トレンドマイクロ(4704)企業分析レポート
最終更新: 2025-09-29 10:47
本レポートは公開情報とご提供データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要: エンドポイント、クラウド、ネットワーク、メール、OT/ICSなどをカバーする総合セキュリティを提供。統合プラットフォーム「Trend Vision One」、XDR(拡張検知・対応)、Attack Surface Management、Managed XDR、インシデントレスポンス等を展開。コンシューマ向けは「ウイルスバスター」を中心に、ID保護やスパム対策、VPN等も提供。
- 事業構成: Business(法人)約80%、Home(個人)約20%/海外売上比率約69%(2024.12)
- 特徴: 法人用ウイルス対策ソフトで国内首位クラス。世界的にも高いシェア。統合XDRプラットフォームへの移行を加速。
- 基本情報: 設立1989年、従業員数6,813人、平均年齢40.3歳、平均年収900万円、本社:東京都新宿区
- 総還元性向: 100%(会社方針として掲示)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 日本の法人向けエンドポイントセキュリティで強固な地位。グローバルでも主要ベンダーの一角。長年の脅威インテリジェンス、幅広いプロダクト、サポート体制が強み。
- 競争優位性:
- 幅広いカバレッジ(エンドポイント~クラウド~メール~OT/ICS)
- 統合XDRプラットフォーム(Vision One)によるクロスドメイン可視化と対応力
- 大規模インストールベースを背景にした更新収益とクロスセル
- 課題:
- 次世代エンドポイントやSASE/ZTNA等での先進ベンダー・ハイパースケーラーとの競合
- 米州での需要変動・為替の影響
- 個人向けでの決済システム要因など一時的な機会損失
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略:
- 法人向け統合プラットフォーム(Trend Vision One)とXDRへの集中
- AI活用の次世代SOC、Managed XDR/IRサービス強化
- クラウド/コンテナ/メール/OTの横断防御と攻撃面管理(ASM)
- サブスクリプション・更新契約の拡大(ARRの安定化)
- 中期施策(資料要旨に基づく方向性):
- コスト最適化(人件費・クラウドコストなど)と利益率の維持向上
- 地域別強化:日本・欧州での伸長継続、米州の需要変動への機動対応
- 為替前提の適正化と外部環境(通商・地政学)へのリスク管理
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: サブスクリプション/メンテナンスを軸とするリカーリング収益。繰延収益が業績の安定性を高める構造。
- 適応力:
- XDR/クラウド/AIへのシフトで製品構成を進化
- マネージドサービスやIRで付加価値の高い運用領域に展開
- 留意点: 生成AIやゼロトラストなど技術変化が速く、継続的なR&D/製品統合が必要。米州需要・為替による短期変動に注意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- Vision Oneによるクロスレイヤーの検知・レスポンス、脅威インテリジェンスの活用
- AI/機械学習を用いたSOC高度化、Managed XDR/IRの運用最適化
- 主力領域:
- 法人: XDR、クラウドワークロード/コンテナ、メール、エンドポイント、ネットワーク、OT/ICS
- 個人: ウイルスバスター、ID保護、モバイル/PC向けセキュリティスイート
- 収益牽引: 事業構成比から法人分野が中心。地域別では日本・欧州が直近期は増収寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 8,120円(時価総額 約1.145兆円)
- 会社予想EPS: 229.92円 → 予想PER 約35.3倍(提供値: 35.33倍)
- TTM EPS: 233.52円 → TTM PER 約34.8倍
- BPS(実績): 830.82円 → PBR 約9.78倍(提供値: 9.78倍)
- 配当:
- フォワード年間配当: 240円 → 予想利回り 約2.94%
- トレーリング配当: 184円 → 後追い利回り 約2.25%
- 会社方針: 総還元性向100%、Payout Ratio(参考)約78.8%
- 業界平均との比較(参考):
- 業界平均PER: 23.2倍、業界平均PBR: 2.3倍
- 比較上、PER/PBRは業界平均より高い水準
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均: 約8,496円、200日移動平均: 約9,523円
- 現在値は50日・200日移動平均を下回る水準
- 位置づけ:
- 52週高値: 12,160円/52週安値: 7,731円
- 現在値は安値比+約5%、高値比-約33%のレンジ内
- 出来高・センチメント:
- 平均出来高(3カ月)約72.3万株、直近10日平均約110万株(流動性は直近増加)
- 信用買残277,600株(前週比-18,400)、信用売残50,000株(前週比+24,400)、信用倍率5.55倍
8. 財務諸表分析
- 売上高の推移(百万円)
- 2021: 190,359 → 2022: 223,795 → 2023: 248,691 → 2024: 272,638 → LTM: 272,013
- 3年CAGR(2021→2024): 約+12〜13%
- 直近四半期YoY成長: -3.2%
- 収益性
- 売上総利益率(2024): 約76.2%(207,657/272,638)
- 営業利益率: 2024 約17.6%、LTM 約20.3%
- EBITDA(2024): 77,033 → EBITDAマージン約28%
- ROE(実績): 20.89%、ROE(LTM): 28.87%、ROA(LTM): 8.65%
- 損益計(百万円)
- 営業利益: 2021 43,641 → 2022 31,340 → 2023 32,602 → 2024 48,106 → LTM 52,143
- 親会社純利益: 2021 38,367 → 2022 29,843 → 2023 10,731 → 2024 34,358 → LTM 30,799(為替等で変動あり)
- キャッシュフロー/財政状態
- 営業CF(LTM): 54,130百万円、レバードFCF(LTM): 26,560百万円
- 現金等(直近Q): 211,540百万円、流動比率 約1.15
- 自己資本比率: 29.2%(繰延収益等が負債側に存在するソフトウェア企業特有の構造)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2024年: 期末184円(年間184円、中間0円)
- 2025年予想: 期末未定(フォワード年間配当240円のコンセンサス情報あり)
- 権利落ち日: 2024-12-27
- 自己株式/買戻し:
- 自己株式比率: 約6.42%(9,051,334株)
- 方針:
- 総還元性向100%を掲げ、配当と自社株買いを組み合わせた還元の実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 200日線を下回る局面が継続。52週レンジ下限に近い位置で推移。
- 需給:
- 信用買残減少・売残増加(直近週)などポジション調整の動きが観測される一方、短期の出来高は増加。
- 価格要因(例示):
- 米州の需要動向や為替(USD/JPY想定147など会社見通し)
- 個人向け決済周りの一時的要因解消スケジュール
- サイバー脅威動向、生成AI関連の新製品・SOC運用の成果
- 2025/8/7の決算発表予定
11. 総評
- 長所:
- 高い売上総利益率と安定的なリカーリング収益構造
- 統合XDR/クラウド/AIドリブンの製品ポートフォリオ
- 3年CAGRで見ると売上成長は堅調、営業利益もLTMで回復
- 留意点:
- 直近期は米州中心の需要変動・為替で売上・純利益が揺れやすい
- 自己資本比率は30%弱と高くはない一方、現金水準は厚い
- バリュエーションは業界平均比で高い指標水準
- まとめ:
- 中期的にはVision One/XDRとAI/SOCを軸にした拡大が注力テーマ。短期は地域需要と為替、個人向けの一時要因の解消ペースが注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 理由: 3年CAGR約+12〜13%と高水準。一方でLTM・四半期YoYは軟化。
- 収益性: A
- 理由: 売上総利益率約76%、LTM営業利益率約20%と高い水準。
- 財務健全性: B
- 理由: 自己資本比率29.2%、流動比率1.15と中立水準。現金残高は大きく、FCFプラス。
- 株価バリュエーション: C
- 理由: PER約35倍、PBR約9.8倍と業界平均(PER23.2倍・PBR2.3倍)比で高い水準。
【参考データ(抜粋)】
– LTM売上: 272.0bn円/LTM営業利益率: 20.28%/LTMROE: 28.87%/自己資本比率: 29.2%
– 予想EPS: 229.92円/TTM EPS: 233.52円/BPS: 830.82円
– 50DMA: 8,495.98円/200DMA: 9,522.86円/52週高安: 12,160円・7,731円
– フォワード配当利回り: 約2.94%/総還元性向: 100%
企業情報
銘柄コード | 4704 |
企業名 | トレンドマイクロ |
URL | http://www.trendmicro.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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