1. 企業情報
住信SBIネット銀行は、日本において個人顧客および法人顧客向けに様々な銀行製品・サービスを提供する大手ネット銀行です。主な事業内容として、預金業務(定期預金、普通預金、外貨預金など)、貸付業務(住宅ローン、カードローン、オートローンなど)、ATM、振込、支払い、資産運用、不動産コンサルティングなどのサービスを提供しています。特に住宅ローン融資と「BaaS(Banking as a Service)」事業に強みを持っています。
特記事項: 株式会社NTTドコモによる公開買付け(TOB)が実施され、2025年9月25日に上場廃止となる予定です。
2. 業界のポジションと市場シェア
住信SBIネット銀行は、日本におけるネット銀行の主要プレイヤーの一つです。住宅ローン分野では大きな存在感を示しており、BaaS事業を通じて異業種との提携を積極的に進めることで、独自の競争優位性を構築しています。これは、デジタル化されたサービス提供とAPI連携を活用した新たな金融サービスの創出能力に由来します。
一方で、金融政策の変更(金利上昇など)に伴う資金調達コストの上昇や、他行との競争激化は事業運営における主な課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、従来の「デジタルバンク事業」と「BaaS事業」を統合し、「銀行業」として一体的に業績管理を行う方針を示しています。これは、金融政策や金利情勢の変化に対応し、事業モデルの柔軟性を高めるための戦略と説明されています。具体的な施策としては、住宅ローンを中心とした貸出金の継続的な拡大と、BaaS事業を通じた提携先の拡大およびサービス提供範囲の拡充が事業成長の軸として示唆されています。
4. 事業モデルの持続可能性
住信SBIネット銀行の収益モデルは、預金と貸出による利鞘獲得、およびBaaS関連の手数料収入が中心です。デジタルバンキングの需要増加に対応し、テクノロジーを活用することで顧客利便性を高め、顧客基盤を拡大する戦略は持続可能性が高いと考えられます。BaaS事業は異業種との連携を通じて、新たな収益機会の創出を目指しており、市場ニーズの変化への適応力が期待されます。ただし、金利環境の変化が資金調達コストに与える影響は常に注視が必要な要素です。
5. 技術革新と主力製品
ネット銀行として、同行はテクノロジーを活用したサービス提供を重視しています。API連携を通じたBaaS事業はその象徴であり、金融と他業界の融合を促進するFinTech戦略の中核を担っています。収益を牽引する主力製品は住宅ローンであり、貸出金残高の大部分を占めています。また、預金サービスも重要な顧客基盤となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は4,875.0円です。
– PER(会社予想): 21.62倍(業界平均:50.4倍)
– PBR(実績): 4.21倍(業界平均:0.3倍)
PERは業界平均と比較して低い水準ですが、PBRは業界平均を大幅に上回っています。これは、ネット銀行という事業モデルや高ROEの特性がPBRに反映されている可能性があります。
ただし、NTTドコモによるTOBが完了し、2025年9月25日に上場廃止が予定されているため、現在の株価はTOB価格(情報なし)に収斂していると推測され、一般的な企業価値評価モデルによる割安・割高の判断は限定的な意味合いとなります。
7. テクニカル分析
現在の株価4,875.0円は、年初来安値4,875円と同水準であり、年初来高値5,140円と比較すると、やや下落または横ばいの状態にあると考えられます。
しかし、2025年9月25日に上場廃止が予定されているため、通常のテクニカル分析(移動平均線や出来高など)は市場からの買付け・売付けによるものではなく、上場廃止に伴う整理売買やTOB価格へのサヤ寄せによるものと考えられ、投資判断の参考にはなりにくい状況です。提供された直近株価履歴の数値にも異常値が見られるため、信頼性のあるテクニカル分析は困難です。
8. 財務諸表分析
- 売上(経常収益): 過去数年間、堅実に成長しており、2025年3月期(予想)で806億円超、直近2026年3月期第1四半期も前年同期比+26.0%と高成長を継続しています。
- 利益(純利益): 過去数年間は増加傾向にありましたが、直近の2026年3月期第1四半期では、政策金利引き上げに伴う預金金利の上昇などにより資金調達費用が大幅に増加したため、前年同期比で△10.5%と減少しました。
- ROE(実績): (連)17.50%(過去12か月: 16.83%)と非常に高い水準であり、資本効率の良い経営を示しています。
- ROA(過去12か月): 0.24%であり、銀行業としては妥当な水準と考えられます。
- 自己資本比率(国内基準): 2025年6月末時点で7.28%と、銀行としての規制基準を満たしています。
- 不良債権比率: 0.04%と極めて低い水準を維持しており、貸出資産の健全性が非常に高いことを示しています。
- キャッシュフロー: 第1四半期のキャッシュフロー計算書は作成されていないため、評価はできません。
9. 株主還元と配当方針
2026年3月期の配当予想は0.00円と公表されており、前年の実績19.00円から大幅に減少しています。配当利回りも0.00%です。これは、NTTドコモによるTOB完了とそれに伴う上場廃止予定を考慮した方針変更と考えられます。自社株買いに関する情報は開示されていません。上場廃止が確定している状況では、通常の株主還元策は実施されないのが一般的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
現在株価は年初来高値5,140円に近い水準で推移していましたが、TOB発表後は、TOB価格に向けて株価が収斂する動きが一般的です。2025年9月25日に上場廃止が予定されているため、現在の市場での投資家関心は限定的であり、TOB価格が主な株価変動要因となります。政策金利の動向や住宅ローン市場の景況感も事業に影響を与える要因ですが、上場廃止を目前とした状況ではその影響は小さいと考えられます。
11. 総評
住信SBIネット銀行は、デジタルバンキングとBaaS事業を核に、特に住宅ローン分野で成長を続けてきた日本の主要なネット銀行です。貸出金・預金残高は着実に拡大し、高水準のROEと低い不良債権比率が示す通り、効率的かつ健全な事業運営を行っています。直近の四半期では、金利上昇による資金調達コスト増が利益を圧迫したものの、事業全体の成長軌道は維持されています。
しかし、2025年9月25日にNTTドコモによるTOBが完了し上場廃止が予定されている点が、最も重要な投資判断上の事実です。これにより、株価はTOB価格へ収斂し、一般的な企業評価や株価分析の有効性は著しく低下します。2026年3月期の配当予想が0円となっているのも、この非公開化プロセスに伴うものと推察されます。
12. 企業スコア
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成長性: A
LTM売上成長率約+9.5%、3年CAGR約+13.4%と売上は堅調に伸びており、直近四半期も+26.0%の経常収益成長を示しており、高い成長性が見られます。
– 収益性: S過去12か月の営業利益率は25.07%、ROEは16.83%(実績17.50%)と非常に高い水準を維持しており、資本を効率的に活用して利益を生み出しています。直近四半期の利益減少はあったものの、全体的な収益効率は優れています。
– 財務健全性: B国内基準の自己資本比率は7.28%であり、銀行として規制基準を満たしています。また、不良債権比率は0.04%と極めて低く、資産の質は非常に良好です。流動比率、D/E比率のデータは不足していますが、主要指標は健全性を保っています。
– 株価バリュエーション: CPER(会社予想)は21.62倍(業界平均50.4倍)と業界平均を下回りますが、PBR(実績)は4.21倍(業界平均0.3倍)と業界平均を大幅に上回っています。高ROEではPBRが高くなる傾向にありますが、業界平均との比較ではやや割高感があると言えます。ただし、上場廃止が決定している状況では、これらの指標の一般的な有効性は限定的です。
企業情報
銘柄コード | 7163 |
企業名 | 住信SBIネット銀行 |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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