AZ-COM丸和ホールディングス(9090)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報の整理・分析であり、投資勧誘や個別の投資助言を目的としたものではありません。数値は提示データに基づきます。不明点は記載を省略します。
1. 企業情報
- 概要:小売・EC向けに強みを持つ3PL(物流一括請負)を中核とする総合物流グループ。低温食品、医薬・医療、EC常温などの領域でセンター運営から輸配送(幹線・ラストワンマイル)まで提供。文書保管・文書管理、不動産賃貸、情報システム/BPOも展開。宅配ブランドは「桃太郎便」。主要顧客にアマゾン。
- 連結事業構成(2025.3):物流99%、その他1%(利益寄与は括弧内:物流6%、その他13%)
- 上場区分:東証プライム(陸運業)
- 従業員:5,241人、平均年齢46.1歳、平均年収768万円
- 拠点:埼玉県吉川市
- トピック:中期経営計画「中期経営計画2028」進行中(3PLプラットフォーム強化、DX/標準化)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手総合系(NX、日本郵政/ゆうパック)、宅配系(ヤマト、佐川)に対し、同社は小売・EC特化の3PLと低温・医薬の専門性で差別化。センター運営とラストワンマイルを束ねる垂直統合的オペレーションが特徴。
- 競争優位性(示唆):
- 小売・ドラッグ/ECの大型センター運営実績と立上げ能力
- 低温・医薬の品質要求に対応した運用ノウハウ
- 料金改定・生産性改善の進捗(2026年3月期1Qで営業増益)
- 課題:
- ラストワンマイルの需給逼迫・人件費等のコスト高止まり
- 一部顧客(例:大口EC)の物量変動・集中度に伴う感応度
- 新センター開設期の一時コスト吸収
市場シェアの定量値は開示なし(EC/小売特化の中堅~準大手ポジションとみられる)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/基本方針:「3PLプラットフォームの最大化」「DX・標準化による高効率オペレーション」「中核ドメイン(EC常温、低温食品、医薬・医療)の深耕」
- 中期計画(~2028目標の方向性):
- 大型センターの新設・稼働拡大、ネットワーク最適化
- 料金適正化(原価上昇の転嫁)と生産性向上(標準作業・自動化)
- 情報システム/BPOの補完的活用(可視化・計画精度向上)
- 直近の進捗(2026年3月期1Q):
- 売上高+11.2%、営業利益+65.8%(料金改定・生産性改善・新センター寄与)
- 3PL(EC常温、低温、医薬・医療)が牽引、ラストワンマイルは一部取引先の縮小影響
- 資本政策:
- 2030年満期ユーロ円CB発行決定(詳細別開示)— 成長投資・資本効率の両立に向けた資金調達手段
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:3PL契約に基づくセンター運営収入+輸配送収入。顧客の需要拡大・新規センター立上げが成長ドライバー。料金改定や効率化でマージン改善余地。
- 構造的需要:
- EC需要の中長期拡大
- 医薬・低温分野の品質要件高度化(専門性の差別化余地)
- 変化対応:
- 物流「2024年問題」に伴う人件費・労働時間制約に対し、標準化・自動化・拠点集約で対応を強化
- 価格転嫁(料金適正化)と機動的な拠点/車両の最適化
- リスク:
- 大口顧客依存度(物量変動、条件見直しの影響)
- 新規拠点の立上げコスト・稼働率曲線
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 主力:
- 3PL(EC常温、低温食品、医薬・医療)のセンター運営
- 輸配送(幹線・ラストワンマイル「桃太郎便」)
- 技術・運用:
- WMS/TMS等の情報システム活用、BPO連携
- DX/標準化による省人化・生産性向上(ピッキング/仕分けの効率化等)
- 収益牽引領域(1Q実績):
- 3PL(EC常温)+23.4%
- 3PL(低温食品)+10.4%
- 3PL(医薬・医療)+17.0%
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,111円
- 時価総額:1,533億円
- 予想EPS:54.21円 → 予想PER:約20.5倍
- 実績BPS:440.32円 → PBR:約2.52倍
- 配当:年32円(会社予想)、配当利回り:約2.88%、予想配当性向:約59%(参考:開示のPayout Ratio 63.8%は過去実績ベース)
- EV/EBITDA(概算):約9.9倍(EV≒時価総額+純有利子負債、LTM EBITDA≈156.8億円、現金424億円・有利子負債443.9億円ベース)
- PSR(概算):約0.72倍(時価総額/売上高LTM 2,139億円)
相対比較(提示業界平均:PER 13.9倍、PBR 1.0倍)
– PER・PBRともに業界平均を上回る水準(プレミアム・マルチプル)
– 成長性(3年CAGR)やROEを織り込んだ水準かが論点
機械的比較価格(参考値)
– 業界平均PER×EPS:13.9×54.21 ≒ 753円
– 業界平均PBR×BPS:1.0×440.32 ≒ 440円
注:単純比較は事業構成・成長率・資本効率差を反映しない参考値です。
7. テクニカル分析
- 短期トレンド(直近10日):概ね横ばい~やや軟調(終値レンジ1111~1143円)
- 移動平均:50日線1171.8円、200日線1159.8円に対し、現値1111円(50日線比-5.2%、200日線比-4.2%)
- 52週レンジ:963~1,355円。現値はレンジ下寄り(年初来安値1,001円に近いゾーン)
- 出来高:本日37.7万株(3カ月平均29.9万株、10日平均27.5万株)— 短期的にはやや膨らみ
- 信用動向:買残24.9万株、売残2.1万株、信用倍率11.8倍(買いに傾斜)。短期需給の振れに留意。
8. 財務諸表分析
- 売上高の推移(単位:百万円)
- 2022/3:133,000
- 2023/3:177,829
- 2024/3:198,554
- 2025/3:208,370
- LTM:概ね208,370~213,940(情報ソースにより差異)
- 3年CAGR(2022→2025):約+16%
- 収益性(2025/3実績ベース)
- 売上総利益率:約10.3%(=21,413/208,370)
- 営業利益率:約5.3%(=10,973/208,370)
- 当期純利益率:約3.5%(=7,284/208,370)
- 1Q(2026/3期):営業利益率約5.6%(前年1Q約3.7%から改善)
- ROE/ROA等
- ROE(実績):12.9%
- ROA(LTM):約5.5%
- キャッシュ/負債・流動性(2025/6/30)
- 現金等:424億円、有利子負債:443.9億円 → 純有利子負債は小幅
- 自己資本比率:41.2~41.7%
- 流動比率:約131%
- D/E(総負債/自己資本の参考):約1.32倍、Total Debt/Equity:約71.6%
- トレンド所見
- 売上は拡大基調だが、2025/3期は粗利率がやや低下、営業・純利益は前期比減少
- 2026/3期1Qは料金改定・生産性向上・新センター寄与で増益転換の兆し
(キャッシュフローは四半期短信未作成のため省略)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間32円(中間16円・期末16円)見通し、予想利回り約2.88%
- 配当性向:予想ベース約59%(参考:過去実績63.8%)
- 自己株式:期末自己株式数3,317,268株(保有比率の推移は省略)
- その他:直近に自社株買いの新規方針記載は確認不可(短信記載なし)
- 5年平均利回り1.58%に対し、現状は相対的に高い水準
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線を下回り、レンジ下側での推移。年初来騰落率は小幅マイナス(-3.5%)。
- 投資家構成:インサイダー保有約61.9%、浮動株約4,765万株。浮動株が相対的に限定的で、イベント時のボラティリティに影響し得る構造。
- 需給:信用買い優位(倍率高め)。短期の上昇・下落の振れやすさに留意。
- 予定イベント
- 権利落ち日:2025/9/29
- 決算発表予定:2025/11/5
- ユーロ円CB発行関連の資本政策進捗
11. 総評(要点整理)
- 事業面:小売・EC、低温、医薬の3PLで専門性を発揮。2026/3期1Qは料金適正化と生産性改善、新センター稼働が寄与し増収増益。物流の人手・コスト環境は厳しいが、標準化・DXでの対処が反映されつつある。
- 財務面:自己資本比率約42%、流動比率約131%、純有利子負債は抑制的。ROEは2桁で資本効率は一定水準。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均を上回るレンジ(プレミアム)。3年CAGRやROE、専門領域の成長期待が織り込まれている可能性。EV/EBITDAは概ね10倍弱。
- テクニカル・需給:株価は移動平均線下で推移しレンジ下寄り。信用買い優位で短期需給の影響に注意。
- リスク/着眼点:大口顧客の物量変動、立上げコスト、労働力・コスト高。今後は2Q以降のマージン持続、センター稼働率、価格転嫁の進捗が確認点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:3年CAGR約+16%、2026/3期1Q売上+11.2%と拡大。直近通期(2025/3)は+5%程度で伸び鈍化も、主要ドメインが牽引。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率LTM約5.5%、1Qで改善(約5.6%)。ROE約12.9%と業界内で相応の水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約41~42%、流動比率約131%、D/E約72%とバランス。現金と負債の規模は概ね拮抗で資金繰りは安定的。
参考データ(主要数値)
– 株価:1,111円、時価総額:1,533億円、予想EPS:54.21円、予想PER:20.5倍、BPS:440.32円、PBR:2.52倍、配当:32円、利回り:2.88%
– LTM売上:2,084~2,139億円(情報差異あり)、LTM EBITDA:約157億円、ROE(実績):12.9%、自己資本比率:41.7%
– 1Q(2026/3):売上552億円(+11.2%)、営業利益30.8億円(+65.8%)
必要に応じて、原開示の該当箇所(四半期決算短信、決算説明資料、資本政策リリース)を追加引用できます。
企業情報
銘柄コード | 9090 |
企業名 | AZ-COM丸和ホールディングス |
URL | https://www.az-com-maruwa-hd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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