

11. 総評

  • 事業面:宅食のストック性と多業態化で外食単一依存からの脱却を進める。海外はM&Aで黒字転換し、多地域化の効果が表れつつある。
  • 収益・財務:売上は回復基調で3年CAGR約+11%。営業利益率は約5%まで改善、CF創出も回復。有利子負債はあるが流動性に余裕(流動比率287%)でB/Sは安定的。
  • バリュエーション:後ろ向きPERは業界平均を下回り、PBRは上回る。宅食の安定性やポートフォリオの多角化、資産効率の評価が反映されている可能性。為替・原材料の外部要因による損益ブレには注意が必要。
  • テクニカル・需給:株価は中長期移動平均線近辺でのもみ合い。信用売り越しで需給はやや売り長。

(本レポートは公開情報の要約であり、投資判断は各自の責任で行ってください。)

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY+約8%、3年CAGR約+11%。外食回復と海外/環境寄与、宅食は短期的に伸び悩みも全体は増収。
  • 収益性:B
    • 根拠:営業利益率約5%、EBITDAマージン約8%、純利益率約2.6%。業界内で中位水準とみられ、粗利率は高いが非営業の為替影響で変動。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率約37.5〜37.7%(40%未満)、流動比率約287%と流動性は高い。有利子負債は残るが現預金規模が厚く、利払い負担は限定的。

補足データ(抜粋)

  • 2026年3月期1Q(4-6月):売上221億円(+3.3%)、営業利益11.4億円(+8.4%)、経常利益6.7億円(-69.0%:前年の為替差益反動)、純利益5.0億円(-70.5%)
  • 次回イベント(予定):2025-08-07〜08-12 決算発表ウインドウ
  • 基本株式数:発行済株式4,268万株、自己株約262万株、期中平均約4,006万株

ご要望があれば、セグメント別KPI(客数・客単価・宅食食数)や為替感応度、出退店の詳細、同業他社比較(鎌倉新書/プレナス/ゼンショー/コロワイド等の指標比較)も作成します。


企業情報

銘柄コード 7522
企業名 ワタミ
URL http://www.watami.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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