イワキ(6237)企業分析レポート

(作成日:2025-09-29/株価:2,586円)
注:本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資助言ではありません。不明点は「–」としています。

1. 企業情報

  • 概要:薬液用ケミカルポンプを中心とする流体制御機器メーカー。シールレス構造のマグネットポンプ、定量(メータリング)ポンプ、空気駆動ポンプ、回転容積ポンプ、エアーポンプ、水質制御装置などを展開。多用途・多品種少量生産と耐食性材料・精密制御技術に強み。海外売上比率が高く、グローバルに展開。
  • 製品構成(売上構成の目安):マグネットP 33%、定量P 18%、空気駆動P 11%、回転容積P 7%、エアーP 6%、システム製品 6%、仕入商品他 20%(2025/3期、連結)
  • 海外売上比率:53%(2025/3期)
  • 従業員:1,137人、平均年齢42.6歳、平均年収679万円
  • 本社:東京都千代田区、設立:1956年

事業の一言要約:耐食性・精密制御を要する化学薬液用途のポンプ専業。水処理、半導体、医療・ライフサイエンス、産業装置向けなど幅広い市場に供給。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:ケミカルポンプの専業メーカーとして国内有力。シールレスのマグネット駆動や高精度定量吐出など、漏れリスク低減・耐食・微量制御に特化した領域で競争力。
  • 競争環境(定性的):国内外で多数の専業・総合ポンプメーカーが存在(例:定量ポンプやマグネットポンプの専業各社、欧米大手など)。用途・材質・吐出精度などニッチ毎に競争。正確な市場シェアは非開示。
  • 競争優位性(示唆):
    • 化学薬液・耐食材(フッ素樹脂・セラミックス)や精密制御の知見
    • 多品種少量生産・OEM対応、アフターマーケット(部品・保守)需要
    • シールレス構造による漏れ対策や保全性の評価
  • 課題:
    • 半導体・医療機器などサイクルの影響
    • 為替変動(海外売上53%)
    • 生産調整・在庫コントロールによる原価率変動

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期経営計画2027(2026-2028):ソリューション提案を軸に国内外で販売拡大。第1年度は「ソリューション営業」の展開を強化。
  • 重点分野(会社開示・第1Q補足より)
    • 水処理市場:米国を中心に拡大(第1Q:米国売上+24.3%、水処理+16.8%)
    • 定量(メータリング)ポンプ:第1Q売上+9.3%
    • 地域戦略:米国・アジア(除中国)拡大。中国・欧州の需要変動に対応
  • 施策(推定含む):
    • アプリケーション提案(薬液ハンドリングの安全・精密制御)
    • 海外販売網・代理店強化、OEM深耕
    • 原価改善、生産・在庫の適正化、製品標準化と設計共通化の推進

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:装置向けポンプ販売に加え、交換部品・保守などアフターマーケットの継続需要が見込まれるモデル。用途置換・更新や水処理規制強化等の構造ニーズも背景。
  • 需要変化への適応:
    • 半導体・医療などサイクル影響はあるが、水処理など比較的安定・政策連動の領域で補完
    • 多品種少量・耐食材対応によりニッチでの参入障壁を確保
  • リスク管理:為替・原材料(樹脂・金属)コスト、在庫・生産調整の巧拙が利益率に影響。第1Qは在庫払出・生産調整で原価率が上昇。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術の方向性:
    • マグネット駆動(シールレス)で漏れ防止・保全性向上
    • セラミックス・フッ素樹脂など耐食材の採用
    • 定量ポンプの高精度吐出、制御(ポンプコントローラ、脈動低減)
  • 代表的な製品群:
    • マグネットポンプ(樹脂・金属)、タービンポンプ
    • 定量(メータリング)ポンプ、回転容積(Hi-Cera等)、ギアポンプ、スクリューポンプ
    • 空気駆動ポンプ、ダイヤフラム/ベローズポンプ
    • 水質制御装置・関連アクセサリー
  • 収益牽引:
    • マグネットポンプ(構成比最大)
    • 定量ポンプ(水処理・薬液注入で堅調、1Qプラス成長)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価2,586円、EPS(会社予想)216.45円、BPS 1,680.64円
  • 指標比較
    • PER(予想):約11.9倍(業界平均16.6倍)
    • PBR(実績):約1.54倍(業界平均1.4倍)
    • 配当利回り(予想):約2.9%(年間配当76円、Payout約31%)
    • EV/EBITDA(LTM概算):約6.6倍(EV≈5,337億円? → 53,370百万円、EBITDA≈8,154百万円)
    • EV/Sales(LTM概算):約1.16倍
  • 所感(定量比較):
    • PERは業界平均を下回り、PBRはわずかに上回る水準
    • ネットキャッシュ(現金8.35B−有利子負債3.38B)で財務余力あり

7. テクニカル分析

  • 位置づけ:年初来高値2,827円に対し約−8.5%、年初来安値1,579円に対して約+64%の水準
  • 移動平均:50日線2,580円近辺、200日線2,425円。株価は50日線付近かつ200日線上
  • 直近動向:9/26の2,682円から9/29は2,586円へ反落。出来高は7,100株と10日平均(約20.7千株)を下回る
  • その他:本日が配当落ち日(9/29)で短期的な価格変動要因

8. 財務諸表分析(通期は百万円)

  • 売上高推移:32,440(2022)→37,730(2023)→44,539(2024)→45,763(LTM・2025基準)
    • 3年CAGR:約+12%/LTM YoY:約+2.7%
  • 収益性
    • 粗利率:34.0%(2022)→34.3%(2023)→41.2%(2024)→40.4%(LTM)
    • 営業利益率:6.6%(2022)→6.0%(2023)→12.3%(2024)→12.8%(LTM)
    • 当期純利益率:7.4%(2022)→11.3%(2023)→10.0%(2024)→9.8%(LTM)
    • EBITDAマージン(LTM):約17.8%
  • 効率・資本性
    • ROE(実績):約12.5%/ROA(LTM):約6.9%
    • 自己資本比率:70.0%(期末)/流動比率:約338%(1Q)
    • D/E(総負債/自己資本):約9%(低水準)
  • 四半期(2026/3期1Q)
    • 売上:+0.2% YoY、営業利益:−10.2% YoY(在庫払出・生産調整の影響で原価率上昇)
    • 地域:米国堅調、中国・欧州は弱含み
    • 市場:水処理が牽引、半導体・医療関連は調整
  • キャッシュフロー:—(1Qは未開示)

9. 株主還元と配当方針

  • 2025/3期配当:年間70円(中間25円、期末45円)
  • 2026/3期会社予想:年間76円(中間35円、期末41円)
  • 予想配当性向:約31%(データ提供値)
  • 自己株式:1Q末で約33.4万株(1.48%程度、短信は333,893株)
  • 自社株買い:—(直近は譲渡制限付株式報酬の自己株式処分を実施)
  • 方針:—(一般に安定配当志向とみられるが、詳細方針は—)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週騰落率 −6.9%(参考指標比で弱め)、直近は配当落ち・出来高減の中で短期反落
  • ボラティリティ:5年β 0.08(低い)
  • 流動性:発行株式2,249万株、フリーフロート約854万株、3カ月平均出来高約18.8千株と限定的
  • 保有構造:インサイダー保有約51%・機関保有約12%(浮動株が少なく価格形成に特徴)
  • 信用動向:信用買残12.2千株、売残2.6千株、信用倍率4.69倍(前週比ほぼ不変)

11. 総評

  • 事業面:耐食・漏れ対策・精密定量といったケミカルポンプの中核ニーズに沿った製品群を有し、アフターマーケットも取り込めるモデル。中計ではソリューション営業と海外(水処理)強化が柱。
  • 業績面:3年CAGRは二桁成長、直近LTMは伸びが鈍化。1Qは在庫・生産調整で原価率上昇し営業利益が減少。地域・市場で強弱が混在(米国・水処理好調、半導体・中国・欧州は調整)。
  • 財務面:自己資本比率70%、D/E約9%、流動比率約338%と保守的で余力がある。
  • バリュエーション:PERは業界平均を下回る一方、PBRはやや上回る。ネットキャッシュを踏まえると全社価値倍率は落ち着いた水準。
  • リスク:為替、半導体サイクル、原材料費、在庫・生産調整の進捗。需要の地域偏在にも留意。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A

根拠:LTM売上YoY +2.7%、3年CAGR約+12%。直近期は鈍化も、中期では拡大実績。
– 収益性:A

根拠:粗利率約40%、営業利益率約13%、EBITDA率約18%、ROE約12.5%。
– 財務健全性:S

根拠:自己資本比率約70%、流動比率約338%、D/E約9%(ネットキャッシュ)。
– 株価バリュエーション:A

根拠:PERは業界平均を下回る、PBRは小幅上回り。EV倍率も落ち着いた水準。赤字ではないためPER中心に評価。
参考データ
– 株価関連:年初来高値 2,827円/年初来安値 1,579円/50日移動平均 2,580円/200日移動平均 2,425円
– 会社予想(2026/3期):売上 48,439百万円、営業利益 6,159百万円、純利益 4,788百万円、EPS 215.82円、配当 76円
– 直近四半期(2026/3期1Q):売上 11,246百万円(+0.2%)、営業利益 1,285百万円(−10.2%)
– 重要日程:配当落ち日 2025/9/29(本日)

ご要望があれば、中期計画の数値目標や市場別・製品別の詳細推移、原価率の感応度分析なども追加で整理します。


企業情報

銘柄コード 6237
企業名 イワキポンプ
URL http://www.iwakipumps.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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