1. 企業情報
株式会社グッドパッチは、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)デザインコンサルティングを主要事業とする企業です。企業向けにアプリやウェブサイトのデザイン支援から、ビジネスモデルデザイン、ブランド体験デザイン、組織デザイン、ソフトウェア開発まで多岐にわたるサービスを提供しています。
事業は大きく「デザインパートナー事業」と「デザインプラットフォーム事業」の2つに分かれています。デザインパートナー事業(売上構成比約91%)は、企業と共同でプロジェクト形式の戦略デザインやUI/UXデザインを支援するものです。デザインプラットフォーム事業(売上構成比約9%)には、デザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、フルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」、オンラインホワイトボードツール「Strap」、プロトタイピングツール「Prott」などがあります。日本に加え、欧州にも展開しており、サイバーエージェントや丸井グループといった国内大手企業との提携実績も持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
グッドパッチは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進やAI活用需要の高まりに伴い、重要性が増しているデザイン・UX領域に特化したサービスを提供しています。
* 競争優位性:
* UI/UXデザインにおける高い専門性と実績。
* 「Goodpatch Anywhere」を通じた国内外の多様なデザイナーリソース活用による柔軟なプロジェクト体制。
* デザインパートナー事業で培ったノウハウをプラットフォーム事業に展開し、多角的なサービスを提供できる事業モデル。
* 大手企業との提携実績による信頼とネットワーク。
* 課題:
* DX・UX領域は成長市場であるため、競合他社の参入も多く競争が激化している点。
* 継続的な成長のためには、優秀なデザイナー人材の確保と育成が不可欠である点。
* デザインプラットフォーム事業の収益性をさらに高め、スケールアップしていく必要がある点。
(注:決算短信内では、競合他社比較や市場シェアに関する具体的な定量データは開示されていません。)
3. 経営戦略と重点分野
グッドパッチは「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、事業を推進しています。
* ビジョン・戦略:
* デザインパートナー事業の強み(戦略デザイン、UI/UX、ブランド体験)を基軸とし、引き続き受注拡大とプロジェクト単価の向上を目指す。
* デザインプラットフォーム事業を通じてデザイン支援を補完し、シナジー効果を創出しながら事業のスケールと収益化を加速させる。
* 中期経営計画の具体的な施策・重点分野:
* デザインパートナー事業における平均顧客数および月額平均顧客単価の継続的な拡大。
* デザインプラットフォーム事業では、「ReDesigner」の登録者数・契約数の増加、「Strap」の機能開発と導入拡大による損失幅の縮小と売上増加。
* デザイナーの採用・育成を強化し、高度なデザインスキルを持つ人材基盤を拡充。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、近年の市場ニーズと合致しており、持続可能性が高いと考えられます。
* 収益モデル:
* デザインパートナー事業は、企業からのプロジェクト受託によるフィー収入を主体とし、顧客企業との長期的な関係構築を通じて安定的な収益基盤を形成。
* デザインプラットフォーム事業は、サブスクリプション型SaaSツール(Strap)や人材紹介サービス(ReDesigner)による定常的な収益源の確立を目指しており、今後スケールメリットを享受できる可能性があります。
* 市場ニーズの変化への適応力:
* グローバル全体で企業DXやデジタルサービスにおけるUI/UXの重要性が高まっており、同社の専門性が高く評価される市場環境が継続。
* リモートワークの普及に対応する「Goodpatch Anywhere」のような事業展開は、市場の変化に適応する柔軟性を示しています。
* 決算短信では、投資有価証券の大幅な増加が示されており、将来的な事業拡大に向けた投資意欲も伺えます。
5. 技術革新と主力製品
グッドパッチの強みは、単なる表面的なデザインだけでなく、ユーザー体験を第一に考えたビジネス課題解決を行う点にあります。
* 技術開発の動向・独自性:
* UI/UXデザイン、ビジネスモデルデザイン、ソフトウェア開発を統合したサービス提供は、顧客企業の複雑な課題に対して一気通貫で対応できる独自性を持っています。
* AIなどの先端技術の進化がデザインプロセスやプロダクト開発に与える影響に対応し続けることが、今後の技術革新における焦点となると考えられます。
* 収益を牽引する製品・サービス:
* デザインパートナー事業: 収益の大部分を占める主力事業であり、戦略デザインやUI/UXデザインコンサルティングが売上を牽引しています。
* ReDesigner (デザインプラットフォーム事業): デザイナー特化型の人材支援サービスとして、デザイナー不足に悩む企業と優秀なデザイナーのマッチングを支援し、事業拡大を目指しています。
* Strap (デザインプラットフォーム事業): オンラインホワイトボードツールとして、リモート環境での共創を支援し、導入企業を増やしています。
6. 株価の評価
現在の株価858.0円に基づき、各種指標を評価します。
* PER(株価収益率):
* 現在の株価: 858.0円
* EPS(会社予想、連結): 41.57円
* PER: 858.0円 ÷ 41.57円 = 20.64倍
* 業界平均PER: 25.7倍
* 評価: 業界平均PERと比較して、割安な水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率):
* 現在の株価: 858.0円
* BPS(実績、連結): 467.81円
* PBR: 858.0円 ÷ 467.81円 = 1.83倍
* 業界平均PBR: 2.5倍
* 評価: 業界平均PBRと比較して、割安な水準にあります。
7. テクニカル分析
現在の株価858.0円と関連指標を確認します。
* 年初来高値: 1,015円
* 年初来安値: 443円
* 52週高値: 1,015円
* 52週安値: 365円
* 50-日移動平均線: 870.86円
* 200-日移動平均線: 675.48円
現在の株価858.0円は、52週高値1,015円からは下回っていますが、52週安値365円からは大幅に上昇した水準にあります。また、50日移動平均線(870.86円)に近づく一方で、200日移動平均線(675.48円)を大きく上回って推移しています。このことから、中長期的には上昇トレンドが継続している可能性を示す一方で、短期的にはやや上値が意識される局面にあるとも考えられます。
(注:提供された直近10日間の株価履歴は2025年4月のものであり、現在の株価および移動平均線との整合性がないため、ここでは参照していません。)
8. 財務諸表分析
過去数年間の財務諸表データと直近の決算短信に基づいて評価します(単位:千円)。
* 売上高:
* 2021年8月期: 2,741,275
* 2022年8月期: 3,724,512 (YoY +35.9%)
* 2023年8月期: 3,928,524 (YoY +5.5%)
* 2024年8月期: 3,942,967 (YoY +0.37%)
* 過去12か月: 4,346,840 (実質YoY +10.2% 2024年8月期比)
* 2025年8月期第3四半期累計: 3,835,052 (前年同期比 +27.8%)
* 年度を通して売上成長率は変動がありますが、直近の第3四半期累計期間では高い成長率を示しています。
* 利益:
* 営業利益: 2021年(406,211) → 2022年(394,155) → 2023年(298,630) → 2024年(34,526) → 過去12か月(288,557)
* 親会社株主に帰属する純利益: 2021年(327,653) → 2022年(72,538) → 2023年(216,039) → 2024年(11,532) → 過去12か月(200,653)
* 2024年8月期は利益が大きく減少しましたが、過去12か月分および2025年8月期第3四半期累計(509,442千円)では大幅な改善が見られます。
* キャッシュフロー:
* (決算短信より、2025年8月期第3四半期累計の連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため評価不可)
* ROE (自己資本利益率):
* 実績(2024年8月期): 0.28%
* 過去12か月: 9.00%
* 2024年8月期は低水準でしたが、過去12か月では改善傾向にあります。
* ROA (総資産利益率):
* 過去12か月: 6.50%
* 徐々に資産を効率的に活用し始めていることを示唆します。
* 自己資本比率:
* 実績(2024年8月期): 82.4%
* 2025年5月31日時点: 79.6%
* 極めて高い水準を維持しており、財務基盤は非常に強固です。
* 流動比率:
* 2025年5月31日時点: 3.93倍 (392.7%)
* 高い水準であり、短期的な支払い能力に問題はありません。
* D/E比率 (負債資本倍率):
* 2025年5月31日時点: 6.96%
* 負債が少なく、財務リスクは低い状態です。
9. 株主還元と配当方針
グッドパッチは、株主還元にも取り組む姿勢を見せています。
* 配当:
* 1株配当(会社予想): 10.00円 (2025年8月期予想)
* 配当利回り(会社予想): 1.17% (株価858.0円、配当10.00円に基づく)
* 決算短信では2025年8月期の年間配当予想が9.00円とされていますが、本分析では提示データ「1株配当(会社予想):10.00円」を適用しています。同社にとって初の配当実施となると考えられます。
* 配当性向: 0.00% (過去の実績配当がなかったことによる。)
* 自社株買い:
* 2025年8月期第3四半期累計期間において、自己株式の取得(338,500株取得等)を実施しており、株主還元策の一つとして自社株買いも行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動傾向:
- 52週変化率: 129.74% (市場平均であるS&P 500の15.29%を大きく上回る)
- ベータ値 (5年月次): 0.66 (市場全体の動きに比べて株価の変動が穏やかであることを示唆)
- 過去1年間で株価は大幅な上昇を遂げており、強い上昇モメンタムが見られます。
- 投資家関心:
- 52週高値から大きく上昇していることや、初の配当実施の予定は投資家の注目を集める要因と考えられます。
- 信用買残は218,200株、信用売残は0株となっており、売りがほとんどない中で買いが優勢な状況です。信用倍率0.00倍というのも売りがないことを示唆します。これは、今後の株価上昇を期待する投資家心理が強い可能性を示します。
- アナリストや個人投資家向けの決算説明会を実施する予定があり、積極的な情報開示によって投資家関心の維持、向上に努めていると考えられます。
11. 総評
グッドパッチは、UI/UXデザインとDX支援を専門とする企業であり、成長市場で事業を展開しています。中核であるデザインパートナー事業が堅調に推移し、直近の2025年8月期第3四半期累計では売上高と営業利益が大幅に改善しました。これは、企業のDX投資の拡大やUI/UXデザインの重要性認識の高まりを背景に、同社の専門性が市場で高く評価されていることを示唆しています。
財務健全性は非常に高く、潤沢な自己資本と流動性の高さが特徴であり、企業の安定性を示す大きな強みです。株価評価の面では、PER・PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあり、また初の配当実施と自社株買いによる株主還元姿勢も評価されるポイントでしょう。
株価は過去1年で大きく上昇しており、強いモメンタムを伴っています。テクニカル指標からは中長期的な上昇トレンドにあることが伺えます。
一方で、デザインプラットフォーム事業のさらなる収益化とスケールアップ、そして競争が激しいデザイン・DX市場での優秀なデザイナー人材の確保と育成が、今後の持続的な成長に向けた鍵となります。これらの課題への対応が、今後の企業価値向上に影響を与えると考えられます。
12. 企業スコア
以下の4観点から5段階評価(S, A, B, C, D)を行います。
* 成長性:
* LTM売上成長率(YoY vs 2024年8月期): +10.2%
* 2025年8月期第3四半期累計売上成長率(前年同期比): +27.8%
* スコア: A (直近の高い売上成長率を評価)
* 収益性:
* 粗利率(過去12か月): 57.9%
* 営業利益率(過去12か月): 6.6%
* 営業利益率(2025年8月期第3四半期累計): 13.3%
* EBITDA率(過去12か月): 9.2%
* スコア: A (高い粗利率と直近の顕著な利益改善を評価)
* 財務健全性:
* 自己資本比率(2025年5月31日): 79.6%
* 流動比率(2025年5月31日): 3.93倍
* D/E比率(2025年5月31日): 6.96%
* スコア: S (非常に高い自己資本比率と流動比率、低い負債比率を評価)
* 株価バリュエーション:
* PER(会社予想): 20.64倍 (業界平均25.7倍に対し割安)
* PBR(実績): 1.83倍 (業界平均2.5倍に対し割安)
* スコア: A (業界平均と比較して割安な水準にあることを評価)
企業情報
銘柄コード | 7351 |
企業名 | グッドパッチ |
URL | https://goodpatch.com/ |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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