鴻池運輸(9025)企業分析レポート
本レポートは、公開情報と提示データに基づく企業分析であり、投資助言を目的とするものではありません。不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 企業名:鴻池運輸(Konoike Transport Co., Ltd.)
- 上場市場:東証プライム
- 業種区分:陸運業(Integrated Freight & Logistics)
- 概要:総合物流大手。鉄鋼・食品など製造現場での構内物流請負や生産支援に強みを持ち、空港支援や医療関連(器材の洗浄・滅菌、院内物流)、定温(冷凍・冷蔵)物流、国際物流を展開。近年はインド・カナダ子会社の連結化など海外事業も拡大。
- 事業構成(参考):複合ソリューション約63%、国内物流約16%、国際物流約21%(売上構成、2025年3月期近辺)。海外売上比率:約14%(2025.3)。
- 従業員数:16,650人
- 代表者:鴻池 忠彦
- 本社:大阪市中央区伏見町
事業の柱
– 複合ソリューション:製造・生活産業領域における構内物流、設備保全、原材料受入、包装、検査、空港支援等の請負・付加価値サービス
– 国内物流:倉庫(定温含む)、センター運営、配送
– 国際物流:国際貨物取扱、海外拠点での物流オペレーション
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:総合物流の中でも「構内請負・生産支援」に強みがあり、製造現場に深く入り込むモデルが差別化要因。空港・医療・定温など、専門性の高い領域にも展開。
- 主な競合(参考):NXホールディングス(旧日本通運)、山九、SGホールディングス、ヤマトHD、キユーソー流通、SBSなど。構内・プラント系では山九等が近接領域。
- 競争優位性:
- 長期・継続性の高い請負契約(スイッチングコストが相対的に高い)
- 定温や医療など特化領域のノウハウ
- 海外展開の拡大(インド・カナダ)による案件獲得
- 課題:
- 人手不足・賃金上昇、2024年問題等の人員・労務コスト対応
- 燃料・資材等コストの変動、価格転嫁の継続性
- 製造業の生産動向や為替、関税など外部要因の影響
(市場シェアの定量データは開示なし)
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画2027(2025年4月開始、最終年度2028年3月期)
- 基本方針:
- 成長投資の加速(海外展開、M&A含む)
- 人・技術・ICTへの基盤投資(人的投資重視、DX)
- 国内事業の成長加速と事業構造改革
- 重点分野(推察含む):
- 定温(冷凍・冷蔵)物流の強化、センター運営の高度化
- 医療・空港・製造請負など専門領域の深耕
- 海外子会社の成長取り込み(インド鉄鋼、カナダ等)
- 自動化・省人化、WMS/TMSなどICT活用による生産性向上
- 進捗(2026年3月期1Q):
- 売上は海外連結化や国際便回復で増収。利益は為替影響や前期特殊要因の反動で純利益が減少も、通期予想は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:製造現場や病院・空港等での請負・運営受託、倉庫・配送(定温含む)、国際物流。継続契約や現場常駐型が多く、収益の安定性に寄与。
- 適応力:
- 現場オペ+付加価値サービス(検査、保全、滅菌等)の組合せで単価・継続性を確保
- DXや自動化による人手不足・コスト増への対応
- 海外展開で需要分散
- リスク耐性:製造業の稼働影響や為替・燃料価格変動の影響は残るため、価格転嫁やミックス改善の継続が鍵。
5. 技術革新と主力サービス
- 技術・独自性:構内オペレーション設計、定温物流運用、医療現場の滅菌・清浄管理、設備保全などの実装ノウハウ。ICT(WMS/TMS等)による可視化・効率化を推進。
- 収益を牽引:
- 複合ソリューション(製造・生活産業向け請負、空港支援など)
- 定温物流(食品・医薬等)
- 国際物流(海外子会社の寄与、案件獲得)
- 医療(器材の洗浄・滅菌、院内物流)
6. 株価の評価
- 株価:3,295円
- 時価総額:1,876.6億円
- 会社予想EPS:273.21円 → 予想PER:約12.06倍(業界平均PER 13.9倍)
- 実績BPS:2,746.25円 → PBR:約1.20倍(業界平均PBR 1.0倍)
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 1,876.6 −(現金611.7億−有利子負債575.2億)≈ 1,840億円、EBITDA ≈ 307.4億円 → 約6.0倍
- P/S(概算):時価総額/売上高LTM ≈ 1,876.6/3,505.7 ≈ 0.54倍
- 配当利回り(会社予想):3.34%(年間110円)、Payout Ratio:36.25%
注)同業平均との定量比較はPER・PBRのみ提示データあり。評価は数値比較に留めています。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:2,212〜3,580円(現値は上限から約8%下、レンジ上部帯)
- トレンド:終値3,295円は50日線3,278円、200日線2,964円の双方を上回る(中期上向き基調)
- 直近10日:3,260〜3,360円の狭いレンジで保ち合い気味、出来高は3カ月平均(約9.6万株)を下回る日が多い
- 信用需給:信用倍率12.6倍。買残1.89万株・売残1,500株と残高規模は大きくない
8. 財務諸表分析
(単位は百万円、LTM=過去12か月)
– 成長性:
– 売上高:301,373(2022)→ 311,840(2023)→ 315,029(2024)→ 344,987(LTM)
– 3年CAGR:約+4.6%(2022→LTM)、直近YoY(2024→LTM):約+9.6%
– 収益性(LTM):
– 売上総利益:40,328 → 粗利率 約11.7%
– 営業利益:21,386 → 営業利益率 約6.2%(2022:約3.4% → 2023:約4.3% → 2024:約5.3% → 改善傾向)
– EBITDA:30,327 → EBITDAマージン 約8.8%
– 親会社純利益:14,050 → 純利益率 約4.1%
– ROE(実績):10.03%、ROA(LTM参考):4.67%
– 安全性・効率性:
– 自己資本比率:50.7%
– 流動比率:約224%(1Q時点)
– D/E:約38.5%(1Q時点)
– ネットキャッシュ(概算):約+36億円(現金611.7億−有利子負債575.2億)
– 金利負担:利息費用373 → EBIT/利息 ≈ 57倍
– 2026年3月期1Q(累計):
– 売上+6.7%、営業利益+3.5%、純利益-26.9%(前年の投資有価証券売却益反動が影響)
– セグメント利益寄与:複合ソリューション約75%、国内約11%、国際約14%
9. 株主還元と配当方針
- 配当:前期実績96円(中間35・期末61)→ 今期予想110円(中間55・期末55)
- 予想配当利回り:3.34%(株価3,295円基準)
- 配当性向(参考):36.25%(提示データ)
- 自社株:自己株比率 約6.8%(期末自己株式数3,879,603株)。当期の新たな自己株買い開示は提示データ内に記載なし
- 主要スケジュール:権利落ち日 2025/9/29(予想)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+29.3%(S&P500対比も相対的に堅調)
- ベータ(5年月次):-0.02(相場連動性は低めの傾向)
- 保有構造:インサイダー38.15%、機関18.10%、フロート約3,014万株(浮動株が相対的に限定的)
- 需給・イベント:
- 直近は保ち合い基調、商いは平均を下回る日が多い
- 近接イベント:配当権利落ち(9/29)。決算は8/8に1Q発表済、通期予想据え置き
11. 総評
- 製造現場や医療・空港等の請負を核に、定温・国際までを組み合わせた「現場密着型の総合物流」モデル。スイッチングコストの高さと専門性が収益安定に寄与。
- 売上・利益ともに複数年で改善傾向。LTMでは営業利益率約6%まで上昇し、ROEは約10%。
- 財務は自己資本比率約51%、ネットキャッシュで流動性・レバレッジ面は良好。
- 1Qは前年の一過性益の反動で純利益が減少したが、通期予想は維持。海外連結化・インバウンド回復が増収に寄与。
- 留意点は、人手不足・賃金上昇、燃料・資材価格、製造稼働や為替・関税等の外部要因。価格転嫁・自動化・ミックス改善の継続が重要。
- バリュエーションは、予想PERが業界平均を下回り、PBRはやや上回る水準。EV/EBITDAは約6倍。株価は52週レンジ上部、移動平均線の上に位置。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+9.6%、3年CAGR約+4.6%
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約6.2%、EBITDA率約8.8%。業界平均との差は不明のため中立評価
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約51%、流動比率約224%、D/E約38.5%、ネットキャッシュ
(注)一過性損益は除外に留意し、欠損データは中立(B)としています。
参考データ要約
– 株価関連:株価3,295円、時価総額1,876.6億円、PER12.06倍、PBR1.20倍、配当利回り3.34%
– 財務:売上3,450〜3,505億円規模(LTM)、営業利益約213〜214億円、EBITDA約307億円、ROE約10%、自己資本比率約51%
– 1Q実績(2026/3期):売上+6.7%、営業益+3.5%、純益-26.9%(前年の売却益反動)
必要に応じて、セグメント別の年次推移や主要KPI(粗利率、営業利益率、ROIC等)の時系列チャートも作成可能です。
企業情報
銘柄コード | 9025 |
企業名 | 鴻池運輸 |
URL | http://www.konoike.net/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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