エレコム(6750)企業分析レポート
株価: 1,911円(2025-09-26終値)/市場: 東証プライム/時価総額: 1,762億円
注記: 本資料は公開データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。不明点はスキップし、データに不整合がある場合は併記・注記します。
1. 企業情報
- 概要: PC・デジタル機器周辺の企画・開発・販売を主軸とするファブレスメーカー。マウス・キーボード・スマホ/タブレット周辺機器で国内トップクラス。BtoBソリューションやセキュリティ関連、ネットワーク/Wi-Fi、ストレージ、充電・バッテリー、eスポーツ関連、家電(テスコム電機グループ)など多品種を展開。
- 特徴: ファブレスにより在庫・固定資産の軽量性を確保。家電(美容・調理等)や防犯・監視カメラ等で領域拡大。EC・量販の強固な販路、SKUの豊富さ、スピード感が強み。
- 事業セグメント(2025.3 構成比):
- パワー&I/Oデバイス関連 34%
- 家電 11%
- BtoBソリューション 28%
- 周辺機器・アクセサリ 26%
- その他 1%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内PC周辺機器で首位級、スマホ・タブレット周辺でも高シェア。BtoB(セキュリティ/監視、会議ソリューション)拡大中。
- 競争優位性:
- ブランド力と量販・ECチャネル網、幅広いSKU、短サイクルでの製品投入力
- ファブレスによる固定費負担の軽さとキャッシュ創出力
- 課題:
- 周辺機器はコモディティ化しやすく価格競争圧力が強い
- 為替(円安)や部材価格の上振れが原価に影響
- BtoBは案件性・景気感応度が高く、需要変動に左右されやすい
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針: 2027年3月期までの中期経営計画を推進。消費者向けの厚い製品群に加え、BtoBのソリューション領域を強化しポートフォリオの分散と収益性の維持・向上を図る。
- 重点施策(短信・セグメント方針等より):
- パワー&I/O: 新商品投入と戦略的拡販(充電器・モバイルバッテリー等の高需要カテゴリを重点)
- 家電: テスコム電機グループの連結効果を生かした拡大(美容・調理家電)
- BtoB: セキュリティ関連(監視カメラ等)の伸長、会議ソリューション(Newline等)
- 周辺機器・アクセサリ: プリンタ関連など需要の底堅い領域を伸長
- 資本政策: 自己株式取得(5,352千株実施)で資本効率と1株価値向上を意識
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 多品種少量・短サイクルの周辺機器販売が中心。ファブレスで固定費軽量、販管費コントロールと在庫運用が重要。BtoBセキュリティ等はストック要素(保守/ソフト)拡大余地あり。
- 適応力:
- 市場ニーズの変化に応じた迅速なSKU入替が可能
- コモディティ化の価格圧力には、デザイン・品質・規格適合・ブランドで差別化
- 為替・原価上昇には価格政策・製品ミックス改善で対応(ただし短期の為替差損が損益に影響)
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 最先端の半導体/基礎技術というよりは、ユーザー体験・デザイン・安全規格・互換性・使い勝手を磨き、企画/調達/品質管理の強みでスピード投入。
- 収益牽引:
- 充電(AC充電器・モバイルバッテリー等)、ネットワーク/Wi-Fi、PC入力・表示系、プリンタ関連
- セキュリティ/監視カメラ等のBtoBソリューション
- テスコム電機の家電分野(2025年3Qは大幅伸長)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,911円
- 会社予想EPS: 132.93円(提示データ)→ PER約14.38倍
- BPS(実績): 1,063.59円 → PBR約1.80倍
- EV/売上(概算): EV約1,239億円(時価総額1,762億−現金528億+有利子負債5億)/ 売上1,190億円 ≈ 1.0倍
- 業界平均との比較(参考):
- PER: 14.4倍 vs 業界平均約24.2倍 → 収益倍率では相対的に低位
- PBR: 1.8倍 vs 業界平均1.6倍 → 純資産倍率はやや上位
- まとめ: 収益倍率(PER/EVS)では相対的に低く、資本効率(ROE約11%)を勘案した水準感。PBRは自己資本厚い構造の反映。
7. テクニカル分析
- 短中期トレンド:
- 50日移動平均: 1,898円、200日移動平均: 1,704円
- 現在値は50日・200日線ともに上回り、上昇トレンド維持の範囲
- 位置づけ: 年初来高値2,056円に対し約7%下、年初来安値1,421円に対し約34%上
- 足元の値動き: 直近10日で1,856→1,911円に緩やかに切り上げ。出来高は3カ月平均(約24.8万株)並み〜やや上。
- イベント: 権利落ち日(2025-09-29)前後は配当落ち分の価格調整が発生しやすい点に留意。
8. 財務諸表分析
- 成長性(売上・利益):
- 売上高(LTM): 1,180億円(前年比+7.1%)
- 営業利益(LTM): 135億円(営業利益率10.5%)
- 親会社純利益(LTM): 93億円(やや横ばい〜微減)
- 3年推移(売上): 1,073億(2022)→ 1,037億(2023)→ 1,102億(2024)→ 1,180億(LTM)で回復基調(3年CAGR約+3%)
- 収益性:
- 粗利率(LTM): 約39〜40%
- 営業利益率(LTM): 10.5%前後
- ROE(実績): 11.0%/ROA(LTM): 7.7%
- キャッシュフロー/BS:
- 営業CF(LTM): 171億円、レバードFCF(LTM): 265億円
- 自己資本比率: 71.9%/流動比率: 3.49倍/D/E: 0.62%
- 現金等: 528億円、有利子負債: 5億円と極小
- 四半期動向(2025年3Q累計):
- 売上+7.7%、営業+1.4%、純利益-5.6%(為替差損増)
- 自己株式取得により総資産・純資産は減少
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 会社予想配当利回り: 2.72%(予想1株配当52円、データ提示値)
- 参考: 短信では2025年3月期予想48円記載あり(後日修正の可能性やデータ差異に留意)
- 5年平均配当利回り: 2.42%、配当性向: 約40%
- 自社株買い:
- 5,352千株を取得済み。自己株保有比率17.2%と高く、1株価値向上に寄与。
- 株主構成:
- インサイダー保有約34.8%、自己株17.2%でフロートは限定的(浮動株約4,237万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 200日線上で推移し、50日線付近を支持に上向き。年初来では上昇率+31.7%(低β:0.07)。
- 信用動向: 信用倍率4.78倍。信用買残は前週比-108,500株と減少、過熱の緩和要因。
- 需給/イベント要因:
- 自社株買い実施済み・自己株比率高めで需給の下支え要素
- 権利落ち・決算発表(11/13予定)が短期のボラティリティ要因
- 為替動向(円安)は原価面や為替差損に影響
11. 総評
- 事業面: 周辺機器の安定基盤に家電・セキュリティ等の新領域が加わり分散が進展。ファブレスの軽量な財務構造と高自己資本比率で耐性あり。
- 収益性: 粗利率・営業利益率とも2桁で安定、ROE約11%水準。為替影響により経常・純利益がぶれる局面はあるが、ミックス改善で吸収を図る。
- 成長性: 直近は売上+7%台と回復。PC更新や充電・アクセサリ需要、セキュリティ関連の伸びが牽引。
- バリュエーション/テクニカル: PERは業界平均を下回る一方、PBRはやや上。50日・200日線上で推移し、年初来高値圏手前でのもみ合い。
- リスク: コモディティ化による価格競争、為替(円安)・部材高、BtoB案件の変動性。在庫運用・商品ライフサイクル管理が鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+7.1% YoY、3年CAGR約+3%と増収基調。家電・セキュリティが寄与。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約39〜40%、営業利益率約10%台、ROE約11%。業界平均(電気機器/周辺)と比較して良好な水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率72%、流動比率3.5倍、D/E 0.6%と非常に良好。現金潤沢、負債極小。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER14.4倍は業界平均24.2倍を下回る。PBR1.8倍は平均1.6倍を小幅上回るが、EV/S約1.0倍と総合的に相対低位。
データ出所・注記
– 数値は提示データ(株価・各種指標・短信抜粋・LTM/四半期財務)に基づく。会社予想EPS・配当について短信数値と市場データに差異があり、自己株式取得・期中株式数前提の違い等が影響している可能性がある。最新の会社開示での確認を推奨。
企業情報
銘柄コード | 6750 |
企業名 | エレコム |
URL | http://www.elecom.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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