アルバック(6728)企業分析レポート
注)本資料は提供データに基づく客観的な情報整理です。投資助言は行いません。数値は連結・過去12か月(LTM)または会社予想ベース。単位:円・百万円など。
1. 企業情報
- 概要:真空技術をコアに、半導体・FPD(有機EL含む)等の製造装置、真空ポンプ等コンポーネント、材料(スパッタリングターゲット等)、分析装置をグローバルに展開。
- 主力領域:
- FPD製造装置:スパッタリング、プラズマCVD、真空蒸着、ロールツーロール(R2R)等
- 半導体・電子部品製造装置:スパッタ、エッチング、アッシング、ウェーハ前処理、超高真空装置 等
- コンポーネント:各種真空ポンプ、計測・制御機器、バルブ、リークディテクタ、搬送ロボット 等
- 産業装置:真空溶解・熱処理・焼結・ろう付炉、真空乾燥・蒸留装置 等
- 分析装置/材料:表面分析(AES/XPS/SIMS)、マスクブランクス、スパッタリングターゲット・高融点金属加工材 等
- セグメント構成(2025/6期):真空機器 79%(営業利益率目安:11%)、真空応用 21%(同:約9%)/海外売上比率 69%
- 従業員:6,132人、平均年齢44.6歳、平均年収888万円
- 所在地:神奈川県茅ヶ崎市
- 代表者:岩下 節生
- 上場市場:東証プライム(電気機器)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 大面積スパッタリングやR2R真空プロセスなどで実績が厚く、FPD・有機EL分野で有力。
- 半導体ではPVD(スパッタ)、エッチング、前処理、真空コンポーネント・材料まで垂直的にカバー。
- 主な競合(領域別の例):
- 半導体製造装置:東京エレクトロン、SCREEN、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ 等
- FPD/有機EL装置:キャノン(トッキ)、芝浦メカトロニクス 等
- 真空ポンプ・計測:エドワーズ(Atlas Copco)、ライボルト、Pfeiffer 等
- 競争優位・課題(概観):
- 優位:真空技術の積み上げ、大面積・量産対応の装置群、材料・コンポーネントまで含むポートフォリオ、グローバル顧客基盤。
- 課題:装置中心の景気循環影響、FPD投資の変動、中国等の現地メーカー台頭、技術の高速進化への継続的対応。
- 定量的なシェア数値は公表データなし(要追加資料)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中計(バリューアッププラン〜2031/6期):
- 経営資源の最適配分、ポートフォリオ見直し(半導体・電子中心)、高成長・高収益の実現、企業価値向上。
- 重点施策(短信・決算説明資料要旨):
- 半導体の先端領域・先端パッケージング(RDL等)への注力
- 有機EL・大面積基板対応の強化、パワーデバイス(SiC/GaN)の装置・材料対応
- コンポーネント/材料(ターゲット等)の拡大とサービス・保守強化(リカーリング収益の積み上げ)
- 研究開発強化とCCC短縮等による資金効率改善
- グローバル供給網・現地化の最適化、必要に応じたM&A検討
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:
- 設備(装置)売上が柱で景気・投資循環影響を受けやすい一方、コンポーネント・材料・サービスは比較的安定。
- 適応力:
- 半導体の先端・先端PKG、有機EL投資など構造的テーマへの比重を高め、リカーリング領域の拡大で変動耐性を補強。
- 受注残高(2025/6期末):真空機器 98,350、真空応用 17,410、合計約115,760百万円 → 近い将来の売上可視性を一定程度確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:
- 大面積・高均一スパッタ、R2R真空成膜、プラズマCVD等の量産技術で実績。
- 真空ポンプから計測・制御、表面分析、材料まで広い技術スタック。
- 収益を牽引する領域(2025/6期 実績の目安):
- 半導体・電子部品装置:約893億円
- ディスプレイ・エネルギー関連装置:約531億円
- コンポーネント:約431億円
- 材料(ターゲット等):約266億円
- 先端PKGや有機EL向けの装置・材料の寄与が注目点。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元水準:株価 6,424円、時価総額 317,063百万円
- 会社予想EPS 406.15円 → 予想PER:約15.8倍(業界平均PER 24.2倍)
- 実績BPS 4,537.99円 → PBR:約1.42倍(業界平均PBR 1.6倍)
- EV/EBITDA(概算):EV ≈ 317,063 − 105,950 + 46,600 ≈ 257,700百万円、EBITDA(LTM)≈ 37,330 → 約6.9倍
- PSR(概算):時価総額/売上(LTM)= 約1.26倍
- 参考:ROE(実績)7.5〜8.0%、自己資本比率59.6%
注)EV/EBITDA等は概算。比較・解釈は業種構成や景気局面の差に留意。
7. テクニカル分析
- レンジ位置:年初来高値 6,880円/安値 3,915円 → 現在値は年初来レンジの上側(高値から約−6.6%)。
- トレンド指標:50日移動平均 5,956円、200日移動平均 5,544円 → 株価は両移動平均を上回り、中長期は上向き基調。
- 足元の値動き:直近は6,7百円台での推移後、9/26終値は6,424円(前日比反落)。出来高は3ヶ月平均(約411千株)並み。
- 信用動向:信用倍率3.35倍。買残・売残ともに前週比減少。
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 売上・利益動向:
- 売上 251,184(前年比 −3.8%)
- 営業利益 26,523(同 −10.9%)、営業利益率 約10.6%
- 当期純利益 16,687、純利益率 約6.6%
- 収益性・効率:
- 粗利率 約31.8%(79,862/251,184)
- EBITDA 38,776(EBITDAマージン 約15%)
- ROE 7.5%、ROA 4.3%
- キャッシュフロー:
- 営業CF 34,811(前期 17,162)改善
- 投資CF −10,800、財務CF −14,215
- レバードFCF 21,510(概算)→ プラス
- 財政状態:
- 自己資本比率 59.6%
- 現金等 105,950、有利子負債 46,600 → ネットキャッシュ約+59,300
- 流動比率 2.68倍、D/E(総)約0.20
- セグメント概況(2025/6期):
- 真空機器:売上 199,050/利益 21,877(先端半導体は堅調、パワーデバイスに反動)
- 真空応用:売上 52,134/利益 4,533(材料・分析が寄与)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間164円(実績・予想とも)。会社方針は「連結配当性向35%以上を目途の業績連動型」、年1回(期末)。
- 予想配当利回り:2.55%(株価6,424円ベース)
- 配当性向:実績 48.4%、次期予想 約40%
- 自社株買い:短信記載ベースでは特記なし(自己株保有はごく小規模)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 短期モメンタム:直近10営業日は6,4〜6,8千円台のレンジ推移。9/26は安値6,392→引け6,424。
- 中期モメンタム:50日・200日移動平均とも上向きで、価格は上回る状態。
- ボラティリティ・ベータ:5年β 0.98(市場連動性は中立的な水準)。
- 需給・関心:機関投資家保有比率 66%程度。アクティブ株主(例:タイヨウ系)の存在がガバナンス面の注目点。
11. 総評(要約)
- 真空技術を核に装置・コンポーネント・材料までを持つ総合力が特徴。先端半導体・先端パッケージング、有機EL・大面積対応など構造的テーマでの需要取り込みが注目される一方、装置サイクルやFPD投資の変動、中国動向・為替など外部要因の影響を受けやすい。
- 2025/6期は売上・利益ともに前年割れだが、受注残と次期見通しでは収益の持ち直し計画(純利益+19.9%予想)。財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で健全。
- バリュエーションは予想PER・PBRともに業界平均水準より低位。中期的には先端PKG・有機EL・パワーデバイス/材料の進捗、受注動向・為替・装置投資サイクルがモニタリング要因。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上成長率 YoY −3.8%。3年CAGRは概ね横ばい〜小幅増だが、直近期の減収を重視。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約10.6%、EBITDAマージン約15%、ROE約7.5%。業界平均と同程度の水準と評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率59.6%、流動比率2.68倍、D/E約0.20、ネットキャッシュ。
【参考データ】
– 株価関連:前日終値 6,701/本日始値 6,622/高値 6,650/安値 6,392/出来高 524,700株
– 株主(上位例):日本マスタートラスト12.9%、日本カストディ8.31%、日本生命6.57%、フィデリティ系6.04%、タイヨウ・ファンドLP4.2% 等
– 今後のイベント(予定):2025/11/11 決算発表、2026/6/29 権利落ち日
注)本資料は公開データの要約・計算に基づきます。実際の投資判断は原資料・最新開示の確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 6728 |
企業名 | アルバック |
URL | http://www.ulvac.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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