以下は、株式会社総合商研(7850)に関する企業分析レポートです。
1. 企業情報
株式会社総合商研は、北海道札幌市に本社を置く情報コミュニケーション企業です。事業内容は大きく分けて「商業印刷」と「年賀状印刷」の2つが柱となっており、特に年賀状印刷では国内でトップシェアを誇っています。折込広告の企画制作も主力事業の一つで、スーパーマーケットを主要顧客としています。近年では、印刷事業で培ったノウハウを活かし、Web・SNS・動画などのデジタル制作、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業、地方創生支援、ITソリューション、AR(拡張現実)販促サービスなど、事業領域を多角化しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
総合商研は、年賀状印刷においてトップシェアを持つことで、特定のニッチ市場で強い競争優位性を持っています。しかし、業界全体としては、紙媒体の需要減少、原材料・エネルギー価格の高止まり、価格競争の激化といった課題に直面しています。同社は、従来の印刷事業を維持しつつも、Web・SNS・動画制作といったデジタル分野やBPO事業への進出を加速しており、市場ニーズの変化への対応を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、アナログ(印刷)とデジタル(動画・Web・SNS)を一体化した総合的なマーケティングソリューションの提供への転換を進めています。具体的な施策としては、以下の点が挙げられます。
* 業務効率化と生産性向上: 業務の内製化、デジタル技術やAIの活用。
* 戦略的設備投資: 最新設備の導入による生産能力向上とコスト削減。
* 資産の効率運用: 投資有価証券や固定資産の最適化。
* 新規顧客獲得と事業領域拡大: 営業体制の強化、BPO事業および地方創生支援分野の育成と拡大。
これらの取り組みにより、事業の安定化と持続的な成長を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、依然として商業印刷と年賀状印刷が大部分を占めています。しかし、年賀状需要の減少や郵便料金の値上げ、商業印刷における折込チラシ需要の低下といった市場ニーズの変化に直面しています。これに対し、Web・SNS・動画制作などのデジタル販促、BPO事業、地方創生支援サービスといった新たな事業分野を育成することで、収益源の多角化と事業モデルの変革を進めています。これらの新分野への適応力が、今後の持続可能性を左右する重要な要素となります。
5. 技術革新と主力製品
総合商研は、ITソリューションや拡張現実(AR)を活用した販促サービス、LED野菜の栽培など、多様な技術開発に取り組んでいます。中でも、アナログとデジタルを融合させた総合的な情報コミュニケーション事業に注力しており、Webサイト制作、SNS運用、動画コンテンツ制作などを自社で行う体制を強化しています。現在の収益を牽引しているのは商業印刷(66%)と年賀状印刷(33%)ですが、今後はデジタル関連サービスやBPO事業が成長の柱となることが期待されます。
6. 株価の評価
現在の株価845.0円を各種指標で評価します。
* PER(会社予想): 7.57倍
* PBR(実績): 0.81倍
会社予想EPS111.69円に基づくPERは7.57倍、実績BPS1,046.31円に基づくPBRは0.81倍です。情報通信・サービスその他業界の平均PERが10.0倍であることと比較すると、PERは業界平均より低い水準にあります。PBRは業界平均0.5倍と比較すると高い水準です。
7. テクニカル分析
現在の株価845.0円は、年初来高値1,055円と比較して安値圏にあり、年初来安値813円に近い水準です。直近10日間の株価推移を見ると、898円から845円へと下降傾向にあり、50日移動平均線(890.30円)と200日移動平均線(891.59円)をいずれも下回っています。これは、短期・中期的に株価が下落基調にあることを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は150億円台で推移しており、直近の2025年7月期は162.3億円と微増(前期比+2.8%)。次期予想もほぼ横ばいです。
- 利益: 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、2022年7月期を底に2023年、2024年、そして2025年7月期と順調に回復・増加傾向にあります。2025年7月期の営業利益は3.51億円(前期比+38.6%)、当期純利益は3.19億円(前期比+16.5%)と大幅な増益を達成しています。
- ROE(実績): 10.63%(過去12か月)、10.7%(2025年7月期)と、資本効率は比較的良好です。
- ROA(過去12か月): 2.81%。
- 自己資本比率(実績): 39.3%(2025年7月期)。40%を下回るものの、概ね健全な水準です。
- 流動比率: 1.19(直近四半期)。短期的支払い能力は確保されています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは、2025年7月期に6.10億円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュフローは設備投資などにより△1.57億円、財務活動によるキャッシュフローは借入金返済などにより△3.32億円となっています。現金及び現金同等物の期末残高は12.98億円と増加しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025年7月期は特別配当(10.00円)を含め年間30.00円の配当を実施しました。配当性向は28.1%です。2026年7月期は通常配当のみの年間20.00円を予想しており、配当性向は17.9%となる見込みです。
- 配当利回り(会社予想): 2.37%(予想配当20.00円に基づく)。
- 自社株買い: 明示的な自社株買いの計画に関する記載はありませんが、自己株式を保有しています。
配当は利益水準に応じて実施されており、2025年7月期は好業績を背景に特別配当を実施しました。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降傾向を示しており、移動平均線も下回っています。出来高も少ない日が多く、現在の投資家関心は高くない可能性があります。信用取引においては信用買残が信用売残を大きく上回っており、需給面では将来的な売圧力となる可能性もあります。企業業績の回復や、デジタル・BPO事業の成長が明確になれば、改めて投資家の関心を集める可能性があります。一方で、年賀状需要の減少や原材料価格の高騰、価格競争といった構造的な課題や、郵便料金改定、国際情勢の不安定化といった外部要因が株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
総合商研は、年賀状印刷における強固な基盤を持ちつつも、紙媒体需要の減少という構造的な課題に直面しています。これに対応するため、デジタル販促やBPO事業といった成長分野への転換を積極的に進めており、2025年7月期は大幅な増益を達成し、転換の兆しを見せています。株価は安値圏にあり、PERは業界平均より割安水準ですが、PBRは業界平均を上回っています。財務状況は概ね健全で、利益成長に応じた配当も行われています。今後、新事業が収益貢献を拡大し、事業構造転換が成功するかが注目されます。
12. 企業スコア
- 成長性: B(売上は微増に留まるが、利益は直近で大幅な増加傾向を示している)
- 収益性: B(売上高営業利益率2.2%は特段高くなく、業界平均と比較する情報がないため、中立的な評価)
- 財務健全性: A(自己資本比率39.3%、流動比率1.19、D/Eレシオ89.16%と各指標は概ね健全な水準を維持している)
- 株価バリュエーション: B(予想PER7.57倍は業界平均10.0倍と比べ割安感がある一方、PBR0.81倍は業界平均0.5倍と比べると割高な水準であるため、総合的には中立的な評価)
企業情報
銘柄コード | 7850 |
企業名 | 総合商研 |
URL | http://www.shouken.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。