1. 企業情報
- 概要:圧力計・圧力センサの大手。機械式圧力計はグループで世界シェア首位。自動車、産業機械、HVAC、半導体、プロセス計装、医療、海運・鉄道、高圧水素・ガス・新エネルギー等に展開。維持校正サービスも提供。
- 事業構成(連結、売上構成比とセグメント利益率の目安)
- 圧力計 53%(利益率約8%)
- 圧力センサ 31%(利益率約20%)
- 計測制御機器 6%(利益率約7%)
- ダイカスト 8%(利益率約-1%)
- その他 3%(利益率約7%)
- 海外売上比率:57%(2025/3期)
- 従業員:2,417人、本社:東京都大田区
- 特徴:世界最大級の電子圧力センサー工場、幅広い圧力・差圧・温度の計測ラインアップ、校正・メンテまで含むトータル提供
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:機械式圧力計で世界シェア首位。幅広い産業に顧客基盤を保有し、一定の参入障壁(品質・信頼性・認証・アフターサービス)が存在。
- 競争優位性
- 製品レンジの広さ(機械式〜デジタル・差圧・送信器・校正機器)
- グローバル供給体制と大口顧客対応力(自動車・産機)
- アフターマーケット(校正・保守)のストック性
- 課題
- 半導体設備投資や自動車サイクルの変動影響
- 価格競争(中国メーカー等)と為替感応度
- デジタル化・IoT対応の加速と差別化継続
3. 経営戦略と重点分野
- 生産能力強化:圧力センサ素子の加工・研磨能力増強(丸子電子機器工場でダイアフラム加工棟を増設、2025年9月稼働予定)。生産棟の新設も検討。
- 重点市場:自動車・産機・HVACに加え、高圧水素・ガス・新エネルギーなど成長領域の深耕。
- 収益改善:ダイカスト・計測制御機器は収益改善を継続(2026/3期1Qで黒字化・損益改善を確認)。
- 中期計画:数値目標の明示はデータ上なし。生産性向上・事業拡大への投資が中長期方針と整合。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:機器販売(新設・更新)に加え、校正・メンテナンスの継続収益。広い産業分散と海外比率の高さが景気変動の平準化に寄与。
- 需要構造:規制・安全要件に根差した計測需要は底堅い一方、半導体・自動車など景気感応分野のボラティリティは残る。
- 適応力:センサ増産投資、デジタル計測・差圧・高圧領域の拡充など、技術・生産の両面で対応力を高める動き。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:高精度圧力・差圧センサ、デジタル指示計、FBG(ファイバブラッググレーティング)センサ・データロガー、プログラマブル圧力コントローラ等。
- 独自性:機械式・電子式のフルライン、厳格な校正・検査機器群、過酷環境・高圧(水素等)対応技術。
- 収益牽引:高付加価値の圧力センサが高い利益率(目安20%)。機械式圧力計は規模と顧客基盤が強み。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 株価:2,061円、時価総額:約400.9億円
- 予想PER:7.73倍(業界平均約21.1倍)
- PBR:0.88倍(業界平均約1.8倍)
- 予想EPS:266.97円、実績BPS:2,354.91円
- EV/Sales(LTM):約0.63倍(EV≒438.6億円、売上≒695億円)
- 参考比較(機械的計算、前提差に注意)
- 業界平均PER水準(21.1倍)を仮適用すると理論比較値:約5,633円=266.97円×21.1
- PBR=1.0倍基準の簿価比較:約2,355円(=BPS)
- 補足:LTM EPS(約316.9円)基準では参考PER約6.5倍。特別要因を除く正規化利益はやや低め(Normalized Income参照)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値2,061円は50日線2,058.7円、200日線2,031.0円近辺で中立圏。年初来高値2,506円からは下方、年初来安値1,531円からは上方。
- 直近推移(10日):2,030〜2,096円のレンジで推移、出来高はやや増加日散見。9/29の権利落ち影響を反映。
- 信用動向:信用買残196千株、売残188千株、倍率1.04倍で拮抗。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:54,953百万円(2022/3)→60,544(2023/3)→67,936(2024/3)→69,545(2025/3)で3年CAGR約8.1%、直近期(LTM)YoY約+2.4%。
- 2026/3期1Qは売上-6.2%YoY、営業-22.3%YoYと減速。
- 収益性(LTMベースの目安)
- 粗利率:約32%(22,218/69,545)
- 営業利益率:約11%(7,653/69,545)
- 当期純利益率:約8.7%(6,055/69,545)
- ROE(実績):14.49%、ROA(LTM):約6%
- セグメント:圧力センサが高採算、ダイカストは黒字化の途上。
- キャッシュ・財務
- 自己資本比率:58.8%(1Q末59.8%に改善)
- 流動比率:約2.18倍、Net Debt≒有利子負債144億−現金106億=約38億円
- D/E:約31%(直近四半期)
- 特記事項
- 2025/3期は一過性項目(Total Unusual Items 約13.6億円)計上。2026/3期1Qでも固定資産売却益(5.71億円)計上。正規化利益(Normalized Income)は報告純利益を下回る。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年48円(中間24円・期末24円)、予想配当利回り約2.33%
- 配当性向:概ね14%(参考データ)
- 5年平均利回り:約1.92%(参考)
- 自社株:自己株式比率約1.0%(329,906株)。現時点で大規模な自己株買いの明示はデータ上なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週変化率 -18.33%で市場平均を下回る推移。直近はレンジ内で方向感に欠ける。
- ボラティリティ:5年β 0.18と低位。ディフェンシブ性が示唆。
- 投資家構成:インサイダー約23%、機関投資家約23%。浮動株は約1,530万株。
- 催事:次期決算スケジュールは別途開示に留意。
11. 総評
- 概観:機械式圧力計で世界首位、圧力センサの高採算とアフター市場を併せ持つ。海外比率が高く、顧客・用途の分散が効いている。
- 直近業績:半導体・自動車・産機の調整で短期的に減速。一方でセンサ増産投資や収益性の底上げ施策が継続。
- 財務:自己資本比率約59%、流動比率2倍超で健全。ネット有利子負債は軽め。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を下回り、EV/Sも低水準。簿価や同業平均との単純比較では保守的な水準。もっとも、需要サイクル・地域/製品ミックス・一過性損益の影響には留意が必要。
- テクニカル:中期移動平均線近辺で中立圏。権利落ち通過後も明確なトレンドは未形成。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 理由:LTM売上YoYは緩やか(+2%台)だが、3年CAGR約8%と良好。足元1Qはマイナス成長のため最上位は見送り。
- 収益性:A
- 理由:粗利率約32%、営業利益率約11%、ROE約14〜15%。センサ高採算が貢献。
- 財務健全性:S
- 理由:自己資本比率約59%、流動比率2.18倍、D/E約31%で保守的なバランスシート。
- 株価バリュエーション:S
- 理由:PER7.7倍、PBR0.88倍、EV/S約0.63倍と業界平均を大幅に下回る水準。赤字ではなく、複数指標で割安度を示唆。
出所:提供データ(決算短信、株価・指標、財務数値等)を基に作成。数値は百万円未満の差異や期間の違いにより整合しない場合があります。特別損益等は可能な限り除いて評価していますが、全てを反映できない場合があります。
企業情報
銘柄コード | 7715 |
企業名 | 長野計器 |
URL | http://www.naganokeiki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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