8014 蝶理(Chori Co., Ltd.)企業分析レポート(2025-09-29時点)
以下は提供データに基づく客観的な整理です。投資判断を目的とした助言は行いません。不明点は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:繊維・化学品・機械を扱う専門商社。創業1861年の老舗で、東レの連結子会社。中国を含むグローバルで事業展開。
- 主な取扱分野
- 繊維:合成繊維原料・ポリエステル・ナイロン糸、生地(カジュアル/スポーツ/中東衣料)、衛材・生活資材、建材、自動車内装、ユニフォームほか
- 化学品:ウレタン、塗料・インキ・接着剤、樹脂・コンパウンド、化粧品原料、環境関連、LiB関連材料・電池原料、電子部材原料、肥料・農材、機能無機・金属材料、電解コンデンサ/セラミックコンデンサ原料、リン酸・リン化合物、アルミ熱交換器材 ほか
- ライフサイエンス:医薬・農薬原薬・中間体、機能性中間体、バイオ関連、食品・飼料添加物、サプリ原料、ヘルスケア製品、医療機器
- 機械:二輪・四輪・トラック等の輸送機器、農機・建機・産機の輸出
- 事業構成(連結、売上比率・営業利益率):繊維49%(営業利益率約5%)、化学品51%(約6%)、機械0%(約71%)等(会社区分情報より)
- 市場区分:東証プライム/卸売業
- 従業員:1,407人、平均年齢39.7歳、平均年収988万円
- 親会社:東レ(持株比率51.25%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:繊維・化学品に強みを持つ中堅専門商社。東レグループとの原料・素材調達や開発面でのシナジーが特徴。中国を含むアジアでの調達・販売ネットワークを保有。
- 競争優位の論点
- 差別化:繊維×化学の横断提案力、高付加価値材料(電池・電子材料、ライフサイエンス)までの拡張
- 調達力:東レを中心とした素材サプライヤーとの結び付き
- 財務健全性:自己資本比率63%と保守的なバランスシート
- 課題
- サイクル感応度:化学品市況、原材料価格、為替の影響
- 地域リスク:中国・欧州市況の弱含み(四半期で繊維・化学とも減収)
- 期ズレ・一過性要因:投資有価証券売却益や引当戻入など反動の影響
- 市場シェア:公表情報からは特定困難(—)
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画:「Chori Innovation Plan 2025」
- 方針:グローバルでの持続的成長、DX推進(新基幹システム稼働済)
- 重点領域(提供情報から読み取れる範囲)
- 高付加価値化学(パフォーマンスケミカル、電子・半導体材料)
- エネルギー・モビリティ(LiB関連材料、車載内装テキスタイル)
- ライフサイエンス(医薬・農薬・機能性食品領域)
- 繊維の機能化・用途拡大(スポーツ・衛材・産業用途)
- 2026年3月期1Qは通期予想を据え置き。ERP稼働、棚卸資産評価方法の変更(移動平均法へ)により業務・管理の迅速化を志向
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:薄利多売の卸売構造ながら、原料・素材から用途開発までの付加価値提案で粗利率の改善傾向(LTM粗利率約13.0%)
- 分散効果:繊維/化学の2本柱に加え、ライフサイエンスや車載・電子領域など複線化
- 適応力:市況や顧客需要の変動リスクはあるが、グローバル調達・販売網、在庫・与信管理、為替対応力が鍵。新基幹システム導入によりオペレーション強化の余地
5. 技術革新と主力製品
- 技術・商品領域:電池材料・電子材料、機能性化学、機能繊維・産業用資材、医薬・農薬原料など。川中での素材組み合わせ提案が特徴
- 収益牽引:
- 化学品:セグメント利益寄与が高い(1Qセグ利益構成比 約55%)
- 繊維:高機能衣料、車載内装向け等の堅調分野と、一般衣料の需給調整の影響を併存
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 前提(株価3,895円)
- 予想EPS:446.32円 → 予想PER ≈ 8.73倍(提供値一致)
- 実績BPS:3,711.65円 → PBR ≈ 1.05倍(提供値一致)
- 時価総額:約985.6億円、現金約217.7億円、借入約13.5億円 → EV ≈ 781億円
- LTM売上:3,115億円 → EV/S ≈ 0.25倍、LTM EBITDA:175億円 → EV/EBITDA ≈ 4.5倍
- 業界平均(卸売業・参考)
- PER:12.1倍/PBR:1.0倍
- 参考比較
- 予想PERは業界平均を下回る水準
- PBRは平均近辺
- 参考水準価格
- 業界PER適用:446.32円 × 12.1 ≈ 5,400円
- 業界PBR適用:BPS 3,711.65円 × 1.0 ≈ 3,712円
- 配当利回り(会社予想):約3.70%(配当144円、Payout比率トレーリング約30%)
7. テクニカル分析
- 現在値:3,895円
- 移動平均
- 50日線:3,916.8円(現値はわずかに下回る)
- 200日線:3,604.6円(現値は上回る)
- 52週レンジ:2,420円〜4,170円
- レンジ内ポジション:約84%地点(高値圏寄りだが直近高値は未更新)
- 直近の値動き(10日)
- 3,865→3,915→3,845→3,825→3,875→3,865→3,895→3,925→3,975→3,895
- 9/29は配当落ち日(Ex-Dividend)。前日比は-80円で、想定の配当落ち影響(中間72円)を含む動きと整合的
- 出来高:直近は3カ月平均(約18.2千株)と同程度~やや下回り
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:2022/3 284,096 → 2023/3 329,389 → 2024/3 307,699 → LTM 311,546
- 3年CAGR:約+3.1%、LTM YoY:約+1.3%
- 粗利:30,650 → 37,058 → 38,732 → 40,515(粗利率:10.8%→11.2%→12.6%→13.0%)
- 営業利益:9,329 → 12,657 → 15,040 → 14,493(営業利益率:3.28%→3.84%→4.89%→4.65%)
- 親会社純利益:6,811 → 8,124 → 9,624 → 11,658(純利益率:2.40%→2.47%→3.13%→3.74%)
- 四半期動向(2026/3期1Q、前年同期比)
- 売上 -7.0%、営業 -9.1%、純利益 -39.7%(前年の一過性利益反動・市況弱含み)
- 収益性指標(提供値)
- ROE(実績):13.39%、ROE(LTM):11.31%、ROA(LTM):6.36%
- EBITDAマージン(LTM):約5.6%
- 財務健全性
- 自己資本比率:63.0%(四半期資料では65.4%)
- 流動比率:2.59倍
- D/E(総負債/自己資本):約1.47%(実質ネットキャッシュ)
- コメント
- 中長期では粗利率・純利益率の改善傾向。直近四半期は外部環境・一過性反動で減速
- 与信・在庫・為替管理、およびERP導入による業務強化がマージン安定化に寄与する余地
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想):年144円(中間72円・期末72円)、予想利回り約3.7%
- 配当性向:トレーリング約30%(予想ベースでは約32%相当)
- 自己株式:発行済の約2.06%(信託保有分を含む扱いあり)
- 自社株買い方針:開示情報からは確認不可(—)
- 参考:5年平均配当利回り3.56%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:200日線上を維持しつつ、50日線近辺でのもみ合い。直近は配当落ち影響で調整
- 信用動向:信用買残11,200株(前週比▲1,600)、信用倍率3.20倍。やや買い長だが買い残は減少、売残は増加
- 流動性・保有構造:インサイダー(実質)58.5%、東レ51.25%保有、浮動株は限定的。機関保有22.3%。平均出来高は少なめでイベント時の値動き振れに留意
- ボラティリティ:β 0.13(5年)と相対的に低位
11. 総評(簡潔な整理)
- 事業:繊維・化学の二本柱にライフサイエンスや電池・電子材料などの成長領域を取り込み、多角化を進展
- 収益:粗利率は改善傾向、ROE二桁を維持。直近四半期は市況・一過性反動で減速
- 財務:ネットキャッシュ相当で自己資本比率60%超、流動性も厚く健全
- バリュエーション:予想PERは業界平均を下回り、PBRは平均並み。配当利回りは約3.7%
- テクニカル:52週レンジ上方で推移、配当落ちのテクニカル要因で短期調整を挟む形
- 主なリスク:化学市況・為替・原材料価格、地域(中国・欧州)需要、与信・在庫、地政学・通商政策
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上+約1.3%、3年CAGR約+3.1%。直近四半期は減収
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約13%、営業利益率約4.7%、ROE二桁。卸売業としては良好な水準
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率63%超、流動比率2.6倍、実質ネットキャッシュ
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PERが業界平均(12.1倍)を下回り、PBRは概ね平均並み。EV/EBITDA約4.5倍、EV/S約0.25倍
【補足データ(主要数値)】
– 株価:3,895円、時価総額:985.6億円、予想EPS:446.32円、実績BPS:3,711.65円
– 予想PER:8.73倍、PBR:1.05倍、EV/EBITDA:約4.5倍、EV/S:約0.25倍
– 配当:年144円、予想利回り約3.7%、配当性向(トレーリング)約30%
– 1Q(2026/3期):売上▲7.0%、営業▲9.1%、純利益▲39.7%(一過性反動含む)
– 自己資本比率:63.0%(四半期資料65.4%)、流動比率:2.59倍、D/E:約1.5%
(注)本資料は提供データの範囲で作成しています。記載の計算値は四捨五入等により原表と差異が生じる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 8014 |
企業名 | 蝶理 |
URL | http://www.chori.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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