くろがね工作所（7997）企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、株式会社くろがね工作所（7997）の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
株式会社くろがね工作所は、1936年設立の老舗企業で、主に家具関連事業と建築付帯設備機器事業を展開しています。家具関連事業では、オフィス家具、学習家具、家庭用家具などを手掛け、「オフィス家具中堅」として知られています。建築付帯設備機器事業では、医療・介護施設向けの設備やクリーンルーム関連機器、空調設備なども製造・販売・設置しています。大阪市に本社を置き、従業員は2025年5月時点で267名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社はオフィス家具市場において中堅企業として位置づけられています。主要セグメントであるオフィス家具市場では、近年「働き方改革」に伴うオフィス環境の変化や在宅ワークの普及などが需要構造に影響を与えています。学習家具市場は少子化などの人口動態要因により、総需要の減少傾向が見られます。医療福祉向け設備やクリーン機器では、原材料・部品価格の高騰という課題に直面しながらも、特定の分野で堅調な需要を捉えています。具体的な市場シェアデータは提供されていませんが、特注品（物流施設向け等）の拡大によって競争力を維持しようとしていると推察されます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は中期経営計画「Revive2025」（2025年11月期まで）を推進しており、業績の回復と継続的な配当の実現を目標としています。具体的な施策としては、「事業の選択と集中」「資産の収益性強化」「設備更新」などが掲げられています。特に、首都圏での「働き方改革」関連ソリューションへの対応や、付加価値の高い特注品の受注拡大に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
くろがね工作所の事業モデルは、オフィス家具、学習家具、医療・福祉施設向け設備、クリーン機器など多岐にわたります。これにより、特定の市場変動リスクを分散する構造となっています。働き方改革や特注品への対応など、市場ニーズの変化に適応する努力も行われています。過去には連続営業損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義が生じていましたが、中期経営計画に基づく構造改革と資金確保策により、この疑義は解消されたとされています。原材料価格の高騰に対する価格転嫁やコスト低減の取り組みが、今後の収益性維持の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
同社は、事務用家具や家庭用家具、医療福祉向け設備、クリーン機器などを主力製品としています。具体的な技術革新に関する詳細な記述は少ないですが、多様な特注品の製造・設置に対応していることは、顧客の細かな要望に応える技術力や提案力を持っていることを示唆します。特に、引戸・医療ガスユニットなどの医療福祉向け製品や、クリーンルーム関連機器は専門性の高い分野であり、ニッチ市場での強みを持つと考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価1,027.0円に基づき、各種指標を評価します。
* PER（会社予想）: 10.29倍
* 業界平均PER: 10.0倍
* PBR（実績）: 0.38倍
* 業界平均PBR: 0.5倍
PERは業界平均とほぼ同水準であり、PBRは業界平均と比較して低い水準にあります。BPS（1株当たり純資産）2,712.32円に対して株価が低く、実績PBRが0.38倍であることから、純資産価値と比較すると割安感が見られる可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価は1,027.0円です。
* 年初来高値：1,073円
* 年初来安値：667円
* 50日移動平均：881.68円
* 200日移動平均：800.90円
直近10日間の株価は1,000円台で推移しており、年初来安値からは大きく上昇していますが、年初来高値にはまだ若干の余裕がある水準です。50日移動平均線、200日移動平均線ともに現在の株価が上回っており、中長期的には上昇基調にあるように見えます。ただし、出来高は数千株～数万株程度と比較的少なく、流動性は高くないため、売買の際には注意が必要です。
売上高
過去数年間の売上高は、2021年11月期の約83.7億円から2022年11月期に約69.2億円と減少しましたが、2023年11月期は約71.8億円、2024年11月期は約72.0億円と横ばい〜微増傾向にあります。2025年11月期の中間期売上高は前年同期比13.5%減の34.7億円でしたが、通期では前期比2.8%増の74.0億円を予想しています。
利益
過去の損益計算書では、複数年にわたり営業損失が計上されていましたが、2024年11月期は営業利益が黒字転換（-27百万円から240百万円というデータもありますが、最新のLTMでは-90百万円）。2025年11月期の中間期では32百万円の営業利益（前年同期比△66.1%）を計上し、通期予想は110百万円の営業利益を見込んでいます。なお、2023年11月期には大規模な特別利益（Total Unusual Itemsで約15.6億円）の計上により、親会社株主に帰属する純利益が12.1億円と大きく増加しました。これは一時的な要因であるため、利益の趨勢を見る際には注意が必要です。
収益性指標
- ROE（実績）: 4.72% （過去12か月では3.22%）
- ROA（過去12か月）: -0.66%
- 売上総利益率（中間期）: 約24.2%
- 営業利益率（中間期）: 約0.9%
過去の営業損失を脱しつつあるものの、収益性指標はまだ低い水準で推移しており、今後の改善が期待されます。
財務健全性
- 自己資本比率（実績）: 56.8% （中間期末55.7%）
- 流動比率（直近四半期）: 2.02倍
- Total Debt/Equity（直近四半期）: 19.13%
自己資本比率は健全性の目安とされる40%を大きく上回り、流動比率も2倍を超えており、負債比率も低いため、財務体質は非常に健全であると評価できます。
キャッシュフロー
過去12か月間の営業キャッシュフローは+503百万円とプラスを維持しており、事業活動による現金の創出は安定しています。中間期累計でも営業CFは+173百万円とプラスです。
9. 株主還元と配当方針
同社は安定的な配当を継続する方針を示しています。
* 1株配当（会社予想）: 年間40.00円
* 配当利回り（会社予想）: 3.89%
* 配当性向（過去12ヶ月）: 22.13%
年間配当40円は、会社予想EPS99.80円に対して配当性向が比較的低い水準であり、安定的な配当維持への意識が高いと見られます。現在の配当利回りは市場全体と比較しても魅力的な水準にある可能性があります。自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は、今回のデータには含まれていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は1,000円台で推移しており、9月半ばには高値をつけた後、一時調整を見せましたが、再び持ち直す動きが見られます。流動性が低い傾向にあるため、株価の変動には注意が必要です。信用買残が160,500株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍と買いに偏っています。これは短期的な上昇圧力が期待しにくい一方で、踏み上げなどの動きも限定的であることを示唆しています。投資家の関心は、過去の営業損失からの回復や中期経営計画の進捗、安定配当の継続性に影響されると考えられます。
11. 総評
くろがね工作所は、オフィス家具を中核としつつ、医療福祉施設向けやクリーン機器といった多様な事業を展開する企業です。過去には収益性に課題を抱えていましたが、中期経営計画「Revive2025」を通じて業績回復に取り組んでいます。財務体質は自己資本比率や流動比率の高さから非常に健全です。株価バリュエーションではPBRが業界平均を下回っており、割安感がある可能性があります。一方で、売上高は横ばい傾向、収益性もまだ低い水準にあるため、今後の成長戦略の具体化と実行が注目されます。配当利回りは魅力的ですが、市場の流動性には注意が必要です。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 売上高は過去数年間で横ばい〜微減傾向にあり、直近中間期は前年同期比で減収となりました。通期予想は微増ですが、力強い成長を示すには至っていません。
- 収益性: C
- 過去には営業損失が続き、直近の中間期営業利益率も0.9%と低水準です。通期予想でも1.5%程度であり、業界全体と比較しても収益性は改善途上にあると見られます。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率は56%台、流動比率は2倍を超え、負債比率も低いなど、非常に強固な財務基盤を有しています。過去の「継続企業の前提に関する疑義」も解消されており、財務面での安定性は高いと評価できます。
- 株価バリュエーション: A
- PERは業界平均とほぼ同水準ですが、PBRは業界平均の0.5倍を下回る0.38倍であり、純資産価値と比較して割安感があると評価できます。
企業情報
| 銘柄コード | 7997 |
| 企業名 | くろがね工作所 |
| URL | http://www.kurogane-kks.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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