エフピコ(7947)企業分析レポート(株価:2,573円)
本資料は情報提供を目的とした企業分析であり、投資勧誘や投資判断の助言ではありません。数値は提示データに基づき整理しています。
1. 企業情報
- 概要:食品トレー・弁当・惣菜用の簡易食品容器で国内最大手。PS(ポリスチレン)や複合樹脂の容器製造・販売に加え、関連包装資材の販売、店頭回収によるリサイクル(トレーtoトレー/ストアtoストア)を展開。新素材開発や軽量化などの技術力を強み。
- 顧客:スーパーマーケット、量販店、食品小売・コンビニ各社。
- 事業構成(売上構成、2025.3):トレー容器19%、弁当・惣菜容器56%、他製品2%、包装資材22%、他商品1%。
- 従業員:5,430人/平均年齢 42.1歳/平均年収 746万円。
- 本社:広島県福山市。創業1962年。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:食品トレー・弁当容器の国内最大手。「回収→再生→再製品化」の循環スキームを全国規模で構築しており、量販・生鮮売場と強固な取引関係。
- 競争優位性:
- 全国回収網(2025/6末:116社・3,500店舗超)と再生材活用ノウハウ。
- 軽量化・エコ製品の拡販(枚数ベースでエコ製品構成比53%、2026期1Q)。
- 価格改定の実行力と製造自動化。
- 課題:
- 原材料(石化系樹脂)価格・物流費・人件費の上昇。
- 物価高下での買い上げ点数低下(特にコンビニ)、数量面の伸びが鈍化しやすい。
- プラ削減など制度対応の継続必要性。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針:循環型モデルの深化(ストアtoストア/トレーtoトレー)、軽量化・エコ素材の拡大、コスト最適化と自動化投資。
- 重点施策:
- エコトレー/エコAPET・OPETの構成比拡大。
- 新素材(新OPPシート/新OPP積層プレート)の事業化準備、新事業部発足(2025年4月)。
- 茨城県坂東市で新工場検討(稼働目標:2027年後半)。
- 海外(マレーシアLSSPI)との協働供給で顧客対応力を強化。
- 価格改定の浸透と製品ミックス改善で採算を維持・改善。
- 業績予想(会社計画、修正なし):2026年3月期 売上高 2,453億円(+4.1%)、営業利益 198億円(+7.1%)、純利益 132億円(+5.5%)、EPS 162.89円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:量販・生鮮売場向けの定常需要+新素材・軽量化による付加価値。回収材の再利用でコスト・環境両面の効果。
- 適応力:
- 原材料高や物流費上昇には価格改定・軽量化で対応。
- 消費数量の変動には、製品ミックスや販路拡大で緩和。
- 規制面ではリサイクル・軽量化の取り組みが整合的。
- リスク:原料・エネルギー価格の変動、数量環境の弱含み、新素材の量産化・投資回収進捗。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:軽量化設計、再生材安定化、透明容器(APET/OPET)、新OPP素材の開発など。
- 主力領域:弁当・惣菜容器、食品トレー、透明容器、関連包装資材。2026期1Qは価格改定と軽量化・エコ製品の寄与で利益改善(軽量化・エコで+27億円寄与、一方で原料高等で▲約9億円)。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 前提(株価 2,573円):
- PER(会社予想):15.8倍(EPS 162.89円)。
- PBR(実績):1.36倍(BPS 1,895.33円)。
- EV/Sales(LTM概算):EV ≒ 2,795億円(時価総額 2,176億 + 有利子負債 811億 − 現金195億)/売上 2,383億円 ≒ 1.17倍。
- 業界平均との比較(参考):
- 業界平均PER 20.4倍に対し同社PERは低位(=同指標では低水準)。
- 業界平均PBR 1.1倍に対し同社PBRは上回る。
- 参考レンジ計算(単純比較):
- PER基準(業界平均20.4倍×EPS162.89)→ 約3,324円。
- PBR基準(業界平均1.1倍×BPS1,895.33)→ 約2,085円。
- 指標により示唆は分かれるため、総合評価は中立寄り。
7. テクニカル分析(短期)
- 52週レンジ:2,563〜3,225円。現値はレンジ下限付近。
- 移動平均:50日線 2,646.8円、200日線 2,799.9円。現値は両線を下回る。
- 直近10日値動き:終値は2,640円台→2,573円へ弱含み。出来高は概ね20万株前後。
- 信用動向:信用買残 15.5万株(前週比+2.37万)、信用倍率 9.75倍。買い残の積み上がりは需給面の振れ要因。
8. 財務諸表分析
- 成長性:
- 売上高(FY):1,957億円(2022)→2,113億円(2023)→2,221億円(2024)→2,356億円(2025 LTM)で拡大。3年CAGR ≈ +6.4%。
- 2026期1Q 売上 +4.9%、営業利益 +79.4%、純利益 +93.0%(価格改定とミックス改善が寄与)。
- 収益性(LTM):
- 粗利率 ≈ 31〜32%(データによる):Gross Profit 7,552億円/売上 2,383億円。
- 営業利益率 ≈ 6.8%(指標データ)、EBITDAマージン ≈ 14.6%。
- 純利益率 ≈ 5.8%。
- 効率性・資本性:
- ROE 8.36%、自己資本比率 52.5%。
- ROA(概算)≈ 4%台(純利益/総資産)。
- 有利子負債/自己資本(D/E)≈ 52.7%、流動比率 1.20倍。
- 金利負担は軽微(EBIT 1,848億円/利息費用 19.8億円 → 利払カバレッジ高水準)。
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF 265.5億円 > 純利益 138.4億円でキャッシュ創出は安定。
- 1Qは在庫増・設備投資で投資CFマイナス、現金同等物は期末195億円。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年61.5円(中間21.5円、期末40.0円、予想変更なし)。現行利回り約2.39%(株価2,573円)。
- 配当性向(実績ベース):約40%(61.5円/EPS 154.46円)。
- 5年平均配当利回り:1.67%(参考データ)。
- 自己株式:4.4%保有。足元で新たな自己株買いの記載は確認できず(データ上)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:-8.61%、β(5年)0.14と低ボラティリティ。
- 直近は移動平均線下で弱含み、配当前の需給や数量環境、原材料動向が短期の注目点。
- 直近イベント:権利落ち日 2025/9/29。今後の決算発表 2025/10/31 予定。
11. 総評
- 需要の下支えがある食品容器分野で、価格改定・軽量化・リサイクルを軸に利益率を改善。1Qは計画超の進捗。
- コスト上昇や数量環境の不透明感は続く一方、回収・再生のインフラと新素材開発は中長期の競争力に寄与。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは平均を上回る。テクニカル面ではレンジ下限近辺かつ移動平均線下で推移。
- 財務は自己資本比率5割超、利払負担軽く、営業CFも安定。中期の新工場・新素材投資の進捗が注目材料。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A(LTM売上 +6%前後、3年CAGR約+6%、1Qも増収)
- 収益性:B(粗利率約31%、営業利益率約7%・EBITDA約15%)
- 財務健全性:A(自己資本比率52.5%、D/E約0.53、カバレッジ高)
- 株価バリュエーション:B(PERは業界平均以下、PBRは平均超で総合中立)
(注)本レポートは提供データに基づき作成。不明点・乖離のある数値は会社公表資料の更新等で変動する可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 7947 |
企業名 | エフピコ |
URL | http://www.fpco.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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