荏原製作所(6361)企業分析レポート
以下は、提供データに基づく客観的な分析です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要:ポンプ・圧縮機・タービン・チラー等の流体機械を中核に、環境プラント(焼却・ガス化/O&M)や半導体製造装置(CMP装置、ドライ真空ポンプ、ガスアベート等)を展開。1912年創業、東京本社。
- 主要セグメントと特徴
- 建築・産業:ビル設備・産業向けポンプ・送風機・ユニット機器等
- エネルギー:発電・石油化学向け大型機器、サービス
- インフラ:上下水道・排水処理
- 環境:廃棄物処理プラント(EPC)とO&M(運転・保守)
- 精密・電子:半導体向けCMP装置や真空・薬液処理等(同社の高収益領域)
- 売上構成(2024.12目安):建築・産業27%、エネルギー24%、インフラ6%、環境10%、精密・電子32%(括弧内はOPマージン目安:4%、13%、7%、10%、18%)
- 海外売上比率:66%(2024.12)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポンプ・流体機械:国内大手。長年の納入実績とアフターサービス網が強み。公共・産業の更新需要も安定。
- 精密・電子(半導体製造装置):CMP装置で世界上位クラス。生成AI関連のデータセンター投資や先端ロジック向けの需要が追い風。
- 競争優位
- 多角化ポートフォリオ(設備投資サイクルの異なる事業を保有)
- 高収益の精密・電子と、安定キャッシュのO&M/サービスの両立
- 課題
- 半導体設備投資の変動リスク(地域・顧客による濃淡)
- 大型案件の期ずれ、為替・地政学の影響
- 一部セグメント(建築・産業)の採算改善
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「E-Plan2025」
- 顧客起点・対面市場別組織への移行
- サービス・O&Mの拡大による安定収益基盤の強化
- 精密・電子の競争力強化(CMP、真空・ガス処理、薬液処理)
- インフラ・環境での公共・更新需要取り込みとO&M拡大
- エネルギー転換(LNG、アンモニア、CCUS領域)への対応
- 2025年通期見通しは営業利益を小幅上方修正(+10億円)。セグメント配分見直しで収益改善を継続。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 製品売切り+ライフサイクルサービス(据付・保全・更新)
- 環境/O&M等の長期契約によるストック型収益
- 半導体装置は高付加価値・高マージンだがサイクル性あり
- 適応力
- 多セグメント構成で景気変動の分散が効く
- 生成AI/先端半導体需要や水・環境投資の構造的需要に対応
- 為替・大型案件期ずれへのリスク管理が課題
5. 技術革新と主力製品
- 技術の独自性
- CMP装置:高精度研磨プロセスの制御技術で上位ポジション
- ドライ真空ポンプ・ガスアベート:半導体クリーンプロセス対応
- 流体機械:省エネ・高効率、遠心・低温機器等のエンジニアリング力
- 収益牽引
- 精密・電子が全社利益を牽引(中間期セグメント損益 234.5億円)
- 環境のO&M、エネルギーのサービス拡大も寄与
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,137円
- 予想EPS:156.72円 → 予想PER:約20.0倍(会社データ)
- 参考:業界平均PER 16.6倍 → EPS×16.6=約2,600円相当(単純比較)
- 実績BPS:1,037.89円 → PBR:約3.02倍(会社データ)
- 参考:業界平均PBR 1.4倍よりプレミアム
- EV/EBITDA(概算)
- 時価総額1.45兆円、現金1,638億円、負債1,483億円 → EV約1.43兆円
- LTM EBITDA約1,457億円 → EV/EBITDA ≈ 9.8倍
- PSR(概算):時価総額/売上高 ≈ 1.45兆/0.921兆 ≈ 1.6倍
- コメント:成長性・収益性(精密・電子の高収益、ROE16%)を背景に、同業平均に対してプレミアム水準で取引。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:2,997円、200日線:2,563円 → いずれも上回り、中長期上昇基調
- 52週高値:3,309円、安値:1,770円 → 現在は高値圏に近い位置
- 価格推移(直近10営業日):3,090〜3,210円近辺でのレンジ推移(出来高は3ヶ月平均並み〜やや上)
- 水準感:直近は3,100円前後に下値メド、3,200〜3,300円に上値圧力が意識されやすい局面
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2021: 603,213 → 2022: 680,870 → 2023: 759,328 → 2024: 866,668 → LTM: 920,900
- LTM YoY +6.3%程度、2021→2024の3年CAGRは約12.8%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:33.1%(改善トレンド:2021の29.6%→LTM 33.1%)
- 営業利益率:11.7%(安定上昇)
- 当期純利益率:8.0%前後
- ROE:16.05%、ROA:7.30%
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF(LTM):914億円、レバードFCF:約198億円
- 自己資本比率:47.1%(2025/6末48.4%)
- 流動比率:約1.73倍
- 総有利子負債:約1,483億円、現金等:約1,638億円 → ネットキャッシュ
- セグメント動向(2025年中間)
- 全社増収増益。精密・電子と環境が牽引、エネルギーも売上・利益貢献
- 建築・産業は採算面の課題が残る
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年56円(中間28円・期末28円)、予想配当利回り:約1.79%
- 配当性向:37.73%(データ提供値)
- 自己株式:2025/8/14に自己株式取得の取締役会決議(詳細条件は別資料)
- 5年平均利回り:2.44%(足元は株価上昇で利回りは平均を下回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+28.71%(市場指標15.1%を上回る)
- ベータ:0.88(市場感応度は相対的に低め)
- 信用動向:信用買残39.1万株(前週比+8.7千)、信用倍率2.66倍 → 個人投資家の関心はやや強め
- 需給イベント
- 2024/6/27に5分割実施(流動性改善)
- 次回決算:2025/11/13(予定)
- 権利落ち日:2025/12/29(予定)
11. 総評
- 事業ポートフォリオの分散と、高収益な精密・電子領域の拡大、O&M/サービスの安定収益が業績を下支え。粗利率・営業利益率は改善傾向で、ROE16%と資本効率も良好。
- 一方で、半導体投資のサイクル変動、大型案件の期ずれ、為替・地政学、係争案件などの不確実性が存在。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均に対してプレミアム。業績の継続成長(とくに精密・電子/O&M)と収益性維持が市場の期待水準に影響。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +6%台、3年CAGR約13%、直近期(中間)も受注・売上2桁増。
- 収益性:A
- 根拠:LTM営業利益率約11.7%、ROE約16%、精密・電子の高マージンが寄与。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率47%台、流動比率1.7倍、ネットキャッシュ、D/E約30%。
参考データ出所:ご提供の株価・財務・決算短信(2025年8月14日開示)等。記載の数値は概算を含みます。投資判断は行いません。
企業情報
銘柄コード | 6361 |
企業名 | 荏原製作所 |
URL | http://www.ebara.co.jp |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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